厳選!大人の女性向け官能・エロ小説おすすめランキングベスト10!

更新:2021.11.8

現代の官能小説は女性にも読みやすいバラエティに富んだジャンルとなりました。そんな数ある作品の中から、女性へおすすめな小説をランキング形式でお届けします。

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10位・華やかで濃厚な官能小説

こちらは海外の作品です。クロスファイアー3部作第1弾として刊行され、NYタイムズベストセラーリスト4位にランクインしています。

世界30ヶ国以上で翻訳され発行されるほど、彼女の描く華やかなラブストーリーが世界中の女性を魅了しました。

そんな物語の舞台はニューヨーク、広告会社で働き始めたばかりのエヴァはある日魅力に溢れた大富豪ギデオンに出会います。

互いに惹かれあい結ばれた二人は、時にリムジンの中で、時にパーティー会場の隅にあった一室で……。

著者
シルヴィア・デイ
出版日
2013-06-26

とにかく華やかなセレブ生活の中に甘く激しい愛があり、やがて身体を重ね合う二人は互いに抱えている心の闇に気づくのですが、二人の過去の傷は物語のスパイスとなり濃厚な官能世界を惹き立てています。

作者のシルヴィア・デイはロマンスの手練れと言われているほど有名な方です。

彼女が描く甘美でゴージャスなストーリーはきっと心深くまで満たしてくれることでしょう。

9位・京都を舞台に綾なす至福の官能小説

京和菓子をモチーフに男と女または女と女の性を描いた、第1回団鬼六大賞受賞作品です。

物語は6章構成、東京都内のカルチャースクールで和菓子を教える傍ら創作和菓子の制作活動をする桂木美乃の元へ、教え子で圧倒的な美貌を持つ由芽が結婚報告をしにやって来るところからお話が動きます。

美乃は20歳の頃に元々京都の老舗和菓子屋<松吉>で1人前の職人になるため修行に励んでいました。

ある時、和菓子屋の主人であり雇い主でもある松ヶ崎と関係を持ちます。松ヶ崎はとある一軒家に美乃を連れていくのですが、そこには複数の男たちの姿があり……。

著者
花房 観音
出版日
2013-02-07

松ヶ崎は言います、美乃を一人前の職人に、一人前の女にしたいのだと。

以後そこで複数の男たちに抱かれ続けることになるのですが、そんな日々を5年過ごし当時20歳だった美乃も25歳……結婚について考える年頃となりました。

美乃は決意し、京都を離れ東京へ移り住むことにします。

そして話は冒頭へと戻り、結婚報告をされたあと美乃は由芽を京都旅行に誘い、そこで松ヶ崎と再会するのです。

そしてあの一軒家へ由芽を連れていき……いつか美乃自身がされたように彼女を抱くのでした。

淑やかな京都の闇を思わせるストーリーに想像力が掻き立てられます。

京都の裏世界では本当にこんな事が行われているのかもと、とてもドキドキするのです。

繊細な技術を要する和菓子を作るかのように重ねられる性描写はまさに至福と言えるひとときをもたらします。

これが初めての官能作品とは思えないほどの表現力は、巨匠団鬼六に最も近いと評されるほど。

和を感じながら官能の世界に触れられる、とっておきの作品です。

8位・鮮やかに描かれる、女性たちの繊細な心模様

都会から帰って来た30歳、処女を喪失したい女子高生など、地方都市での暮らしを巡り8人の女性たちの日常を描いた連作短編集です。

地方で暮らすことの焦燥感、都会への憧れ、またはそれに近い感情を抱いた方も多いのではないでしょうか。

しかし実際に都会で暮らしてみれば疲れることも多く結局地方へ戻り、夢を見るのもそう簡単なものじゃないと現実を突きつけられるのです。

田舎での果てしない日々に居場所を求める彼女たちの心模様は、同じように青い日々を過ごしていた私たちの懐かしい感情を刺激してきます。

似た思いや経験をされた方なら、読めば読むほど共感の声が漏れ出るのではないでしょうか。

著者
山内 マリコ
出版日
2014-04-10

作中では全編を通して椎名という男性が出てきます。

椎名は冴えない中年男性のような立ち位置で登場するのですが、実は彼、学生時代いわゆるモテ系の男の子で女の子にチヤホヤされていたのです。

当時憧れていたあの人が面影なく冴えない人に……というギャップはなんだか同窓会あるあるを彷彿させますが、そんな椎名の存在が物語にいい味を加えてくれ作者のクールな筆致もあり大変読みやすい作品となっています。

『ここは退屈迎えに来て』はR-18文学賞読者賞を受賞した作品です。

官能小説が初めてという方でも入り込みやすい描写になっていますので、どれを読もうか迷っている方はまずこちらを読んでみてはいかがでしょうか?

7位・同性同士の純愛に、心が震え、胸がちぎれそうになる

過酷な生い立ちの那智と理緒、運命的な出会いを果たした二人はやがて愛し合う。そんな同性愛を描いた作品が『感情教育』です。

1~2章を通して書かれた凄惨な二人の生い立ちで物語の土台を固め、3章で彼女たちの出会いと愛を激烈にそして美しく描くという見事な構成となっています。

著者
中山 可穂
出版日
2002-05-15

過去はひたすら重く、似たような境遇にあった二人が出会えば、惹かれ合うのも当然。それが那智と理緒には愛をぶつけ合う原動力となり、背徳的な愛にどろどろと堕ちていく描写は圧巻です。

二人が叫び合いながら抱き合う場面がとても印象に残ります。

また、『感情教育』は同性愛を描くとともに、那智は既婚者のため不倫を描いた作品です。

そのため不倫ときいて引いてしまう方もきっと多いかと思います。

しかし、それを理由に読まないのはもったいない……そんな作品となっているのが中山可穂の『感情教育』です。

先入観を捨てて読めばきっと二人の愛に心を揺さぶられることでしょう。

6位・豪華絢爛なエロスを官能小説界の巨匠が描いた問題作

古都・金沢の武家屋敷を舞台にした、美しくも淫らでそして狂気なエロス……。

いわゆる「凌辱」「SM」を扱った作品なのでありとあらゆる責め苦が多数登場しますが、そこは流石巨匠と呼ばれる千草忠夫ですね。

露骨で下品な描写はなく、女性でも安心して読める官能文学となっています。

千草忠夫の作品ならではの濃密な官能描写、責め苦に使われる縄や道具が妖しくも美しく表現され想像力を掻き立ててくる……そんな彼の描写力に胸がドキドキしてページをめくる手が止まらないことでしょう。

または、じっくりねっとりと読みたくなるかもしれません。

それほどまでに千草忠夫作品は数々の人を惹きつけてやまないのです。

きっと、メインの登場人物となる鱗一郎と千鶴の狂気的な美しさが読者の心を掴んで離さないのでしょう。

著者
千草忠夫
出版日

狂気にとらわれた彼ら兄妹が、武家屋敷の薄暗い地下牢で麗しき人妻とその義娘である美しき女学生凌辱する場面は耽美の一言です。

淫らな凌辱絵図があんなにも耽美に描かれているのは、他作品と比べると全体的に少ない文量ながらも千草忠夫らしさを損なうことなく彼の表現する世界が広がっています。

官能小説を読むのであればぜひ千草ワールドにも触れてみてください。

5位・関係は3ヶ月限定のセックスフレンドから

家族を亡くし母の故郷スコットランドへ渡った18歳のジョスリンは、大学卒業後に小説家を目指し一軒家を借りました。

その一軒家のオーナーでもある実業家ブレイデンとの出会いは最悪で、相乗りしたタクシーでの傲慢な彼の態度にジョスリンは怒り心頭。

ですが、彼の人を惹きつけるセクシーさに魅せられ気になる存在となります。

著者
サマンサ・ヤング
出版日
2013-10-18

ジョスリンは過去にいろいろあり、なかなか心が開けません。ブレイデンに恋人関係を申し込まれても拒否してしまうのですが、3ヶ月限定のセックスフレンドを提案されそれならと受け入れます。

そんな頑なヒロインと情熱的なヒーローとのラブロマンスを繰り広げるのが『ダブリン・ストリートの恋人たち』です。

ブレイデンの愛にほだされ、やがて強固な絆で結ばれるのですが、やはりジョスリンの心の闇は深くなかなか思うようにいきません。

それでもブレイデンは諦めることなく、ジョスリンのすべてを受け入れようとします。

そんな彼の心の広さに感服。読後は幸福感に包まれることでしょう。

しかしそんな二人の間にもトラブルは起き試練が訪れます。

二人はどうやって乗り越え愛を深めていくのか……この恋の行方をぜひ見届けてあげてください。

4位・当たり前から禁断の関係へ

田沼淳一による圧倒的な官能描写で繰り広げられる5つの短編で構成された作品です。ライトなテイストに仕上がっており、田沼作品に初めて触れる方でも読みやすい一作となっています。

虐げてくる姉へ淫らな逆襲をする弟、義理の母とその息子に関係を持たせようと迫る少女、実兄に淫らな遊びを教え込まれて堕ちていく妹など、様々なシチュエーションで広がる濃厚な官能世界は、タイトル通り「近親相姦」がテーマです。

近親相姦といっても変ないやらしさもなく、華麗に快楽の底へ堕とされていく登場人物たちの過程が実に艶やかで、それに短編ごとに物語の雰囲気も違うので、それぞれ差異がしっかり作られているのが非常に興味深い作品となっています。

著者
田沼 淳一
出版日
2009-05-22

収録作のひとつ「再会した従姉」は、コメディ感ある作品であり、幼いころから憧れていた年上のお姉さんとのシチュエーションに、まるで男の子になったような気持ちでお姉さんに翻弄される少年のドキドキ感を愉しめます。

似ているようで似ていない、一つ一つがしっかり個性の立った官能的な物語。登場人物それぞれの本能を感じ取りつつ、濃密なエロスを愉しみたい方におすすめします。

3位・「略奪愛」をテーマに5人の作家が描く珠玉の官能小説集

豪華な顔ぶれが参加する、女性のための官能アンソロジーです。

それぞれの世界観で、一癖も二癖もある恋愛模様を描いています。

略奪愛というと、ドロドロした修羅場を思い浮かべますが、こちらに収録されている作品はどれもディープでなく、愛憎渦巻いてはいてもちょうどいいライトなドロドロ感を堪能できるのです。

著者
["窪 美澄", "彩瀬 まる", "花房 観音", "宮木 あや子", "千早 茜"]
出版日
2014-06-12

窪美澄の「朧月夜のスーヴェニア」は、あるおばあちゃんの戦時中に経験した燃えるような恋のお話なのですが、物語の主人公である彼女は認知症のため孫(女)に介護されています。

無思慮な孫にされるがままに世話されるおばあちゃんは、パラサイトシングルを続けダラダラと怠けながらスマホを弄る孫を見ては思うのです、彼女より自分の方が女として勝っていると。

なぜなら自分は強く求められ愛された経験があるから。

おばあちゃんは親が決めた相手がいるにも関わらず、自分を守ってくれた医学生との熱い恋に落ちます。二人は惹かれ合って愛し合うのですが、時は戦時中、辛くも時代の波が二人を引き離すのです。

哀しい恋となってしまったけど、あの日あの時愛された記憶を糧に生き抜いてきたおばあちゃんの深い愛がジーンと心に沁みてきます。強い愛を得られるほどの体験をしたおばあちゃんが少し羨ましくもあり、切ないです。

それぞれの作家が持つ作風で書かれたいろいろな略奪愛をお楽しみください。

2位・想いが交錯する三角関係

同じ女性を好きになってしまった兄弟圭祐と裕太、二人の間で揺れるみひろの三角関係の恋を描いています。

保育士のみひろは幼馴染の兄弟の兄・圭祐と同棲しているのですが、長いことセックスレスであることに悩んでいました。

もうすぐ30になるので圭佑との結婚を考えていたものの、現状に不安は募るばかり。

そこへ現れるのが弟・裕太、彼はずっとみひろが好きでした。

実兄の恋人であるためずっと隠してきた感情なのに、二人がうまくいっていないと知りとうとう抑えきれなくなったのです。

著者
窪 美澄
出版日
2016-09-28

恋人とうまくいっていないときはどうしても心に隙間ができます。

そんな時それを埋めてくれる存在が現れたら、心は大きく揺れるでしょう。

セックスしたいけど素直に言えない女心のじれったさや、男側の感情の異変……。

そんな性事情や揺れ動く心情、そして男女の気持ちのすれ違いを窪美澄のタッチで描かれています。

様々な視点で描かれるリアルな三角関係の恋模様に、恋はやはりタイミングなのだと思わずにはいられません。

タイミングが違えば結ばれる相手も好きになる相手もきっと違います、そんな深い恋愛観がこの作品にはあります。

抑制が効かない衝動、諦められなかった感情が複雑に絡み合い交錯する……。そんな幼馴染三人の恋の結末は一体どうなるのか。

その目でしかと見届けてください。

1位・実写映画化もされた江戸吉原を取り巻く儚く美しい官能小説

R-18文学賞を受賞した宮木あや子の代表作です。

時代は江戸、絢爛な愛の世界吉原に生きる遊女たちの恋が描かれています。

遊女たちは、客が待つ茶屋へ豪華な着物を纏い路を練り歩く行事「花魁道中」を夢見て今夜も客を待つのです。

毎夜様々な男たちに抱かれ続ける花街遊女たちにとって男をつくることはタブーとされています。惚れた相手が出来てしまえば、それ以外の相手になんて抱かれたいと思いません。

それゆえに、様々な事情から遊女となった彼女たちは吉原に生きると決めた時から恋を諦めていたのに、運命は残酷にも彼女たちへ恋をもたらすのです。

初めて愛した男の前で客に……、好きな人を心に想いながら初見世を過ごす遊女、弟へ募る禁断の感情、姉女郎に憧れ以上の念を抱く遊女。

著者
斉木久美子
出版日

主人公がそれぞれ違う複数の恋物語で構成されています。

話の始まりとなる第一部は、悲恋の物語。

妹分の八津に強引に出店へ連れて行かれた朝霧は、人混みだというのにお気に入りの草履が脱げ、失くしてしまいます。

そこを助けてくれたのが半次郎、朝霧の草履は彼が作ったものでした。

草履は壊れてしまったものの、履き物をきっかけに出会った二人。壊れた草履を残念がる朝霧に明日直して持ってきてやると約束をして別れます。

翌日、約束の場所へ向かえばそこにはちゃんと半次郎の姿が。

その日は草履を受け取っただけで終わりましたが、また会いたいと思った朝霧は翌日もその場所へ行きます。

すると、また半次郎もそこにいました。

今度は簪を直してくれる約束を交わします。

しかしそれを楽しみに帰った朝霧を待ち受けていたのは遊女の運命でした。

大きく動き出す物語に、待ち受ける恋の結末……。

遊女たちの儚い恋や華麗で切ない生き様を美しく官能的に描いたこの作品は話題となり、主演・安達祐実で実写映画化されました。

第一部の朝霧を見事妖艶に演じきり、半次郎との儚くも悲しい恋を見事再現しています。

また、こちらは斉木久美子作画で漫画化もされているので、原作と合わせて読めばどっぷりと『花宵道中』の世界に浸れることでしょう。

儚く残酷な運命に翻弄される美しい遊女たちの物語をぜひ味わってみてください。

官能小説はただエロいだけではなく物語や登場人物たちの魅力あって描かれているので、よりリアルな官能を身近に感じられます。

ここで紹介したもの以外にも素敵な作品はまだまだあります。皆さんもぜひロマン溢れる官能小説の世界に足を踏み入れてみて下さい。

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