小説投稿サイト「小説家になろう」で発表され書籍化、コミカライズもされている人気シリーズです。タイトルは最弱モンスターで有名な「スライム」ですが、本シリーズに出てくるのは「最強スライム」。チートなスライムの物語をぜひ覗いてみてください。
特別なことはない平凡なサラリーマンの三上悟37歳は、世間的には大手と言われるゼネコンで働きながら気ままに暮らす独身貴族です。
ある日、悟は後輩の田村から結婚の相談を持ち掛けられ、田村の彼女と3人で歩いていたのですが、突然通り魔に襲われてしまいます。咄嗟に田村をかばった悟は、通り魔に刺され、そのまま死んでしまいました。
なぜか意識を取り戻した時、目も開けられず、手足を動かすこともできない悟は焦りますが、しだいに自分があるものに生まれ変わっていることに気が付きます。それは、ゲームの世界で最弱モンスターの代名詞「スライム」だったのです!
- 著者
- 伏瀬
- 出版日
- 2014-05-30
この作品は小説投稿サイト「小説家になろう」発のライトノベルで、後にマイクロマガジン社より書籍化されました。Web版からは大幅に加筆修正されているので、Web版を読んだことがある方も、新しい発見とともに充分楽しめる内容です。
物語の冒頭で死んでしまった主人公の悟は、タイトル通り、異世界でスライムに転生します。スライムといえば「モンスター最弱の雑魚キャラクター」のイメージがあるかもしれません。
しかし悟が転生したスライムはインチキなほど高い能力を持った最強キャラ。最弱主人公が苦労するストーリーを想像した方もいらっしゃるかもしれませんが、この小説は強すぎる能力を持った最強主人公の無双系ノベルです。
スライム視点で進む物語や、転生時に手に入れた悟のスキルが「37歳まで童貞だったこと」に由来するなど随所にある奇抜な設定が、物語の冒頭から読者にインパクトを与えるでしょう。 スライムに転生した直後、悟は目覚めた洞窟に封印されていた巨大な龍・ヴェルドラと出会います。
ヴェルドラは悟に「リムル」という名前を与え、悟はヴェルドラと自分に「テンペスト」という苗字を付け、悟(リムル)にとっては異世界で初めての友達を得ることになりました。これによって、悟は「リムル」として活躍していくことになります。
主人公が最強なことによるシンプルなストーリーのため、最後までサクサクと読み進めることができる物語です。 1巻の時点でもすでに最強に近いリムルですが、スキルの1つに相手の力を奪うことができるというものがあり、本巻のラストでも「シズ」(井沢静江)という女の子に宿っている炎の巨人(イフリート)の力を取り込むというシーンがあります。
また、ひょんなことから争いを収めることになったゴブリン族や牙狼族からの信頼を得てその主に収まるなど、リムルはこれからもどんどん強く、そして上り詰めていきますので、無双ものが好きな方は、ぜひ一度手に取ってみてください。
- 著者
- ["川上 泰樹", "みっつばー"]
- 出版日
- 2015-10-30
ゴブリン族や牙狼族の主となったリムル。シズに宿った上級精霊・炎の巨人(イフリート)が暴れた後もめげることなく、ゴブリンやドワーフを率いて、ゴブリンの街を作っていました。
一方、リムルはシズの能力を「捕食」したことによって引き継いでおり、人の子どもの姿に変身できるようにもなりました。 ひとまずは順調な日々を送っているリムルでしたが、ある日突然、大鬼族(オーガ)に襲われてしまいます。彼らは、自分達の里を滅ぼしたのはリムルの仲間達だと言うのですが……!?
- 著者
- 伏瀬
- 出版日
- 2014-08-30
大鬼族(オーガ)がリムルを襲った理由は、リムルが自分達の里を滅ぼした敵の仲間と誤解をしたからでした。その後、誤解は解け、リムルの仲間になる大鬼族(オーガ)ですが、その里を滅ぼしたオーク軍が、ジュラの森へと侵略してきていることをリムル達は知り、戦いを挑むことに。
最強スライムが活躍するシリーズ第2弾は、主人公のリムルが人型に変身できるようになっています。これは、前巻でシズを取りこんだため、使えるようになった能力です。人型になれるようになったリムルですが、あくまで変身できるだけでたびたびスライムの姿に戻っています。
スライムの姿であるほうが好きという方にとっては、嬉しい演出ですね。 前巻でゴブリンや牙狼族の主となったことに続き、2巻でも再び仲間が増えていきます。その過程には思わずワクワクさせられてしまうでしょう。
また、リムルが現世での知識を活用しながら街作りをしていく様子も、王道ながら楽しく読むことができます。 1巻ではまだ分かりづらかった世界観もどんどん膨らんでいっているので、読みごたえもバッチリ。
冒頭は暗くシリアスなシーンから始まりますが、最後はハッピーエンドなので、安心して最後まで読んでみてください。
約20万もの軍勢を率いてジュラの森へと侵略してきたオーク軍との戦いを経て、リムルは自分達を含め、ジュラの森に暮らす魔物達と「ジュラの森大同盟」を結成し、その盟主となります。
しかし、特に大きな変化もなく、リムルは相変わらず街作りを進めていました。 そんなある日、リムル達の前に突然、ドワーフ王国国王ガゼル・ドワルゴがやって来ます。
ガゼルの目的は、鬼族(オーガ)の里を滅ぼし、オーク軍に勝利したリムル達が、自分達の敵となるか味方となるかを見極めることでした。 さらに同じ頃、魔王クレイマンを始めとした十大魔王達も、リムル達のことを調べ始めていて……!?
- 著者
- 伏瀬
- 出版日
- 2014-12-24
激しい戦いの末、とうとうジュラの森大同盟の盟主になったリムル。この時点ですでに相当強いわけですが、この巻でもその強さの進化は留まることを知りません。
また、2巻までは、大幅加筆はしていたもののWeb版の雰囲気も多く残っていましたが、本巻からはかなり大きく改変されています。そのため、Web版のファンだった方でも、新鮮味を感じながら読むことができるのです。
リムルの仲間も増え、登場人物も多くなってきましたが、それぞれの魅力的な個性は見事に描き分けられているので、自分のお気に入りのキャラクターを見つけることもできるでしょう。
たとえば、本巻で登場する魔王の1人ミリムは、10人いる魔王のうちでも最も古く強い魔王です。しかし、そんな強大な力とは裏腹に単純な性格の持ち主でもあり、リムルにあっさり丸め込まれてしまうというかわいらしい面もあります。
このように、キャラクターの特徴が際立っているので、数は多くなってもきっと見分けられるでしょう。 また、最強主人公やその敵との常識外れで激しい戦闘は、迫力も勢いもあって思わず一気に読んでしまうほど面白さです。
その一方、日常パートでの個性的ながらほのぼのとした描写もあり、最後まで飽きることなく読むことができます。 次々に現れる強大な相手に、リムルがどういう手段を取っていくのが、ぜひ手に取って確認してみてください。
魔王ミリムが去って数ヶ月、リムルたちは何事もなく穏やかな日々を送っていましたが、獣王であり魔王のカリオンが治める獣王国ユーラザニアから使者がやってきます。使者は、両国で使節団を派遣し合い、国交を結ぶに値する有益な国かどうかを互いに確かめ合おうと提案しにきたのでした。
まだ出来たばかりのリムルたちの国「ジュラ・テンペスト連邦国」(通称:魔国連邦)にとってはとてもありがたい話で、リムルは早速、ユーラザニアに使節団を送ることにします。
そしてもう一つ、魔国連邦において大切なことがありました。それは、大国であるドワーフ王国、武装国家ドワルゴンへの外遊です。これは新しい魔国連邦が国として認められるための最大のチャンスでしたが……!?
- 著者
- 伏瀬
- 出版日
- 2015-04-30
前巻までも大幅な改変、加筆修正がありましたが、今回もその面は随所に見られます。特にリムルと他キャラクターとのやり取りが増えているので、Web版よりもわかりやすく、またキャラクター好きの方にとっては嬉しい修正かもしれません。
また、本巻のラストでリムルと戦う坂口日向(ヒナタ・サカグチ)も、見どころの1つです。ヒナタはリムルと同じ元日本人ですが、15歳の時に異世界へ召喚され、今は西方世界で法皇直属の近衛団筆頭騎士と聖騎士団長を兼任するほど強い剣士となっていました。
そんなヒナタは、1巻でリムルが取りこんだシズとは師弟関係であり、リムルの殺害を企てます。 冒頭では召喚された時のヒナタの様子も描かれており、そのミステリアスなキャラクターに惹かれる方も多いでしょう。
ヒナタはこの後の話でもリムルと深く関わってくるので、ぜひ彼女がどういう行動を取って行くのかも楽しんでみてください。
本巻の最後まで、とても気になる形で次巻に続いていくので、5巻と合わせて揃えておくのもいいかもしれません。
前作でヒナタによって殺されたと思われていたリムルでしたが、実は分身体を放ち、何とか生き延びることに成功していました。リムルは急いでテンペストへ帰国しますが、そこで待ち受けていたのは、幹部や国民達の死でした。
リムルが不在の間に、テンペストは、魔王クレイマンやファルムス王国の策略にはまってしまっていたのです。その現実に茫然とするリムルでしたが、ある可能性を見出して……。
- 著者
- 伏瀬
- 出版日
- 2015-05-30
前巻でヒナタによって殺されてしまったかと思ったリムルですが、もちろん最強な主人公がそんなに簡単に死ぬことはありません。しかし、生き延びたリムルとは反対に、彼の大切な仲間が死んでしまいます。
その現実に、一時期は茫然自失になってしまうリムルでしたが、それをきっかけに、リムルはある事に関して自分の考えの甘さを認識し、改めることに。そんなリムルは、本巻でとうとう魔王にまでなってしまうのです。
もともと主人公が最強な物語ですが、魔王にまでなると、一体リムルはどこまで強くなってしまうのでしょう? 死んでしまった幹部の1人、シオンは、リムルの筆頭秘書を務める鬼人族の女性です。リムルにとっては大切な仲間で、その仲間たちを取り戻すため、リムルはさらに力を求めるのでした。
リムルが仲間を大切に思っていると同じように、仲間もリムルのことを慕っているのがよくわかるので、読者はリムルに共感しながら最後まで読むことができます。 シリーズも5巻になり、リムルの無双ぶりもいよいよ高まってきていますが、どこまで強くなってくれるのかますます楽しみになってくる1冊です。
ついに魔王へと進化し、シオンをはじめ死亡した住民たちを蘇らせることに成功したリムル。全ての事件の黒幕が魔王クレイマンによるものだと確信。それに対抗するべく諸外国との会議を開いていましたが、そこに「魔王達の宴(ワルプルギス)」が、クレイマン主催のもと発動される、との知らせが舞い込んできます。
「魔王達の宴」とは、10人の魔王が集う特別な会合のことです。クレイマンの目的が獣王カリオンとリムルの抹殺であることを悟ったリムルは、クレイマンを「魔王達の宴」で叩き潰すことを決意しますが……!?
- 著者
- 伏瀬
- 出版日
- 2015-10-30
前巻で魔王に覚醒、死者も蘇らせるという度を越した最強ぶりを見せたリムルが、本巻ではいよいよこれまでの黒幕である魔王クレイマンと対峙します。 魔王クレイマンは、妖死族(シスターヴ)という一族で、傀儡国ジスターヴを支配していました。
これまで影から様々な謀略をリムルに対して仕掛けてきたクレイマンですが、この巻でいよいよリムルと直接対決を果たすことになりました。 前巻までもそうでしたが、シリアスなパート、笑えてほのぼのするパートもあり、メリハリのある物語を楽しむことができます。
また、前巻でとうとう解放された暴風龍ヴェルドラのちょっとワガママなキャラクターも、面白み溢れる形で描かれているのも見どころの1つです。 本巻は、ストーリーの流れ上、会議のシーンにページ数の多くを割かれているため、魔王にまでなった前巻と比べるとアクションは少なくなります。
しかし、ここまで続いた物語が一区切りし、あらためて次の物語へと続いていくような巻でもあるので、ぜひリムル達とクレイマンの最後を楽しんでみてください。
魔王への進化、クライマンの討伐を経て「八星魔法」の八番目の魔王となったリムルは、新王国の樹立の問題と、神聖法皇国ルベリオスで信奉されているルミナスという唯一神を崇めるルミナス教の教団であり、ヒナタも所属する西方聖教会へどう対処するかの問題を抱えています。
一方、神聖法皇国ルベリオスにとっても、リムルの存在は恐ろしいものとなりつつありました。それは、ヒナタがかつてリムルを襲撃したことが、リムルの怒りを買い、報復されるのではないかと考えていたからです。リムルを襲った責任を感じたヒナタが取った行動とは……?
- 著者
- 伏瀬
- 出版日
- 2016-04-28
前巻でリムルがクレイマンを倒した後、10人いた魔王は、獣王カリオンとフレイという魔王が、魔王のなかでも最も古く強いとされる竜魔人(ドラゴノイド)のミリムの下に着いたこともあり、8人となりました。
リムルは、「新星(ニュービー)リムル」と名付けられ、「八星魔王」の8番目の魔王となります。もちろん物語は1巻から続いているのですが、新章として新しい展開がはじまると言っていいかもしれません。 とはいえ、魔王にまでなってしまったリムルは、さすがに強さに上限が見えてきた雰囲気もあります。
それでも、リムルやヴェルドラ、シオンをはじめとしたそれぞれのキャラクターの行動が、共感を持てるものになっているので、気持ち良く読むことができるでしょう。
また、本巻の見どころは何といってもヒナタです。魔王になる前のリムルを襲撃したこともあり、ヒナタは自らリムルの元へ向かうことにします。一度はリムルを殺そうとしたヒナタが、リムルに対する気持ちをどう変化させていくのか、注目して読んでみてください。
ヒナタとの和解、そして唯一神ルミナスの正体が、実は魔王の1人、バレンタインであることを知ったリムルは、仲間とともに今後のことについて話し合っていました。それによって神聖法皇国ルベリオスは、テンペストを正式に国家承認することになります。 そこでリムルは、自身の魔王襲名を祝うための祭り「開国祭」をおこなうことにしました。しかしそれは、ただ就任を祝うためのものではありません。どうやらリムルには次なる考えがあるようで……?
- 著者
- 伏瀬
- 出版日
- 2016-08-30
ヒナタや聖騎士団との和解に成功したリムル達は、さらなる国政の安定のため、様々な策略を練ることにします。その1つとして、魔王就任の祝賀会「開国祭」を開くことにするのですが、その準備をしているのが本巻です。
本巻はバトルシーンがなく、この「開国祭」の準備をするキャラクター達を楽しむ巻と言えます。能力を活かして地下迷宮(ダンジョン)を作るなど、それぞれのキャラクターにスポットライトが当たるのも見どころの1つです。
他に国家間の政治シーンなども多く描かれており、前巻までと比べると、ややストーリーの進みをゆっくりに感じるかもしれません。本巻と次巻は前後編になっており、「開国祭」が開かれるのは次巻です。準備を楽しんだ後の本番は、この巻ではお預けになってしまうので、ぜひ次巻と合わせて楽しんでみてください。
「勇者マサユキ」(本名:本城正幸)16歳。進学高校に入学したばかりの男子高校生でしたが、ある日突然、異世界へと召喚されてしまいました。ひょんなことからスキル「英雄覇道(エラバレシモノ)」を発動し、周りから勇者と呼ばれるようになります。
その後、冒険者となったマサユキは、同じように召喚されてきた元日本人の神楽坂優機(ユウキ・カグラザカ)からの要請で、巨大な奴隷売買市場があるというバラキア王国へ。
そこで奴隷にされていた耳長族(エルフ)を、成り行きからテンペストへと連れて行くことになったのですが、そんなマサユキの行動は、「勇者マサユキ」が魔王討伐を決意したという噂となり広まってしまうことになりました。
一方、テンペストでは、リムルの魔王就任祝いである「開国祭」がいよいよ始まろうとしていて……。
- 著者
- 伏瀬
- 出版日
- 2016-11-30
前巻から引き続き「開国祭」の話です。前巻が祭りの準備だったのに対し、本巻ではいよいよ「開国祭」が開催となります。1巻ほとんどがお祭りの話ですが、これまで登場したキャラクターが総出演と言っていいほど登場するので、大勢でワイワイとしている雰囲気はとても賑やかです。
「開国祭」では、地下迷宮(ダンジョン)や、闘技会、コンサートから研究発表まで様々な趣向を凝らした催し物があり、それぞれ担当のキャラクター達が頑張っている姿も描かれています。この闘技会には、勇者マサユキも飛び入り参加して、観客と一緒に読者も盛り上がることができるでしょう。
もちろん、「開国祭」を通して、国と国の繋がりを強固にしようとしているなどリムルの思惑もありますが、日常のキャラクター達の姿を充分楽しめる1冊になっています。 ストーリーが大きく動くのは次巻へ期待して頂き、本巻ではぜひキャラクター達の日常感をたっぷり楽しんでみてください。
リムルの魔王就任のお祝いという名目で開かれたテンペストの開国祭は大成功をおさめました。 開国祭が終わってから10日程、開国祭に招かれていた来賓達も帰国し、リムルは祭りのために作った地下迷宮(ダンジョン)を冒険者達のために解放してみることにします。
しかし、難易度を低く設定したにも関わらずリタイアする者が続出。リムルは緊急会議を開くことに。 一方、ロッゾ一族が支配するシルトロッゾ王国では、「影の支配者」であるマリアベルが、どんどん勢力を拡大しているリムルを危険視していて……!?
- 著者
- 伏瀬
- 出版日
- 2017-04-07
前巻まで開催されていた「開国祭」も終わり、来賓達も帰国、リムル達もひと段落していますが、そんな中、祭りのために作った地下迷宮(ダンジョン)に挑戦したいという者達が多かったこともあり、冒険者達に解放しようということになります。
物語の前半は、主にこの地下迷宮の運営について、リムル達があれこれと試したり遊んだりするお話で、前巻に引き続き、日常パートといえるかもしれません。リムルをはじめとしたキャラクター達のお遊びを、楽しく読むことができるでしょう。
その話が終わると、次はリムルが西方協議会へ加盟するため動き出し、それと同時にリムルを狙う影も散らつきはじめます。 本巻は、シリーズのなかでも最大のページ数となっており、Web版のストーリーからもだんだんと流れが変わってきている印象があります。
そのため読みごたえはたっぷり!ラストでは黒幕についても描かれており、今後のストーリーに期待が膨らむ10巻目です。
順調に勢力を拡大してきたリムル。今度は、西方協議会への加盟をもくろみ、動き出していました。しかしそれは同時に、リムルを危険視し、狙う動きが出ることも意味していました。
西に東にと何やら怪しい動きがある中、リムルが打った次なる一手とは……!?
- 著者
- 伏瀬
- 出版日
- 2017-12-08
前々から何かと国造りを進めているリムルですが、本巻でもその動きはさらに増しています。それは、国を動かしていくためのシステム作りやそれにともなう勉強、王都の設立、交通手段の整備など実に様々。
国造りなんてたいていの人は経験できないものですが、もし経験できたとしたらこんな感じかな? と思えてとても面白く読むことができます。
一方、そんな真面目な仕事っぷりの合間にはしっかりと仲間とともに遊んでいる様子も描かれていて、堅いばかりでなく笑える楽しいエピソード、そしてちょっと泣ける感動エピソードなんかもたくさんあるので、楽しく読んでみてくださいね。
また、本シリーズはWEB版から書籍化されるにあたって加筆修正が行われていますが、本巻は特にWEB版との違いが顕著な1冊。WEB版も愛読している方も、書籍にしかないエピソードや面白さがかなり多くなっているので、ぜひチェックしてみてください。
本巻で大きな話は一区切りですが、実はシリーズ上でも割と重要な設定が明かされています。次巻からは東方とのエピソードが語られるので、次なるエピソードを楽しむためにも本巻は要チェックです。
西方の騒動はひと段落したものの、危機は次々とリムルの前にやってきました。次に動き出したのは「東の帝国」。
勢力を拡大しようとリムルを狙う「東の帝国」でしたが、そんな時、未来を知るという少女・クロエがリムルの前に現れました。クロエによると、ある時間軸の未来ではリムルが「東の帝国」に討たれ、テンペストが崩壊したというのですが……!?
- 著者
- ["伏瀬", "みっつばー"]
- 出版日
前巻で西方編は完結、本巻の敵は東方、「東の帝国」です。未来の記憶を宿す人間の子供クロエの話によると、リムルが帝国によって倒され、テンペストが滅びるという未来が存在するといいます。
現在リムル達がいるのはクロエの知る未来軸とは違う軸らしいのですが、それでも自分が倒される未来があるというのは、リムルの警戒心を強めるには充分な理由でした。
ちなみに、このクロエというのは不完全に召喚されてしまった人間の子供。そしてそのクロエを含む召喚されてしまった5人の子供を保護しているのが、同じく人間のユウキという日本人なのですが、このユウキが、本巻ではちょっとした注目ポイントです。物語の始まりからいきなり進化を遂げるユウキに、ぜひ注目してみてください。
新たなる敵である「東の帝国」側の背景や事情、そして新しいキャラクターの登場など、敵側の描写がとても充実していて、読みごたえはたっぷり。もちろんそれに対応するリムル陣営も強化されていて、互いの陣営の力関係にはドキドキさせられることが多いですね。
物語的には、帝国側が侵攻するための準備段階という感じで、次巻が楽しみになる終わり方になっています。
- 著者
- ["川上 泰樹", "みっつばー"]
- 出版日
- 2015-10-30
いかがでしたか?実は本シリーズは、Web版は本編の他、外伝も完結しています。とはいえ、Web版と書籍では加筆修正、ストーリーの違いなどもたくさんあるので、読み比べてみるのも楽しいかもしれません。書籍と合わせてWeb版の話もぜひ楽しんでみてくださいね。