沖田円の作品をランキング形式でご紹介!ノリがよく、読み進めやすい!

更新:2017.6.24

若者向けの作品でヒットを連発した、切ないけれどどこか懐かしいような、青春ラブストーリーを描く作家・沖田円。今回は4作品をランキングにして、ご紹介したいと思います。

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「泣ける小説」で話題の新人作家・沖田円

『ぼくは何度でも、きみに初めての恋をする』という作品が爆発的なヒットとなりました。記憶が1日しか続かない登場人物が、何度も同じ人に恋をする話です。累計20万部を果たし、コミカライズも決定しました。

しかし、作者についてはあまり詳しく明かされていません。デビューのきっかけは「Berry’s cafe」という小説投稿サイトです。インターネット上で連載されていたものが有名になり、文庫化されました。

作品の多くは青春小説で、心温まる物から泣けるものまで、心を揺さぶる作品が多いです。可愛らしい装丁と共に書店の押しとして売り出されている姿も多く見られます。泣ける小説、というキャッチフレーズが、若者に受けているのでしょう。

作品数自体は少ないですが、これからますます若者向けの話題作を生み出す作家となること間違いなしです。

第4位:記憶が1日しかもたない青年の物語

高校生のセイは、家庭の問題で悩んでいました。そんな時に出会った、カメラを持つ男の子・ハナは、とても独特な雰囲気を持っていたのです。

セイは、最初は怪しみながらも徐々にハナのことが気になっていきました。

しかし、ハナは1日しか記憶がもたないという病を抱えていたのです。2人は過酷な現実を乗り越えることができるのでしょうか。
 

著者
沖田 円
出版日
2015-12-28

2人は惹かれ合うものの、ハナの病気、セイの家庭環境によって悩み苦しみます。しかし、2人はお互いを支え合い、生きていくことを決めたのです。

同じシーンが何度も繰り返される印象ですが、ハナが記憶をなくしているという設定の上では、当然のことでしょう。それでもセイは根気強くハナと向き合い、ハナもそれに応えていきます。

毎日記憶をなくしても、お互いを想う気持ちは変わりません。毎日毎日、出会うたびに何かが変化しています。2人はそのたびに新鮮な気持ちを思い出していくのです。なんとも心温まるシーンではないでしょうか。

このような若い2人の純愛物語に、大人の方々もピュアな心を思い出すことができるでしょう。障害があったとしても、人を想いやる真っ直ぐな気持ちというのは、中高生の時に1番持っているのかもしれません。大人になると、その心を忘れてしまっているような気がします。

印象的なのは、章ごとのタイトルが花の名前で統一されていることです。種類によってイメージも異なりますし、どこか幻想的な世界観も伝わってきます。

果たして2人は幸せな結末を迎えることができるのでしょうか。
 

第3位:海を見に行こう――沖田円の「泣ける小説」

主人公、夏海は、高校生です。悩みに耐え切れず自殺しようとして高校の屋上へ行った時、知らない男の子に声をかけられます。

「少しの間だけ、俺にお前の命くれない?」

という言葉とともに現れたのは、朗と名乗る少年でした。
 

著者
沖田 円
出版日
2016-07-28

朗は、海が見たい、といって夏海を連れ出しました。海は遠く、子どもの2人だけでは到底着きそうにもありません。夏海は諦め半分ながらも、朗に付き合って海へと旅立ちます。

自殺の理由はたくさんあるでしょう。夏海が自殺したかった理由も、そのうちの1つでした。しかし、夏海にとってはとても大きなことで、それこそ命を絶ってしまいたいくらい辛く苦しい経験だったのでしょう。

夏海は朗と一緒に海を目指すことで、自分のことを見つめなおすことができ、悩みを一瞬でも忘れることが出来ました。読者は、こんな些細な、突拍子もないことで、自分の人生を変えることができるようになるのだ、と気づかされることでしょう。

また、人生の中で誰と出会い、隣に誰がいるか、ということが非常に重要なのだと感じられます。

「泣ける作品」ということで話題になった本作は、まさに評判を裏切らない作品です。夏海の気持ち、近づいていく距離は、まさに青春で、懐かしく感じる方もいるのではないでしょうか。

第2位:夢ってなんだっけ?と考えさせられる

主人公は、高校2年生の千世です。千世は、将来の夢もなく、生きている希望も沸くことがない学生でした。

ある日、千世の前にとても美しい男が現れます。彼の名は常葉です。神社の神様だという彼は、千世に手伝いをしてほしいと話しました。

常葉からされる「願い事」を叶えていくうちに、千世はたくさんの人と、知らなかったものと接することになります。そんな生活の中から、次第に自分の夢を見つけていきました。
 

著者
沖田円
出版日
2017-03-28

高校生で、進路も定まらない千世が夢を探す物語です。常葉に助けられ、人との交流をする中で、将来自分のやりたいことを考えていきます。

千世の幼馴染、大和もとても魅力的な人物として描かれているのです。大和には夢があり、それに向かって日々努力していました。その姿にもグッと感動することでしょう。大和の姿を見ながら自分の夢についても模索していく、千世の一生懸命な姿も見ることが出来ます。

夢を考えるということは、簡単なようでとても難しいことです。小さな夢から、大きな夢まで、これからの人生に大きく関わってきます。千世のような高校生の時期だと、自分がどんな職に向いているかわからず、悩むのかもしれません。

大きい夢を持たなきゃいけない気がして焦る気持ちがある一方で、夢というのは日常の何気ないところで明らかになるものかもしれません。千世の場合もそれは同じで、常葉の不思議な指示を受け入れていくうちに自分が何をしたいのかを見つけていきます。

物語として、無理やり千世に夢を持たせる形ではなく、ゆっくりと周りの環境から、夢を考えていく構成になっています。千世が目標を見出す流れがとても自然です。

夢を見つけようとする主人公を見ながら、自分の夢ってなんだっけ?と考えさせられる、心が温まる物語といえるでしょう。
 

第1位:隣にいて欲しいのは誰でしょうか

主人公、瑚春は双子の姉でした。幼いころから仲の良かった双子の弟、春霞を事故で失ってからというものの、弟を忘れられずに日々を過ごしていました。

ある日、瑚春の前に冬眞という男の子が現れるのです。最初は警戒しながらも、瑚春は彼に心を許しかけていきます。
 

著者
沖田円
出版日
2016-12-28

瑚春の前にふらっと現れた冬眞は、春霞の穴を埋めるかのように瑚春に接しました。その姿に、瑚春も笑顔を取り戻していきます。

しかし、冬眞は瑚春と関係が無いわけではありませんでした。なんと、冬眞には瑚春に伝えることのできない秘密があったのです。その真実を知った瞬間に、動揺する瑚春と共に、読者も心揺さぶられること間違いなしでしょう。

作品の魅力としては、まず、双子の深い関係にウルっと来てしまいます。いつも一緒にいて、小さいころからなんでも同じことをしてきました。それにも関わらず急に亡くなってしまった弟のことを、思わずにはいられません。立ち直れない瑚春の姿に胸が締め付けられます。

そんな瑚春でしたが、冬眞をはじめとして、登場する人物たちが温かい人たちばかりです。最初は心を閉ざしていた瑚春ですが、冬眞や人々との絆と共に次第に明るくなり、心を開いていきました。

作品には、先述したような立ち直れない瑚春の心や、段々と癒されていく気持ちがとても素直に描かれています。もしかしたら、自分もこういった立場になるかもしれない、と感情移入しやすいため、そのぶん瑚春の悲痛な思いや癒されていく心が、手に取るようにわかるのかもしれません。

果たして冬眞の秘密とは何なのでしょうか。ぜひ、この結末をご覧になってください。

いかがだったでしょうか。沖田円の作品は、どれも温かく、じんわりとした作品ばかりです。また、装丁が本当にきれいで、沖田の世界観を存分に表しています。軽く読める作品なので、ぜひ1冊お手に取ってください。

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