村松友視の著書おすすめ4選!『時代屋の女房』で直木賞受賞

更新:2017.7.12

村松友視が直木賞を受賞した小説『時代屋の女房』をはじめとして、『銀座の喫茶店ものがたり』、『アブサン物語』、『帝国ホテルの不思議』と村松友視の代表作をご紹介します。小説からエッセイ、ノン・フィクションまで様々な作品を楽しめます。

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直木賞受賞作家・村松友視とは

村松友視は、『時代屋の女房』で第87回直木賞を受賞した作家です。第87回以外にも、『セミファイナル』で第85回に、『泪橋』で第86回の直木賞候補作品にノミネートされています。『鎌倉のあばさん』では、第25回泉鏡花文学賞も受賞しており、非常に人気が高い作家です。

村松友視は、元々は編集者として働いていました。『小説中央公論』、『婦人公論』、文芸誌の『海』などで編集者を務めています。編集部時代には、とくに日本の隠れた作家を発掘することに長けており、武田泰淳『富士』、後藤明生『夢かたり』、田中小実昌『ポロポロ』、など名作の担当をしてきました。

その後、編集者生活を続けていくなかで、1980年に他人の勧めから『私、プロレスの味方です』を発表することになり、それがベストセラーとなります。以降、『セミ・ファイナル』、『泪橋』が立て続けに直木賞候補作品にノミネート、これを機に編集者をやめ、作家としての道を本格的に歩み始めます。

小説の特徴は、プロレス、芸能といったテーマの独自性とその語り口。編集者出身ということもあり、既存の枠組みに問わられない作風で、人気を集めています。

直木賞受賞作品『時代屋の女房』

舞台は東京都・大井の小さな骨董屋です。お店の名前は「時代屋」と言います。時代屋は、昭和の懐かしい風景が残る街並みの中にこじんまりと立っていました。

しかし、ある日「真弓」と名乗る不思議な女性が時代屋を訪れます。また突然、女房になると言い出し、一緒に暮らすこととなったのです。お互いについては多くを知らないままでしたが、意外にも楽しく暮らしていました。

そんな中、真弓の過去を知る人物と出会い、二人の生活に異変が起こります。時代屋を営む35歳独身の男性とそこに訪れた女性、真弓のささやかな恋ものがたりです。

著者
村松 友視
出版日

『時代屋の女房』は直木賞受賞作品であり、村松友視の代表作です。舞台となっている骨董店「時代屋」は実在する骨董店をモチーフにしています。当時が大井町駅近くにありましたが、1990年代末には、渋谷区の広尾商店街に移転されたそうです。

村松友視の作品の中でも特に人気の高いこの作品はドラマ・映画と何度も映像化されています。1983年には松竹から初めて映画化され、2年後1985年には『時代屋の女房2』も同じく松竹から映画化されました。2006年には日本テレビ系の『ドラマコンプレックス』でも映像化されるなど、長く人々から愛されている作品です。

銀座と喫茶店への思いが詰まったエッセイ集『銀座の喫茶店ものがたり』

東京・銀座にある喫茶店を舞台にしたエッセイ集。日本独自の文化として発展していった喫茶店を村松友視自身がいくつも訪れ、その際の経験や店主へのインタービューなどから、深く喫茶店について知ることができる一冊です。

このエッセイ集では、銀座にある45もの喫茶店を巡っていきます。誰もが知っている有名店から、路地裏の穴場まで、大小様々な名店を網羅してる作品です。本作を読めば、日本の喫茶店文化について、銀座という町について味わうことができます。

著者
村松 友視
出版日
2015-03-10

『銀座の喫茶店ものがたり』は、村松友視の銀座に対する特別な思いから生まれたエッセイ集です。編集部時代から、銀座という町に、特に銀座の喫茶店に好んで足を運んでいたという村松。その銀座の喫茶店への思いはその後作家としてデビューしてからも続きます。

2009年1月から2010年12月という2年近い歳月をかけて綴ったこのエッセイ集は、単なる喫茶店の紹介に留まらず、創業時の逸話、店主の来歴など、村松のインタビューから見えた深い喫茶店の姿を味わうことができます。

村松友視の喫茶店に対する思い、銀座に対する思いをじっくりと味わうことができる作品です。

帝国ホテルを人を通して知る『帝国ホテルの不思議』

2010年11月3日に創業120周年を迎えた帝国ホテルを舞台に、そこで働く人々を中心に帝国ホテルの伝統力や働く人の仕事観を描いたノン・フィクション作品です。

村松友視は、ホテルの顔であるコンシェルジュから、宿泊担当、さらにはホテルのバーのバーテンダーまで、帝国ホテルの様々な部署で働く30人にインタビューをし、作品を作り上げました。

誰もが一度は憧れを抱いたことがあるだろう帝国ホテルを、その現場の人々から読み説いていきます。

著者
村松 友視
出版日
2013-12-04

帝国ホテルといえば、敷居が高く近づきがたく感じてしまう……、憧れの場所でありながらそう感じる人も少なくないかもしれません。村松友視自身も、帝国ホテルは特別感や威厳、伝統を持っていて、馴染み深いというよりかは敷居が高い場所だと感じていたようです。

そんな帝国ホテルについて、帝国ホテルの歴史や、どんなホテルなのか、より近い視点で探ろうとしたのがこの作品と言えるでしょう。上辺だけではなく、現場で働く人へのインタビューを通じて、どのような思いを持ったホテルなのか、読み解いていくことができる作品です。

本作からは、今までの帝国ホテルのイメージに加え、インタビューを通じたことでわかった魅力を知ることができ、ホテルへの憧れをより一層深めてくれることでしょう。

村松友視の愛猫への思いが詰まったエッセイ『アブサン物語』

村松友視がそのペットの猫、アブサンへの思いについて書いたエッセイ集です。村松の代表作であり、直木賞受賞作品である『時代屋の女房』にも出てきた猫アブサン。そのアブサンと村松友視とはペットと飼い主という関係を超えた親密な関係を築いています。

1995年2月、21歳で亡くなってしまったアブサンへ捧げる思いが込められた作品です。村松友視とアブサンとの出会いから、その亡くなる最期まで、ユーモアと哀愁がこもった語り口で描かれています。

著者
村松 友視
出版日
1998-09-01

アブサンは、村松友視が人生の伴侶としていた愛猫です。そんなアブサンへの思いが詰まった本作には、ペットを飼ったことがある方ならば共感せずにはいられない、そんな切なる思いがこもっています。

アブサンとの出会い、楽しい日常、アブサンの老い、そして最期。ユーモアの溢れた語り口で軽快に描かれますが、最後は涙なしでは読めないどこか心温まる作品になっています。アブサンと村松友視、そして村松夫人、3人の関係がなんとも愉快で、心が温まります。

この『アブサン物語』はベストセラーとなり、その後『帰ってきたアブサン』などと続編も出ています。『帰ってきたアブサン』はアブサンの話以外にも猫に関連する小説が入った短編集です。ぜひ、そちらも楽しんでください。

村松友視は小説、エッセイ、ノン・フィクションと様々なジャンルの作品を書いています。ぜひ、その時の気分に合わせて、作品を選んで読んでみてはいかがでしょうか。

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