白身魚は日本の女性イラストレーターで、水彩画で書いたような柔らかいタッチの絵が特徴です。実弟のBUNBUNもイラストレーターをしています。
また彼女は堀口悠紀子という名前で、テレビアニメ『クレヨンしんちゃん』や『犬夜叉』などにも参加して、幅広いジャンルで活躍しています。
そんな白身魚がイラストを担当したライトノベルをご紹介していきましょう。
本作は「戦え、そして逃げ続けろ。たとえ世界が終わったとしても。」をキャッチフレーズとした土橋真二郎が書いた小説です。
ある日を境に日本はほぼ崩壊し、東京だけが生き残っていました。そこで東京都民が自ら作ったスローガンが、「ゾンビが出ても通勤しろ」というものです。
そんな世界で人類はどのようにして生き残っていくのでしょうか。
このセカイで私だけが歌っている
2016年12月10日
ゾンビウイルスの感染により人間がゾンビ化してしまうパンデミックが起こり、東京以外の世界が崩壊したというところから物語が始まります。
インターネットはウイルスに汚染され使えなくなり、連絡は有線に。東京は世界で1番清潔で規律正しい場所となって、住民の確固たる人間関係が構築されていました。
ゾンビを殺せる権利を持った人間をハンターといい、彼らは独自の判断でゾンビを殺すことができます。主人公の碓氷悠介と汐見坂吹雪は、ハンターとして様々な場所をまわり、人間を守る任務を請け負っていました。果たして、ゾンビ化が始まった理由とは何なのでしょうか。
人間が内面に持っている醜い感情が描かれています。この心情をより分かりやすくしてくれるのが、物悲しくも可愛らしい白身魚のイラストです。
1巻完結なので、手に取りやすくおすすめです。
とある高校の文化研究部、通称「文研部」の5人。彼らの体が、謎の生命体「ふうせんかずら」によって入れ替わってしましました。
様々な摩訶不思議現象に悩まされながらも、協力しながら立ち向かって行く恋愛ストーリーです。
- 著者
- 庵田 定夏
- 出版日
- 2010-01-30
「文研部」の5人は初めは普通の友達でしたが、入れ替わり現象が起こったことによって各々が抱えている問題が発覚し、それを乗り越えていくことによって本当に心を交わすことができる親友になっていく物語です。
シリアスな場面でも日常の場面でも、物語の背景をより分かりやすくしてくれるのが白身魚の挿絵です。
本作はアニメ化もされており、そちらをご覧になった方も多いかと思いますが、アニメでは描かれていない心情描写などもあるので改めて読んでみてください。
「扉の向こうのコロシアムで殺しあっていただきます」(『コロシアム』より引用)
自殺したはずの少女が目覚めた場所は、見たこともない場所でした。戸惑う彼女を手助けできるのは、かつて同じクラスだった1年7組のメンバーのみです。
果たして彼女は生き残ることができるのでしょうか。
- 著者
- 土橋真二郎
- 出版日
- 2015-04-10
平穏な学園生活から一変、クラスの中心人物であった少女、月島伊央が自殺したことにより、クラスにはすっぽりと穴が開いていました。
そんな時、同じクラスの男子生徒、萩原悠人は、ネットで見つけたアプリを通じて「コロシアム」というデスゲームの存在と、そこに伊央が参加していることを知ってしまいます。
殺し合いはフェンスに囲まれ木々が茂っている場所で行われ、コロシアムにいる30人のうち生き残ることができるのはたった1人です。
悠人は当初、1人で伊央のサポートをしていましたが、やがて限界を感じ、クラスメイトに「コロシアム」の存在を打ち明けて協力を仰ぎます。しかし、それが原因で彼らとの間に亀裂が生まれてしまいました。
伊央を生き延びさせるために様々な感情のやりとりがありますが、それぞれのキャラクターの多様な表情を白身魚が描いています。
ある教団が運営している児童養護施設で育った旭と樹と陽咲は、いつも3人で仲良く過ごしていました。
その施設には3人に明らかな悪意を向ける小倉という教師がいて、3人は彼の暴虐に耐えかね、ついに施設の園長に訴えます。そこからすべての歯車が狂い始めました……。
- 著者
- るーすぼーい
- 出版日
- 2015-11-25
ついに脱走を試みた旭は、教団から逃げることに成功します。その後旭の母親は樹の里親にもなり、彼らは平和な生活を送っていました。しかし陽咲は、旭の父親を名乗る人物によって誘拐されてしまいます。
そして旭には謎の男から、人殺しを強要する電話がかかってくるのです……。旭と樹と陽咲の3人の運命はどうなるのでしょうか。
この切ない物語をよく分かりやすくしてくれるのが、白身魚のイラストです。特に、ある人物が涙を流しながら叫ぶシーンは色使いが秀逸で、思わずもらい泣きをしてしまいそうになるほどです。
主人公の少年は、クリスマスなどのイベントごとよりもゲームを優先してしまうようなゲーマーです。
ある日彼は学校で、銀髪の観月夢亜と出会います。彼女も廃ゲーマーで、さらに性格に難アリの残念系ボッチでした。このゲーマー2人によって織りなされる恋愛物語です。
- 著者
- むらさき ゆきや
- 出版日
- 2015-07-24
ある日、主人公の姉が突然失踪してしまいます。彼は失踪の理由を知るために、当時姉がプレイしていた「クロスレヴェリ」というゲームを始めました。
観月夢亜との出会いは、彼女が赤点を5連続で取ったことによって課せられた体育倉庫の罰掃除中。彼女はクロスレヴェリのプレイヤーの中でもトップレベルに到達しているゲーマーでした。しかしこれまでボッチだったため、同じゲームをやっていた主人公に対し、協力プレイをしようと誘います。
だんだん親しくなっていく2人と、観月の秘密が明らかになっていく切ない学園もの。2人が一緒にゲームをするときのキラキラした表情にも注目です。
優しい色合いが特徴の白身魚の描くイラスト。書店でもきっと目を引くはずです。見かけたらぜひ手に取ってみてください。