大石英司のおすすめ小説5選!架空戦記を多く手掛ける小説家

更新:2017.8.11

大石英司の作品は架空の戦争、行方不明になった飛行機、謎のタイムスリップなど、想像力がかきたてられるところが魅力。ページをめくればめくるほど、引き込まれること間違いナシです!彼のおすすめ小説を5つご紹介します。

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大石英司とは

大石英司は1961年生まれの小説家です。特にSF、ミリタリーといったジャンルの作品を多く発表しており、ディープなファンを集めています。

彼の小説の魅力は、政治・軍事的なストーリーのなかにSFの要素を組みこみ、独特の世界観を演出している点です。日本を取り巻く国々との関係や時事問題をモチーフにしている作品も多く、世界情勢について考えるきっかけにもなるでしょう。

小説家になる前は経済関係の記者をしていました。1986年に『B-1爆撃機を追え』でデビュー。以来作家として執筆活動を続けています。なかでも、自衛隊の特殊部隊に所属する音無隊長をはじめとした人物が活躍する「サイレント・コア」シリーズが人気です。

今回はそんな大石英司のおすすすめ小説を5つご紹介します。

ドラマ化もされた大石英司の代表作のひとつ

ある日、忽然と姿を消してしまった1機の飛行機。そこには乗員乗客を含めた68人が乗り合わせていました。

10年の空白の後、彼らは再び現れます。家族や恋人との再会を喜ぶ至福のひととき。しかし、彼らに残された時間はわずか3日間しかなく......。

著者
大石 英司
出版日

2006年にドラマ化もされた本作。行方不明だった人々が10年後に突然姿を現すという、タイムスリップの物語です。同時に、彼らが3日間という短い時間をどのように使って何を思うのか、人間の心に迫ったヒューマンドラマでもあります。

彼らはもともと様々な事情を抱えて飛行機に乗り込んでいました。誤解から職を失った学者や、父親の殺害を企て上京しようとしていた者、さらには駆け落ちをしようとしていた21歳の青年など、年齢もバラバラです。視点がめまぐるしく移り変わり、それぞれの過ごした時間が次々と描かれていきます。

大石は彼らの「最後の3日間」を切なく、ときに残酷に描きました。『神はサイコロを振らない』というタイトルがこの物語の結末を示唆しています。

死に対する価値観は十人十色。乗り合わせた68人の当事者だけでなく、姿を消した彼らを待ち続けた家族や恋人、仲間の心に寄り添って読むのもよいでしょう。

400年の時を超えて

光が丘中学校吹奏楽部の部員30人が夏季合宿で訪れたのは、長崎県の島原に浮かぶ離島、神主島です。飛行機や船を乗り継いで、無事に島へとたどり着きましたが、その島で予想外のでき事に遭遇してしまい......。

部活に青春を捧げる中学生たちの物語だと思って手に取ると、意外すぎる展開が待ち受けています。

著者
大石 英司
出版日

いきなり400年前の世界に迷い込んでしまったら、あなたはどうしますか。本作は、人ひとりどころか島全体がタイムスリップしてしまうというSFストーリーです。

江戸時代に飛ばされてしまった部員たちは先生やボランティアで来てくれていたOB、保養所の夫婦らとともに島のなかで生き抜いていくことになります。

彼らは感染症をはじめとした病に侵されることを恐れ、本土には上陸せず、あくまでも島での暮らしを守ることにしました。指導者の指示に従い、確実に島での生活を自分たちのものにしていくのです。

隔絶された世界で生きる人間を描いているところが、現地の生活に溶け込んでいくようなタイムスリップものとは違うところといえるでしょう。「島原の乱」で有名な天草四郎との交流の場面もあり、見どころです。

ドラマ化で話題となった『神はサイコロを振らない』や『女神のための円舞曲』とあわせて3部作とされている本作。吹奏楽にゆかりのある人は各章のタイトルに注目です。

大石英司が現代日本に警鐘を鳴らす

本作は尖閣諸島をめぐる架空の政治小説です。物語は衆議院議員選挙で政権交代が決まった翌日、中国が尖閣諸島を手に入れようという計画を実行に移すところから始まります。

はじめは日本が有利かと思われましたが、次第に状況は厳しくなっていき......。

著者
大石 英司
出版日
2013-06-22

ニュースでもなにかと耳にすることの多い、尖閣諸島。東シナ海の南西部に位置しており、実質日本が支配しています。しかし台湾や中国も領有権を主張していることから、尖閣諸島をめぐる問題は非常にデリケートで複雑です。

この問題に対してアメリカも関わってくることになるのですが、アメリカは日本の助け舟にはなってくれませんでした。物語の結末はタイトルへと繋がっていきます。

経済記者をしていた経歴を持ち、政治問題に精通している大石英司だからこそ描ける、リアリティに溢れた本作。実際に日本が他国から攻められたときにどのような対応をしていくのか。また、日本をとりまく国々はどのような動きに出るのか。普段政治について深く考えないという人にも、考えるきっかけを与えてくれるでしょう。

あくまでフィクションですが、臨場感があり実際に起こってもおかしくはない問題を描いています。大石英司の抱く危機感のにじみ出た力作といえるでしょう。

南沙諸島を襲った恐るべき脅威とは

作者の代名詞「サイレント・コア」シリーズの本作は上・下巻に分かれて刊行されています。

中国軍が南沙諸島に軍事拠点として滑走路を建設したさなか、巨大な台風により島は無残にも更地と化しました。自然災害にしてはできすぎていると睨んだ中国軍は、残された映像を解析するのですが......。

著者
大石 英司
出版日
2016-01-22

南沙諸島を攻撃したのは何者なのか。これが物語の大きなカギになっています。そしてこの事件をきっかけに、世界がものすごいスピードで混乱に陥っていきます。謎が謎を呼び、混乱の渦はみるみるうちに広がっていくのです。

映像から南沙諸島が意図的な攻撃を受けたと確信した中国軍。まず彼らが疑いの目を向けたのはフィリピン軍でした。ここからが特殊部隊「サイレント・コア」の出番です。フィリピンに派遣された自衛隊に紛れて、彼らは南沙諸島をめぐる騒動の謎に迫っていきます。

上巻を読めば下巻も読まずにはいられなくなる、謎に包まれたストーリー展開が魅力です。裏に隠されている驚きの存在が明らかになったとき、物語のスケールの大きさに気づかされます。ミリタリーやSF、政治問題と、大石の専門とするさまざまなエッセンスを複合させた長編小説で、読み応えも十分です。

大石英司が描く、「もしも」の第三次世界大戦

2017年8月現在、5巻まで刊行されている「サイレント・コア」シリーズの大長編です。

アメリカのロサンゼルスで起きたある事件をきっかけに、中国対アメリカの戦いの火蓋が切って落とされます。アメリカの同盟国である日本も次第に戦争に巻き込まれていき、自体は深刻化。第三次世界大戦の幕が上がるのです。

著者
大石 英司
出版日
2016-03-24

1945年に終戦した第二次世界大戦以降、現在に至るまで世界大戦は起きていません。もし3度目の世界大戦が起こったら......本作はそんな「もしも」を描いています。  

中国は横領を働いてアメリカに身を潜めた人物の奪還を実行しますが、その際に想定外の犠牲者を出してしまいました。それは皮肉なことに、アメリカの大統領を支援していて彼らと縁の深かった男の家族だったのです。憤りを隠せないアメリカと、それに不満を募らせる中国。両国の関係は悪化し、戦争へと発展するのが第1巻『第三次世界大戦1-太平洋発火』のストーリー展開です。

中国とアメリカを中心とした一進一退の攻防が描かれるなか、アメリカ側につく日本と中国の関係や新たにロシアの介入があるなど、さまざまな展開が用意されています。

2巻以降は「連合艦隊出撃す」「パールハーバー奇襲」「ゴー・フォー・ブローク!」「大陸反攻」というサブタイトルのもと刊行されています。今後の展開に注目です。

大石英司は緊迫した架空の世界情勢を描きだすことを得意とした作家です。あくまでフィクションですが、どこか現実的でのめり込んでしまう作品ばかり。まずは1冊、気になる作品から手にとってみてはいかかでしょうか。

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