漫画『血界戦線』が好きになる!生き生きとしたキャラと名言をネタバレ紹介!

更新:2021.11.23

2017年秋に2度目のアニメ化が決定したファンタジーバトル漫画『血界戦線』。王道なストーリーの面白さと性格が立ったキャラたちが魅力の作品です。今回はそんな本作のキャラクターと名言をご紹介!ネタバレを含みますのでご注意ください。

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漫画『血界戦線』の名言をネタバレ紹介!最大の魅力はキャラクター!

 

一晩にして異界と人間界が混じり合った世界になってしまったニューヨークが舞台の『血界戦線』。妹・ミシェーラの視力と引き換えに異能を手に入れてしまった主人公・レオナルドの戦いを描いています。

本作はバトルファンタジー漫画の引き込まれるポイントを抑えており、王道に楽しめる物語です。バトルシーンの迫力、コミカルな笑いの要素でつけられたストーリーの緩急、シリアスな場面で読者を引き込む力の強さなどのバランス良さが際立っています。

そして何といってもそれぞれのキャラが本当にいきているかのように立ち回り、世界観をより豊かなものにしているのです。今回はそんな本作の魅力的な人物、名言をご紹介します!

 

キャラの名言ネタバレ1:応援したくなる主人公!【レオナルド・ウォッチ】

著者
内藤 泰弘
出版日
2014-06-04

 

異界と人間界の均衡を保つために組織された秘密結社ライブラで働かせてもらうことになるレオナルド。彼のキャラクターは当初、優しい性格ではあるものの普通の少年でした。

レオナルドがライブラに入った理由は自分のせいでミシェーラの視力が奪われたと思っているから。かつて旅行先で異界のものに遭遇したふたりは、どちらかの視力と引き換えに万物を見通すことができる「神々の義眼」を与えると言われます。

レオナルドが恐怖で硬直してしまっている間にミシェーラが勇敢にも自分の視力を差し出し、彼は能力を手に入れてしまったのです。その時の後悔の念が重くのしかかり、彼は自分を攻め続けていました。

 

出典:『血界戦線』1巻

「動げながっだ…僕は…その間…ずっと 固まっで…!!
僕は…僕は…
…僕は卑怯者でず…!!」(『血界戦線』1巻より引用)

ライブラで神々の義眼の異能を見抜かれ、経緯を打ち明けた彼はそう言って泣き崩れます。優しい分もろいところのあるレオナルドの姿に胸を打たれます。

しかしこの後ライブラの構成員として働くうちに彼はどんどんと精神的にも戦闘的にも強くなっていくのです。その成長の様子はこの涙の名言があるからこそ心に沁みるもの。等身大の姿に共感させられるのが主人公・レオナルドです。

キャラの名言ネタバレ2:ライブラの父!【クラウス・V・ラインヘルツ】

著者
内藤 泰弘
出版日
2010-01-04

 

世界の均衡を保つために秘密結社「ライブラ」のリーダーで、ガチムチの見た目に違わず熱い男気を持った男がクラウスです。

妹のためとはいえ、嘘をついてライブラまでやってきたレオナルドを敵からの攻撃からかばって大怪我をしてしまったクラウス。さらに敵が大勢やってきたという絶体絶命の状況でも、レオナルドの過去と能力についての話から冷静に判断を下し、ある提案をします。

それはその能力をいかしてライブラに入るということでした。その判断には、能力が有益だということを早急に理解した頭の良さはもちろん、辛い過去を抱えたレオナルドへの優しさが感じられます。

クラウスはその提案をしたあとにこう続けるのです。

 

出典:『血界戦線』1巻

「そうだ レオナルド君 一つだけ認識を改め給え
君は卑怯者ではない 何故ならまだ君は 諦めきれずにそこに立って居るからだ
いいか 先に向かって一歩でも進もうとしている限り
人間の魂が真に敗北する事など断じて無い」(『血界戦線』1巻より引用)

そう言って辺りの敵を木っ端微塵にし、「征け!!手始めに世界を救うのだ」とレオナルドの背中を押すのです。

クラウスは強靭な戦闘力、精神力を持っていますが、人に対しては詰めが甘く、優しくなりすぎてしまう部分があります。レオナルドをかばって怪我を負い、まだ正体も不明であるにも関わらず自らの懐であるライブラに招き、彼を鼓舞するという序盤のこの流れが彼の性格のすべてを物語っています。

ライブラのメンバーを家族のように大事に思い、彼らが心身ともに傷ついた時には自らも胃を痛めるほどの良心、クラウス。頼りたくなる優しさが垣間見えるキャラクターです。

キャラの名言ネタバレ3:普段のダメさからの、ギャップがかっこいい【ザップ・レンフロ】

著者
内藤 泰弘
出版日
2010-11-04

 

レオナルドを誤ってライブラに連れてきてしまい(これは仕方ないとも言える原因がありますが)、その秘密の存在を外部者に明らかにしてしまったのがザップ。

彼はそんなうっかりな初登場をした上に、言動も荒っぽく、お金にも女性にもルーズ。そして怒りっぽく、それでいてアホの子であり、性格面、プライベート面はどうしようもない人物です。

しかも同じライブラのメンバーからもそのクズっぷりからバリエーション豊富な散々なあだ名をつけられ(ひどすぎるのでぜひ作品でご確認ください)、ある意味一目置かれています。

そのなかでも女性メンバーであるチェインと異様に仲が悪いのですが、いつも喧嘩をするものの優勢の印象はなし。残念っぷりも磨きがかかっております。

 

これだけ聞いてしまうとあまりかっこいいところが無いように思えてしまうキャラかもしれません。しかしザップはいざ戦うとかなりイケメンな一面を見せてくれるのです。

彼の必殺技は斗流血法・カグツチ。斗(ひきつぼし)流とは、ザップが師匠から地獄のような特訓を経て受け継いだもの。自分の血液を剣に変化させ、かなりの硬度を誇るその相棒で敵と渡り合うのです。

ザップはそれだけでなく、自分の血液の扱い方も一流。剣にするだけでなく、網状に変化させ、敵の追尾を行ったり、相手を縛ったりと様々な使い方で戦うのです。

その血の扱いは「天才」と周囲が呼ぶほどのもの。まだクラウスがライブラの仕事に慣れていない時、彼が勇気を出して現場に戻ってきたことを認め、「いい顔になってんぜ」と言い、自分が敵を足止めする隙に追いかけていた猿を捕まえろと指示を出します。

そして相手の攻撃を受けながらもこう言うのです。

 

出典:『血界戦線』1巻

本作の敵キャラのひとりである堕落王フェムトが人間界に召喚した邪神に対してこのひとこと。そして相手を倒し、邪神が召喚された入り口にされてしまった猿を、クラウスに託すのです。
 

まだ不慣れな相手に仕事を任せ、自分もギリギリになりながらも余裕のひとことを放つ。めちゃめちゃかっこいいです。

ダメダメだけど戦闘シーンでは最高にかっこいい、ギャップがずるいキャラクターがザップなのです。

キャラの名言ネタバレ4:独特の魅力を放つサブリーダー【スティーブン・A・スターフェイズ】

著者
内藤 泰弘
出版日
2011-12-02

 

人のいいライブラのリーダー・クラウスに変わって、冷静に判断を下すのがサブリーダー的存在のスティーブン。彼は万物を凍らすことのできる蹴り技「エスメラルダ式血凍道」の異能者です。

スティーブンはその頭の回転の速さ、観察眼の鋭さがかっこいい人気キャラクター。スーツを着こなし、目元の傷跡が妙に色っぽい伊達男です。クールな立ち位置なので名言も多く、それは彼の人物像が反映された男前なものばかりとなっています。

ある時不死者の女と戦った時、攻撃したそばから回復する彼女が彼の攻撃は意味がないと言った時、スティーブンはこう返しました。

 

出典:『血界戦線』2巻

「それでいいんだよ、化け物のお嬢さん
千年かかろうが千五百年かかろうが 人類は必ず君達に追いつく
不死者を死なせるという矛盾を御する日がきっと来る

そう、これは大いなる時間稼ぎだ」(『血界戦線』2巻より引用)

人間の力の及ばなさを理解しながらも自分の役割に徹底する姿はさすが。そしてこのあとにクラウスが登場し、その場を鎮圧。人間というよりも、自分自身の強さ、たく割を冷静に把握している貫禄があります。

しかも恐ろしい怪物をお嬢さん呼ばわりし、ピンチになってもこんな切り返しを見せるなんてかっこよすぎです。

サブリーダーではありながらも独特の存在感でファンを増やすイケメンがスティーブンです。

キャラの名言ネタバレ5:美人で巨乳で才能溢れる!【チェイン・皇(すめらぎ)】

著者
内藤 泰弘
出版日
2011-05-02

 

ライブラのメンバーであり、「人狼局特殊諜報課(ルー・ガルーズフロムノーウェア)」の一員でもあるのがチェインです。人狼とは自らの存在を希釈し、透明化することで壁も、人の目も関係なく自由自在に行き来することのできる能力のこと。

彼女は美人で巨乳、しかも強いという最強スペックを持っている女性。真木よう子がモデルとなったキャラクターだそうです。

性格はクールで、口数は多い方では無いですが、時々で鋭い発言をして印象に残るタイプ。毒舌で有名なのですが、特に同じくライブラのメンバーであるザップとは犬猿の仲で、いつも彼を足蹴にして登場します。容赦ない……。

 

チェインは人狼のなかでも特にその能力が高いのですが、そもそも存在を希釈するというのは存在の有無のボーダーラインをギリギリで歩いているようなもの。多大な集中力を要し、ともすれば自分の存在がなくなってしまう危険性もあります。

ある時、人狼でありながらも金のために仲間を売り、「人狼吊し」を行なっていたベルベッドという女がパワーアップしてまた彼らの前に戻ってきます。彼女は「過敏王ゼオドラ」と契約し、不可視の人狼に触れることができる感覚を手に入れたのです。

他の人狼が魔の手に捕まっていたところに、唯一逃げていたチェインが姿を表します。しかもそれはベルベッドをあざ笑うかのような登場の仕方なのです。

 

出典:『血界戦線』6巻

そして焦ってチェインを捕まえようとするベルベッドに対し、こう続けます。
 

「無理無理 格の違いを教えてあげるよ
因果地平の彼方まで追いかけてみなさい」(『血界戦線』6巻より引用)

最高にかっこいいですね。男性ファンも多いクールな美女の魅力はこんな捉えどころのなさにあるのかもしれません。

キャラの名言ネタバレ6:これぞ理想の枯れ紳士!【ギルベルト・F・アルトシュタイン】

著者
内藤 泰弘
出版日
2013-12-04

ラインヘルツ家の執事で、クラウスに仕えているのがギルベルトです。彼は「再生者(レゲネラトーア)」という性質を持っており、怪我を負ってもひとりでに体が再生する能力を持っています。

しかしその再生は弱いもので、致命傷を負った時のみ発動。しかもなんとか一命を取り留める程度に回復し、そのあとの治りは遅いのです。おそらくこのことが顔の包帯と関わりがあるのではないかと思われますが、その原因は明らかになっていません。

そんなギルベルトは執事としての仕事が完璧。特に彼がいれる紅茶は一級品で、クラウスは彼のものしか飲まないほどです。

また、6輪の超大型車?を乗りこなし、クラウスやライブラのメンバーを目的地まで送り届けます。その姿はまさに老紳士。かっこよすぎです。

そんなギルベルトは主人と同じく怖い顔ながらも面倒見が良く優しい性格。それゆえに78歳という年齢でありながらも仲間を傷つけられた時には激昂し、相手を完膚なきまでに叩きのめすという恐ろしい一面も持っています。

ある時、怪我をきっかけにラインヘルツ家の特殊執事部所属であるフィリップという青年がギルベルトのかわりにクラウスの執事としてやってきました。

クラウスが彼の紅茶を飲むほどにその仕事は完璧なように見えました。しかしついライブラの深部に関わろうとしてギルベルトにたしなめられ、その夜に酒を飲みすぎて人間ならざる者たちに脳を抜き取られ、その人物の見た情報を吸い取られるという「脳抜き」に遭ってしまいます。

フィリップを気絶させ、情報の流出を止めたギルベルト。冷静な対処をしましたが、フィリップの体が目を覚ました時、相手方に3つの選択肢を与えます。今すぐ脳を放棄してその場から立ち去ること、ギルベルトたちライブラと戦うこと、フィリップの脳を破壊し、ギルベルトに皆殺しにされること。

彼は車を運転しているので表情は見えませんが、静かな怒りのオーラが感じられます。しかしその言葉を絵空事だと笑う人外たちに「①番を捨てるのだな 愚か者どもが 私は警告した 命乞いは聞かぬぞ」と静かに告げ、フィリップの体の方を振り向いてこう続けるのです。

出典:『血界戦線』4巻

そして改造された車でノーブレーキのまま彼らが潜む廃工場につっこみます。しかし不意を突かれて上から襲ってきた人外に真っ二つに斬られてしまうギルベルト。しかし「勝ち誇るな 三流め(中略)再生者に挑んだこと 地獄で悔いるがいい」と、再生しながら相手に銃を放つのです。
 

一瞬やられてしまったのかとヒヤリとさせられてからのこの言葉。痛覚は通常と同じということですから、ギルベルトの強靭な精神力が感じられます。

治りが遅く、通常の人間と同じく痛覚を持っているとはいえ、再生というチートな能力を持っているギルベルト。常に冷静に対処する言動から垣間見える同胞を思う熱い気持ちに痺れるキャラクターです。

漫画『血界戦線』で魅力的なキャラクターたちに会いに行こう!

著者
内藤 泰弘
出版日

骨太なストーリーに魅力的なキャラたちとバランスの優れたファンタジーバトル漫画『血界戦線』。この他にもまだまだ引き込まれるキャラクターがいっぱいです。

ぜひ作品でその良さを堪能してみてください!王道に面白い作品にどハマりすること間違いなしです。


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