こんにちわ! 永原真夏です。
今回は、文章を主にした小説や詩集などではなく、芸術書の紹介です。
絵も、美術館に飾っていますと『観る』視点になりますが、一冊の本になると『読む』視点が生まれます。
夏休みも近いですし、みなさまご自宅で画集などを読むのも乙かしらと思います。アウトドアもよいですが、やっぱり結局インドアに限るよね!
イマジネーションが炸裂する「画文集」
- 著者
- 横尾 忠則
- 出版日
テーマにとても近く、「画文集」とされています。エッセイが全105編と、それぞれに一枚の絵。
帯に〈散文と絵画の融合。描くことは、蘇らせることだ。〉とあります。
横尾忠則さんの絵は独特で、見るだけでも十分にパワーが伝わってきて大好き!なのですが、そこに少し文章が加わると、ああこんなことを考えながら創作しているのだなあと、一歩進んで楽しめます。
文章はユーモアと皮肉たっぷりで、苛立ち、楽しみ、悲しみ、喜び……から、イマジネーションの爆発がこちらまで伝わってきます。
謎多き画集
- 著者
- ジョン・M. マグレガー
- 出版日
- 2000-05-01
アール・ブリュット(いわゆるアウトサイダーアート)というジャンルを私が知るきっかけとなった画集です。
この画集に載っている絵は、半世紀もの間、誰にも知られず、見せることもなく、書き続けたものです。
蝶々らしき羽が生えた幼女が走り回ったり、ひつじらしきツノの生えた幼女が現れたり……。花は咲き誇り、まるでおとぎ話のようなキュートでファンタジックな絵たちは、新聞の広告やパッケージなどの絵をトレースして描かれたものだそうです。
天涯孤独だったダーガーは、職場と家の往復のみで、本名の正しい発音すらも、皆知らなかったそうです(現在も不明)。
そのファンタジーと現実の歪みから来るのか、突然にグロテスクで残酷な絵が入ってきたり、またかわいいファンタジー空間に舞い戻ったり……。
19歳から半世紀にもわたり書き続けられた、未だに謎多き作品です。言葉にせずとも、態度に出ずとも、生きていたんだということを感じ取れる画集です。