ギャグがたくさん詰まった短編作品集『ギャグマンガ日和』。数々の名言を生み出しており、作品自体を読んだことはなくてもセリフを聞いたことがある......という人は、少なくないのではないでしょうか。ネットで話題の神回をご紹介します!
一冊でいろいろな設定のギャグマンガを楽しむことのできる『ギャグマンガ日和』。魅力のひとつは、ぶっ飛んだところから飛んでくる予測不可能なギャグです。常に想像のナナメ上をいき、シュールな絵柄も相まって様々な種類の笑いを提供してくれます。
- 著者
- 増田 こうすけ
- 出版日
そしてもうひとつの魅力が、登場人物たちのキャラクターです。基本的には一話完結型で、身近にいそうな会社や学校の人、漫画家、新選組など歴史上の人物......など飽きることのない数々のキャラクターが登場します。
独特の言い回しや、謎なのに忘れられない奇声、普通じゃないネーミングセンスや効果音なども個性的で頭に残ります。
美麗な作画や美しいキャラクター、可愛い女の子の萌え要素、主人公を口説いてくるイケメン......といった要素は、どこにもありません。登場人物が全員おかしい漫画『ギャグマンガ日和』の、人気神回についてご紹介します。
麻雀の回では、息をのむような男たちの闘いを見ることができます。これだけ聞くと麻雀漫画のようですが、その実誰もルールがわかっていません。誰もわかっていないのに、まるでプロ雀士のような雰囲気を醸し出しながら、真剣に麻雀をしているのです。
もちろん「親」の役割すらわかっていないので、親を決めることすらも他人に押し付けようとします。
- 著者
- 増田 こうすけ
- 出版日
- 2009-07-03
麻雀には絵柄が書いていない白い牌、通称ハクがあります。これは立派な麻雀の牌のひとつで、揃えることで役になるという大事なものです。しかしそのハクを引いた瞬間に彼らは、何も書いてねえ!ハズレだ!と投げ捨ててしまうのです。
なぜか東西南北を十字型に置くなど、実際のルールを知らない人が見ても「これはちょっとおかしくないか?」という展開だらけの麻雀。シリアスな雰囲気で真面目に変なことをしているので、思わずくすっときてしまいます。一体彼らの麻雀の行く末はどうなるのでしょうか......!?
ギャグマンガ日和でもほぼすべての巻で登場しているキャラクター聖徳太子。本来ならば偉い立場なはずなのに、作中では「臭い」だの「アホ太子」だの好き勝手に言われ放題です。
しかし実際、そう言われても仕方がないほどにアホなのです。なぜか上下青ジャージを常に着用しており、だらしない印象を受けます。部下である小野妹子からも、上司のような扱いはされていません。
- 著者
- 増田 こうすけ
- 出版日
- 2003-05-01
聖徳太子の出てくる回はかなり多いのですが、やはり神回は4巻の「楽しい木造建築」でしょう。彼が有名な法隆寺を建築し、そこに小野妹子を招く……というストーリー。これだけ聞くとまともな話に思えますが、実は法隆寺はできていません。聖徳太子がお金をケチって、作業員を1人しか雇っていなかったからです。
とりあえず小さなぼろい小屋を建てて「法隆寺だ」とごまかす聖徳太子と、とりあえずお土産にそこらへんでとった草と石を持って法隆寺に訪れる小野妹子の対決を見ることができます。これ、上司と部下だよな......と言いたくなるような2人の掛け合いに注目です。
あと3時間で超巨大隕石が降ってくるという世界の終末を舞台にした話では、テレビの特番が生放送されています。
その出演者たちは、もうどうせ死ぬのだからと、みんなかなりぶっ飛んでいるのです。
- 著者
- 増田 こうすけ
- 出版日
- 2005-03-04
「演歌ってなんかイライラする」と全裸でこぼす演歌界の大御所に、タバコを吸いながら死んだ目で出てくるアイドル、「なんかキモい」との理由で相棒の人形を放り捨てている腹話術師、そしてとんでもない秘密を抱えていたマジシャン......世界の最後の日なので、これまで抱えていた秘密を生放送でどんどん暴露していきます。
そして一般市民さえもヤケになって、うんこを持ってはしゃぐ始末です。そんな世界の終末の日、どんどん露わになっていく人間の本性と、意外な結末に注目です。
「名探偵うさみちゃん」は人気のシリーズもののひとつで、学校で起こる数々の難事件をうさぎの少女が解決する......という物語です。初登場回の3巻ではスクール水着が盗まれ、その犯人を捜します。
外見はとてもかわいいうさみちゃんですが、何かが閃くと目だけがものすごく怖くなります。そのせいで「うさみちゃん目つき悪っ」と言われてしまうことも。
- 著者
- 増田 こうすけ
- 出版日
- 2002-07-04
また彼女は、泣いている猫の友達に対して「机の中に猫の死体でも入れられてた?」と聞く発想の恐ろしさも持ち合わせています。クマ吉くんに対しては特に辛辣であり、「暇だからちょっと白骨化しなさいよ」「ちょっと屋上から飛び降りなさいよ」ととんでもないことを言ったりします。かわいい外見とは裏腹な、かなりバイオレンスな発言も魅力的です。
どうやら彼女は、推理をすることによって警察に通報できることがお気に入りの様子。むしろ、警察に通報できればなんでもいい、というとんでもない名探偵です。
ちなみに初回の犯人は、堂々とスクール水着を着用しているクマ吉くんでした。なぜか警察に捕まっても平然と真顔で歩いている......次はそんな彼の紹介です。
クマ吉くんは、猫の友達であるニャン美ちゃんが大好きなクマ。丸いシルエットが特徴的で、一見すると可愛いマスコットキャラクターのような外見をしています。
ですがうさみちゃん同様、外見と中身は一致していません。
- 著者
- 増田 こうすけ
- 出版日
- 2005-03-04
その本性はとんでもないド変態であり、学校内で下半身を露出していたり、ニャン美ちゃんの靴下をほっぺたに詰めていたり、口の中に縦笛を入れていたり、友達の着替えを覗いていたり......彼の奇行はとどまることを知りません。かわいい顔をしてとんでもないことをしでかすキャラクターなのです。
6巻では「変態という名の紳士だよ!」という、『ギャグマンガ日和』屈指の名言も残しています。
事件が起きたら大体は彼が犯人なのですが、何度うさみちゃんに通報されても一切悪びれる様子もなく、どんどん悪行を重ねていきます。警察に捕まっても「僕も踊らされた犠牲者の一人にすぎないのさ......」と被害者ぶる始末です。しかし不思議なことに、読者は彼の悪行がだんだんクセになってしまうのです。次は一体どんな事件を起こしてくれるのでしょうか。
いかがでしたでしょうか。頭のぶっとんだキャラクターの多い『ギャグマンガ日和』。どの巻からでも楽しめるので、ぜひ手に取ってみてください。