気になる同級生がいても、別の先輩にドキドキしたり、年上が好きなのに、年下の後輩にキュンとしてしまったり、恋のベクトルはどっちに向かうか分かりません。そんな先輩・後輩それぞれとの恋模様に、心がつかまれるおすすめの恋愛漫画を5つご紹介します。
高校の男子バスケ部を舞台にストーリーが展開する本作は、クールな女子マネージャー・町田由希と、ポーカーフェイスなバスケ部エース・成瀬翔の恋模様を描いたラブコメディです。
恋する先輩の傍にいたい、という不純な動機から男子バスケ部のマネージャーになった由希ですが、その先輩に彼女ができたことが発覚! 1人部室で泣いていたところを、生意気な後輩の成瀬に見られてしまって……?という展開から2人の不器用な恋は動き出します。
- 著者
- ミユキ蜜蜂
- 出版日
- 2014-05-20
まず、主人公由希のキャラクター設定が秀逸なんです。5人の弟妹を持つ由希は、長女らしい「しっかり者さ」や「真面目さ」、「我慢強さ」という性格が全面に押し出されています。そんな彼女の性格をふまえ、部活をはじめ色々なことに一生懸命な由希の姿に、こちらも共感を覚えるんですよね。
さらに、由希の普段のツンツン具合と、ふとデレた時とのさじ加減が絶妙です。何でも我慢するクセがついてしまって、自分の感情を表に出さず常にクールな由希ですが、生意気で強引な成瀬に迫られて、だんだんと自分で固めた武装が溶けていく様子が可愛くてたまりません。
成瀬が、怒った顔や泣いた顔だけでなく、由希の笑った顔も見てみたいと思う気持ちがよくわかります。
隙のない由希が、たまに見せる弱い部分に成瀬だけでなく読者もキュンとするくらい、由希のことが可愛くなってしまう1冊です。
ひょんなことから、バスケ部員とそのマネージャー、という垣根を超えた交流が生まれることになった由希と成瀬ですが、この2人がどのように恋を育んでいくのか、最後まで目が離せません。
『なまいきざかり。』については<「なまいきざかり」が無料!肉食系後輩男子の魅力を11巻までネタバレ紹介!>で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
5人姉弟の長女でありながら、一家の「お母さん」的なポジションを確立している主人公の七草美幌は、母親のお弁当を作ったり、朝から揉める弟たちをなだめたり、末っ子の面倒をみたりと毎日忙しい日々を送っています。
ある日、美幌は、学校に向かう途中の道端でうずくまっている男の子・宮尾智英を見つけて……という冒頭から始まる『年下の男の子』は、そんな美幌と智栄の心の交流を描いたラブストーリーです。
- 著者
- ひろ ちひろ
- 出版日
- 2015-09-25
主人公・美幌が、どこにでもいる普通の女の子として描かれているところが良いんです。しっかり者だけど、どこか抜けていて憎めない、そして笑顔がめちゃくちゃキュートな美幌。何かあると「へへっ」と本当にうれしそうに笑う美幌に、智英の感情が動かされていく場面も、見どころの1つです。
年下で人懐こく、無邪気な智英に弟を重ねて、弟のようにかわいがっていた美幌。しかし「ねぇ 俺 年下だけど弟じゃないから」と智英が告げるように、彼がちゃんと「男」だということを美幌が初めて意識するシーンも印象的ですよ。
智英に惹かれる美幌と、美幌を大好きになる智英の2人の淡い恋模様は、もどかしいけどいつまでも見ていたいような幸せな気分を味わわせてくれます。2人の行く手に待ち受ける結末を、ぜひ楽しんでほしい1冊です。
今年こそ、7年間の片想いに決着をつけるべく、年上の幼馴染・潤に告白しようと決意した主人公・直と、1つ年下の後輩・碧人との恋模様を描き出しているのが『こんなわたしをかわいい、なんて』です。
初恋相手の潤に彼女ができたことを知り、自暴自棄な気分でバレンタインに用意したチョコを投げてしまう直ですが、後輩男子・碧人がそれを受けとめて……というシーンから物語が動き出していきます。
- 著者
- 菅田 うり
- 出版日
- 2017-03-13
恋に対してあまのじゃくで、自分のキャパシティを超えると暴走する傾向のある直。そして、そんな直に対して好意を隠さない、素直で自由な碧人との甘酸っぱい恋の行方が気になります。
碧人に振り回されながらも、次第に碧人の存在が大きくなっていくことに戸惑う直の気持ちの描写も丁寧で、共感を覚えるんです。
また、直に好意を抱きながらも、潤に恋する直を応援する碧人の、天真爛漫で自由なだけではない男気も魅力的です。さらに、実は潤も、直に対してある種の感情を抱いているようで……?と、三角関係の要素も盛り込んでおり、読み応えたっぷりです。
直と碧人と潤の3人の関係がこの先がどうなってゆくのか、楽しみながら読んでほしいです。
家が貧乏ゆえに、エリートを目指す高校一年生のあんずと、1つ年上の山咲先輩とのゲスい会話を楽しみながら育まれる恋模様にキュンとするラブコメディです。
将来は年収1千万円を稼ぐという夢を持つ主人公・あんずは、そのためのステップとして1年生で生徒会長になることを目指します。しかし、2年の山咲先輩に敗れて副会長になってしまう、というところから物語が展開していきます。
- 著者
- 星谷 かおり
- 出版日
- 2016-06-24
「人の上に立って世界を見下ろしたいと思ってます」と抱負を語る生徒会長の山咲先輩、なかなかにクズな性格です。そんな会長をはじめ、クセモノ揃いの生徒会で、ひたすら「年収1千万」の目標へ向かって一直線なあんずのサバサバした性格が心地よい爽快感を漂わせています。
貧乏ゆえ、家に出たゴ○ブリを退治するシーンなんて、怖がる山咲先輩との対比がすばらしく、あんずの男前な一面を見ることができますよ。
また、物語のわりと早い段階で、山咲先輩があんずを意識しているような描写が出てくるのですが、その描写があることで「人を見下ろしたい」とか言って偉そうにしている山咲先輩が、可愛いく感じるんです。あんずと親しげにしている男子生徒にやきもちを焼いたり、意識してちょっと威張ってみたり、とナチュラルに子どもっぽいところが憎めません。
淡白な性格だったあんずが、周囲のゴタゴタに巻き込まれるうち、だんだん自ら人と関わるようになっていく展開も読み応えがあります。
あんずと山咲先輩、2人の関係がうまくいくように、と陰から応援したくなるほんわかラブストーリーです。
高校入学から2か月を迎えたある日、自分の机にラブソングの歌詞が書いてあった……という冒頭から展開する本作は、先輩×後輩のスクールラブを堪能することができます。
主人公・世里奈が、机に書かれたラクガキに返事をしたことから、それまでまったく知らなかった人間同士が交錯して恋心を育んでいく、というストーリー展開が見事です。
- 著者
- 馬瀬 あずさ
- 出版日
- 2016-11-11
世里奈の机のラクガキは1つ年上の水川先輩が書いたものと判明し、世里奈は水川先輩が気になりだします。でも、先輩は冷たいし、自分のことなんて知らないし、脈はゼロ……。だけどめげずに自分から告白する世里奈のバイタリティあふれる行動が、やがて全体を動かしていきます。
知り合って、というか水川先輩が世里奈を意識しだして10分で付き合い出す2人。展開が早いです。名前も知らない状態の2人は、付き合い出してからお互いを知っていくことになります。ここからの展開で分かるのが、冷たいように見えて、本当はとってもやさしい水川先輩の人柄です。
「暑いって言いつつ駅まで迎えにきてくれる」とか、「ほんっと毎分やさしい」というように、単にぶっきらぼうなだけだった水川先輩は、実は真面目で誠実なので世里奈とも真摯に付き合います。
お互いに同級生のつもりで接する「2年生ごっこ」や、喧嘩をしても水に流すことにする「魔法のコーラの飴」の提案などいちいち可愛いやりとりに胸がキュンとしますよ。
だんだんお互いを知っていって、どんどんお互いを好きになる、自分と相手しか見えていないような溺れるような恋愛模様を満喫してください。
先輩とか後輩とか、恋をしたらそんなの関係ないっていうのがよくわかる作品ばかりですね。大切なのは、どれだけ真剣に相手を想うか、です。1つでも気になる作品があれば、ぜひ読んでみてください。