カタツムリの飼い方を簡単に紹介!赤ちゃんの飼育から餌の頻度まで

更新:2017.7.31 作成:2017.7.31

普段よく見かける、私たちの身近な存在であるカタツムリ。あなたは彼らが何を食べているか知っていますか?今回はそんなカタツムリの飼い方と飼う際にぜひ読んでおきたい本をご紹介します。

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カタツムリの飼い方の基本

 

準備するもの

  • 瓶または虫の飼育ケース
     
  • 腐葉土
     
  • 木の枝、葉っぱ、小石
     
  • 霧吹き
     
  • 餌用の小皿
     

カタツムリは瓶や昆虫ケースで飼育することが可能ですが、それらが用意できない場合は水槽でも代用できます。ただし、脱走する場合がありますので水槽を使う場合は網などで覆って蓋を作るようにして下さい。

また木の枝、葉っぱ、小石などはカタツムリが退屈しないように公園を作るイメージで飼育ケースの中に並べます。枝などで坂道を作ってあげると登る場所が作れるので、あちこちに動き回れることを意識して置いてあげると良いと思います。

どんな土を準備したら良いか

土は腐葉土を使います。腐葉土とは枯れ落ちた葉や枝が混じっている土のこと。木などの栄養が吸収されており、植物の飼育にも適しています。ホームセンターなどでも購入することが出来ますし、庭に穴を掘って枯れ葉などを入れてビニールシートで雨よけをして2〜3ヶ月放置すれば自宅でも作ることが出来ます。

この腐葉土は1日2回程度霧吹きで水を掛けて乾燥しないように保って下さい。カタツムリは乾燥してしまうと殻に閉じこもり出てこなくなってしまいます。また水をあげすぎても土の腐敗の原因になりますので、あげすぎには注意が必要です。

普段は風通しの良い日陰に置き、1ヶ月に1回は腐葉土を外に出して日光消毒しましょう。用意が可能な人は腐葉土の下に川砂を敷いて置くと通気性が良くなり、カビが生えにくくなります。

卵・赤ちゃんが生まれたら

カタツムリは、個体で精子と卵子を作ることができるため、オスとメスの区別のない雌雄同体です。ですので、一匹でオスとメスの両方の役割を果たします。ただ、自家受精(同一の個体で受精すること)はできないため、他の個体と交尾する必要があります。

飼育ケースに2匹以上入れておくと、夏の初め頃に交尾をして5月〜8月頃に土の中に卵を産みます。1ヶ月程度で卵がふ化したらカタツムリの赤ちゃんの誕生です。卵がふ化するまでは、土を乾燥させないように特に気をつけましょう。後はふ化するのを見守っていれば大丈夫です。

赤ちゃんが生まれたら1日に2回程度霧吹きで水を掛けて乾燥を防ぐようにして下さい。赤ちゃんが乾燥してしまうと、正常な発育を妨げてしまいます。

寿命はどのくらいか

寿命は1年〜15年。5センチ以下の小さいものは1年ほどで死んでしまいますが、5センチ以上の大きいものになると8年〜15年生きるものもいます。とにかく乾燥は厳禁です。乾燥させないように気をつけてあげれば寿命を全うすることが出来るでしょう。

カタツムリの餌の頻度は?何をあげたらいい?

餌の頻度は毎日であることがベストです。彼らが毎日餌を残さず食べきるとは言い切れませんが、新鮮な食べ物の匂いに敏感。前日にあげた餌を残してしまっていたとしても次の日新しいものに替えてあげると、その新鮮な食べ物の匂いに引き寄せられて食欲が湧いて健康な状態を保つことが出来ます。旅行などに出かける際は数日間ほどでしたら出発前にあげた餌で乗り切ることが出来ますが、出来れば毎日餌はあげた方が良いでしょう。

餌の種類ですが、大きく分けて以下の2種類です。

 

  • 野菜
     
  • 炭酸カルシウム
     

 

野菜はキュウリやニンジンなど何でも食べますが、レタスやキャベツなどの葉物が好物です。特に生まれたばかりの赤ちゃんには白菜や小松菜など柔らかい部分の葉をあげましょう。野菜は切れ端で十分です。カタツムリも個体によって味の好みが違いますので注意して観察してみるのも面白いかも知れません。

また大切な栄養源として欠かせないのが炭酸カルシウムです。これは彼らの殻の栄養になるもので、卵の殻やボレー粉、貝などから摂取することが出来ます。卵の殻や貝は細かく砕かずにそのまま飼育ケースに入れておいて大丈夫です。歯は意外と強いので、噛み砕いて食べてしまいます。

カタツムリの主な種類

現在日本には700種類以上のカタツムリがいると言われています。殻が右巻きの「右巻き型」と殻が左巻きの「左巻き型」がいて、種類を見分けるための大きな手掛かりになっています。今回は日本を地域別に分けて地域ごとの代表的な4種類をご紹介。

エゾマイマイ

北海道の固有種。天敵がやってくると殻を左右に振る珍しい種類です。北海道ではよく見られるため、北海道民にはおなじみとなっています。

ヒダリマキマイマイ

東北から九州にかけて広い範囲で見られるカタツムリ。3センチ〜5センチと小ぶりで、キノコを食べるものとして知られています。名前の通り左巻き型です。

ミスジマイマイ

関東に主に生息しています。殻が赤みを帯びているものやクリーム色で光っているものなど殻がバラエティ豊か。関東以外では本州の離島にも生息しています。

アフリカマイマイ

1930年代に食用として沖縄に持ち込まれた外来種。昔は食用として食べられていましたが、広東住血線虫が寄生している可能性があり危険です。

寄生虫に注意!

カタツムリには2種類の寄生虫が寄生している可能性があります。1つはロイコクロリディウム。もう1つは広東住血線虫です。今回はこの2つについて詳しくご紹介します。

ロイコクロリディウム

アメリカやヨーロッパなど世界中の広い範囲に生息している寄生虫の一種です。鳥の糞に寄生し、そのフンをカタツムリが食べたり舐めたりすることで寄生します。寄生すると、触覚をコントロールしてあたかも虫の幼虫であるかのように見せかけ、カタツムリの触覚を幼虫と勘違いした鳥が食べることで、ロイコクロリディウムは鳥に寄生。その後、鳥の体内で育っていきます。 ロイコクロリディウムに感染したカタツムリを人間が食べると、人間もロイコクロリディウムに感染します。彼らは人間の脳もコントロールし、髄膜炎を発症させるのです。髄膜炎が重度の場合は死亡することも。破壊力を持った寄生虫なので注意が必要です。

広東住血線虫

広東住血線虫は主にネズミに寄生する寄生虫。日本だけでなく世界でも死亡例が確認されている寄生虫です。何らかの原因で人間の体内に入ると人は広東住血線虫症になります。この病気の症状は頭痛・発熱などでインフルエンザの症状と似ています。重症化すると中枢神経が犯され、ロイコクロリディウムと同じく髄膜炎を発症。死に至るケースも確認されています。

カタツムリを扱った際は、必ず手をよく洗うように気をつける必要があります。

①初めて飼う方向けの入門書

地域別・殻の形や模様別に名前を調べることができる、持ち運びに便利なハンドブック。図鑑的な要素だけでなく飼育方法や生息分布などもカバーしているため、一冊で全てが分かる貴重な本です。

著者
西 浩孝
出版日
2015-07-18

写真は全てフルカラー。普段見ることのできない角度から撮られた彼らの動作や表情が読者を楽しませてくれます。まさかこんな動きをするとは知らなかった。後ろから眺めるとこんなに癒される気持ちになるなんて知らなかった。――こんな声が聞こえてきそうです。カタツムリと言えばどれも同じだと思っていたあなたもこの図鑑を見れば、彼らにもそれぞれ個性があり、バラエティ豊かな自然界を彩る生き物の一員なのだと気づくことができるでしょう。彼らの生態も生物学の観点からしっかりと触れられていますので大人が読んでも読み応え十分です。

彼らの知られざる生態が分かるのも本書の魅力。うまく成長できない場合の原因や、彼らが安心した時に取る行動についてなど、魅力がぎゅっと詰まっています。大人が知的好奇心を満たすために読むのも良し。親御さんが子供の夏休みの自由研究のために読むのも良し。子供が色々な反応をしながら無邪気に読むのも良し。子供から大人まで多面的な読み方が楽しめる一冊です。

②お子様と一緒に飼うなら

本書は幼児から小学校低学年の子供を対象に書かれたカタツムリの秘密を探る知識絵本です。じっくり観察する機会の少ない生き物。彼らの体の不思議をシンプルな文章で子供にも分かりやすく伝えた一冊です。

著者
武田 晋一
出版日
2013-02-19

掲載されている写真は連続写真や拡大写真も多いので、普段あまり見ることの出来ないカタツムリが体を伸ばしている様子や、鼻や口などのパーツまでしっかりと観察することができます。彼らが生まれた時から殻を持っていること。自分でうんちを折りたたんでいること。木の年輪と同じように、殻を見ればどれくらい生きているのかが分かるということ。こんな子供の好奇心をくすぐるワクワクする情報が数多く掲載されています。

実際に飼っている人はこの本を参考にしたら、自分が飼っているのがどんな種類で主にどこに生息しているカタツムリなのか、何を食べてどんなうんちをするのか、秘密が解明されるかも知れません。

スポットのあたることの少ないカタツムリ。そんな生き物の奥深い世界が子供も大人も一緒に楽しめます。彼らについて、もっと知りたい人にぜひ読んでもらいたい一冊です。

③もっとカタツムリについて知りたい方に

「およそ2000年前、ハワイの古くからの住民たちは、カタツムリが歌う、と信じていた。彼らは先祖代々、ハワイの森や林の中に途絶えることなく湧き上がる不思議な音を、小心者のカタツムリたちのささやき声だと考えていた。」(『歌うカタツムリ――進化とらせんの物語』より引用)

著者
千葉 聡
出版日
2017-06-14

こんなエピソードから題名がつけられた本書。生物学者である作者、千葉聡がカタツムリ研究の軌跡や自身の研究に関する考察を記した一冊です。

カタツムリは生物の進化の秘密を解き明かす過程で外すことの出来ない重要な生き物だと言います。彼らの殻は環境に適応しやすく、その適合のプロセスをたどることで、彼らだけでなく生物がどのように進化の道を歩み続けているのかを予測することが出来るからです。本書では千葉聡の研究者としての見解だけでなく、他の研究者の実験やそれにより得られた結果なども多面的に紹介していますので、カタツムリと生物の進化の関係が客観的に読者に伝えられています。

基本的な情報は押さえていて、さらにカタツムリの生態やそれから導き出される生物の進化論に興味のある人におすすめしたい一冊です。本書を読めば、彼らのイロハを全てマスターできること間違いなしでしょう。

いかがでしょうか?今回は飼い方からおすすめ本まで、カタツムリに関する話題をご紹介しました。最後までお読みいただきありがとうございます。