「だるまちゃん」シリーズは名作!おすすめの絵本5選

更新:2021.12.21

見た目からして愛くるしい「だるまちゃん」が、友達や家族と繰り広げる、くすりと笑えて、温かいお話です。 子どもと眠る前のひと時に、遊びに行くぞというその前に、昔が懐かしくなったその時に、是非手にとって欲しい作品を紹介します。

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だるまちゃんはてんぐちゃんになれるかな?

うちわに帽子に、長い鼻。てんぐちゃんの持っているものって、どれも素敵だな……だるまちゃんは、てんぐちゃんの持っているものが次々とよく見えてしまいます。

そんなだるまちゃんの気持ちに、一生懸命応えようとしてくれるのがおとうさんだるまの「だるまどん」。「てんぐちゃんのようなぼうしがほしいよう」と、だるまちゃんが言えば、たちまちだるまどんは帽子をかき集め、色とりどりの、様々な形の帽子がそこには並びます。

だるまどんが一生懸命集めてくれるものに、どうも納得のいかないだるまちゃん。そこでだるまちゃんは自ら工夫を凝らし、てんぐちゃんの持つ素敵なものとよく似たものを作り上げていきます。

果たしてだるまちゃんは、てんぐちゃんの持つ素敵なものをゲット出来るのでしょうか?

著者
加古 里子
出版日
1967-11-20

おもちゃのまな板が下駄になり、お椀が帽子になり……だるまちゃんの次から次へと出てくるアイデアは、子どもの見立て遊びの様子によく似ています。前のページに何を使って見立てるのかヒントがあるので、予想しながらページをめくるのも楽しみのひとつになりますね。

人のものが良く見えてしまうことって、誰にでもあります。それを自分なりに工夫して、作り上げただるまちゃんのその過程は、お金を出して買うものよりもずっと意味のある、価値のあるものになるでしょう。

いつでも笑顔でだるまちゃんを見守るてんぐちゃんや、むすこの為に一生懸命頑張るだるまどんからもほっこりとした気持ちをもらえます。

だるまちゃん一家はおもてなしの天才!

ある日、雪遊びをしていただるまちゃんと、だるまこちゃん。だるまちゃんの落としてしまったりんごをきっかけに、うさぎちゃんとうさぎこちゃんと出会います。だるまちゃんとその家族の、優しくて、細かな気遣いたっぷり、おもてなし劇場の始まりです。

雪の遊び方がたくさん載っていて、雪の降った日に読んで欲しい絵本です。

著者
加古 里子
出版日
1977-04-01

だるまちゃんは、雪うさぎや手袋を使ったうさぎ人形を作ってうさぎちゃんたちを喜ばせます。りんごをうさぎの形に切ったり、新聞紙でうさぎの耳の帽子を作ったり、それはそれは楽しそうに家族総出でうさぎちゃんをおもてなしするのです。

一方のうさぎちゃんも、「こんにちは」「ごちそうさま」「どうもありがとう」と自然と礼儀正しい言葉が出てきます。

おもてなしの心と、気持ちを言葉に表す大切さ、そんなことを改めて教えてくれる、遊びがたくさん詰まった一冊です。「丹下左膳」や「座頭市」など、耳慣れない言葉もちらほら出てきますが、かわいい絵でなんとなく想像でき、だるまちゃんたちと一緒にクスリと笑うことができます。

小さな絵描き、その正体は?

だるまちゃんと、ペンキ屋のこども「とらのこちゃん」は黄色と赤色の土でペンキを作り、街中の道路や壁をペンキで彩っていきます。

あんまり夢中で描いていたので、ひげとらどんの車にペンキがつき怒られてしまいます。ひげとらどんの怒りは、どうしたらおさまるのでしょう……。

子供の大好きないたずら書きがモチーフの可愛い絵本です。

著者
加古 里子
出版日
1987-01-20

「売り物のペンキは遊びに使うとお父さんに怒られる」と言い放つとらのこちゃんの立派なこと!お父さんの仕事道具を遊びに使わないところ、ちゃっかり街のみんなにお店を宣伝するところ、とらのこちゃんには「さすが、商売屋のむすこだな」とクスリとさせられます。

車にぺんきをつけられ怒るひげとらどんですが、そのあとのフォローも見ていて気持ちが良いです。だるまちゃんととらのこちゃんはいきいきとした表情でのびのびと絵を描きます。ひげとらどんはよその子でも、きちんと叱り、おとうさんは頼まれた仕事に一生懸命取り組みます。いつの時代も、大切なことは変わらないなと改めて感じさせてくれるお話です。

だるまちゃんととらのこちゃんに、次々と彩られていくとらの街が、目にも鮮やかで、とても綺麗です。数えきれないほどの様々な乗り物が彩られる最後のページは、乗り物好きなお子さんにはたまらないことでしょう。

男と男のぶつかり合い!

お寺の前に立つ松の木から、松ぼっくりを落とそうとするだるまちゃんと子どもたち。どんなに松の木をたたいても、松ぼっくりは落ちてきません。

そこで出てきたのは、和尚さんの孫「におうちゃん」です。大きな体のにおうちゃんが松の木をたたくと、たくさんの松ぼっくりが落ちてきました。子どもたちの提案で力比べをすることになった、だるまちゃんとにおうちゃん。

体を使ったさまざまな遊びの勝負が続きます。どちらも一歩を譲りません。

果たして何の勝負で、どちらが勝つのでしょうか?
 

著者
加古 里子
出版日
2016-12-25

すもうや、ぼうおし、うでくみずもう。だるまちゃんとにおうちゃんの真剣勝負には、読んでいるこちらもドキドキはらはらです。

内容はもちろん、この絵本で注目したいのはそのリズムの良さ。ゆびずもうでは、「ちっちく ちっちく ちっちくちー ひっくり とっくり ちっちくちー」。また、しりずもうでは「ひく ひく ひっく たく たく たっく」。つい、声に出して読みたくなりませんか?

通りかかった犬を散歩していた女の子も、つい立ち止まって見入ってしまいます。初めのうちは、遠くから眺めていた女の子も、最後にはみんなの輪に入り、一緒にほほ笑んでいます。最後の大一番にらめっこでは、子どもたちと一緒に読んでいるこちらも思わず大笑い。

だるまちゃんの世界に飛び込んで一緒に遊んでいる気持ちになれる、そんな素敵な一冊です。

だるまちゃんの人懐っこさにほっこり

だるまちゃんはボールを蹴って遊んでいました。勢いよく蹴ったボールが見えなくなり探していると、「やまんめちゃん」に出会います。やまんめちゃんは、風邪をひいたおばあちゃんの為に薬となる草を探してました。

次の日、だるまちゃんは、おばあちゃんのお見舞いも兼ねて、やまんめちゃんのところへ遊びに行きます。

誰とでも仲良くなるだるまちゃんの人懐っこさにほっこりする絵本です。

著者
加古 里子
出版日
2014-06-05

やまんめちゃんはやまんばの娘です。やまんばと聞くと、ギョロっとした恐ろしい姿を想像しませんか。いえいえ、このお話に出てくるやまんばも、やまんめちゃんも、ニコニコした顔でとても優しい心の持ち主です。

だるまちゃんと出会ったとき、やまんめちゃんは病気になったおばあちゃんの薬(薬草)を探しているところでした。元気になったおばあちゃんは、だるまちゃんとやまんめちゃんの為に、木の葉で鳥を作ってくれました。「相手を思いやる気持ち」の大切さを、改めて感じることができるそんなお話です。

最初のページには様々な「くすりのくさ」が、最後のページには「だるまちゃんとやまんめちゃんがしていたあそび」が絵と文で紹介されています。読み終えた後には、子どもと一緒につい野原にいきたくなるかもしれませんね。

だるまちゃんのこどもらしさが、見ていて温かくなります。たくさん遊んで、たくさん考える。その中で得たものは、成長していく中で大きな糧になっていくことでしょう。温かみのある挿絵も、声に出して読みたくなる文章も、とても素敵です。是非一度お子さんと一緒に読んでみてください。

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