「読む」という視点で楽しめる、おすすめの芸術書【永原真夏】
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「読む」という視点で楽しめる、おすすめの芸術書【永原真夏】

更新:2020.11.30 作成:2017.7.4

ミュージシャン・永原真夏さんによる連載書評コラム。今回は横尾忠則『人工庭園』、ヘンリー・ダーガー『非現実の王国で』、草野庸子『EVERYTHING IS TEMPORARY』を取り上げます。

永原真夏プロフィール画像
歌手
永原真夏
ミュージシャン。SEBASTIAN X、永原真夏+SUPERGOODBAND、音沙汰として、精力的に音楽活動を行う。デザイン、イラスト、ZINEの制作などにも定評があり、音楽活動とリンクした様々な商品、グッズを制作している。自身の誕生日でもある2017年7月23日に、20~30歳の10年間を収めた写真集「Fortissimo」を発売した。 永原真夏 秋の行楽ツアー2017「歌声フォルテシモ」 2017年10月21日(土) 豊田スタジアム外周 「TOYOTA ROCK FESTIVAL 2017」 START:10:00 入場無料 出演:永原真夏+SUPER GOOD BAND、他 2017年10月22日(日)十三ファンダンゴ OPEN/START:18:00/18:30 adv:¥3000 出演:永原真夏+SUPER GOOD BAND/他(3マン予定、共演者後日発表) チケット:e+/ファンダンゴ店頭で発売中 2017年10月26(木)下北沢SHELTER OPEN/START:19:00/19:30 adv:¥3000 出演:永原真夏+SUPER GOOD BAND(ワンマン) チケット:e+/永原真夏ライブ物販で発売中 2017年11月3日(金・祝)松江市大根島HOME野外特設ステージ 「アライバリズム2017」 出演:永原真夏+SUPER GOOD BAND/他(共演者後日発表) START/15:00 料金:未定 ※22歳未満入場無料 チケット情報:主催者メール予約にて受付中 宛先アドレス:info@tanuki-onsen.com メール件名「11/3HOMEチケット予約」 本文にお名前(読み方)、枚数、メールアドレスをご記入の上お送りください http://nagaharamanatsu.com/
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こんにちわ! 永原真夏です。
今回は、文章を主にした小説や詩集などではなく、芸術書の紹介です。
絵も、美術館に飾っていますと『観る』視点になりますが、一冊の本になると『読む』視点が生まれます。
夏休みも近いですし、みなさまご自宅で画集などを読むのも乙かしらと思います。アウトドアもよいですが、やっぱり結局インドアに限るよね!

イマジネーションが炸裂する「画文集」

著者
横尾 忠則
出版日
テーマにとても近く、「画文集」とされています。エッセイが全105編と、それぞれに一枚の絵。
帯に〈散文と絵画の融合。描くことは、蘇らせることだ。〉とあります。
横尾忠則さんの絵は独特で、見るだけでも十分にパワーが伝わってきて大好き!なのですが、そこに少し文章が加わると、ああこんなことを考えながら創作しているのだなあと、一歩進んで楽しめます。
文章はユーモアと皮肉たっぷりで、苛立ち、楽しみ、悲しみ、喜び……から、イマジネーションの爆発がこちらまで伝わってきます。

謎多き画集

著者
ジョン・M. マグレガー
出版日
2000-05-01
アール・ブリュット(いわゆるアウトサイダーアート)というジャンルを私が知るきっかけとなった画集です。
この画集に載っている絵は、半世紀もの間、誰にも知られず、見せることもなく、書き続けたものです。
蝶々らしき羽が生えた幼女が走り回ったり、ひつじらしきツノの生えた幼女が現れたり……。花は咲き誇り、まるでおとぎ話のようなキュートでファンタジックな絵たちは、新聞の広告やパッケージなどの絵をトレースして描かれたものだそうです。
天涯孤独だったダーガーは、職場と家の往復のみで、本名の正しい発音すらも、皆知らなかったそうです(現在も不明)。
そのファンタジーと現実の歪みから来るのか、突然にグロテスクで残酷な絵が入ってきたり、またかわいいファンタジー空間に舞い戻ったり……。
19歳から半世紀にもわたり書き続けられた、未だに謎多き作品です。言葉にせずとも、態度に出ずとも、生きていたんだということを感じ取れる画集です。

日常を映し出す写真集

EVERYTHING IS TEMPORARY

草野庸子
Pull the Wool
若き写真家、庸子ちゃんの写真集です。
友人の後輩として出会い、わたしもアーティスト写真を撮影してもらったりした関係です。
タイトルの日本語訳は「すべてが一時的なものです」。

この写真集がとても好きになった理由はシンプルで「2017年くらいの若者はこうであったよ」と、この一冊の説得力を持って説明できるところ。
そして、それらが一時的であるというのは説明されずともわかっておりますよ、ハイハイ、遊びに行くんでさようならーという生意気さで、友達と、日常と、生活と、アートを作ってしまう。
あとがきにある〈忘れることは死よりも遠く、未来はここにある〉という一節から、熟した精神とは裏腹に、若き身体をどうしようかいつもいつも持て余して、結果反射でカメラを構える彼女が目に浮かびます。