漫画『ちはやふる』の名言から最新34巻までネタバレ紹介!

更新:2021.11.7

2期のアニメ化、前後編での実写映画化など漫画に止まらない人気を博した『ちはやふる』。スポ根、青春、恋愛など多面的な魅力があります。今回は本作の良さをキャラクターたちの名言からご紹介!最新34巻のネタバレも含みますのでご注意ください。

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漫画『ちはやふる』の魅力を34巻までの名言からネタバレ紹介!

著者
末次 由紀
出版日
2008-05-13

かるたという馴染みのない文系ジャンルの競技を世に知らしめ、その激しさや臨場感を表現した少女漫画『ちはやふる』。主人公は少年漫画顔負けのまっすぐさで物語を動かしていく人物です。

そんな本作は魅力が多面的にある作品です。スポ根漫画の熱血さ、恋愛漫画の胸キュン展開、青春漫画の甘酸っぱさ。すべてを詰め込み、若者の二度とない一瞬一瞬のきらめきを歌を通して描いているのです。

今回はそんな人気少女漫画のキャラクターの魅力を歌と名言で紹介します!

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キャラの名言1:「特別だから 手に入れたいものほど手放すの」【綾瀬千早(23巻)】

 

主人公の千早は競技かるたの臨場感やスポ根要素を伝えてくれるまっすぐな少女。ほとんど悩みませんが、一度悩むとそのことしか考えられなくなるくらいの、本当にストレートな子です。

千早がかるたと出会ったのは小学生の頃。転校生の新という少年にかるたの面白さを教えられ、どんどんその面白さにハマっていきます。

そしてもともと仲の良かった太一に実力が段違いの新、みんなで切磋琢磨するのです。そんな彼女は当時からすでに競技かるた界では有名人だった新には、当然ながらずっとぼろ負け。しかし1枚だけ彼からとれた札があります。それこそが本作のタイトルにもなっているこの歌です。

「千早(ちはや)ぶる 神代(かみよ)もきかず 龍田川(たつたがは)
からくれなゐに 水くくるとは」

千早は自分の名前と同じこの札の1字目を持ち前の耳の良さで感じ取るのです。


 

 

著者
末次 由紀
出版日
2008-09-12

 

少しこの歌について説明しましょう。この「ちはやぶる」は勢いが激しいこと、龍田川は奈良県にある実在の川の名、「神代もきかず」とは神々の時代でも聞いたことがないこと、「からくれなゐ」とは鮮やかな紅色、「くくる」とは絞り染めのこと。

そしてこれを現代語訳すると、「神様たちがいた時代でもこんなことは聞いたことがない。竜田川に(紅葉が浮いて)一面鮮やかな赤色に染められているなんて」となります。

しかしこれをそのままの意味で捉えていた千早に、同級生の奏は恋の歌であるという解釈を教えるのです。この歌を詠んだ在原業平は身分違いの恋から思い人との仲を引き裂かれたことのある人物なのです。

奏はそのことを考えると、これはこんな「激しい恋の歌」に聞こえると語ります。

こんなことは太古の時代から聞いたことがない。水をくぐって激しく流れる紅葉の紅色は、離れても秘めずにいられない私の狂おしいほどの恋心のようだ。

そうやって考えると黒で印刷された札も赤色で見えるのではないかと奏は千早に言うのです。そしてここから千早のかるたの幅はまた広がっていきます。

そんな彼女の名言は自分のプレイスタイルについて語るシーンから。それは23巻で新にかるたについて相談された時のことでした。千早は自分だったらどうするかと聞かれ、こう答えます。

「私は攻めがるただから(中略)
特別だから 手に入れたいものほど手放すの
かならずとると勝負に出るの」(『ちはやふる』23巻より引用)

男前ですね。かるたに全てを注ぎ込んで努力し続けてきた人だからこそ言える攻めの言葉です。そんな彼女ですが、この後幼い頃から思いを寄せ続けてきた新に告白され、かるたも手につかないほどに戸惑ってしまいます。

美人なのに少年のように素直で純粋な主人公が千早なのです。

 

キャラの名言:2「かるたの才能なんて、俺だって持ってねえ」【真島太一(3巻)】

 

新が転校してくる前から千早と仲が良く、その頃から彼女に思いを寄せている太一。お金持ちの家に生まれ、イケメンで勉強もできてとスペックの高さが目立つ彼ですが、ここぞという時に報われず、それでも努力をやめない、意外と泥臭いキャラです。

太一は様々なかるたに懸けてきたキャラが登場する中で、最も人間らしい性格をしているかもしれません。臆病で、慎重で、それでも信念を負けずに進み続ける姿には胸が熱くなります。

 

著者
末次 由紀
出版日
2009-09-11

 

そんな彼を表したかのような名言は3巻から。同級生で勉強ができる駒野はかるた部に勧誘されますが、自分には勉強しか能がないからできる訳ないと本音をこぼします。それを聞いた太一は彼に、そして自分に言い聞かせるようにこう言うのです。

「かるたの才能なんて、俺だって持ってねえ
きついけどやってんだ!負けるけどやってんだ!
だって、勝てたとき、どんだけ嬉しいか!」(『ちはやふる』3巻)
 

中学時代に夢を諦めてしまったこと、かるたを続けてきた千早のまっすぐさと実力に複雑な気持ちになること。

太一のそれまでの気持ちが表された名言です。ほとんど報われなくても、一瞬だけ、表現しようのない喜びが、かるたにはあることを教えてくれます。

 

キャラの名言3:「「自分のことでないと夢にしたらあかん」【綿谷新(1巻)】

 

永世名人の孫であり、全国大会で毎年優勝して幼い頃からその実力を競技かるた界に響き渡らせていたのが新。少年の頃からもの静かな性格で、そのせいで千早たちのいる学校に転校してきた時にはいじめられてしまいました。

新は中学、高校と歳を重ねるにつれていぶし銀のような魅力が出てくるキャラ。そんな彼の名言はどれも彼の性格のよさ、芯の強さを感じさせるものばかりです。


 

 

著者
末次 由紀
出版日
2009-03-13

 

やはり新の名言を選ぶとしたらそれは小学生の頃のものでしょう。芸能活動をする姉が有名になることが自分の夢だと語る千早に、新はまっすぐに彼女の目を見てこう言います。

「自分のことでないと夢にしたらあかん
のっかったらダメや、お姉ちゃんがかわいそうやが」
(『ちはやふる』1巻)

一途にかるただけをしてきたエリートらしい言葉ですね。彼の健やかさが強さの秘訣なのだと感じられます。

 

キャラの名言4:「子供には高確率で幸せになってほしいのよっ」【綾瀬 千恵子(34巻)】

 

34巻は千早が将来の進路に向けて進み始めた巻でした。

2年までの成績が悪く、推薦を望めない千早は高校3年の1年間で勉強しなくてはなりません。しかし彼女の頭の中はクイーン戦のことばかり。浪人してでも、自分でお金を稼いででも、かるたを続けたいと考えていました。

しかし当然親は猛反対。

 

著者
末次 由紀
出版日
2017-03-13

 

「子供には高確率で幸せになってほしいのよっ 
そのくらいシンプルな望みなのに
なんでうちの子たちは二人とも大丈夫かどうか怪しい道ばっかり行って…」

親の本音が感じられる、優しい言葉です。そんな時、その場に居合わせた太一が千早の母親に、千早には名人にも引けを取らないくらいの耳の良さがあるものの、それはどんどん衰えていくものだ、とだけ言って家に帰ります。

それを聞いた母親は少し説得の余地を見せるようなことを言い、千早はここぞとばかりに駒野に聞いた上達の方法を並べていきます。

「目標は具体的に」次の試験でどこかの大学のB判定をもらうこと、「時間は集中的に使う」ために勉強時間とかるたの時間を半々にすること、「第三者に反省点の指摘をもらうために」先生たちに毎日添削してもらうこと、「居心地のいい場所から出ていく」ために違うかるた会にも練習しにいくこと。

最終的にはかるたの話になってしまい、吹き出す母親ですが、「やりたいことをするためにやりたくないこともする」と決めた千早を見て、やっと彼女のやり方を認めてくれるのでした。

プロになって実績を残してもお金がもらえず、生計を立てられない競技かるた。ただ自分の夢だから追いかけたいという千早と、彼女を心配する母親の気持ちが浮きぼりになった巻でした。

 

『ちはやふる』35巻が待ちきれない!

著者
末次由紀
出版日
2017-08-10


ついに自分の進路をしっかりと見据えて動き出した千早。35巻では彼女がどう進んでいくかが注目されます。待望の35巻は2017年8月10日発売です!

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