トールキンの著書おすすめ4選!『指輪物語』は壮大なファンタジー

更新:2017.7.30

トールキンは『指輪物語』や『ホビット』により世界で有名です。映画の成功もあり、今なお売れ続けています。その不思議な伝説と冒険で子供のハートはわしづかみ、そして大人になって読んでも、著者の知見と物語の奥深さに、改めて驚愕させられます。

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ファンタジーの大金字塔を築いた作家トールキン

J・R・R・トールキンは、1892年イギリス生まれの作家であり、文献学者でした。各大学にて教授や研究員を歴任、作品に登場するエルフ語など人工言語を複数発明しています。子供時代は成績優秀、自然が好きで、植物学に興味を示していました。豊かな自然のある土地で培われた世界観が、作品に繋がっていると言えるでしょう。

若くして父母を相次いで病気で亡くしますが、16歳の時の初恋の相手と結ばれ、1973年に亡くなるまで添い遂げました。トールキン夫妻の墓石には、「ベレン」「ルーシエン」と刻まれています。これは著者の作品群で最も有名な恋人たち二人の名前です。どんな恋物語か気になったら、ぜひ『シルマリル物語』を読んでみてください。

『指輪物語』の成功によってファンタジー文学という分野が確立したと言われています。その後に続く作家は多かれ少なかれ、彼の影響を受けているといえるほどの偉大な作品です。

驚くべき頭脳と、尽きない創造性を備えていたトールキン。敬虔なクリスチャンでもあり、自然や命を愛した彼は、今も世界中の読者に愛されています。

託された指輪には驚くべき秘密が。そして世界を救うため冒険の旅へ

その昔、ホビットのビルボ・バギンズは50歳を過ぎた頃、偉大な魔法使いガンダルフと13人のドワーフたちとともに、はるか遠くの国まで冒険に出たことがありました。

ビルボはその冒険で、偶然一つの金の指輪を拾ったといいます。指にはめると姿を消すことができる不思議な指輪です。ガンダルフはその話にどうも納得がいかず、彼を散々問い詰めました。すると思った通り、ある秘密の真相が明らかになったのです。

そして今夜は、ビルボは111歳、その甥であり、ビルボの養子であるフロドも33歳となる誕生パーティ。しかしビルボはその最中、忽然と姿を消しました。フロドに一切の財産、それに指輪を残して……。

著者
J.R.R. トールキン
出版日

ホビットというのは、大変古い種族で、身長は人間の半分くらい、髪の毛はみな茶色、丸い目をしていて朗らかによく笑い、ぽっこりとしたお腹、みんなで飲んで食べるのが大好きな種族です。

フロドは、力強い仲間たち、そして魔法使いガンダルフとともに、世界の秘密を知るための旅へ出ます。エルフ、人間、ドワーフ、オーク、ゴラム……。まだ見ぬ仲間も、立ちはだかる魔物たちもたくさん待ち受けています。何より、大好きな義父ビルボはどこへ行ってしまったのでしょうか。

ファンタジー小説の、大金字塔であり始祖であるこのシリーズ。夏休みの読書にぴったりです。きちんと細かく読み進めたい方は、『指輪物語 (10) 新版 追補編』も手もとに置いておけばさらに安心でしょう。固有名詞を確認できたり、年表を見られたり、本編にはないエピソードも楽しめます。

『指輪物語』よりさらに昔。そもそもビルボはどんな冒険をしたのか

はるか昔の神話の時代。大昔から緑の丘の下のお屋敷に住んでいる、ホビットのビルボ・バギンズは、穏やかに独身生活を過ごし、中年を迎えていました。

ある素敵な朝。ビルボが戸口の前でのんびりとパイプをふかしていると、向こうから魔法使いのガンダルフがやって来ます。冒険好きで有名なガンダルフは勝手に話を進め、ビルボを冒険に連れてってやると言い出します。ビルボはその場で慌てて断り、いつかお茶でも、と言って去りました。
 

そして次の日。お茶の時間になる頃にお屋敷を訪ねるお客がありました。現れたのはドワーフで、ずんずんと家へ入り遠慮なくケーキを食べだします。さらに呼び鈴はなり続け、終いにはとうとうビルボの家には13人のドワーフ、そしてガンダルフが集まってしまいました。

そして彼らは全員で計画の説明を始め、ビルボはついにその冒険へ駆り出されるはめになるのでした……。

著者
J.R.R. トールキン
出版日
2012-11-01

『指輪物語』で語られていた、フロドの義父ビルボが若き日に駆り出された冒険の話です。『指輪物語』では「西境の赤表紙本」と呼ばれていたのはこの本は、ビルボのしたためた自身の冒険記のことだったのです。

長篇ですが、ストーリーはあっという間に読めるはず。というのも約3分の1は注釈と解説なので、好きなように読み込んで自由に物語を深めることができます。

全編にわたって、ホビットたちの家の素敵な様子や、ユニークな行動、魔物に食べられそうな時でさえシャレを言うウィットさがとても愉快で、ファンタジー小説らしい魅力が満載です。トールキンの作品は読者に、まるで自分が森の中を歩き、はるか雄大な谷を見下ろしているかのような雄大な情景を見せます。

『指輪物語』を読みたいけど機会を逃しているかたにも、まずは是非取り掛かりやすいこちらをおすすめします。

「中つ国」の歴史書にして、トールキンワールドの聖典。

はるか昔、イルーヴァタールと呼ばれている唯一神エルが、一つの世界を創造します。エルは次に「アイヌア」という聖なる存在を創り、彼らはエルとともにありました。

しかしそのアイヌアのうち、当初最も力のあったメルコールは、徐々に慢心し邪心を持つようになります。堕ちたメルコールは後に、冥王モルゴスとなるのです。

そして、エルが最初に世界に住まわせたのはエルフ。『指輪物語』や『ホビット』でのエルフは、最も美しい容姿と言葉を持っている存在でしたが、この時はまだやや原始的な存在で、勝手で欲張りでもありました。

やがて宝玉シルマリルをめぐって、冥王モルゴスとエルフたちの種族争いが起こります。

著者
J.R.R. トールキン
出版日
2003-05-01

エルフたちの世界をもっと知りたくなってしまったら、この本。そもそも『指輪物語』の舞台となる異世界はどうやって創られ、どのようにして冒険へと繋がっていくのかが明らかにされます。本作は神エルと、その創造物たちについての歴史書であり、小説のような描写や表現はあまりなく、史実が淡々と語られている一冊です。

エルフの次に地に住まわせたのは人間族でしたが、永遠にこの世に留まるエルフから見ると、人間は体も精神も弱い存在です。しかし、生きてこの世に住まうのはほんの一時で、すぐにどこかへ出立できる姿は非常に自由で、羨ましい存在でもありました。

この、人間以外から見た人間についてや、地球への言及ともとれる本作の内容からは、著者の考えや人柄を感じ取ることができるでしょう。
 

 

トールキン・ワールドの最深部。彼の世界観には終わりがない

本作は、遺稿集の翻訳です。トールキン作品が大好きで、物語ができる過程や設定、知られざるエピソードを全て知り尽くしたい!というディープなファンの要望に応えています。

未発表、未完の短篇や小論や制作過程のメモなどに、息子である編者が詳細な注釈を付けています。草稿段階での著者のメモ、作品には残らなかった些細なエピソードなどがたくさん集められ、特に『シルマリル物語』の世界をより深めてくれるでしょう。

著者の執筆の裏側を覗けることが本書の魅力であり、ますますその世界が広げることができます。

著者
["J・R・R・トールキン", "クリストファ・トールキン", "山下なるや", "John Ronald Reuel Tolkien"]
出版日
2003-12-13

『シルマリル物語』と『終わらざりし物語』は、トールキンの死後、息子が編者となり、彼の遺稿やメモ、外部に散ってしまった原稿などを集めて編まれました。

『シルマリル物語』は、一貫性を持たせた一つの物語として出版されましたが、この『終わらざりし物語』は、発見された断片を、あまり手を加えない形でまとめたものです。ディープなファンにとって本書は、作品について長らく疑問に思っていたことが氷解する喜びを味わわせてくれる一冊になるかもしれません。

更に用語解説と種族系図が下巻の巻末にあり、作品を深く読み込みた時には参照することもできます。トールキンの創造した世界が、ここまで広く、深く、緻密だったことに驚かされるでしょう。

 

学生たちにも人気ですが、聖書や神話、言語学の知識があればあるほど、深く読見込むこともできる、幅広い読者に対応し、読者の成長にも対応するトールキンの作品。読み終わってまた最初の本を読み返すと、今まで気づかなかった事実に気づくことも。世界が無限に広がっていく、貴重な読書経験のできる作品です。