漫画『絶対可憐チルドレン』の見所をネタバレ紹介!【~最新54巻】

更新:2017.7.14 作成:2017.7.14

絶対可憐、だから負けない!3人の美少女特務エスパーと天才美形指揮官の織りなす、コミカルで時々シリアスなSFアクションコメディ。まもなく最終章が始まる本作の見所を、ネタバレを踏まえてご紹介したいと思います。

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漫画『絶対可憐チルドレン』の見所をネタバレ紹介!

著者
椎名 高志
出版日
2005-10-18

『絶対可憐チルドレン』、通称「絶チル」は2004年から「週刊少年サンデー」で連載開始、足かけ14年にわたる長期連載作品です。

作者の椎名高志は、かつてオカルトコメディ『GS美神 極楽大作戦!!』で人気を博した漫画家。高橋留美子と藤子・F・不二雄の大ファンでもあり、その影響が作品全体の軽妙なノリ、SF的深みとして見られます。また、関西出身のためか非常にサービス精神旺盛。ベテラン特有のバランス感覚で、シリアスとギャグを巧みに織り交ぜて読者を飽きさせません。

本作の主人公は「ザ・チルドレン」と呼ばれる日本最高峰のエスパー少女3人組と、彼女達の指揮官である皆本光一。「ザ・チルドレン」は日本が確認し、保有するたった3人の超度(レベル)7の超能力の持ち主です。その3人の名前は明石薫、野上葵、三宮紫穂。

21世紀以降、増え続けるエスパーは、能力の大きさに応じて超度と呼ばれるランク付けがされているのですが、7は最高ランク――というより、強力すぎて計測不能の値。

薫の能力は物体を操作し破壊する念動力、サイコキノ。葵は高速移動と高い空間認識力で索敵をおこなう瞬間移動能力のテレポーター。そしてどんな防壁も無意味にし、過去の情報を読み取る接触感応能力、サイコメトラーの紫穂。この3人の力が皆本の高い統率力によって束ねられると、個々の力をさらに越えた力を発揮し、あらゆる困難をはね除けます。

ただ、いかんせん3人の性格に問題あり。何しろ物語開始直後はたった10歳、小学4年生の子供。移り気で気分屋、能力にものを言わせてわがまま放題するクソガキでした。ある事情で人間不信に陥っていた時期があり、その反動でもあるので仕方ない面もありますが……。

そんな3人ですが、物語を通して年齢を重ね、段々と変化していきます。政府直属の特務機関「バベル」に所属する特務エスパーでもある彼女達は、超度7の超能力でしか解決出来ないエスパー犯罪事件や、災害救助活動に従事。

その過程で反エスパー団体や、エスパー至上主義を掲げるテロ集団「パンドラ」、エスパーの戦争利用を目論む闇組織「黒い幽霊」と幾度となく関わっていきます。未だ大多数を占める能力を持たない普通人(ノーマル)と、力を持ったエスパーの間で揺れるチルドレン。

彼女達は戦いの中でノーマルとエスパーが共存する平和な世界を目指し始めますが、そこには彼女達自身の知らない懸念が存在しました。近未来において、「ザ・チルドレン」が「パンドラ」のリーダーとなって、ノーマルとの間に戦争を引き起こすという不穏な未来予知。

物語は「ザ・チルドレン」の小学生時代を描いた小学生編から中学生編、そして高校生編へと着実に未来に向かって進んでいます。果たして彼女達は、最悪の破滅的未来を回避することが出来るのでしょうか?

本作にはスピンオフ作品としてアニメ『THE UNLIMITED 兵部京介』と、大柿ロクロウ作画の同名漫画があります。本編の小学生編と中学生編の間の時間軸の話ですが、いくつか矛盾する点があるので、厳密にはパラレル・ワールドとなっているようです。ただ、一部設定やキャラが本編に逆輸入もされているので、興味のある方はぜひこちらもどうぞ。

中学生編ネタバレ考察:成長し、変わっていくチルドレン

著者
椎名 高志
出版日
2009-03-18

小学生だった「ザ・チルドレン」が進級し、少し大人になった中学生編。全編を通して感じられるこの中学生編のテーマはおそらく「成長」でしょう。

もちろん、小学生編でもチルドレンの成長は描かれていました。しかし、中学生となったことによる外見の変化、それにともなう内面の変化、そして環境の変化は、チルドレンの「成長」という要素をより具体的にビジュアルに反映した結果なのではないかと思います。

たとえばチルドレンを阻む反エスパー団体「普通の人々」は、『サザエさん』や『渡る世間は鬼ばかり』のパロディキャラとして描かれています。これは誰にでもわかる「一般人」のイメージであることもさることながら、元ネタとなる作品が普遍的で変化しないものの象徴と読み取ることも出来ます。

四季があるのに年齢の変化がないことを時折「サザエさん時空」などと揶揄されますが、『絶チル』はそうではありません。チルドレンが中学生、高校生へと「成長」するのはそういったものへの対比のようにも思えるのです。

そんな中学生編の見所と言えばやはり、ついに表面化してきた「黒い幽霊」、その中核を担う「ファントム・ドーター」との直接対決でしょう。

「ファントム・ドーター」は未覚醒の潜在的エスパーを強制的に目覚めさせ、催眠能力で洗脳して支配下に置くという恐るべき敵です。現実ではロンリーウルフと呼ばれる繋がりを持たない単独テロが脅威となりつつありますが、それと同じく、未覚醒のエスパーが突如暴れ出すのは予測も予防も困難で、これまでで最大級の敵といえるでしょう。

新たな脅威と時を同じくしてチルドレンの新たなクラスメイトとなった雲居悠理(くもいゆうり)。彼女の本名はユーリ。「ファントム・ドーター」であると同時に、何も知らない一般人の悠理でもあります。彼女は主人格の「ミラージュ」、好戦的な「ファントム」、そして一般生活に溶け込むための「悠理」という3つの人格を持った多重人格者なのです。

さらに、どの人格とも接点を持たない謎の第4の人格「フェザー」。その正体は、未来の「ザ・チルドレン」が破滅の運命を回避するため、未来の数多くのエスパーを統合して時空を越えて送り込んできた、エスパーの意識と能力の集合体。

中学生編のクライマックス。「フェザー」の介入によって歴史は変わり、ユーリ=悠理は呪われた「ファントム・ドーター」から解放され、それによって未来が変わります。超能力とは物理法則を超越し、怨念を断ち切り、未来をも変える希望の力。

「あたし、その考え方は好きよ。だって……『失敗した過去』を変えたわけじゃないんだもの。超能力はね、未来を変える力よ」(『絶対可憐チルドレン』より引用)

薫が「破壊の女王」と呼ばれ、ノーマルに戦争をしかけるという、予知されていた破滅の未来はこれによって回避されました。未来は何が起こるかわからない、白紙の状態へと変わりました。

そして季節は移ろい、チルドレンは中学校を卒業します。子供達はまた一歩大人へと成長し、高校へ進学。物語はいよいよ未知の領域へ。

高校生編ネタバレ考察:パターンを破壊し、変革していく世界

著者
椎名 高志
出版日
2014-12-18

現在も進行中の高校生編。

中学生編のテーマが「成長」なら、高校生編のテーマは「変革」でしょうか。物語が未知のステージへ進んだように、これまでになかった予想不可能の展開を見せていきます。未来が白紙になったことで、あらゆる可能性が生まれ、何もかもが従来とは違ったものになっていく。それを暗示するかのように、作品中で当たり前だった構図に大きな変化が生じていきます。

高校進学を機にチルドレンは、これまで続けられていた皆本との同居状態が改められ、皆本は現場指揮官を退き、研究に専念するという意向を示します。指揮官皆本と実働部隊チルドレンの構図が変化するというのは、今までにない大きな異変といえるでしょう。さしずめ親離れ、子離れと言ったとこでしょうか。

さらに「財団」と呼ばれるエスパー支援組織に身を寄せていたユーリ=悠理が帰国し、出向という形でザ・チルドレンの4人目のメンバーとして加わります。このようにチームの構図だけでなく、人数にも変革が現れます。

そして異変は登場人物の所属する組織にまでおよびます。それも最悪の形で。

社会に属する穏健なエスパー組織「バベル」と反社会的テロ集団「パンドラ」。互いに主義主張はあれど、時には一致した利害のために協力してきた2つの組織。基本的に一枚岩だったそれらが「黒い幽霊」――ユーリを失った後、組織の実権を握ったユーリの兄ギリアムの暗躍によって事実上瓦解します。

ギリアムの力は、超能力と相性のよいレアメタルで構成された特殊マテリアルを媒介とし、精神汚染を引き起こすというもの。しかもそれは単なる洗脳ではなく、本人の秘めた願望を彼の意に沿う形で発揮させるという最悪の能力。感染者は己の自由意思を持ったまま、社会の敵、チルドレンの敵に回ってしまうのです。

「パンドラ」は現在のところ幹部の真木が汚染されたのみですが、「バベル」の被害はより深刻。トップの蕾見不二子、局長の桐壺をはじめとした上層部が汚染され、被害を免れた特務エスパーも味方がわからないため行動出来ず、身動きが取れない始末です。

さて、そんな高校生編で最も注目されるのが、この年代からの新キャラの松風浩一。超能力を持たないノーマルの彼ですが、「完全視覚記憶」という特殊技能の持ち主です。常時録画状態の超高性能ビデオカメラと言えばわかりやすいでしょうか。一度見た記憶を完全な形で保持することが可能で、その上、皆本並の頭脳と分析力がある指揮官向きの逸材。

折しも皆本が研究職への異動を考えていた時期のこと。身元もハッキリしていて清廉潔白。松風は見習いながらも指揮官としては非常に優秀で、頼もしい存在。皆本と違って経験こそありませんが、創意工夫してチルドレンを運用する様子はとても新鮮です。チルドレンの新たなクラスメイトとして登場した松風は渡りに船……ですが、あまりにも出来すぎています。

誰かにお膳立てされたかのように、必要な時に必要な人材が用意されている。「バベル」とは敵対関係ですが、チルドレンには親身な兵部はそこに引っかかりを覚えます。これ以上ないほど心強い味方なのに、ギリアムの送り込んだ刺客である疑惑が拭えません。

松風は過去にチルドレンに救出されたことがあり、その経緯から彼女達に協力的。なかでも薫には特別好意を抱いています。チームの構図の変化とともに、人間関係にも変化をもたらした松風は、敵味方不詳の存在として物語にも緊張感を与えています。

48巻ネタバレ注意:破滅の未来の再来?

著者
椎名 高志
出版日
2017-03-17

ギリアムの策謀によって、深刻な内部分裂を起こす2つのエスパー組織。「バベル」は組織を取り仕切る不二子、桐壺、朧の上層部3名が精神汚染されたことで事実上陥落。「パンドラ」を離反した真木は、兵部の血の繋がった家族以上の絆でも正気に戻すことが出来ませんでした。

汚染された不二子によって僻地に左遷されていた皆本は、偽装工作を施してそこからの脱出を計ります。その途中、遭難しかけた皆本達は、無事だった特務エスパーの梅枝(うめがえ)ナオミと宿木明(やどりぎあきら)、犬神初音らに保護されました。彼ら3人とザ・チルドレンは、「バベル」の監視を逃れて、ある人物の助言に従っていると語ります。

そして「バベル」に汚染をもたらした感染源が発覚。それはなんとチルドレンのサポーター、医師の賢木修二でした。汚染を悔やみ、ギリアムへの報復を誓う賢木と皆本の両名に、チルドレンから助言者の正体が明かされます。それは蕾見不二子が、自身の感染前に仕込んでおいた彼女の分身といえる思念体、「蕾見文書」でした。

反撃に打って出る彼らは、「バベル」に察知されないよう松風を通して学校で兵部と接触。「パンドラ」との共闘を取り付けます。

賢木は研究の末にギリアムの催眠因子を除去する血清の開発に成功。その血清を切り札に、汚染された「バベル」上層部を正気に戻すため、密かに本部へと乗り込みます。ところがその動きは相手に察知されていました。ギリアムの思惑通り、不二子と対峙することになる面々……。

まるで激しいジェットコースターのように急展開を見せる48巻。およそ2巻振りに再会出来たチルドレンと皆本に、感染源の特定。「バベル」に汚染を免れたエスパーがいた一方で、どれだけ絆が強くても敵対するという真木の例を突き付けられます。

心強い兵部との共同戦線を敷けたところまでは良かったのですが、一番避けたかった不二子との対面が実現してしまいました。ここまでは完全にギリアムの手のひらの上ですが、果たして反撃のチャンスは訪れるのでしょうか。

49巻ネタバレ注意:「パンドラ」の女王誕生……⁉

著者
椎名 高志
出版日
2017-08-18

 

「黒い幽霊」ギリアムの汚染を断ち切るため、「バベル」本部の中枢、蕾見不二子の元へと向かった薫たち。最悪の結果こそ免れたものの、ギリアムの手に落ちた真木が再び現れました。兵部は身を挺して彼を一時的に正気へ戻すのですが、その代償として重傷を負ってしまいます。

そこへ「バベル」の特殊部隊が到着。皆本は形勢不利と判断し、チルドレンに撤退を指示しました。しかし重傷者が多いうえに、洗脳された局員を傷付けるわけにはいきません。脱出はチルドレンと兵部を優先して、皆本と賢木は「バベル」に残って投降するのでした。

窮地を脱したチルドレンは、兵部の安全を確保するため、一路「パンドラ」の洋上砦、豪華客船「クイーン・オブ・カタストロフィ号」へ向かいます。

「バベル」「パンドラ」ともに再び精神的支柱を失ったエスパーたち。不安を抱く彼らを尻目に、世界的に反エスパーの機運が高まっていました。普通人(ノーマル)優先、エスパーの権利を制限……コメリカも日本も例外ではありません。それもまた、ギリアムが裏で糸を引いていることでした。

「バベル」の洗脳はより強固となり、かつての仲間がチルドレンの前に立ち塞がります。そして薫はついに、兵部の望む「パンドラ」のエスパー「破壊の女王(クイーン・オブ・カタストロフィー)」として決起することを決意するのです。

敵が味方に、味方が敵に……物語は佳境を迎えます。

 

50巻ネタバレ注意:「黒い幽霊」の呪いを断ち切れ!

著者
椎名高志
出版日
2017-12-18

 

「黒い幽霊」の暗躍によって社会の様相は一変し、小規模ながらエスパーへの迫害が起こるようになりました。反エスパーへ傾く風潮は、もはや個人の範疇を超え、犯罪組織「パンドラ」ですら手にあまる事態になっています。

そこで薫たちチルドレンは、表の世界から姿を消し、身近な者の記憶も封じて「パンドラ」での活動を開始することに。

拡大する「黒い幽霊」の勢力を潰すには、汚染の根源であるギリアムを打倒するか、精神汚染の中継地点を潰さなくてはなりません。現在の限られた状況でとれる手段は、後者。汚染を維持する「ポータル」をピンポイントに狙って、敵勢力の減衰を狙うことでした。

エスパー支援団体、通称「財団」から密かにポータルの情報を得た「パンドラ」。薫、葵、紫穂、悠理、そして指揮官代理の松風は、手はじめにテキシコ湾沖の洋上プラットフォームへと潜入します。そこで待っていたのは、「バベル」の「ザ・ワイルドキャット」梅枝ナオミでした。

やむを得ず応戦するチルドレンでしたが、なぜか超度6の彼女に力が通用しません。対策を練るべく分散して一時退避しますが、ナオミは執拗に迫ってきます。

異常に強力なサイコキノに、本来持っていないはずのテレポート能力……彼女の身に何が起こっているのでしょうか。

そんな時、苦戦するチルドレンの元に意外な救援者が現れるのです。

「黒い幽霊」を巡る一連の事件は、水面下の局地戦へ突入していきます。

 

51巻ネタバレ注意:「パンドラ」に加わったチルドレンの反撃

著者
椎名 高志
出版日
2018-04-18

「黒い幽霊」ネットワークのポータルの1つ、太平洋のある島に降り立ったチルドレンと指揮官代理の松風は、そこで思わぬ強敵と出くわします。

旧帝国陸軍超能部隊、犬神ハジメと宿木明夫。かつての大戦中、この島で戦死したはずの2人が現れたのです。もちろん本人ではなく、彼らの子孫に当たる「ザ・ハウンド」犬神初音、宿木明に2人の精神を宿して利用した攻撃でした。ギリアム流の兵部京介への嫌がらせでもありました。

現ザ・ハウンドに憑依した、先々代ザ・ハウンドの怨念との対決。仲間との戦い、無念に散った超能部隊の意志に対して、チルドレンは二重の意味で苦しめられていきます。しかし松風は、相手が島で戦死した怨念だという部分に、活路を見出すのです。

創意工夫と、そこに込められた強い意志で、どんな逆境も克服していくのが本作の魅力でしょう。

息もつけない「黒い幽霊」との暗闘ですが、久しぶりに箸休め的な話も挟まれます。疲弊したチルドレンが、懐かしのあの人の細工で帰省を試みるのです。果たして、平穏無事に済むかどうか……。

52巻ネタバレ注意:命懸けの遊び、死のバトルロイヤル開幕

著者
椎名 高志
出版日
2018-08-17

チルドレンの帰省は思わぬ副産物を生みました。チルドレンと接触、戦闘したことで極度に疲弊した蕾見不二子の洗脳が弱まったのです。重傷の彼女は囚われの皆本、賢木らと合流し……。

一方チルドレンは、新たな拠点に乗り込んでいました。東アジア某国の打ち捨てられたテーマパーク。かつて「黒い幽霊」に運命を翻弄された少年ティム・トイが、再びチルドレンの前に立ち塞がります。

シャドウ・オブ・ザ・チルドレン、通称影チル。文字通りにチルドレンの影となって支えてきたティムとバレットが、強力な敵となって帰ってきたのです。手の内を全て知り尽くしたうえで大幅にパワーアップした彼らは、ある意味最も厄介な相手といえます。

超能力者としての力はチルドレンが圧倒的ですが、超能力戦で重要なのはルールの押し付け合いです。個性を伸ばし、自分の得意なフィールドに立った2人のパワーは絶大。個別に戦わざるを得なくなったチルドレンが、いかに能力を攻略し、「黒い幽霊」の呪縛から少年達を解き放つかが鍵となります。ぜひ注目してご覧ください。

53巻ネタバレ注意:極大テレポートの事故で平行宇宙に!

著者
椎名 高志
出版日
2019-01-18

重症だった兵部も段々と回復し、ネットワークポータルの制圧も着々と進んでいました。しかし、肝心な「黒い幽霊」との戦いは不透明で、特に敵方についた真木が懸念材料となっていました。決戦前に、彼をどうに引き戻す必要があったのです。

打開策の1つとして、葵の新たな能力開発が考えられました。空間に干渉するテレポートは高度な能力なので、うまく応用出来れば意表を突く切り札となる可能性があるのです。

そこでブーストをかけたザ・チルドレンの極大(マキシマル)テレポート実験が行われました。「パンドラ」の頭脳、伊-八号の補佐で安全なはずだったのですが……。極限まで増幅されたテレポートによって、チルドレンの4人は平行宇宙の地球へと転移してしまいます。

まさかの急展開。これまで示唆されていた「黒い幽霊」との予知とは、決定的に違う出来事と言えます。平行宇宙は現実と同じように危機に瀕していました。そこでの戦いに巻き込まれたチルドレンは、一体どうなってしまうのでしょうか?

限りなく似通った世界、そこにもチルドレンと同じような存在がいて……その意外過ぎるメンツに驚きます。

最新54巻ネタバレ注意:宇宙の平和を守るチルドレンは……11人!?

著者
椎名 高志
出版日
2019-04-18

平行宇宙にはチルドレンと同じような高レベルエスパーがいました。警視庁特機一課・通称「KAREN」所属の皆本ひかる、スージー・賢木、兵部京子です。彼女達はなんと、平行宇宙における皆本光一や賢木修二、兵部京介の同一人物でした。

KARENと共闘するチルドレン。葵は「黒い幽霊」に相当する「黒い騎士団(ダークネス・ナイツ」に対抗するため、極大テレポートを再度使用。平行宇宙から呼び寄せるという離れ業を行いました。

そうして呼び出されたのが男版チルドレン、超常迎撃戦隊「REVERSE」カオル・アカシ、アオイ・ノガミ、ショウ・サンノミヤの3人。そこへ改心した平行宇宙の男版ユーリまで加わった総勢11人が、「黒い騎士団」相手に前代未聞のラストバトルへ突入していきます。

オマケ漫画等でちょくちょく描かれていた性別反転ネタがまさかの本編逆輸入。作者の悪ふざけここに極まると言ったところ(よい意味で)。

このあり得ない夢の共演で霞みがちとなりますが、「黒い騎士団」ラストバトルは性別や人数を別にすれば予知とそっくり。つまり「黒い騎士団」の戦いに勝てたなら、「黒い幽霊」の決戦から連鎖する最悪の未来も逆説的に回避可能になるかも知れません。

平行宇宙の結果が明るい未来に繋がるのでしょうか? 真木との決着も新展開を迎えて、クライマックスは間近……!?

『絶対可憐チルドレン』はもうすぐ終わり?結末を考察!

著者
椎名 高志
出版日
2005-10-18

 

風雲急を告げる展開の「絶チル」。このまま行けば「黒い幽霊」のギリアムとの直接対決はそう遠くないことでしょう。そしてそれはおそらく、物語全体のクライマックスに近付いていることを意味しています。

当初予知されていた「薫がエスパーの指導者となってノーマルに戦争を挑む」という破滅の未来は、中学生編においてユーリを呪いから解放したことで回避されました。

その未来では、ギリアムがユーリを生体部品に組み込んだ「ファントム・システム」によって戦争のきっかけを生んだ、というのが真相。ユーリが「黒い幽霊」から離反したことで「ファントム・システム」は完成しなくなったはずですが、未だにギリアム自身は健在です。

ギリアムが他の方法でシステムを完成させる、もしくは再びユーリを手に入れる、といったことが起こるかもしれません。あるいは現在本編で進行中のストーリーが進んだ結果、「ファントム・システム」とは異なる方法で戦争の引き金を引くのかもしれません。

回避された未来予知では、チルドレンが20歳になった時、ギリアムと「ファントム・システム」を止めようとした不二子が命を落としたことが明かされています。高校生編のチルドレンは15歳ですが、くしくも現在の不二子はギリアムの手引きで瀕死状態。

「バベル」が汚染された現状は、エスパーとノーマルの社会に亀裂を入れかねません。実際に汚染不二子の手引きで、日本政府がエスパー管理法を施行しかねない危険な状態にあります。5年という差はあるものの、社会情勢や不二子の状態は予知された未来に近似しているといえるでしょう。

もしも時間の流れの中にある歴史が大枠で変わらないとするなら、破滅の予知が劇中の時間軸に早まったとも考えられます。それが最悪よりも悪い結果なのか、早まったことで未然に防ぐことが出来るようになるのか、それはわかりません。

ともかく、この予想が正しいとするならば。当初から暗示されていた破滅の未来、それが実現するということは、この高校生編で物語に終止符を打つクライマックスを迎える可能性が高いです。「絶チル」がどういった結末を迎えるのか、楽しみに待つことにしましょう。

 

いかがでしたか?本記事が読者の方には再開前の予習になり、未読の方には魅力の一端を知っていただけたなら幸いです。窮地から始まるだろう最終章には、今から期待が募ります。