英語の本は難しそう?いいえ、そんなことありません、絵本ですから。英語が苦手なお父さん、お母さんでも大丈夫。お子様と一緒に英語を楽しめる絵本をご紹介します。
実は私、英語が苦手でした。
それというのも、「ネイティブの発音を真似するのが恥ずかしい」とか、「片言で話すのが恥ずかしい」とか、思春期らしい羞恥心を発端として、いつの間にか苦手意識が染み付いてしまったからだと思います。
「英語教育は幼児期からが良い」とよく聞きますが、最大の利点は「英語に対してポジティブになれる」ということです。
子供にはまだ、間違うことは恥ずかしいなんて感覚はありませんから、トライ&エラーに恐れなんてありません。
実際、英語に対して苦手意識などのネガティブな印象を抱かずに成長すると、英語に対して「興味がある」「得意」と感じる子の割合が増えるという統計データもあります。
また、幼児期の英語教育の利点は、何と言っても「楽しい」ことです。
ネイティブの英語教育では、韻を踏む「ライミング」(ラップのアレですね)や、音のリズム感を楽しむ早口言葉などが意識的に取り入れられているそうで、それは童謡などを見ても感じられます。
幼児向け英会話教室を見学された方なら、子供たちがみんな笑顔でキャッキャとはしゃぎながらお歌を唄ったり、音楽に合わせて踊ったりしているのをご覧になっているでしょう。
つまり、幼少期から始める英語教育は「楽しい」のです。
2020年度の小学校5、6年生から、英語が正式な教科となります。私たち親世代と比べると、確実に英語教育環境が変わってきているのです。
それなら、私たち親世代も子供と一緒に英語を楽しんでみませんか?
そういうわけで、英語が苦手な人でも子供と一緒に楽しめる、1歳の子に読んであげたいおすすめ英語の絵本5選をご紹介します。
赤ちゃんはスキンシップが大好き。
パパに、ママに、飼い猫に、飼い犬に、おじいちゃん、おばあちゃん、おじさん、おばさん、お友達。色んな人と抱っこして、チューして……。
今度はキミ?抱っこ?それともチュー?
- 著者
- Leslie Patricelli
- 出版日
- 2012-12-11
「Huggy (抱っこして) Kissy (チューして)」とでも訳しましょうか。赤ちゃんが色んな人や動物と、抱っこして、チューして、スキンシップを楽しむ絵本です。
もう、絵から、内容から、とにかく可愛い!可愛いが絵本から溢れ出ています。
可愛さを強調している点の一つが「赤ちゃん言葉」で、語尾を「y」や「ies」に変化させることで響きを可愛くしているんです。
日本語でも「でちゅ、まちゅ」など、響きを可愛く変化させて赤ちゃんに話しかけていますよね。
ネイティブの英語教育では、韻を踏んだりして、リズムやテンポを重視していると前述しました。この赤ちゃん言葉がふんだんに登場することで、自然と語尾で韻を踏む形となり、絵本全体の文がとてもリズミカルになっています。
頭でっかちな私たち大人は、分からない単語があるといちいち辞書で調べようとしてしまいますよね。しかし赤ちゃん言葉に変換されていることを踏まえずに調べると、とんでもない意味の言葉が出てきてしまうこともあるのです。分からなかったら絵を見て、ニュアンスだけで読み進めるのもアリでしょう。
子供が言葉を覚えていく時も、「ニュアンスだけ捉えた言葉をとりあえず使ってみる」というのを繰り返し、正しい意味を理解していくものです。
英語の赤ちゃん言葉の可愛らしい響きとリズムを楽しみながら、お子様とスキンシップをいっぱいしていただけたら、と思います。
迷子のお猿さんは、色んな動物親子のハグを見て、何だか淋しくなってしまいます。
象の親子とママを探しますが、仲良し親子のハグを見る度、どんどん淋しくなって……。
- 著者
- Jez Alborough
- 出版日
- 2009-08-11
この作品は、もう「これぞ絵本!」という絵本です。
何せ、出てくる言葉が「Hug」しか無いのですから、リズムも無ければ韻の踏みようもありません。同じスキンシップを題材とした絵本でも、『Huggy Kissy』とは全然違いますね。
こちらは、とにかく絵で状況を表現していて、色んな動物の親子が笑顔でハグしている様子が繰り返し描かれているのです(ヘビは絡まっているようにしか見えませんが)。
やがて、迷子のお猿さんはママと再会してハグするのですが、心配そうに見ていた動物達から、「おめでとう」のハグの大合唱になります。
同じ単語でも、画面から感じたニュアンスで、「嬉しい」ハグや「楽しい」ハグ、「悲しい」ハグなど、感情を乗せて読んであげることで、1歳のお子様にも何かが響くのではないでしょうか。
「今日はなにする?」
2匹のネズミくんたちは、朝からワクワク。
日が暮れるまで、時間はいっぱい。あれをしようか、これをしようか、迷っちゃう!
- 著者
- Leo Lionni
- 出版日
- 2003-08-12
『じぶんだけの いろ』のレオ・レオニが描いた絵本で、日本語版も発売されています。この英語版と日本語版、両方を揃えて対訳としてお楽しみいただくのもアリかもしれません。
内容は実にシンプルで、2匹のネズミくんたちが朝起きてから「今日は何をして遊ぶ?」と相談するお話です。
子供の頃、朝起きてから眠るまでの時間って、とても長かったですよね?お昼寝をはさんでも「まだこんなに時間がいっぱい!」って感じた記憶、皆さんにもありませんか?
1歳の子供にとっては1日が終わるまでの時間ですら、それこそ無限の可能性が拡がっているのです。
英語で書かれてはいますが、とても簡単な文なので、素直に物語を楽しめるかと思います。
純粋な絵本として、2匹のネズミくんの「今日は何する?」というワクワクを、お子様と一緒にお楽しみ下さい。
この絵本に物語なんてほぼありません。この絵本にあるのは、音の心地良さです。
音読してみると、その音のリズムが心地良く、クセになっていきます。
- 著者
- Dr. Seuss
- 出版日
- 2004-01-27
英語圏では、幼稚園くらいから「Phonics(フォニックス)」という発音の授業があるそうで、アルファベットの書き取りよりも、まず発音を覚えることを重視するそうです。
みなさんもやったことがあるのではないでしょうか。「L」と「R」の違いや、「th」の発音、「V」と「F」の発音……それらを重点的に先に覚えることで、初めて見る綴りの単語も大体読めるようになるといいます。
「Phonics」の次に習うのが3文字の綴りからなる「Three Letter Words」で、複数の似たような発音の単語のグループを作り、リズムとともに覚えるのです。
その後にも、英語学習では段階ごとに様々な手法を使って学習していくのですが、この絵本はその手法をなぞりつつ、自然と学習できるように構成されています。
本作品は、この手法を使って英語学習本として巧くまとめられていますが、純粋に絵本として見ても楽しいのです。
前述の通り、ほぼ物語りは無く、発音とリズムで楽しさを演出しているのですが、ところどころでおかしな話が交えられていて、それがまた楽しんで読める仕掛けになっています。
学習面の内容だけ考えると幼児向けかもしれませんが、読み聞かせる分には、1歳のお子様の耳にも心地良く、充分お楽しみいただけるはずです。
「AはAppleのA」というようにアルファベットを学ぶ絵本。
日本でいうところの「あいうえおの絵本」ですね。
- 著者
- Georgie Birkett
- 出版日
言語学習では、英語学習で多用しているリズムで覚えるなどの他に、「絵と一緒に覚える」と効率が上がるという研究結果があるそうです。
日本語でも、ひらがな五十音の絵本がありますし、幼児向けひらがなドリルなどにも絵がふんだんに使われていますね。
この絵本は、アルファベットをなぞって楽しみながら覚える、体感型絵本です。アルファベットはひらがなよりも遥かにシンプルな形が多いので、ひらがなの前にやる運筆の練習にもなりそうですね。
さて、「そういうお勉強じみたことは、4歳ぐらいからでいいんじゃないの?」と思ったあなた。そのご意見はごもっともですが、1歳の子にもおすすめする理由がちゃんとあります。
赤ちゃんは五感がとても敏感です。当然、触覚も敏感で、手で触れたり、手を動かしたりという刺激が、赤ちゃんの脳にとても良い刺激になります。
つまり、この時期にこういった絵本を見ながらアルファベットの形をなぞったりしていると、それだけで視覚、触覚、手の動きという刺激を受けることになり、赤ちゃんの脳の成長にも大きなメリットとなるのです。
ぜひ、お子様の手を取って、一緒になぞってお楽しみ下さい。
「1歳の子に読んであげたいおすすめ英語の絵本5選」いかがでしたか?
「英語が苦手で苦労したから、子供には早めに英語に触れさせて、私みたいにならないようにしてあげたい」と思うのも親心です。しかし、洋書の絵本は、大きな書店にでも行かないと、なかなか出遭えるものではありません。
日常生活の中で、普通の絵本を探してあげることすら、時間が取り辛い親御さんには、遠出しなくては探すことすら出来ないというのはハードルが高かったはずです。しかし近年はネット通販の普及で、実店舗に出向かなくても手軽にクリック1つで買えるようになりました。
あとは中身をどう吟味するか、です。この記事を読んで、ぜひ洋書の絵本を選ぶ際の参考にしていただければと思います。