こぐま社から出版されている絵本おすすめ5選!ロングセラーの作品

更新:2021.12.21

こぐま社は、2016年で創業50年を迎えました!当然、ロングセラーの絵本もたくさんあります。今回は、こぐま社作品の中でも、長く親しまれている名作をご紹介します。みなさんも子ども時代にも読んだ事があるのでは?

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こぐま社の代表作「こぐまちゃん」シリーズの中でも人気の一冊!

こぐま社といえば「こぐまちゃん」シリーズが最も有名なタイトルと言っても過言ではありません。中でも「しろくまちゃんのほっとけーき」は人気の作品です。「こぐまちゃんえほん」というとまずこの作品を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。タイトルに「こぐまちゃん」がついていないのにも関わらず。

この絵本は子どもたちに人気で、45年以上も読み継がれているわけですが、その理由は、しろくまちゃんがおかあさんと一緒にホットケーキを作る過程が細かに描かれているからでしょう。

著者
わかやま けん
出版日
1972-10-15

表紙を開くとエプロン姿のしろくまちゃんが「わたし、ほっとけーき つくるのよ」と宣言してお話が始まります。本当はお母さんと作るのですが……。

用具・材料が次々と出てきます。しろくまちゃんが順序良く、そして一生懸命作っている様子を見ていると、なんだかお料理の本を見ているようです。白をふんだんに使っているためか、清潔感も表現されていますよね。

そして、一番の見どころは、見開きいっぱいにホットケーキが焼きあがる様子が描かれているページです。「ぼたあん」から始まって「はい、できあがり」まで、声に出して読むとお腹がすいてくるような擬音がたくさん出てきます。

今、子どもの語彙力が低下していると言われていますが、絵本を読むことで、子どもは言葉のシャワーを浴びます。『しろくまちゃんのほっとけーき』は子どもにとって新鮮な言葉がたくさん詰まっている素敵な絵本です。ロングセラーとなっているのもそこに魅力があるからでしょう。

もちろん、読んでいる子どもはそんなことを意識しているわけではありません。けれど、知らず知らずのうちに言葉の引き出しは増えていきます。

さて、ホットケーキができあがったところで、やっと(?)こぐまちゃんが登場です。ふたりで仲良くホットケーキを食べて、お片付けも一緒の仲良しさんです。

『しろくまちゃんのほっとけーき』を読むとホットケーキを作りたくなってきます。ぜひお子さんと一緒に「ぴちぴち」「ぷつぷつ」「ふくふく」と言いながら作ってみてくださいね。

こぐま社のもう1つの代表作。アニメ化もされた、ねこたちが大活躍する作品

こぐま社のロングセラーシリーズで「こぐまちゃん」シリーズと並んで親しまれているのが「11びきのねこ」シリーズ。その第一作が『11ぴきのねこ』です。

この作品は、こぐま社創業の翌年に発行されています。つまり、50年読み継がれている絵本です。親子二代にわたって親しんでいるご家庭もあります。「なつかしいけど新しい」、それが『11ぴきのねこ』なのです。

著者
馬場 のぼる
出版日
1967-04-01

『11びきのねこ』は冒険ものでもあります。いつの時代も子どもは冒険が大好きですよね。とらねこたいしょう率いるのらねこたちは、大きな湖にいるという怪物みたいな大きな魚をつかまえて食べようと、力を合わせます。小さいねこたちが団結して大きな魚と格闘する様子は子どもにとってハラハラ・ワクワクすること間違いありませんし、ラストのオチには大笑いしてしまうでしょう。

この作品の中には歌が出てきます。既存の曲ですが文中にはタイトルしか出てきません。「ねんねこさっしゃれ」と「大漁節」です。どちらも民謡ですが、ご存じならお子さんに歌ってあげてもいいでしょう。

「11ぴきのねこ」シリーズは絵本は7作出版されています。関連したグッズも販売されていますよ。また、作者の馬場のぼるは他にも『ぶたたねききつねねこ』『きつね森の山男』などの著作を多数こぐま社から出版しています。ぜひ、シリーズと合わせて読んでみてくださいね。

女の子の定番絵本!一着のワンピースから夢の世界へ……

女の子はおしゃれが大好き。そんな女の子に人気のロングセラー作品が『わたしのワンピース』です。初版から40年以上経っていますが、今でも保育園・幼稚園の女児のお気に入りの絵本として挙げられています。

「ワンピース」という言葉には特別感がありますよね。普段着とは違うお洋服。その言葉だけで子どもは引き寄せられますし、内容もとてもロマンチック。「女の子の夢」が形になった絵本なのです。

著者
にしまき かやこ
出版日

『わたしのワンピース』の表紙をまずご覧ください。うさぎさんがミシンがけをしています。この表紙と同じ場面は数ページめくると出てきます。空から舞い降りてきた白い布でワンピースを作るところなのです。

うさぎさんの作った真っ白なワンピースは、さまざまな模様に変わります。「こんなワンピースがあったらいいなあ」と読んでいる子どもは思うことでしょう。一種の「変身」と言ってもいいですね。

男の子だけではなく、女の子にも変身願望があります。「セーラームーン」「プリキュア」が人気なのも「普段と違う自分」に憧れるからでしょう。ワンピースそのものがおしゃれなアイテム。そのワンピースがさらに魔法のようにいろいろな姿を見せてくれるとしたら……そんなことを考えるだけでも楽しくなりますよね。

もしかしたら、このお話はミシンがけをしているうさぎさんの想像の世界なのかもしれません。「こんなワンピースを作ろうかな?」「あんな模様になるといいなあ」と夢を膨らませている姿が表紙のうさぎさん。絵本の中身そのものがうさぎさんの「夢」なのでは……そんなことまで考えてしまうファンタジックな作品です。

こぐま社には、にしまきかやこの作品はまだまだあります。まど・みちおの詩に絵を描いた「ぞうさん」や「だっこして」「ないているこ だあれ」などもぜひ合わせて手に取ってみてくださいね。

あなたも「あはは」と笑ってみましょう!

お天気のいい日って気持ちいいですよね。まるでおひさまが笑っているみたい。『おひさま あはは』は絵本そのものが太陽のように明るくて、読んだ後に笑顔になってしまう作品です。

作者の前川かずおは幼児誌・児童誌のイラストで見慣れていた世代の方もいらっしゃるでしょう。もともとは漫画家ですが、絵本作家としても活躍しています。

この作品は、他の前川作品と違い、輪郭を黒で描いていないのが特徴です。

著者
前川 かずお
出版日

この『おひさま あはは』が「太陽のように明るい」と感じるのは、ページ全体が黄色・オレンジ・白を中心とした色使いになっているからでしょう。他の色も明るいトーンで、暗い色は必要最低限な部分(文字・子犬の鼻の頭・目・髪の毛など)しか使っていません。

この絵本からは太陽の光を浴びているように明るさや暖かさが伝わってきます。そして登場人物はみんな笑っています。おひさまはもちろん、木も小鳥も虫も犬も魚も猫の親子も「あはは」と笑っているのです。

あら?寝起きの坊やがムスッとしているけれど…この坊やは「あはは」って笑ってくれるのでしょうか…?

『おひさま あはは』は読んでいる側も笑顔になってしまう作品です。声に出して読むときは、ぜひ「あはは」を楽しそうに読むとなお楽しくなるでしょう。不思議なことに、楽しそうに読んでいるといつの間にか笑顔になっているご自分に気が付くでしょう。

読み手も、聞き手も暖かい気持ちになるとってもハートフルな絵本です。

前川かずおのこぐま社作品は「絵巻絵本 川」もありますので、ぜひこちらもご覧になってみてくださいね。

かわいいねずみさん、ながーいパンを持ってどこにいくの?

シンプルな文章の絵本は、親子のふれあいにピッタリです。この『ねずみさんのながいパン』もその一冊。シンプルだからこそ、お子さんは本能的に絵から情報を引き出そうとします。大人では気づかない発見があるかもしれません。

表紙を見ると、ねずみさんが長いパンを持ってどこかに行こうとしています。なんだかあぶなっかしいですね。ねずみさんはどこに行きたいのかな?
 

著者
多田 ヒロシ
出版日

この作品の本文は問いかけが繰り返される形になっています。いろいろな動物さんのおうちの前を通るたびに「ねずみさん どこにいくのかな?」「このうちかな?」と尋ねます。

お子さんに読んであげる時は、ゆっくりと絵を見せながら、「ねずみさんどこにいくんだろうね?」「これは誰のおうちかなあ?」と尋ねながら親子の時間を楽しんでください。絵本の読み方は一通りだけではありません。絵本を通して親子がふれあう事もできるのです。親子のふれあいはお子さんの情緒が育つ大地のようなもの。良い絵本にはそんな力があります。

「ねずみさん」はシリーズ作品がありますので、ぜひ、そちらもご覧になると楽しいですよ!また、こぐま社の他の多田ヒロシの作品としては「ぶうとぴょんのえほん」シリーズ、「わにがわになる」「ふたりの王さま」などが出版されていますので、そちらも合わせて読んでみてくださいね。

こぐま社のロングセラー作品を5冊、ご紹介しましたが、お子さんには「これ、お母さん(お父さん)も子どものころ読んだんだよ」とお話してもいいですね。こぐま社の絵本はここにご紹介しきれないほどたくさんの良作があります。ぜひ、こぐま社の絵本をお子さんと一緒にお楽しみください。

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