足掛け20年にも渡って連載された人気ゴルフ漫画「上ってなンボ!!」シリーズ。ゴルフの楽しさを感じさせてくれる名作です。今回はシリーズ初作品である『キンゾーの上ってなンボ!!』をご紹介!ネタバレを含みますのでご注意ください。
『キンゾーの上ってなンボ!!』から始まり、『新上ってなンボ!!太一よ泣くな』、『新々上ってなンボ!! 太一よ泣くな』とシリーズが続き、足掛け20年ほど連載していた「上ってなンボ」シリーズ。
『キンゾーの上ってなンボ!!』ではゴルフに全てをかけ、「しがらみ」から自由になりたいと考えている金蔵が主人公です。彼のゴルフにかける情熱はかなり熱く、全力で楽しんでプレイする姿を見ているとゴルフをしたことのない読者にもその面白さが伝わってきます。
今回はシリーズ最初の作品『キンゾーの上ってなンボ!!』の魅力をご紹介!昔ながらの熱い男の生き様に惚れること間違いなしです。
本作は金蔵がゴルフに全てをかけたいという気持ちが伝わってくる場面から物語が始まります。
会社の付き合いで行ったクラブのホステス・ユキ子に一目惚れされた金蔵は、翌日彼女が毒物を飲んで重体だということで警察に呼び出されます。そこで聞かされたユキ子の日記では金蔵と彼女が愛人関係にあるかのようなことが書いてありました。
その日は関東オープン初日で、前日の飲みも早めに切り上げ、奥さんがベッドに入ってきても「明日早いから」とゴルフのために断った彼は、途中で試合から切り離され憔悴状態。そして何か考えるところのある表情で奥さんに別れを切り出し、会社には辞表を提出します。
「おれ不器用だから一つのことしかできないなって……(中略)
ゴルフしたら他のことはできないって思い始めてたンだよ」
そのために1千万近い年収の仕事を捨て、一軒家とまだ若い妻も捨てるという金蔵の姿はまさに男。ひとつのことだけに集中したいと語る彼の勇敢さにはしびれるものがあります。
しかし妻は別れたくないと言い、金蔵の父と親友関係にあり、彼の将来に責任があると語る社長も辞表を受理してくれません。
そして困った金蔵はゴルフでケリをつけようと言いだします……。
本作は金蔵がとにかく楽しそうにプレイすることも魅力的。ところどころシリアスなシーンもありますが、それを乗り越えて笑ってゴルフする彼の姿に引き込まれるのです。
妻や社長が決めた人物と人生の今後を賭けての試合をすることになった金蔵。対戦相手はトーナメントで4連勝してから4年ほど表舞台には姿を表さなかった闇塚という実力者でした。
負けたら左手の裏筋肉の筋を切って二度とゴルフができない体にするという約束で始まったこの勝負は賭けゴルフに慣れた闇塚のペース。途中からクラブも賭けることになったこの試合で、金蔵は次々と手持ちのクラブを壊されていきます。
しかしコースを回っている途中で闇塚が捨て子だという過去、そしてそれを聞かれるのが嫌でゴルフの表舞台から去ったという話を聞き、そんなこと気にせず実力だけを武器にのし上がっていけば良いのにと考える金蔵。
そしてその次の回から徐々に闇塚を追い込んでいきます。心理戦も画策して勝負してくる闇塚ですが、金蔵はそんなことには気を取られずにペースを掴んでいきます。
「ゴルフは上ってなンぼだからね…」
負け続け、クラブも折られ、と絶体絶命の状況になっても楽しそうにプレイする金蔵。その姿を見て闇塚も考えさせられるところがあり……。
初心者でルールなどが分からなくても、金蔵がとにかく楽しそうにプレイする姿に引き込まれる本作。もちろん経験者なら少し古い用語などがあるもののそのリアルさを楽しむことができます。
ぜひ作品で金蔵のまっすぐな男っぷりを見てみてください!ゴルフというものの楽しさを再発見できること間違いなしです。
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