モーリス・センダックのおすすめ絵本5選!想像力が豊かになる

更新:2017.6.21 作成:2017.6.21

モーリス・センダックは、子どもの夢や想像力を膨らませてくれる絵本を、数多くこの世に生み出しています。寝る前に読むとそのまま夢の世界に踏み込めそうな絵本や、なりたいものになりきる絵本など、子どもの想像力を刺激するオススメ絵本を紹介します。

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モーリス・センダックとは

ミッキーマウスが銀幕デビューした1928年に、アメリカで生まれたモーリス・センダック。ミッキーマウスの大ファンだった彼は、「ファンタジア」などの作品に強い影響を受けたと言います。

古典的でありながら高い芸術性と親しみやすさを兼ね備えた作品は多くの人に支持され、モーリス・センダックは20世紀を代表する絵本作家として名を馳せています。アニメーション映画や舞台美術の製作など、絵本の創作活動以外にも精力的に活動していました。代表作である『かいじゅうたちのいるところ』は世界的ベストセラーとなり、世界中の子どもたちに読み継がれています。

『かいじゅうたちのいるところ』不思議な冒険の旅を描いた絵本

オオカミの着ぐるみを来て大暴れしたマックスは、お母さんに叱られ、晩御飯抜きで寝室に閉じ込められてしまいました。すると、マックスのいた寝室はあれよあれよという間に木が生え、野原になり、波が打ち寄せ、マックスは船に乗って海に乗り出すことになるのです。

何週間も海を航海したマックスがたどり着いたのは、怪獣たちの住む島でした。船を降りると怪獣たちは、マックスを脅かそうと怖い顔をしたり大声を出したり。でもマックスは怖がるどころか「うるさい!」と怪獣たちを怒鳴りつけ、たちまち怪獣たちを従える王様になってしまうのです。

著者
モーリス・センダック
出版日
1975-12-05

文章量が少ないので、文字を覚えたての子どもが一人で読むにもとてもおすすめです。細部まで緻密に描かれたイラストは秀逸で、怪獣たちも恐ろしいだけではなく、それぞれが個性的で愛着がわくような風貌をしています。これらのキャラクターは、モーリス・センダックの好きだったディズニーアニメの登場人物に強い影響を受けていると言われています。

子どもの心に宿る、爆発するようなエネルギー・冒険を望む心・現実世界から逃避したくなる気持ち。子どもの心に秘められた何かを絵にしたような、不思議な世界観を楽しむことが出来ることでしょう。お話の最後には、冒険に疲れた子どもを温かく迎えてくれるいつもの場所がある。読んだ後に心が温まる作品です。

『まよなかのだいどころ』想像力が爆発する絵本

多くの子どもにとって真夜中は未知の時間帯でしょう。自分が眠っている間世界がどうなっているのか、この絵本はそんな事に想いを巡らせるきっかけにもなる作品です。

主人公のミッキーがベッドに入ると、想像しい音で眠れませんでした。大声で騒音の元に文句を言うと、ミッキーは不思議な世界へと落ちていきます……真夜中の台所です。そこでミッキーは、夜も眠らずに料理をしているコックたちに出会うのです。

パン作りのボウルに落っこちてしまったミッキー。ミルクと勘違いされてしまい、オーブンへ入れられてしまいます! しかしミッキーは大丈夫。一生懸命ケーキを作るコック達のために、本物のミルクを見つけてあげるのです。

著者
モーリス・センダック
出版日
1982-09-20

一日の終わりに、何か物足りなさを抱えてなかなか眠りにつけない。そんな気持ちを抱えた子どもにぜひ読んであげたい一冊です。ミッキーがパンで出来た飛行機に乗って夜空を跳ぶシーンでは、背景の町が食べ物の瓶や箱で出来ています。

夜眠る前に暗めの照明の中この絵本を読んであげれば、絵本の中のミッキーと一緒になって、不思議な旅に出る気持ちを味わうことが出来ます。ベッドの底に穴が開き、突然下に落ちていく……常識の通用しない不思議な世界にどっぷりとはまりたい、ファンタジーが好き。そんな人にぜひ読んでもらいたい一冊です。

『まどのそとのそのまたむこう』勇敢な少女の物語

主人公のアイダには、産まれて間もない赤ちゃんの妹がいます。アイダが妹に背を向けてホルンを吹いていた所、窓から忍び込んできた恐ろしいゴブリンが妹を誘拐してしまうのです。誘拐された妹の代わりに部屋に置かれていたのは氷の人形でした。それを見たアイダは泣いたりせず、湧き上がる怒りで自分を奮い立たせます。

勇敢なアイダは窓枠を超えてゴブリンを追いかけ、妹を取り返しに行きます。庭のあずまやにいる無表情な母、船乗りで家にいない父、誰にも頼らずにアイダは、自分の力だけで妹を取り返すのです。

著者
モーリス センダック
出版日

人間がまるで写真のように描かれているこの作品は、人間らしい表情がありありと表現されていることで読み手の恐怖心をあおります。でも、アイダと妹の運命について知りたい気持ちが恐怖を上回り、誰もが先へ先へと読み進めてしまうのではないでしょうか。

物語の終盤で登場する、ゴブリンが赤ちゃんに変身した描写はとても美しいものです。赤ちゃんの肌のなめらかな曲線に、赤ちゃんらしい姿勢や動きが芸術作品のように描かれています。

1932年3月1日に実際に発生した赤ちゃん誘拐事件がモーリス・センダックのトラウマとなり、この作品が生まれる元となったと言われています。実際の事件とは違い、アイダは妹を取り戻すことに成功しました。読んだ後に胸をなでおろしたくなる作品です。

『チキンスープ・ライスいり』季節を旅する絵本

主人公の男の子はチキンスープ・ライス入りが大好きで、どんな時もそのことを考えています。

1月にはスケートを楽しんで、スケートしながらあつあつのチキンスープ・ライス入りを。4月にはスペインに旅行に行って、チキンスープの事を考える。涼しくなる9月には、チキンスープにそっくりなナイル川を、ワニの背中に乗って下っていく。

男の子の1年は、いつでもどこにいてもチキンスープ・ライス入りと一緒です。暑い時期には男の子自らがスープを入れる鍋に変身してしまいます。男の子がどれほどチキンスープ・ライス入りが好きなのかが伝わってきますね。

著者
モーリス センダック
出版日
1986-08-11

この作品は黙読するのではなく、是非声に出して読んでみてください。音程をつけて歌ってみたくなる詩のような文章が病みつきになって、何度も何度も読み返したくなるのではないでしょうか。

「1かいぐつぐつ 2かいぐつぐつ」などリズム感のあるフレーズを声に出してみると、音読が楽しくなってくることでしょう。文章も素晴らしいものですが、挿絵もまた秀でたものを感じられます。男の子を背中に乗せているゾウや、男の子のそばで眠そうにしている木など、まるで人間のような表情を見せてくれるのです。男の子だけでなく、わき役の表情まで楽しむことができる絵本です。

『ロージーちゃんのひみつ』子どもの夢を膨らませる絵本

モーリス・センダックが見た子ども達をスケッチした絵が元になっているこの作品。主人公のロージーは、一瞬でなりたいものになりきることが出来ます。

友達のキャシーがロージーの家を訪ねると、ロージーの秘密を知りたい人はドアを3回ノックするようにと書かれていました。ノックするとキャシーの前に現れたのは大人の洋服を来たロージーでした。

ロージーは美人歌手の「アリンダ」になりきって、裏庭でミュージカルを始めます。友達のキャシーも巻き込んで、子どもたちは想像力に身を任せて思い切り遊びを楽しみます。

著者
モーリス=センダック
出版日

大人はこの絵本を読みながら、自分が子どもだった頃を思い出すかもしれません。どちらかというと女の子におすすめの作品ですが、空想を膨らませるのは子どもの得意分野ですから、性別関係なく男の子にも十分楽しんでもらえることでしょう。

空想と現実を行き来してなりたいものになったり、自分で事件を起こしたり。そんな子ども達を見守る大人たちの言葉も温かく、親世代が見習いたくなる態度です。ちょっと背伸びしたロージーの言葉が可愛らしくて、つい笑ってしまいます。ロージーと秘密を共有しあうドキドキとワクワクをぜひ経験してみてはいかがでしょうか。

モーリス・センダックの絵本はどれも、不思議な世界への扉のようです。子どもには自由な発想で想像力を羽ばたかせてほしい。そんな願いを込めて贈りたい一冊が見つかることを願っています。