思い思いの仮装をして街中を練り歩いたり家を訪問したり、日本でも秋のイベントとしてすっかり定着してきたハロウィンは紀元前から伝わる伝統的な宗教行事です。今回は由来や装飾、それにまつわる物語などが楽しめるおすすめの10冊をご紹介します。
ある秋の日。魔法使いのビビは友達に声をかけますが、忙しそうで全く気付いてもらえません。よく見ると他の魔女たちもとても忙しそう。
誰にも構ってもらえず寂しくなったビビは、みんなが忙しそうな理由を知るためにおばあちゃんの家に向かいます。しかしおばあちゃんまで大きなかぼちゃを抱えていて……。
- 著者
- クリステル デモワノー
- 出版日
- 2006-09-01
主人公ビビのおばあちゃんが優しい語り口で、分かりやすくハロウィンを説明してくれます。行事の意味、かぼちゃの意味、その期間を楽しむ方法がわかる1冊です。
ハロウィンに関する知識がついたビビは、おばあちゃんに教えてもらって友達と共にランタンを作成したり、タルトを作ったり、装飾品を作ったり、おばけに変身したりと思う存分楽しみます。
愛らしい作画の子供向け絵本です。しかし文章がルビ付きの漢字で書かれており、大人でも読みやすく楽しめます。ビビが作ったハロウィンアイテムの作成方法が詳しく載っていますので、読むだけでなく作って季節感を楽しむことも出来るでしょう。
ジーナとサリーはとても仲良し。2人のクラスではおばけが逃げ出すような、怖いハロウィンのランプを作ることになりました。
ランプ作りを誰よりも意気込んだジーナですが、クラスで1番上手に作れたのはサリーのほう。面白くないジーナは一緒にも帰らず、一人残ってランプを作り続けます。
結局、ハロウィンのお菓子をもらい損ねるジーナ。偶然出会った不思議な女の子に誘われるまま参加したのは本物のおばけたちのパーティでした。
- 著者
- 小林 ゆき子
- 出版日
- 2008-09-01
普段は仲の良いお友達。でも負けず嫌いでお友達のことを素直に認められないジーナのような子、いませんか?仲の良いサリーのランタンが褒められたことが悔しくて、ジーナはサリーに冷たく当たってしまいます。しかし、結局お菓子ももらえず良いことなしなのです。
本当はサリーと行くはずだった楽しいパーティ。しかしたどり着いたのは偶然出会った女の子に連れていかれた本物のおばけのパーティ。骸骨のパズルにゾンビのボーリング、とても面白そうなおばけのパーティですが、参加するにはちょっと怖すぎます。
最終的におばけにつかまりそうになるジーナを助けたのはサリーでした。素直になったジーナを待っていたのはサリーとの楽しいパーティ。
おばけのパーティに参加できたジーナはラッキーとも思えますが……。意地っ張りな子はおばけのパーティに迷いこまないように注意して下さいね!
怖がりでおばけが大嫌いなレイはハロウィンが大嫌い。仕方なく優しそうなおばけに仮装して眠っていると、優しそうな怖がりおばけのシェイクがやってきます。おばけは嫌いですが、同じ怖がりのシェイクとはすぐに仲良しに。
シェイクはちびドラキュラのブルードに人間の血を持ってこいといじわるをされているそうで……。2人はブルードをやっつけるため作戦を立て始めます。怖がりな2人はどんな方法でブルードをやっつけるのでしょうか?
- 著者
- ますだ ゆうこ
- 出版日
- 2008-10-01
ハロウィンは日本でも楽しい季節の行事として定着してきましたが、レイのようにおばけが嫌いな子にはとてもつらい行事でしょう。しかし、おばけの世界にも怖がりな子はいるんです。そして怖がりがいるならおばけの世界にいじわるな子もいて……。
人間のレイとおばけのシェイクは同じ怖がり同士とても気が合います。"おばけ"というような括りでなく、個々を尊重する大切さが学べますね。
ストーリー以外にもハロウィンのパーティにおすすめのちょっと不気味な料理の作り方も載っていますので、パーティの際にはぜひ参考にしてみてくださいね。ひと味違う、おばけと人間の友情が楽しめる1冊です。
主人公のケンちゃんは引越ししてきたばかりで一緒に遊ぶお友達が居ません。ある日、かぼちゃが気になったケンちゃんはハロウィンのことを隣の家の男の子に教えてもらいます。
夜になると「トリック・オア・トリート」という声が聞こえ、玄関を開けるとおばけの恰好をした子供たちがたくさん!「きみもおいで」と隣の家の男の子ピートに誘われたケンちゃんはためらいながらもお菓子をもらう仮装行列に参加して……。
- 著者
- 平山 暉彦
- 出版日
- 2016-09-10
ハロウィンには仮装した子供たちが「トリック・オア・トリート!」と言いながら各家をまわる風習があります。大人しい性格の子供たちの中にはちょっと嫌だなと思っている子もいるかもしれませんね。一方、仮装を施すので、普段以上の勇気をもって望める貴重な機会になっているかもしれません。
主人公のケンちゃんは引っ越したばかりで一緒に遊べるような友達がいませんでした。しかしためらいながらもハロウィンに参加したことにより、たくさんの友達と自らの勇気を手に入れることが出来ます。
情景が美しいだけでなく、一歩を踏み出す勇気の大切さも学べる1冊です。
白いシーツを被ったようなおばけたちがおばけのお城で晩餐会を開いています。主催者であるおばけのアンリはカクテルを作ったり、かぼちゃのスープを作ったり、とても大忙し。
おばけたちの食事は、私たち人間界では想像もできないような、不思議な現象が巻き起こります。ほっぺがとろけそうな今夜の特別メニューでは、飲むと体の色が変化してしまう魔法のようなことが起こるのです。
とても可愛らしいおばけたちと一緒にあなたも晩餐会を楽しみましょう。
- 著者
- ジャック デュケノワ
- 出版日
この物語の舞台は、おばけのお城のキッチンとダイニング。登場人物は至ってシンプルな白いおばけが7人のみです。とてもシンプルな設定とストーリーながら、次には何が起こるのかワクワクし、思わず笑ってしまうでしょう。幼児から大人まで楽しめる物語になっています。
全く違いのわからない7人の真っ白なおばけたち。主催者はそのうちの1人、アンリというおばけです。アンリは忙しくキッチンとダイニングを行ったり来たり。お盆を持って壁をすり抜けようとする姿には思わずクスッと笑ってしまいます。いたずら好きなアンリの行動は必見ですよ。
とても可愛らしく気軽に楽しく読めますので、おばけが苦手な子どもにもおすすめです。
森の奥深く、人間が寄り付かないような場所にそびえ立つ大きなお化け屋敷では、おばけたちが今か今かと人間たちを待っています。こわい魔女、幽霊、トロル、獰猛なライオン、みんな人間を怖がらせたくて仕方ないのです。
ある日、お化け屋敷にママとパパとはぐれてしまった女の子が迷いこんできます。これはチャンス!と大喜びのおばけたち。しかし女の子は全く怖がりません。おばけたちはあの手この手で挑みますが……。
- 著者
- キッキ ストリード
- 出版日
絵を見ているだけでも、おどろおどろしいおばけたちが住んでいそうなおばけやしきにやってきたのは、迷子の女の子。森で両親とはぐれた女の子は怖がるどころか、起こるすべての出来事を冷静に判断していきます。
へびやクモの入った気味の悪いスープを横目に「ふつうのバタつきパンをください。」と言ってみたり、気味の悪い怪物がベトベトの指で捕まえようとすると礼儀正しくあいさつした挙句「指をあらわなくちゃいけないわ。」とたしなめたり、女の子は真顔で至極最もなセリフを吐きます。しかも、女の子には失礼なところが一切なく、とても礼儀正しいのです。おかげでおばけたちのアイデンティティとも呼べる特徴は、酷く滑稽で躾の行き届いていないものに思えてきます。
読み進めるうちに、なぜかおばけたちを応援したくなってくるでしょう。一見とても怖そうでありながら、怖がりな人もきっとおばけに親近感が持てる1冊です。
ハロウィンの夜、地上で行事を楽しむ人間や動物たち。その上空では魔女たちが三日月に照らされながら飛んでいます。
魔法のほうきを使って高く飛んだり、低く飛んだり、お喋りしたり、いたずらしたり。満点の星空、星座の中を気持ち良く駆け巡ります。
あなたも空から見えるハロウィンを楽しみませんか?
- 著者
- 出版日
- 2015-09-08
ハロウィンは人間だけでなく魔女にとってもお祭りです。この本には空を飛び回る魔女たちと地上の人々との対比が美しく描かれています。
空飛ぶ魔女は星座の間を自由に飛び回るのです。ひしゃく座、りゅう座、カシオペア座、あまの川、この本に出てくる星座をあなたはいくつ見たことがありますか?
神秘的な魔女の姿とは対照的に、魔法でいたずらをしたり、片足立ちしたり、遊びながらほうきに跨る魔女たちの姿はとてもお茶目で可愛らしいですよ。
ぜひ星座がお好きな方に手に取っていただきたい1冊です。
写真で構成されたかぼちゃ畑の物語を描く1冊です。
パンプキンの物語は春、畑に種を蒔く場面から始まります。葉が出て蔓が伸びて花が咲いて花の根元が膨らんで……。夏が過ぎると畑一面にパンプキンが現れます。
大きく立派に育ったパンプキンはハロウィンに「おばけランタン」へと変身。時期が過ぎるとかぼちゃの季節は終わり、生き残った種が来年の豊かな実りをもたらすでしょう。
- 著者
- ケン ロビンズ
- 出版日
子供向けのノンフィクション作家ケン・ロビンズの1冊。すべてが写真で構成された絵本です。
肉眼ではなかなか見ることの出来ない小さなつぼみや、花の終了後に実となって膨らむ様子をリアルに観察することができます。また広大な畑に広がるパンプキンはどれ1つとして同じものはありません。写真を眺めているだけでも想像が膨らんで楽しめるでしょう。
ハロウィンのランタン作り、パレード、仮装写真は写真ならではの魅せかたで、数ページながらも印象深く残ります。
来年への希望を託しつつも寂しさが溢れる、物悲しい11月の畑で物語はラストを迎えました。しかし、最後の最後、おまけのように様々な顔のランタンを見ることができ、未来がとても明るく感じますよ。
緑の顔をした魔女がかぼちゃの種を蒔きました。ハロウィン前日、とても立派に育ったかぼちゃを収穫しようとしましたが、大きく重いかぼちゃはビクともしません。
そこへやってきたのは体の大きな幽霊。しかし幽霊でも動かすことはできません。次にやってきたのは吸血鬼。しかし吸血鬼も……。一体誰がどのようにかぼちゃを収穫するのでしょう。無事にハロウィンのかぼちゃパイは作れるのでしょうか。
- 著者
- エリカ・シルバーマン
- 出版日
- 2011-08-31
この本のタイトルは『おおきなかぼちゃ』。栽培主である魔女が立派に育ったかぼちゃを収穫できずに困っています。幼いころから絵本に慣れ親しんでいる方、どこかで似たような話を聞いたことはありませんか?
この物語に登場する魔女、幽霊、吸血鬼、ミイラは自分の力を過信し、ひけらかすようにかぼちゃの収穫に挑みます。しかし結果は失敗。そこへやってきたのは体の小さなコウモリです。力がないことをバカにするみんなをよそに、コウモリはアイディア1つでかぼちゃの収穫を成功へと導くのです。
「最初からそうすればいいのに……」と言わずにはいられない結末。しかしちょっと間抜けでチャーミングなおばけたちがきっと大好きになってしまうでしょう。再び魔女が蒔いたかぼちゃの種が育ったら、またみんなが集まってくるでしょうか。あなたはどう思いますか?
ある日、がいこつが目覚めるとしゃっくりが出ていました。シャワーを浴びても、歯を磨いても、何をしても止まりません。
友達のオバケに助言されて息を止めたり逆立ちしても止まりません。オバケの協力の元「わあっ」と脅かされても止まりません。
どれもこれも全くうまくいかない、止めることの出来ないがいこつのしゃっくり。その時、オバケはある方法を思いつきます。その方法とは……。
- 著者
- マージェリー カイラー
- 出版日
- 2004-10-01
しゃっくりが止まらない時、あなたはどうしていますか?世の中には迷信じみたものから体の仕組みを追求したものまで様々な止め方が出回っていますが、意外と思い通りに止まらないのがしゃっくりです。
さて、主人公のがいこつもしゃっくりが止まらなくて困っています。息を止めたり、砂糖を食べたり、逆立ちして水を飲んだり、「そうそう!」と言いたくなるような様々な方法を試してみますが止まりません。しかし、そもそもがいこつはどうやって息を止めるのでしょう。水を飲むのでしょう。心底困って真面目に実践しているがいこつの姿はとても滑稽で、笑いが止まらなくなりますよ。
おばけ考案のしゃっくりを止める方法では、しゃっくりが止まったばかりか山の向こうまで逃げて行ってしまいました。さて、どんな手を使ったのでしょうか。あなたならこの方法でしゃっくりを止めることが出来ますか?ぜひ、読んで実践してみてくださいね。
ハロウィンにまつわる10冊の本をご紹介しました。古くからの宗教的な伝統行事ですが、今では楽しいお祭りとして世間一般に浸透しつつあります。お気に入りの本を選んで、ぜひハロウィンとはそもそも何であるのかを学んでみてください。そして、愉快なおばけたちと共に物語を楽しんでみてください。次回のハロウィンはきっと今まで以上に楽しいものとなりますよ。