小説『ようこそ実力至上主義の教室へ』あらすじと魅力をネタバレ紹介!【アニメ化】

更新:2022.9.13

「よう実」の略称で親しまれている人気ライトノベルシリーズ『ようこそ実力至上主義の教室へ』。実力を隠した本当はすごい少年を主人公に、完全実力主義の学校を舞台にくり広げられる学園ラブコメディです。この記事では。3期までアニメの制作が決定している『ようこそ実力至上主義の教室へ』のライトノベル原作のあらすじと魅力を紹介していきます。

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『ようこそ実力至上主義の教室へ』あらすじ【アニメ化】

衣笠彰梧によるライトノベルようこそ実力至上主義の教室へ通称「よう実」は、2019年から「このライトノベルがすごい!」で3年連続総合トップ10入りを果たし、シリーズ累計発行部数は470万部を突破している人気作品です。

高度育成高等学校という名門校に入学した、綾小路清隆(あやのこうじ きよたか)は、平凡に学園生活を満喫するはずでしたが、その内に秘められた才能や能力により、本人の意志とは裏腹にクラス間の抗争に巻き込まれてしまいます。

2017年にテレビアニメ化!

原作とは時系列や内容が大きく変わっており、1~3巻までと、4巻と4.5巻の一部のストーリーがアニメ化されています。

声優などの詳しい情報は、TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』公式サイトをチェックしてみてください。

2022年にアニメ2期放送開始!

1期では1年生序盤のストーリーとなる無人島特別試験編までの放送となりました。 2期はライトノベル4巻から(原作漫画7巻30話から)の物語が描かれます。

ABEMAでは地上波に先駆けて先行・単独最速配信がされています。放送後1週間、最新話を無料で視聴できるほか、プレミアムでは全話見ることができます。無料体験でも全話見ることができますので、ぜひこちらから登録してアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』を堪能してみてください!

アニメ『『ようこそ実力至上主義の教室へ』を見てみる

底辺DクラスがAクラスを目指す『ようこそ実力至上主義の教室へ』1巻

東京高度育成高等学校。全寮制で入学から卒業までの3年間は、肉親と連絡を取るにも許可が必要という制限はあるものの、キャンパス内にはカラオケやカフェ、ブティックまで揃っている小さな町のような学校です。

何よりの特徴は、そこが希望する進学先や就職先に100%応える学校であり、Sシステムと呼ばれるポイント制度を採用していることでした。生徒達には毎月10万円相当ものポイントが支給され、学校内での買い物は全てそれで行えるようになっているです。

そんな学校に入学した綾小路清隆は、入学式の日、通学途中のバスでちょっとしたトラブルを目撃します。それは老婆に席を譲らない若者に対し、少女が異を唱えるというものでした。

事なかれ主義の清隆はそのままやり過ごししていましたが、バスを降りた後、自分と同じように我関せずと席を譲らなかった少女とちょっとした口論になってしまいます。その場はすぐに少女と別れた清隆でしたが、新しいクラスの1年D組には、口論になった少女・堀北鈴音(ほりきたすずね)、そして異を唱えた少女・櫛田桔梗(くしだききょう)もいて……。

著者
衣笠彰梧
出版日
2015-05-25

希望する進学先や就職先を100%手に入れられるという東京高度育成高等学校。そこは、学費なども全て国が負担している全寮制の名門校で、キャンパス内には様々な設備が整い小さな町が詰め込まれたような恵まれた環境なうえに、毎月キャンパス内で金銭として使えるポイントが支給されるという一見すると理想郷のような学校です。

しかし、その実態は、Sシステムという制度が採用された実力至上主義の学校で、Aをトップとした3年間変わることのないAからDのクラスは、それぞれが稼いだクラスのポイントにより上へ上っていく仕組みになっていました。そして、そのポイントによって個人に支給されるポイントも増減する――すなわち何もしないで毎月10万も貰えるわけではなく、ポイントを稼げなければ使えるお金も0円というシステムだったのです。

主人公の清隆は、コミュニケーションを取るのが苦手で成績も平均点以下、友達を作りたいと思いつつ自分から声をかけることができず、声をかけてもらえるのを待っている影の薄い少年です。基本はそんな清隆目線で、物語はゆっくりと進んでいきます。

一方、ヒロインの堀北も、清隆と同じ友達のいないタイプですが、成績は学年トップクラスで、独自の行動理論を持っているキャラクター。そんな彼女と正反対なのが、櫛田桔梗という可愛くて誰とも仲良くできる美少女です。しかし、そんな彼女にも実は裏の顔があります。

他に、髪を赤く染めた不良の須藤健や、クラスのリーダー的存在でサッカー部のイケメン平田洋介など、Dクラスに所属する生徒を中心に、様々なキャラクターが登場します。

1巻は舞台となる学校や、そこで過ごすことになる主人公の綾小路清隆やヒロインの堀北鈴音をはじめとしたキャラクター達の紹介のような巻なので、キャラクターの登場を楽しむ1冊と言っても過言ではないでしょう。文章は簡潔でサクサク読み進めることができるので、ストーリーの起伏を楽しみたい方は、2巻、あるいは3巻くらいまで一気読みするのもいいかもしれません。

キャラの魅力が際立つ『ようこそ実力至上主義の教室へ』2巻

東京高度育成高等学校で採用されているSシステム。それは、生活態度や成績で得たポイントが直接評価につながる実力至上主義のシステムでした。

清隆のいるDクラスは、5月から7月の今まで0ポイントになってしまったポイントが久しぶりにプラスになり、浮足立っていました。しかし、ポイントの支給はなぜか保留になってしまいます。先生は学校側のトラブルと言っていましたが、清隆は何となく違和感を覚えていました。

そんな時、同じクラスの不良生徒・須藤が、長期間の停学処分になりそうだと清隆に相談しにきます。どうやら須藤がバスケ部のレギュラーになりそうなことを逆恨みしたCクラスの生徒が喧嘩をふっかけてきたのが原因らしいのですが……。

著者
衣笠彰梧
出版日
2015-09-25

1巻に引き続き、ストーリーが派手に展開していくというよりも、キャラクター達の過ごすそれぞれの日常が際立つ一冊です。

前巻以上に、不良キャラである須藤が巻き起こす事件に関わる清隆をはじめとしたキャラクーの性格や個性が掘り下げられており、キャラクターをしっかり読みたい方には特に面白く読むことができるでしょう。清隆を中心にしたハーレム要素もあるのですが、そこだけが際立って強調されることがなく、男女問わずキャラクターの魅力をじっくり楽しむことができます。

また、平凡で平均以下のキャラクターとして描かれてきた清隆が、少しずつ違う本性を見せ始めるのもこの巻の見どころです。そのことを察し始めたのは堀北ですが、読者も堀北と一緒に主人公の裏の顔を垣間見ることができるでしょう。

他にも、今後の伏線が張られていたり新しいキャラクターが登場したりと、これからのシリーズに期待が膨らむ一冊です。

特別試験は無人島でサバイバル!!『ようこそ実力至上主義の教室へ』3巻

待ちに待った夏休みを迎えた高度育成高等学校の生徒達は、学校が用意した豪華客船による2週間のクルージングに参加していました。最初の1週間は無人島のペンションで過ごすと聞き、普通ではなかなか経験できない豪勢な旅に清隆達はすっかり浮足立っています。

プライベートビーチで泳ぐのを楽しみにしていた清隆達でしたが、辿り着いた島で待っていたのは、特別試験という名の無人島でのサバイバル生活で……!?

著者
衣笠彰梧
出版日
2016-01-25

全寮制の学校で外部との連絡も制限されているという設定もあり、前巻までは学校という範囲で物語が進んでいましたが、夏休みに入った本作では、いきなり無人島が舞台になります。これは学校が用意した特別試験で、無人島で1週間のサバイバル生活という舞台が、これまでにない新鮮さを感じさせてくれます。

ただし、サバイバルといってもこの物語でのサバイバルは、テントやシャワーもポイント次第で使うことのできるものなので、本気のサバイバルは期待しないほうがいいでしょう。ここでのサバイバルは、クラス対抗のポイントの奪い合いです。

これまでもクラス同士の戦いは描かれていましたが、3巻ではルール上それがより明確になっているので、AからDのそれぞれのクラスの特徴が際立っているのも本巻の特徴です。それと同時に、清隆の本性もだいぶ目立ってきます。

いわゆる最強系の主人公なのですが、この巻で、清隆が何かしらの事情があって実力を隠しているのだということがはっきりします。前巻までは、展開がゆっくりめでしたが、ここではストーリーもキャラクターも次々に新しいエピソードが出てきて、最後までテンポ良く読み進めることができるので、特別試験の結末をぜひ手に取って確認してみてください。

清隆の黒い性格が出現!?『ようこそ実力至上主義の教室へ』4巻

無人島での特別試験を終えた清隆達は、豪華客船に戻っていました。試験が終わってからすでに3日。船の上でも何かしらの試験があると考えていた生徒達も気が緩んできて、船上の生活を楽しみ始めていました。

そんな折、清隆は同室の平田から、堀北との間を取り持ってほしいと相談を受けます。平田は、Dクラスが一致団結するためには堀北の力が必要だと言うのですが、堀北がそう簡単に態度を変えるとは思えません。

その後、清隆達の元へ重要メールが届きます。それは、学校からの指示やお知らせなど重要な内容が届く時に使われるメールです。それには、特別試験実施のお知らせが書かれており……。

著者
衣笠彰梧
出版日
2016-05-25

3巻から続き、夏休みの特別試験のお話です。前巻は無人島でのサバイバルゲームでしたが、今回は舞台を豪華客船上に移し、知略を巡らせる頭脳戦をくり広げていきます。その中で、清隆はかなり本性を見せ始めました。

事情があって実力を隠している清隆ですが、今回はそのなかでも、目的のためなら手段を択ばない非情な面が際立ち始めます。普段は平凡で地味な平均以下の主人公がいざとなると活躍する様子は心躍るものがあるのですが、本巻ではどちらかというと清隆が悪役っぽい印象を受けることが多いかもしれません。黒い面を持った主人公像が好きな方にはより楽しめるでしょう。

他にも、前巻までで、AからDのそれぞれのクラスの特徴が明確になってきていましたが、本巻では清隆のいるDクラスはもちろん、Aクラスの内部対立ともいえる側面が見えてくるのも面白いところです。

結末は決して清隆達のハッピーエンドとはいかないので、もしかしたらスッキリしない方もいらっしゃるかもしれませんが、だからこそ次巻以降が気になる終わり方でもあります。今後がどんどん楽しみになってくるので、ぜひ次巻と合わせて楽しんでみてください。

休息回と思いきや伏線ありの必読巻!!『ようこそ実力至上主義の教室へ』4.5巻

夏休み中に行われた特別試験も終わり、2学期が始まるまで残り7日になった頃、部屋で1人過ごしていた清隆の元に須藤から電話がかかってきました。須藤は、キャンパス内で学生達が利用する複合施設ケヤキモールに、よく当たると評判の占い師がいるから行ってみようと誘ってきたのです。

須藤の本当の目的は堀北でした。仕方なく堀北を誘う清隆ですが、予想通り堀北には断られ、そのことを知った須藤もあっさりと誘いをキャンセル。しかし、清隆は占い師に興味を持ちました。

1人でケヤキモールにやってきた清隆でしたが、何と占いは2人1組でないとやってもらえないことが発覚します。あきらめて帰ろうとした時、同じように1人でやってきていたC組の伊吹澪(いぶきみお)と出会い……。

著者
衣笠彰梧
出版日
2016-09-23

4.5巻というナンバーから、ちょっとした番外短編なのかなと予想する方も多いかもしれません。内容は、Dクラス以外のキャラクター達の話が、主人公の清隆目線で進められていく5編のショートストーリー集です。ショートストーリー集といっても、それぞれが独立しているわけではなく、全てが繋がっていく形式になっています。

随所に次巻以降の伏線や、キャラクター同士の重要な絡みなどがしっかり描かれているので、休息回といえども目を離すことができません。とはいえ、もちろんそれだけではなく、本編には入りきらなかったであろうそれぞれのキャラクターのちょっとしたエピソードも光っており、キャラクター小説としても楽しく読むことができます。

前巻までで描かれてきた1学期の話を思い出しながら、次巻への期待を膨らませてくれる必読の1冊です。

体育祭で発覚!! 清隆の能力『ようこそ実力至上主義の教室へ』5巻

夏休みを終え2学期の始まった高度育成高等学校。清隆と堀北は、特別試験の経験を活かし、平田や軽井沢と話し合いの場を設けていました。それまで1人でAクラスまで上がろうと考えていた堀北も、特別試験のように互いに協力しなければならない場面がこれから先もあるに違いないと考えるようになっていたのです。

そんな清隆や堀北達を待ち受けていたのは、体育祭。体育祭はこれまでのクラス対抗とは違い、学年を赤と白の2つの組に分けておこなうもので、D組はA組とともに赤組に配属されることになっていました。

新しいグループ対抗のうえ、体育祭で負けると様々なペナルティもあると分かり、D組は堀北も巻き込み作戦を考え始めるのですが……。

著者
衣笠彰梧
出版日
2017-01-25

これまで、主人公の清隆が隠し持っている実力が小出しにされてきましたが、この巻ではいよいよその能力を周りも知ることになっていきます。もちろん全てではありませんが、清隆がただの平均以下の凡人ではないことに周りの人間も気が付いていく様子にはワクワクするものがあるでしょう。

他にも、清隆の過去を知っているらしいAクラスのキャラクターが出てきたり、Dクラスの人気者の櫛田桔梗の意外な真実が明かされたり、魅力あるエピソードがいろいろと描かれているので、最後まで一気に読み終えてしまう勢いがあります。体育祭が舞台ということもあり、動きのある印象に残るシーンが多いのも特徴です。

また、Dクラスをはじめ他のクラスも警戒を強めているCクラスのリーダーで、頭が切れて力でクラスメイトを支配している龍園翔(りゅうえんかける)の悪役ぶりが際立ったり、堀北と須藤の関係が深まったりと、清隆以外のキャラクターも生き生きと描かれ、その成長ぶりを伺うことができます。

巻数はすでに5巻ですが、シリーズ全体を通すと物語はまだ序盤。巻数を追うごとに勢いを増していく本シリーズから、ますます目を離すことができなくなってしまうはずです。

中間テストでバトル!?『ようこそ実力至上主義の教室へ』6巻

10月。体育祭も無事に終わり、清隆達のいるDクラスは少しずつ変わってきていました。クラス一番の問題児だった須藤が変わってきたせいなのか、クラスにまとまりが出てきたのです。

そんなある日、清隆にクラスメイトの佐藤が声をかけてきます。軽井沢と同じギャル系女子の佐藤とは、清隆はこれまでほとんど話したことはありません。

訝しみながらも誘われるままついていくと、友達からでいいから連絡先を交換してほしいと言われます。告白のような告白ではないような感じでしたが、断る理由もなく、清隆は連絡先を交換しました。

そして迎えたのは、中間テストの結果発表。体育祭の結果も加味されているテストの結果とは……!?

著者
衣笠彰梧
出版日
2017-05-25

中間テストの結果が発表された清隆達ですが、次に彼らを待ち受けているのは期末試験。本巻ではその期末試験で、Dクラスと、Cクラスのリーダーである龍園との勝負が描かれていきます。試験で勝負といっても、単純に点数を競うのではなく、クラス同士で試験を作り合い、互いに問題を解くというものです。

周りが清隆の本性を知り始めたこともあり、清隆にもとうとうグループができます。これまでコミュニケーションが苦手で、遊びもご飯も誰かに誘われるのを待っていた清隆にもとうとう友達グループが出来たというのは、ここまで読んできた読者にとっては清隆の成長を感じることができるエピソードといえるでしょう。

清隆以外にも、櫛田と堀北の過去が明かされたり、その中での堀北が変わっていったりと、個々のキャラクターの成長も描かれていきます。前巻に比べると派手さには欠けますが、そのぶん、それぞれのキャラクターの変化を丁寧に読み進めることができます。

ストーリー展開も予想できないので、最後まで飽きることなく、意外な結末に驚くこともあるでしょう。早く続きを読みたくなりますね。

綾小路父VS綾小路息子から目が離せない!? 『ようこそ実力至上主義の教室へ』7巻

期末試験でDクラスやCクラスのリーダー・龍園と対決をしていた清隆達。冬の寒さも厳しくなってきた12月、清隆を中心に結成されたグループは、Cクラスの異変に気が付き始めていました。

それはどうやら龍園の手が回っているようで、Dクラスとのポイント差が僅かになったことから龍園達も焦っているようでした。清隆は事の真意を問いただそうと、自分たちのことを見張っていたAクラスの神室に声をかけますが……!?

著者
衣笠彰梧
出版日
2017-10-25

季節は12月のクリスマス直前。清隆達は、活発化している龍園達の動きを警戒しつつ、自分達もそれに対抗すべく動き出していました。そんな中で、今回は清隆と父親が一騎打ちの勝負をすることになります。

勝負といっても殴り合いでも勉強でもなく話し合いですが、なかなか手に汗にぎるものがあります。父親は「命令」と称して清隆に退学を迫ってきますが、清隆はそれを拒否。もちろんそれだけで父親が退くわけもなく、清隆の入学に協力してくれた執事とその家族を社会的に抹殺したと言い出します。

しかし清隆もさらに強者でそんな父親の言葉にも平然と対応するなどの成長を見せ、父親を僅かに動揺させることに成功しました。この辺りはぜひ一気読みすることをオススメします。

もちろんメインの龍園との対決からも目は離せません。長かった2学期がようやく終わり冬休みに入り、龍園との勝負にもようやく決着がつきます。とはいえ、龍園がこれでフェードアウトするとは思えないので、今後も何かしらの活躍をしてくれそうなキャラクターとして期待ができそうです。

ちなみに、堀北と櫛田はあまり出番がないので、ファンの方はちょっと寂しく感じるかもしれません。

クリスマスデートのお相手は麻耶!? 『ようこそ実力至上主義の教室へ』7.5巻

長かった2学期も終わり学校も冬休みに突入。12月といえばクリスマスシーズンですが、イブを翌日に控えた23日、軽井沢恵は佐藤麻耶と会っていました。麻耶は清隆とデートをする予定で、どうやったらデートを成功させられるのかと恵に相談していたのです。

しかし、そんな相談をされる恵の心中も穏やかではありません。なぜなら、恵もまた、清隆のことが頭から離れなくなってしまっていたのです。

著者
衣笠彰梧
出版日
2018-01-25

今回は、7.5巻ということで短編集です。もはやメインヒロイン級の扱いになっている軽井沢恵が恋の相談を受けてヤキモキする話や、一人映画を観に行った清隆が同じように一人で映画を観に来ていた伊吹澪と遭遇、なぜか勝負事が起き密室に閉じ込められるという話など、様々なキャラクター達が過ごすクリスマス前後の話が描かれていきます。

本巻では清隆が麻耶とデートしていますが、この2人はこの時点ではまだ付き合っていません。麻耶のほうは告白までしたいと考えており、実際にそれを実行もしますが、清隆はあっさり振ってしまいました。でも、麻耶なら付き合ってもいいと思わなくもなかったようなことも言っており、清隆の恋愛観に思わず笑ってしまう方も多いかもしれません。

同時に、恵と清隆の関係性も変わってくることになるのですが……。この辺りはぜひ実際に手に取って確認してみてください。本編の箸休み的な巻ですが、ファン心をくすぐる1冊です。

全学年参加の「混合合宿」開始!『ようこそ実力至上主義の教室へ』8巻

遂にDクラスが、Cクラスに昇級!幸先のよい3学期を迎えた清隆たちでしたが、学期開始早々、山奥にある校舎へと連れていかれました。

しかし連れてこられたのは彼らだけではなく、高度育成高等学校に通う全生徒。そこで告げられたのは、全生徒による特別試験「混合合宿」の実施で……!?

著者
衣笠彰梧
出版日
2018-05-25

前巻は、本編からは少し離れた箸休め的な巻でしたが、今回は一転。がっつりと本編が進められます。

3学期を迎えた清隆たちは、ついにDクラスからCクラスに昇級。しかし喜びも束の間、彼らは特別試験「混合合宿」に挑むことになるのです。

この合宿は名前のとおり、全学年が複数のグループに振り分けられておこなう試験。勝利すればポイントをもらえますが、最下位になったら、そのグループの責任者は退学処分にされるという恐ろしいものでした。

グループ分けの結果、清隆は高円寺六助と一緒のグループになりました。この高円寺という人物は、自由で個性的、一言で行ってしまえば変なヤツなのですが、スペックは万能型。存在感は十分で、本巻では目を離せないキャラクターの1人です。

試験をどうクリアしていくかという部分も気になりますが、一方でグループ内でのいざこざと、それをどう乗り越えていくかも気になるところ。

ちなみに本巻では、ラノベではちょっと珍しいかもしれない男子風呂の回もあります。女子のお風呂や水着の回は他にもたくさんありますが、男子のお風呂は案外珍しいかもしれませんね。男子高校生らしい笑えるシーンにも注目してみてください。

一ノ瀬の過去が明らかに!『ようこそ実力至上主義の教室へ』9巻

清隆との対決を狙い、一ノ瀬をつぶすことを画策する坂柳は、彼女に対する噂を学園中に蔓延させてしまいます。根も葉もない噂のなかには、彼女の本当の過去も含まれていて……。

著者
["衣笠彰梧", "トモセ シュンサク"]
出版日

本巻はヒロインの1人、一ノ瀬帆波がメインの内容です。彼女はBクラスに所属している女子ですが、その明るく誰とでも仲良くなれる性格から、他のクラスである清隆たちとも交流があります。

鈴音から「本当の善人」と言われるほどなのですが、実は過去に万引きをしたことがあり、今回はそのことがきっかけで坂柳の企みのターゲットにされてしまうのです。

噂のほとんどは根も葉もないものでしたが、そのなかに本当の過去が入っているために、全てを否定することもできないという厄介な状況になってしまいます。こういった状況に立ち上がるのはもちろん清隆。

今回の騒動をとおして彼と一ノ瀬の関係が変わっていくのも見所の1つです。また、本巻では、バレンタインイベントも発生。一ノ瀬の他に、軽井沢も乙女な行動をしているので、そちらも必見です。

キャラクターを一挙紹介!

綾小路清隆(CV:千葉翔也)

Dクラスになった主人公・綾小路清隆(あやのこうじきよたか)。何事にもやる気がない性格で、常に空気を呼んで行動しています。一見何の特徴もないように見えますが、「ホワイトルーム」の出身者で常人には想定できないほどの学力と身体能力を有しています。

堀北鈴音(CV:鬼頭明里)

清隆の隣の席に座る美少女・堀北鈴音(ほりきたすずね)。学力はAクラスといっても申し分ないほどですが、性格にやや難を抱えており、他の人に対して思いやりや配慮といったことができず、人間関係を築くことができないため、Dクラスになったと思われます。

軽井沢恵(CV:竹達彩奈)

Dクラスのトップに立つ不良少女・軽井沢恵(かるいざわけい)。入学してすぐに平田と付き合ったが、クラスのまとめ役をしていた彼の地位を利用しようと近づいただけ。

櫛田桔梗(CV:久保ユリカ)

性別関係なく、Dクラスのみんなから人気を得ている櫛田桔梗(くしだききょう)。アイドル的な存在で「学園中のみんなと友達になる」という目標を掲げています。

佐倉愛里(CV:M・A・O)

目立つことが嫌いなDクラスの佐倉愛里(さくらあいり)。なんとFカップという抜群のプロモーションを持っていながら、猫背や地味という理由で気づく人は少なく、宝の持ち腐れ…。

平田洋介(CV:逢坂良太)

Dクラスのまとめ役でサッカー部の平田洋介(ひらたようすけ)。クラスメイトからの信頼も厚く、成績も優秀だが、中学時代にいじめに遭っていた過去を持ち、人格形成において影響を受けています。

一之瀬帆波(CV:東山奈央)

Bクラスリーダーで美少女・一之瀬帆波(いちのせほなみ)。社交的な性格で、自分のクラスはもちろん、他クラスの人たちとも親交があります。

坂柳有栖(CV:日高里菜)

Aクラスをまとめる二大巨頭のうち1人・坂柳有栖(さかやなぎありす)。父親はこの学校の理事長をしており、かなりの権力者。表面上はお淑やかな性格で物腰も柔らかですが、その本性は攻撃的で冷酷です。


いかがでしたか? シリーズはまさにこれからいよいよ盛り上がるといったところに差しかかっています。この機会にぜひ手に取ってみてください。

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