昨今少年誌におけるちょっとエロい少年漫画が何かと話題になっていますが、昔懐かしの名作にも、ちょっとエロいどころかギリギリを攻めている名作漫画はたくさんあります。今回はそんな、エロいし本筋も面白い漫画をご紹介したいと思います。
主人公の浦島景太郎は、幼いころに出会った女の子との約束から東大合格を目指す浪人生で、二浪した末に実家を追い出されてしまいます。困り果てた景太郎は、祖母が経営する温泉旅館に頼ろうとするのですが、そこは「ひなた荘」という女子寮に改装されてしまっていました。
世界一周旅行に赴いてしまった祖母にかわり、女子寮の管理人となってしまった景太郎。5人の女の子に囲まれながら過ごす景太郎は見事東大合格を勝ち取ることができるのでしょうか。また約束の女の子とは巡り合うことができるのでしょうか。
- 著者
- 赤松 健
- 出版日
- 2014-06-12
『魔法先生ネギま!』や『A・Iが止まらない!』などの代表作があり、日本漫画家協会の理事長も務める赤松健の代表作の1つがこの『ラブひな』です。
メインとなる「ひなた荘」の登場人物は、主人公の景太郎を除き全員女性、というところからも容易に想像がつくと思いますが、ひとつ屋根の下で生活する男女が巻き起こすドタバタラブコメディーとなっています。
女の子とのひとつ屋根の下で繰り広げられるラブコメなので、入浴などのサービスシーンが非常に豊富な作品。ラブコメとしても「約束の女の子」を巡る物語は非常に読みごたえがあります。すぐに手が出てしまうようないわゆる「暴力系ヒロイン」は『ラブひな』以前から存在していましたが、完全に定着させ、人気を確立したのはこの作品だと言っても過言ではないでしょう。
ちょっと冴えない男子中学生や男子高校生が、クラスメイトや幼馴染などの身近にいる女性と恋仲になる様子を描いた、基本的には1話完結でオムニバス形式の作品です。
- 著者
- イタバシ マサヒロ
- 出版日
小説化、ドラマCD化、ゲーム化、テレビドラマ化、アニメ化、舞台化とほとんど全てのメディア展開を繰り広げた作品で、原作である漫画自体も10年にも渡って長期連載をするような人気を誇りました。
基本的な作風は、「こんなことが現実で起こり得る訳ないだろ」とツッコミを入れたくなるような純愛なのですが、主人公が男子中学生や高校生と、思春期の男子であるため、エロ本や自慰といった下ネタや、女性キャラのパンチラなど「ラッキースケベ」的な描写が非常に多いのも特徴の1つです。
また『BOYS BE・・・』では主人公が意中の女の子と付き合う、ハッピーエンドで終わる話がほとんどなのですが、これは連載中にバッドエンドのお話を描いたところ、アンケートの数字が露骨に下がったことが原因だそうです。
東京の三鷹市に住む高校生の弄内洋太(もてうちようた)。彼は同級生のもえみに想いを馳せていましたが、彼女は洋太の親友でもある新舞貴志(にいまいたかし)に恋をしていました。
失意のうちにある洋太の前に、「純粋な人の前にしか現れない」というビデオショップが現れます。そこで借りてきたビデオテープを通じて巡り合ったのは、ビデオガールのあい。洋太の家のビデオデッキが壊れていたため、あいは本来の性格とは異なり男勝りでがさつな女の子として現在の世界に現れたのでした。
それでも徐々に惹かれ合っていくあいと洋太。しかしビデオガールには「恋愛をしてはいけない」という掟がありました。2人の恋の行方はどうなってしまうのでしょうか。
- 著者
- 桂 正和
- 出版日
『I”s』や『ウイングマン』などでも知られ、近年ではアニメ『TIGER&BUNNY』のキャラデザインを担当し話題になった、桂正和の恋愛漫画です。恋愛漫画で有名な桂正和ですが、元々本人は特撮やヒーローものが大好きで、『電影少女』執筆時は恋愛ものを描くことに対してのモチベーションは低かったそうです。
それでも仕事として描かなければいけない桂正和は、従来の少年誌で描かれる恋愛漫画とは一線を画したものを描こうと、心理描写に力を入れていくことになります。心理描写に注力した結果、登場人物の行動もリアリティーに溢れ、恋愛漫画だった『電影少女』は性描写を描かざるを得ない場面が増えていきました。
しかし、連載していた「週刊少年ジャンプ」は少年誌で、ベッドシーンや直接的な性描写が描けない環境でした。そこからの帰結として、『電影少女』では「いかにして性描写を描かずに過激にエロく描いていくか」を目指していくことになったのです。
山口県では3巻が有害図書指定された程の過激な描写がある『電影少女』。未読の方は、ぜひ一度お読みになってみてはいかがでしょうか。
「ぬ~べ~」こと鵺野鳴介(ぬえのめいすけ)は、左手に鬼の力を封じた鬼の手を持っている霊能力者で、童守小学校5年3組の担任教師でもあります。
そんな彼が学校や町に起こる妖怪や悪霊が原因となっている怪異を解決し児童を守る、というのが基本的なあらすじとなっている、1話完結型の漫画です。
- 著者
- ["真倉 翔", "岡野 剛"]
- 出版日
近年、本作の11年後を描いた『地獄先生ぬ~べ~NEO』が連載されたり、実写ドラマ化されたりするなど、連載終了からかなり時間はたっているものの、未だに高い人気を誇る作品です。
ホラーコメディーという立ち位置の作品ではあるものの、妖怪や幽霊だけでなく、UMAや都市伝説といったオカルト的要素も取り入れていることが特徴で、ラブコメやホラーなど様々な展開が楽しめる漫画として人気を集めました。
特にホラー要素に関しては、グロテスクな描写をきちんと描くことや話の内容の恐ろしさから「子どものころに見たあのシーンやあの話がトラウマ」という人も多いそうです。
それを中和するためなのかどうかは定かでないですが、グロテスクなトラウマシーンもさることながら、お色気シーンが多いことも『地獄先生ぬ~べ~』の特徴の1つでしょう。登場人物たちの入浴シーンや着替えのシーンなどがよく描かれています。
トラウマシーンやエロシーンに話題が行きがちですが、ヒューマンドラマや風刺的な話を展開することもあり、そちらもまた非常に評価が高いです。
余談ですが局部を「ジャンプマーク」で隠す、という表現方法を始めて行った漫画でもあります。
人間の科学によって生み出された「破壊神」の手で、文明が滅びてから400年後の世界。そこでは崩壊を免れた人々の子孫が、魔法という科学に代わる力を手に入れ、新しい世界で生活をしていました。
しかしそこは、魔物や怪物、天使や悪魔と言った新たな恐怖におびえる世界。かつては世界征服を目論見、征服戦争を仕掛けたダーク・シュナイダーは、英雄ジオの娘であるヨーコの説教によって、王国に侵攻するかつての配下たちとの、世界の命運をかけた戦いに巻き込まれていくことになります。
- 著者
- 萩原 一至
- 出版日
1987年に読み切りである「WIZARD‼︎」を発表し、翌年から連載を開始した『Bastard‼︎』。特に読み切り版は、当時の漫画としては珍しくファンタジーRPGの世界観を元にした作品で話題になりました。
作者の萩原一至(はぎわらかずし)は遅筆漫画家として有名で、2010年から2017年7月現在まで連載は中断してしまっているものの、未だに連載は続いています。
そんな『Bastard‼︎』ですが、「週刊少年ジャンプ」で連載していたとは思えないほどの過激なシーンの数々でも有名です。局部こそ見せてはいないものの、明確にベッドシーンを描いたジャンプ漫画は『Bastard‼︎』と『いちご100%』くらいのものなのではないでしょうか。『いちご100%』は仄めかす描写があっただけですが。
連載途中から作者の制作スタイルがデジタルに移行したので、絵柄が大幅に変わっていて賛否こそありますが、それでも少年誌で連載していた作品としては類をみないほどの過激なシーンを盛り込んだ『Bastard‼︎』。連載途中ながら完全版も発売されていますので、連載再開を待ちながら過去の単行本に手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
堀江青は、全ての教科の試験で満点を取るほどの女子高生。極端に男性を嫌っていて、いつも男子生徒とは距離を置いていました。しかしある日、イケメンの木嶋拓海に告白され、どんどん拓海を意識するようになります。青の頭の中は、勉強も手につかないほど拓海に対するいやらしい妄想でいっぱいになってしまうのです。そして男性に対して益々強い拒否反応を示してしまい……。
- 著者
- カワハラ 恋
- 出版日
主人公が極端に男性嫌いになってしまったのは、官能小説家である父親が原因だそうです。現実の世界で、思春期の娘に距離を置かれて悩む父親という光景は、よく見られる光景といえるでしょう。しかし本作では、父娘ではあえて触れない性の世界を青の父親がぐいぐい彼女に押し付けてきます。読者は、現実ではありえない、破天荒な青の父親の行動に戸惑い、ドキドキしてしまうことでしょう。
また、青が精神的にいっぱいいっぱいになってしまい、思わずとんちんかんな行動を起こしてしまうところが愛らしくて、思わず笑ってしまう点も本作の魅力です。等身大の高校生の現実が多分にオーバーに、面白おかしく描かれている漫画は、大人が読めば甘酸っぱさすら感じるでしょう。
絵が可愛くて読みやすい、ちょっとかわった青春ラブコメディーをお楽しみください。
主人公は、旧都高校の1年生浜路洋平(ハマジ)。ハマジは特に何をするわけでもなく、ダラダラとした毎日を過ごしていました。地味な女子に告白しても、あっさり振られてしまいます。
そんな時、水球部に入部を誘われます。ハマジは、女子の体が触りたい放題という不純な動機で水球部に入部。しかし憧れの2年生萩原千聖が水球部で活躍する姿や、自分が得点する喜びも感じ……。
- 著者
- こばやし ひよこ
- 出版日
- 2013-01-04
青春真っ只中の男子高校生が、元気があり余って、エネルギーを持て余し、馬鹿騒ぎしてるなんて場面よく見かけませんか?
ハマジの若さゆえのおばかすぎる性格も面白くて、時に可愛くも見えてしまうことでしょう。男性目線で描かれた本作は、爽やかなスポーツ漫画というよりは、ちょっとエッチな学園スポーツラブコメディー。水球を知らない人も、この漫画を読めば興味が湧いてくるかもしれませんよ。
いかがだったでしょうか。エロいシーンを描いている漫画というと印象がどうしても悪くなりがちですが、心理的な描写がきちんと描かれている作品も多く、非常に読み応えのあるものに仕上がっていることも多々あります。みなさんもぜひ、偏見を持たずに1度読んでみることをおすすめします。