多田ヒロシのユーモア溢れる絵本おすすめ5選!

更新:2017.6.5

多田ヒロシの絵本は、可愛いイラストに好奇心をそそる展開のストーリーで、言葉遊びもたっぷりと詰まっていてどれもユーモアが溢れています。小さなお子さんから一緒に楽しめる5冊をご紹介します。

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漫画家志望から一転した絵本作家、多田ヒロシ

1937年東京生まれの多田ヒロシは、元々は漫画家を目指していました。新人時代はカラー表紙を描く仕事が多く、そこから色を使った漫画を描きたいと願うようになります。当時、漫画家の長新太が絵本作家として活動をしており、その影響も受け、色が使える絵本作家へと転向するのです。

多田ヒロシの作品は、可愛らしいイラストにユーモアたっぷりの展開がわかりやすく表現されています。まだおしゃべりができない赤ちゃんから楽しめる絵本もあり、お気に入りの一冊として小さな子どもたちとそのお母さんたちに愛される、時代を超えたロングセラー作品が多いのも特徴です。

ポップな作風が魅力の多田ヒロシ絵本『おんなじ おんなじ』

ブタのぶうとウサギのぴょんは、靴も帽子も洋服も同じです。仲良しの2匹は好きなものも同じ。お互いが、「これならきっと持っていないだろう?」と消防自動車や飛行機のおもちゃなどを見せ合いっこをします。

着るものもおもちゃも同じ2匹が違っていたところはどこでしょう?大きくシンプルなイラストが、ハッキリした色合いで描かれているのも可愛らしい、幼児向けの絵本です。

著者
多田 ヒロシ
出版日
1968-07-01

「おんなじ おんなじ」という幼児にもわかりやすいフレーズで、仲良しの2匹が手に持っている物を見せ合いっこするお話です。消防自動車や、飛行機、車なども出てくるので、小さな男の子たちのお気に入りの一冊になるかもしれません。

サインペンで描いたようなハッキリとした絵のぶうとぴょんはとても可愛らしく、お話の内容も安心して手に取れる絵本です。簡単な言葉を理解し始めた月齢の赤ちゃんにも、十分楽しむことができるでしょう。親子で「おんなじ おんなじ」と指さしっこをしながら、物の名前を憶えていくにもいいですね。

ユーモア溢れるハプニング『くらべっこ くらべっこ』

太っちょのネズミと痩せっぽちのネズミが、何でも「くらべっこ くらべっこ」。登場するのは、大きい風船を手に持つネズミと小さい風船を持つネズミ、坂道をさっさと駆け上がるネズミと自転車をフーフー言いながら漕いで行くネズミなど……。

シンプルで可愛いイラストが、大きい・小さい、高い・低い、早い・遅い、多い・少ない、長い・短い、といった違いを幼児にも分かりやすく理解させる絵本です。2つを比べた後に起こるハプニングにもユーモアが溢れています。

著者
多田 ヒロシ
出版日
2016-09-15

アメリカのグリーティングカードに描かれていそうなネズミのイラストが可愛らしくて、思わず手に取りたくなる絵本です。「ねずみさんがくらべっこ。どっちが大きいかくらべっこ。」というリズミカルな文章と2匹のネズミの姿に、読んでいる子どもたちは「こっち!」と張り切って指をさすでしょう。でも次のページでは必ず何かのハプニングで、選んだネズミが正解ではなくなります。

高く積んでいた積み木が「がらがらがっしゃん」と崩れる音や、集めた落ち葉が北風に「ぴゅー」と飛ばされてしまうなど、ハプニング発生のときの音が他の文字と違うスタイルで書かれていて、読み聞かせをするお母さんたちも楽しい気持ちになるでしょう。最後のページではスキーで転んだ二匹が笑い合い、「おんなじ おんなじ。」とどこかで聞いたフレーズで終わることにも、多田ヒロシのユーモアのセンスが光ります。

幼児も楽しめる多田ヒロシの動物絵本『だれかしら』

「きょうはうれしい誕生日 ともだちいっぱい来るかしら」と2歳のぼくは楽しみにしています。するとドアをノックする音が聞こえ、誰かが訪ねて来たようです。「とんとんとん お友だち 誰かしら」というリズミカルな文章と、ドアから少しだけ覗く顔が、次に来る動物を予測させワクワクします。

著者
多田 ヒロシ
出版日
1972-06-20

もも色のドアの向こうには誰がいるのかな?と期待させる内容と、動物たちが次々にやって来て「お誕生日おめでとう」と何度も言ってくれるお話が、可愛らしいイラストにマッチしています。幼児にもお誕生日のウキウキするような嬉しい気分を運んでくるような絵本です。

ドアを叩く音も「とんとんとん」「とんとんどん」「こんこん」などと、動物によって違う工夫がされています。リズミカルに読める文章と、お誕生日祝いの嬉しい雰囲気から、子どもたちに「何度も読んで」とせがまれてしまいそうです。みんなにお祝いされて「ぱちぱちぱち どうもありがとう」と男の子が嬉しそうな顔をしている最後のページでは、きっと一緒になって手を叩いて喜ぶに違いありません。

この本は文化出版局発行の、色々な作者による「どうぶつあれあれえほん」シリーズの1冊です。多田ヒロシの作品にはこのほかに、『なにかしら』という長靴や自動車の形から、違う動物の姿を想像させる絵本があります。このシリーズは五味太郎の名作『かくしたの だあれ』なども含まれていて、どれも動物がモチーフで「あれれ?」と意外な発想をさせるユニークな良作が多くおすすめです。

ダジャレがいっぱい『わにがわになる』

タイトルどおり言葉の語呂合わせで作られたダジャレが満載の1冊です。「はちとはちとが はちあわせ」「こうもりの こもり」「いるかは いるかい」……。時に見開き両ページの縦横無尽に描かれている楽しいイラストも、ダジャレの効果を盛り上げて子どもたちの心を鷲づかみにするでしょう。語彙が豊富になってきた4歳頃からおすすめです。

著者
多田 ヒロシ
出版日
1977-02-10

大人にはどうしてそんなに面白いの?と思えるような語呂合わせに、子どもたちは大ウケして何度も何度も言いたくなるものです。この本にはそんなギャグが満載で、子どもたちには何度も読み返したくなる、楽しいお気に入りの1冊になるでしょう。

「うが うがいする」「やじろべえの あかんべえ」のページでは、鵜や弥次郎兵衛を見たことがない子どもたちもいて多少の説明が必要かもしれません。でも察しが良い子どもであれば、その挿絵から鳥やおもちゃの名前のことだと容易に理解して楽しめるでしょう。声に出して読むといっそう楽しい雰囲気になるので、平仮名に興味を持ち始めた年長さんの一人読みの練習にもおすすめです。

泣き虫さんにもおすすめ、多田ヒロシの絵本『わんわんなくのはだあれ』

『わんわん なくのはだあれ』は、ページをめくりながら、鳴き声から次に出てくる動物を当てていく内容の絵本です。泣いている動物たちのページには吹き出しの中にセリフがありません。自分で鳴き声を真似して言う楽しい作りになっています。

さて、最後に大きな声で「うえーんうえーん あーんあーん」と泣いているのはだれでしょう?お母さんの一言で、坊やの泣き声も止まります。

著者
多田 ヒロシ
出版日
1997-06-10

お話の展開はもちろん、鮮やかな色のイラストに動物の声の感じに合わせた吹き出しの形がユーモアたっぷりで、多田ヒロシがかつて漫画家志望だったという一面を感じます。モグラに向かってワンワン吠える犬の声には、うるさそうなトゲトゲした形の吹き出しを、ぶうぶう鳴くブタの吹き出しはピンク色でしっぽまで付いています。遠吠えをするオオカミはギザギザの歯を思わせる形の吹き出し、泣いている男の子の吹き出しはかなり大きくて、大声で泣いている様子を想像させるのです。

わかりやすい動物ばかりなので、子どもたちも出てくる動物を次々に当てっこをして楽しめます。鳴き真似をしながら読んでいくと盛り上がるでしょう。でも、最後に泣いている坊やにお母さんが言う一言には、驚いて本当に泣いてしまう子どももいるかもしれません。「ぼく 泣いてなんか いないもん」で締めくくるエンディングに、子どもたちもピタッと泣き止むことを期待したいお話です。

ロングセラー作品が多い作家なので、お母さんたちにも懐かしいイラストや絵本だったのではないでしょうか?いつの時代にも安心して読み与えることができ、小さなこどもたちのお気に入りの1冊になりそうな作品をご紹介しました。

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