高里椎奈のおすすめ作品5選!登場人物が魅力的な作品ばかり!

更新:2017.6.21 作成:2017.6.21

個性的かつ魅力的なキャラクターを生み出すことで知られる作家、高里椎奈。作品内に広がる独特の世界観は、1度ハマるとやみつきになってしまいます。ここでは、そんな高里椎奈の作品の中から、登場人物が特に魅力的な作品をご紹介していきましょう。

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シリーズ作品の多い人気作家、高里椎奈

高里椎奈は、1976年生まれの茨城県出身です。芝浦工業大学工学部を卒業した後、1999年『銀の檻を溶かして』でメフィスト賞を受賞し、同作で作家デビューを果たしました。

これまでに数多くのミステリー作品やファンタジー作品を執筆しており、いずれもファンの心を掴んで人気を博しています。バラエティーに富んだ、魅力溢れるキャラクターたちを物語に登場させ、シリーズ化されている作品が多いことでも知られている作家です。

一風変わった主従関係が面白い、高里椎奈の人気シリーズ

新当主と新米執事が、ドタバタとぶつかり合いながらも、日常に潜む謎を解明していく連作短編集『うちの執事が言うことには』。全9巻からなる人気シリーズの第1作目となる作品で、2017年にはセカンドシーズンが幕を開けたことでも話題になりました。

日本屈指の名門、鳥丸家の当主を、突然の気まぐれで引退してしまった父、真一郎に代わり、27代目当主となった18歳の花穎(かえい)。幼い頃から信頼を寄せていた老執事、鳳が自分の執事になるものと思っていたのですが、イギリスから帰国した花穎の前に現れたのは、衣更月(きさらぎ)という見知らぬ青年でした。

真一郎が鳳を旅へと連れて行ってしまったため、衣更月が後を継ぐ形で、新しい執事となったのです。大好きだった鳳とは違い、横柄な態度を見せる衣更月に反発する花穎。その一方、世間知らずな花穎に苛立ちを隠せない衣更月。物語では全く噛み合わないこの2人が、共に成長しながら日々を過ごし、様々な事件を解決していくことになります。

著者
高里 椎奈
出版日
2014-03-25

主に探偵役となり、謎解きに挑んでいくのは主人である花穎です。お互いが半人前であるがゆえに起こる衝突は、読んでいてもどかしくも微笑ましく、笑いがこみ上げることもしばしば。描かれる事件は、食器の盗難やパーティーでの暴力事件など、それほど重いものではないのですが、伏線を回収しながら展開される推理はなかなか読み応えがあり、ミステリーが好きな方も苦手な方も、気軽に楽しめる作品です。

時折登場し、主人公の2人に的確なアドバイスを送るスーパー執事の鳳が、とてもかっこよく頼もしいかぎり。これから、このぎこちない2人の主従関係がどのように変化していくのかと、楽しみになる1冊となっています。

シリーズを繋ぐ感動の0巻!

薬屋の店長を務めながら、客から寄せられる依頼に奮闘する主人公の姿を描く人気シリーズ第1弾『ソラチルサクハナ―薬屋探偵怪奇譚』。『薬屋探偵妖綺談』の続編にあたるシリーズで、「妖綺談」と「怪奇譚」を繋ぐ0巻として刊行された作品です。

「深山木薬店」の経営者と店主がいなくなってから、7年の月日が経ちました。当時店主だった深山木秋の、助手見習いとして働いていたリザベルは、たった1人で店を引き継ぐべく「深山木薬店改」を建て、悲しみに耐えながら頑張っています。

リザベルはポーランド出身の妖怪です。原型は赤い毛玉にも似た小さな猿のような姿ですが、人間の姿になると10歳ほどの赤毛の男の子になるのです。表向きは薬屋の「深山木薬店改」ですが、実は妖怪に関する相談事や依頼を受けており、店には今日も依頼人がやってきていました。ある女性からお札の入った財布を盗んで以来、奇怪な現象に襲われるようになったという青年。リザベルはその謎を解くため、単身調査に乗り出すのですが……。

著者
高里 椎奈
出版日
2013-03-15

なんとも可愛らしいリザベルが、感情を押し殺すように1人奮闘する姿はとても切なく、読んでいてこちらまで心細くなってしまいます。「深山木薬店改」の看板を、間違えて「深山木薬店5X」としてしまっているところなど、愛着が湧く要素満載。次々に起こる謎の殺人事件にハラハラさせられ、いったいどうなってしまうのかと心配になりますが、物語には意外な展開が待っています。

「妖綺談」シリーズを知っている方にとっては、間違いなくたまらない作品となることでしょう。「怪奇譚」からでも十分楽しむことができますが、それぞれのキャラクターがとにかく魅力的で、シリーズをどうしても最初から読みたくなってしまいます。作品の世界観を知るにはおすすめの1冊ですから、興味のある方はぜひ試しに読んでみてください。

見たことのない世界が広がるファンタジーなミステリー

『それでも君が―ドルチェ・ヴィスタ』は、ドルチェ・ヴィスタ3部作の第1作目となる作品で、高里椎奈が描き出した独創的な世界に魅せられる、ファンタジー感溢れる密室ミステリーです。

住人がたった30人しかいない小さな世界。31人目の住人として、新しく生まれ落ちた男の子は、リラによってキンカンと名付けられました。家には他にも、ヴィオラとピアニカ、それに双子の兄弟のシンとバルがいます。

彼らは穏やかに平和に暮らし、新しく加わったキンカンにも優しく接していました。ところがそんな中、ある悲劇的な事件が起こり、閉じられたこの世界の様子は一変してしまうのです。

著者
高里 椎奈
出版日

幻想的で不思議な世界観が広がる本作には、人のような姿をしたものや、動物のような姿をしたものなど様々なキャラクターが登場します。小さな異空間で巻き起こる出来事から目が離せなくなり、斬新な密室を作り出した作者の想像力の豊かさに、思わず脱帽させられてしまいます。

200ページ弱の物語ですから、読書が苦手な方でも挑戦しやすい作品ではないでしょうか。どこかノスタルジックな雰囲気が漂う、優しく美しい世界の謎。ハマればこれほど後を引く作品はないでしょう。ユニークな世界観に浸ってみたい方は、ぜひ一読してみていただければと思います。

壮大な世界観に惹きつけられる1冊

13歳で将軍を務める少女を主人公としたファンタジー小説『孤狼と月―フェンネル大陸 偽王伝』。壮大な人気シリーズの第1巻となる作品で、降りかかる苦難に懸命に立ち向かう主人公の姿が描かれています。

ストライフ国王の末子フェンベルク(フェン)は、13歳の少女。人々が忌み嫌う悪鬼(グール)たちを率いて、国のため、そして愛する兄ギルフォードの助けとなるために、日々将軍として奮闘していました。ところがそんなある日、フェンはギルフォードに裏切られ、濡れ衣を着せられて国を追放されてしまいます。

傷つき絶望する中、異国の地で売りに出されてしまったフェンは、そこでテオという男に買われることになります。テオは王族を憎んでいると話しながらも、弱ったフェンを介抱し、徐々に回復したフェンは、街で謎の青年サチと出会いました。この出会いをきっかけに、フェンは国の騒動に巻き込まれることとなり、同時にテオの意外な真実を知ることになるのです。

著者
高里 椎奈
出版日
2010-05-14

兄に裏切られたショックから、すっかり心を失ってしまったフェンの姿には、本当に胸が痛みます。読んでいて辛い気分になりますが、様々な出会いを通して、徐々に感情を取り戻す様子にほっとさせられ、新たな世界に旅立とうとする姿を心から応援したくなってしまいます。

作品全体にはスピード感があり、予想もしていなかった展開を見せるストーリーに、釘付けになってしまう本作。まさに王道ファンタジーと言えるような世界観の中、心惹かれるキャラクターたちが続々と登場します。先が気になる1冊となっていますから、読み応えたっぷりのシリーズの幕開けを、ぜひ堪能してみてくださいね。

推理はしなくても名探偵!高里椎奈が描く連作短編集

『雰囲気探偵 鬼鶫航』は、推理を一切しないまま事件は解決してしまう、一風変わった名探偵が登場する連作短編集です。

「鬼鶫探偵事務所」は、古びたビルの2Fにあります。探偵の鬼鶫航(きのつぐみ わたる)は、オーダーメイドの三つ揃いのスーツを華麗に着こなし、事件が起きれば思慮深そうに窓の外を眺め、冷徹な口振りで意味ありげな言葉を口にする。どこからどう見ても、名探偵の雰囲気を遺憾無く醸し出しています。

ところがこの名探偵、まったく推理はしないのです。事務所の経理兼鬼鶫の助手を勤める佐々稀一は、そんな鬼鶫にいつもやきもきさせられっぱなし。それでも、彼の事務所に舞い込んだ事件は、いつも無事に解決されてしまいます。

著者
高里 椎奈
出版日
2017-02-15

派手な謎解きなどはなく、鬼鶫は最初から最後まで本当に雰囲気だけ。「探偵らしく謎解きしろよ!」と焦る佐々の姿には、つい頬が緩んでしまいます。刑事やライバルの探偵など、脇を固めるキャラクターも皆個性豊かで面白く、鬼鶫の人柄も相まって、安心して楽しめる作品になっています。

鬼鶫に備わったある能力は、依頼人はもちろん、なぜか犯人の心までも救うことになり、こんな探偵も素敵だな、と思わずにはいられません。物語には、温かい気持ちになれるような優しさがあり、独特の雰囲気を満喫できる探偵小説になっています。シリーズ作品ではないので、気軽に読書をしたい方にはぴったりの1冊でしょう。

高里椎奈のおすすめ作品をご紹介しました。どの作品にも、様々なタイプのキャラクターが登場しているので、あなたのお気に入りが見つかるかもしれません。気になった作品があれば、ぜひ1度読んでみてくださいね。