椎名軽穂のおすすめ漫画5選!『君に届け』だけじゃない!

更新:2021.11.8

椎名軽穂は「別冊マーガレット」で主に活動する女性漫画家です。『君に届け』は多くの人が目にしたことがある作品なのではないでしょうか。今回は、『君に届け』以外の作品も含む、椎名軽穂のおすすめ漫画を紹介したいと思います。

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椎名軽穂とは

15歳の時から本格的な漫画を描き始めた椎名軽穂(しいなかるほ)は、1991年、16歳にして「君からの卒業」を「別冊マーガレット」に掲載しデビューしました。その後も「マーガレット」系列の雑誌にさまざまな短編を載せていきます。

2003年から連載開始した、初の長期連載作品『CRAZY FOR YOU』は、そのリアルな恋愛描写と複雑に入り乱れた登場人物の相関関係が人気となりヒット、椎名軽穂は一躍人気漫画家となります。

そして2006年から連載を開始した『君に届け』が実写映画化やアニメ化も果たす大ヒット。一時は「少女漫画なんて読んだこともなかった」という男子学生すらもこぞって読みふけるという、超人気作となりました。

『君に届け』のヒットに対し、当の椎名軽穂は「なんでこんなに地味な作品が売れているのか……」という感想を抱いたそうです。

そんな椎名の作品は、主に10代の恋愛や友情を取り扱っていて、その等身大でリアルな描写から、若者を中心に高い人気を誇っています。

椎名軽穂の代表作:『君に届け』

主人公の黒沼爽子は、非常に性格の良い子でありながら、真っ黒な長髪や青白すぎる肌という容姿から「貞子」というあだ名で呼ばれ、さまざまな噂も手伝って、高校入学早々にみんなから恐れられていました。

そのような事情から、当然友人は1人もいなかった爽子。しかし、明るく爽やかな性格で学年1の人気者である風早翔太と親しくなったことをきっかけにして、優しくて努力家と元々非常に性格がよかった爽子は、クラスに馴染み新たな友人たちとも出会っていくことになります。

著者
椎名 軽穂
出版日
2006-05-25

椎名軽穂が北海道出身で、現在も札幌市在住であることが影響して、『君に届け』の舞台は北海道ということになっています。

初めは周りから理解されずにいた主人公の爽子が、風早との出会いを通じてさまざまな友人たちと出会い、成長していく作品です。

読者は爽子の視点でストーリーを読み進めることになるので「なんでこんなにいい子なのに理解されないんだ」とやきもきしてしまうでしょう。実は『CRAZY FOR YOU』単行本に乗せる読み切りとして描かれたのが初出でした。

しかし椎名軽穂が次作の構想を練れなかったため、急遽同名作品として連載化されたという経緯があります。そのようなバタバタした状態での連載開始にも関わらず、『君に届け』は10年以上の長期連載を果たす大ヒット作品となりました。

非常にピュアな2人の恋愛と、彼女らの友人関係を等身大に描いている作品です。

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未だに根強い人気を誇る傑作:『CRAZY FOR YOU』

女子高に通う高村幸(さち)は、天然でどんくさく、男慣れもしていない女の子でした。そんな幸が恋をしたのは、初めて参加した合コンで出会った、女たらしとして有名なユキ。

ユキと中学校の同級生で付き合っていた時期もある親友の朱美からも「ユキはやめておきな」と忠告され、当のユキからも「女の子を皆女っていう対象で見てるけど、さっちゃんだけはだめ」と言われてしまいます。

しかし幸本人は諦める気などさらさらなく、そんな一途な幸に、ユキの親友赤星が思いを寄せ始めて……。

著者
椎名 軽穂
出版日
2004-01-23

椎名軽穂初の長期連載作にして、現在でもファンから高い人気を誇る作品です。「主人公が合コンで出会った男の子を一途に追いかける漫画」なので、非常にありふれた、なんてことはない作品のように思われるかもしれませんが、日常の一部を切り取ったかのようなリアルな恋愛模様を丁寧に漫画にしている本作。

登場人物たちの心理描写や、登場人物たちの一途でひたむきな様子、また描かれる恋愛の切なさや温かさなどが連載時から絶賛されていました。

余談ですが、幸が恋をするユキではなく、親友の赤星が読者人気は一番高かったそうです。そのおかげか、赤星を主人公にしたドラマCDが発売されています。また『君に届け』の主人公である爽子の、父方のいとこが赤星という設定もあるので、『君に届け』ファンも必読の作品です。

『CRAZY FOR YOU』について紹介した<漫画『CRAZY FOR YOU』結末までの見所ネタバレ!諦められない恋>の記事もあわせてご覧ください。

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テイストの違う作品を収録:『青いふたり』

胸が大きいことがコンプレックスで、男子の前ではうまく話せなくなるほど純でうぶな主人公の宗田ひとみは、同級生の対馬に思い切って告白し、宗田は対馬と付き合うことになりました。

しかしお互いが相手によく見せたいがために猫を被ってしまいます。純な宗田と、モテたいからという理由で、女子の前ではクールなキャラを気取る対馬のお付き合いはどうなってしまうのでしょうか。

著者
椎名 軽穂
出版日
2003-08-25

表題作「青いふたり」の他にも、ついつい嘘を重ねてしまう女の子とそれをことごとく見破る男の子を描いた「花とシーフ」、ロミオとジュリエという名前を付けられた幼馴染の腐れ縁のような恋愛事情を描いた「片恋ジュリエット」といった3作を収録した短編集です。

初期短編集だけあって、全体的に上記2作品と比べてしまうと少し劣るのですが、『君に届け』のような温かさを感じることができる短編集となっていて、シンプルながら椎名軽穂の他作品が好きな人ならハマること間違いなしの1冊です。

収録されている3作はどれもテイストが違っているので、さまざまな人が楽しめるでしょう。

心温まる短編集:『瓦落多(がらくた)プラネット』

七夕の夜、美津留の目の前に落ちてきたのは、便器の形をした宇宙船。そしてその中から出てきたのは、似非関西弁のような言葉を話す宇宙人のマエカワ。

ロック星からきたと言う彼は「年に1度、地球人の恋を成就させるのが自分の使命」だと美津留に告げます。そして今年は、その対象に美津留が選ばれたというのです。憧れていた人の声に似ているマエカワと美津留の関係はどうなってしまうのでしょうか。

著者
椎名 軽穂
出版日
1999-01-01

表題作他、偶然入った雑貨屋の店員が朝の散歩中に出会う青年だったと気が付き、その日から青年のことが気になりだしてしまった女の子の心情を描く「朝焼けを散歩」や、クリスマスの直前に憧れの先輩に想いを告げる「ホワイト・ホワイト」など、3作を収録した短編集です。

「瓦落多プラネット」は、落ちてきた宇宙船の形が便器で、その名前が「WC(ワンダフルカプセル)」であるなど、各所に笑える要素がちりばめられた、他収録作品に比べてギャグ色の強い作品となっています。しかし、主人公たちがひたむきな性格であるなど、椎名軽穂の作品らしさはきちんと感じることのできる作品となっています。

また「朝焼けを散歩」は主人公である女の子の心情が静かにつづられていく優しい温かみのある作品なので、漫画というよりも小説を読んでいるような感覚になるかもしれません。

若者の夢と恋を描いた作品:『アナログアパート』

ボロボロのアパート「かめ莊」に住む主人公の生田ななは、隣の部屋の声が聞こえてきてしまうような環境でありながら、専門学校に通いつつ雑誌に漫画を描いている女の子。

ある日、そんな騒がしい隣人、兵庫から壁越しに声をかけられたなな。その日から、ななとかめ莊の人たちの、夢にあふれた生活が始まりました。

著者
椎名 軽穂
出版日

「アナログ・アパート」他、都会から越してきた女の子と、少し不良だけど故郷を愛する田舎の少年の恋を描いた「90'S―ナインティーズ―」などを収録した短編集です。

おそらく若い頃の椎名軽穂本人をモチーフにしたであろう主人公が、アパートでともに暮らす人たちと夢を追いかけ、恋をし、友情を育み、という非常に温かみを感じる作品です。さまざまなことを共有できる友人という存在の大切さを感じさせてくれる作品となっています。

女子高生と、小説家を目指す仮面浪人生との恋とすれ違いを描いた「ロケット・ポケット」など、夢を題材に描いた作品が多いのがこの単行本の特徴で、どの作品も温かく優しい気持ちになれる、極上の少女漫画ですよ。

『君に届け』がもちろん一番有名な椎名軽穂ですが、それ以外にも名作がたくさんある漫画家です。ぜひ、他の作品もご覧になってみてください。

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