新宿・歌舞伎町を舞台にくり広げられる、アウトローな質屋が主人公の漫画『新宿セブン』。テレビドラマ化された人気作が、無料で読めるのをご存知でしたか? この記事ではそんな人気作品の登場人物と全巻の見所についてご紹介いたします!ネタバレを含むのでご注意ください。
- 著者
- 観月 昴
- 出版日
- 2015-06-09
朝から酒を飲んでいたり、女性のおっぱいを触ってみたりと破天荒なうえ、だいたいの物事を暴力で解決してしまうダメな質屋、七瀬が主人公の本作。最大の魅力はやはり彼の人柄がではないでしょうか。
時にやさしく、時に厳しくお客と付き合い、なんだかんだ言いながらも結局は訳アリの彼らを受け入れてしまう懐の深さがある七瀬。しかし訳アリなのも当然といえば当然、実は彼の質屋はよくあるブランド品はもちろん、人間の臓器まで取り扱っているのです!
粗暴だけど筋の通った「本物」の男である彼が、品物の買い取りを行いながらその裏側で巻き起こる騒動を解決していく本作。痛快さと謎解きの面白さを兼ね備えたヒューマンドラマを楽しめます。
『カブキの不動』で有名な奥道則と観月昴のタッグが紡ぎ出す、アウトローなヒーローの活躍に刮目してください。
ちなみに本作は2017年10月からKAT-TUNの上田竜也主演でドラマ化もされます。原作漫画とドラマ化作品を見比べてみるのも面白いのではないでしょうか。ちなみに原作はまだ連載中で最終回を迎えていないので、ドラマではどんな結末になるかも見所ですね。
今回はそんな本作のあらすじ、登場人物、全巻の見所をご紹介!ネタバレを含むのでご注意ください。
主人公は、見た目はチンピラのようで、酒癖も女癖も悪く、あくどいことも平気というアウトローな男・七瀬です。彼は「偽物は嫌い」で「査定で嘘はつかない」とのたまうだけに、真贋を見極める「目」は一級品。
彼のもとにはその目利きに信頼を置き、通常のお客だけでなく、裏社会の人間までが査定を求めて店を訪れます。そしてその査定の裏にはさまざまな事情があるのです……。
人情にあついながらも、フラットな審美眼で商品を見極める七瀬。物語は彼が鑑定書付きの宝石に「査定額0(ゼロ)」をつけたところから、幕を開けます。
ヤクザ相手でも臆することなく正しい鑑定を行い、挙げ句の果てには彼らからピンハネまでしてしまう、肝の座った人物が七瀬です。
彼が質屋を構えるのは新宿。そこには様々な職業、経歴、性格の人物がやってきます。混沌とした町で、七瀬は目利きの確かさで一目置かれる人物です。
しかし性格はなかなかくえない人物。口が悪く、何を考えているのかつかみどころもない、それでいて自分の利益に関してはちゃっかりしています。
そして前述のとおり、ヤクザにも臆することなく立ち向かえるのは、実は相当喧嘩の腕も立つから。拳銃を向けて脅されても眼光で相手をひるませ、ワンパンで倒してしまいます。
しかし七瀬はとれるところからはしっかりとりますが、弱い者には自ら無性で手助けに入るほど情に厚い人物。正しさの味方をする、ヒーローのような面も持ち合わせています。
ふらりとしているようで、実は喧嘩の腕も目利きの腕も超一流のヒーローというかっこいい男が七瀬なのです。
ドラマ版では上田竜也が演じます。
七瀬が危険な場所でも変わらずに乱暴な口調で話したり、ちゃっかりした言動をするのを後ろで見ながら、時にはビクビクし、時にはあきれたりして彼のツッコミ役になっているのが健太です。
そんな常識人の彼がなぜ七瀬とともに働いているのでしょうか?ふたりの出会いにはあるエピソードがありました。
実は、健太もかつては七瀬の店に客としてやってきた人物のひとり。彼は付き合っていた女性に逃げられ、怪しい言動をしていた彼女が結婚詐欺師だったのかを確かめるためにやってきました。
その女に預けられていた時計を査定に出す健太。七瀬はそれに30万の値をつけました。
しかし結局、その女は詐欺師だということが判明し、健太は失意のあまり、自殺をしようとします。その現場にたまたま七瀬が通り掛かりました。
健太は彼が嘘の鑑定をしたことに激怒し、詰め寄ります。ところが七瀬いわく、その時計の中身は本物。彼女の気持ちと同じく、すべてが嘘ではなかったのではないかと彼に告げるのです。
そして健太にお前はまだすべてを失った訳ではないと諭すのです。
そしてこの事件をきっかけに七瀬のもとで働き始めた健太。ヒヤヒヤしたり、あきれたりすることもありますが、何だかんだでその他の周囲の人と同じく、彼を慕っているひとりなのです。
ドラマ版では中村倫也が演じます。
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- 著者
- 観月 昴
- 出版日
- 2015-06-09
1巻は序盤らしく、持ち込まれた品物を通じて、七瀬の人となりを軸に物語が進行します。
「ブランド品から果ては人間の臓器まで
何でも買い取りますよ~♡」(『新宿セブン』1巻より引用)
そうたまうだけに、持ち込まれる品物は本当にさまざまです。そんないわくつきのものたちについて、新人鑑定士の健太(ドラマ作品では中村倫也が役を演じます)とともに鑑定にあたる七瀬。
持ち込まれた経緯や、客の思惑など、表面上分からない裏事情が発覚していくさまは、謎解きのワクワク、サスペンスのドキドキを押さえた見所満載の展開です。
ある時は腕時計の査定から横領を見抜いたり、ある時は女を担保に金を借りる男が登場したりと、多くの事件が巻き起こります。
1巻のなかでも七瀬の男気ある性格がよくわかるのが、第7話の「競馬ジッちゃん」です。
七瀬の営む質屋に、競馬が開催されるたびに負けてやってくる「ジッちゃん」が、自分の大切な時計を預けるところからスタートします。
時計を担保に、帰りの電車賃と「ちょっと1杯」の酒代を受け取って、いつもジッちゃんは帰って行きます。しかしある日の夜、ジッちゃんが2人組の若者の乗るバイクにバッグをひったくられるという事件が勃発。
ジッちゃんは盗まれそうになったバッグから意地でも手を離さず、500mも引きずられた挙句、電柱に頭をぶつけて重体になってしまいました。
その事件を知った七瀬は、同業の質屋や馴染みの飲み屋に連絡を取り、犯人たちをつかまえるために捜査網を張り巡らせます。この事件をすぐ聞いて動く七瀬、そして七瀬の頼みですぐに協力してくれる同業者や居酒屋の馴染みがいるということには、彼の人柄を表しているのではないでしょうか。
まんまと引っかかった犯人たちは七瀬の鉄拳制裁をくらいます。相手はナイフを持ち出し、危機一髪の場面かとおもわれますが、健太は「いいからナイフをしまえ これはあんたたちの為にー」と忠告し、その言葉の途中でも七瀬の容赦ない拳が飛んできます。七瀬、強すぎです。
たったワンパンチで気を失ってしまった相方を見て、もうひとりの犯人は、あれは自分たちの時計だと言い訳します。それに対して七瀬はあの時計の裏蓋には「永久勤続記念」と彫り込まれていたことを明かします。
そしてジッちゃんがバッグから手を離さなかった理由は、そのバッグの中に入っていた時計が、汗水たらして働いた彼の誇りそのものだったからだと語るのです。
「物には持ち主の汗がつく 涙が染みこむ 想いが宿るんだ」(『新宿セブン』1巻より引用)
普段は飄々として何を考えているか不明な七瀬ですが、汗と涙と、喜びや悲しみや、すべてが詰まった愚直な「人」というものを認めているからこそ出たセリフといえるでしょう。
一ヶ月後、ジッちゃんは懲りずにまた時計を質に入れにきます。怪我をしたあとなので、彼は少し照れくさそう。そんなジッちゃんに、七瀬は「ったくしょーがねーなァ 早く入んな!」と嬉しそうに微笑むのです。
筋の通った七瀬という存在の魅力が詰まったエピソードです。
- 著者
- 観月 昴
- 出版日
- 2015-09-19
2巻でも、結婚詐欺に引っかかった女や、キャバクラのボーイから成りあがったキャバクラ王、ジャンキーなダメンズを愛する女、父の形見を持ち寄った夢見るホスト、年寄りを狙った偽装質屋や闇カジノなど、さまざまな人物、組織が登場します。
そのなかでも最も謎解き要素が強く、ハラハラする展開なのが第10話の「ホームレスと万年筆」です。
ある日、ホームレスのレンさんが、公園で拾った万年筆を七瀬の店に持ち込むところから物語は動き出します。
めぼしいものがあると「晩飯代になればと思って」と物を拾ってきては、七瀬に鑑定してもらうレンさんですが、その時に持ってきた万年筆はドイツ製モンブランの「ヘミングウエイ」という、限定万年筆だったことが分かります。
1本14万円の査定をした七瀬。レンさんは拾いものにそれだけの価値があることに恐れをなし、警察へ届けようと言い出します、しかし警察ギライの七瀬はそれを聞いて冗談じゃない、とレンさんを睨みます。
しかしそこは情に厚い七瀬。14万円を公園のホームレス仲間みんなでパーッと飲むために使うことに決めてます。
桜の木下で楽しく飲んでいると顔なじみの警察がやってきて、その公園が「2日前に女子大生殺人事件の起きた現場だ」と言います。
その数日後、レンさんが何者かに襲われて重傷を負ってしまいました。そこで七瀬は、レンさんが拾った万年筆が犯人の落としたものではないかと推測し、その万年筆を使って犯人を誘き出そうとするのです。
七瀬はまず、万年筆に相場の倍の価格をつけます。そうすると、買う人間は必然的にどうしても万年筆を取り返したい犯人のみと限定されるわけです。
そこにまんまと犯人がやってくるのですが、犯人は他人に金を渡して万年筆を買わせるという卑怯な手を使ってその場を逃れようとしていました。
しかし七瀬は、犯人が「大学関係者」で「左きき」という目星もつけていたため、万年筆を買い求めた人物とは別に、一緒に入店し時計見ている人物がクロだと目をつけ、無事、真犯人が御用となるのでした。
しかしそれだけでは終わるはずがないのが七瀬。彼は犯人をおびき出すことを警察と協力して進めており、力を合わせる代わりにある条件を出していたのです……。
その様子はぜひ作品でお確かめください。勧善懲悪の展開にスッキリすること間違いなしです。
しかし正義のヒーローのようにふるまい、1本の万年筆から業種や利き手まで分かるとはさすが目利きのプロ!と思いきや、七瀬は業種や利き手の判断について「あんなもんはハッタリさ」と述べます。かっこいいなと思わせる理由は、どこか飄々としてつかみどころのないところにもあるのではないでしょうか。
また、第14話「偽装質屋」での
「弱いものを騙して食いものにしてるのを黙って見てられるほど
俺は人間ができちゃいねぇ」(『新宿セブン2巻より引用)
というセリフからは、彼の人となりを垣間見ることができます。果たしてこの名台詞はどんな事件を解決する際に生まれたものなのでしょうか。そちらの胸熱な展開もお見逃しなく。
- 著者
- 観月 昴
- 出版日
- 2016-05-28
鑑定+謎解きに、さらに詳細なうんちくが加わった3巻では、ヤクザにキャバ嬢、食品偽装で倒産した会社の社長に、資産家の孫など、さまざまな人間模様がくり広げられます。質に流れてくる品物の数と同じだけ、客の事情もあるのです。
第18話「再会」では、「エルドラド」というバーでホステスをしている美姫が質屋にやってきます。彼女は「ジュ・ルビアン」というフランス製の香水を1年前に質入れし、その利子だけを毎回支払いにやってきているのでした。
新人鑑定士の健太は、質屋の利子は1年祓えば元金と同じだけになってしまうため、彼女が利子だけを払い続けることに疑問を持ちます。そこで彼女の働く店に行き、同僚のホステスからあるエピソードを聞くのです。
美姫にはかつて店にもよく来る、相思相愛の藤枝という男性がいました。しかしある日、「仕事で海外に行ってくる」「…しばらく帰ってこれないと思う」と告げ、その香水をプレゼントして姿を見せなくなってしまったというのです。
それから1年。美姫は彼への想いを断ち切るためにもらった香水を質に入れたものの、買い流してしまうこともできず、利子だけを払い続けているのでした。
ところがその翌月、美姫は質流の期限の日になっても利子の支払いにきません。「未練が断ち切れてよかった」という七瀬ですが、預けていた品物が「ジュ・ルビアン」だと知ると、彼女の務める店「エルドラド」へと赴きます。
店での美姫は、いつものクールビューティな姿とはうってかわって、よく笑い、よく喋り、よく飲み、羽目を外していました。そうして無様に酔いつぶれてしまった彼女に対して、七瀬が「ジュ・ルビアン」の名前の意味を説明するのですが、そのエピソードがとってもキュンとする内容なのです。
実はこの香水にはある意味が込められていました。「ジュ・ルビアン」は第二次世界大戦中に、アメリカ兵のなかで恋人に贈る香水として流行したもの。
戦死するかもしれず、もう二度と会えないかもしれない、それでも「I WILL RETURN(帰ってくるから)」という思いを込めて、フランス語で同じ意味の名前を持つ香水を送ったのだそうです。
美姫の恋人だった男性はアメリカへの留学経験があったため、このエピソードを知っていて彼女に贈ったたのではないかと七瀬は推測します。
そして、歌舞伎町という町で懸命に生きてきた美姫が初めて信じた男が、想いを込めて贈った香水なのだから、流してしまわずにとことん信じてやれ、と諭すのです。
美姫は今日までの利子を払いたい、と泣きながら告げます。
時計はまだ24時をさしていません。七瀬は「任せときな」と微笑みます。
そして数か月後、美姫は香水を出しにやってきました。となりには丸坊主になった約束の男性の姿が。会社が倒産したあと、マグロ漁船に乗って稼いだ彼は、借金を無くしてプラスもマイナスもゼロの状態になって彼女のもとに帰ってきたのです。
『新宿セブン』は品物の価値を金額的なものだけでなく、込められた気持ちの重さまで鑑定する質漫画。自分も周囲の物を大事にしたくなるような気分にさせられます。
- 著者
- 観月昴
- 出版日
- 2017-03-18
ハートフルなストーリーが多く収録された4巻は、登場人物の心の交流が涙を誘うエピソードを多数収録。父親が娘に託した家宝、終活をはじめた老人との交流、振り込め詐欺に引っかかるお爺さんや、母親に愛されなかったと思っている女の子、ある事情を抱えた姉弟など、心がほっこりする物語が詰まっています。
なかでも秀逸なのが、第31話の「父と子」です。
物語の舞台は、血の繋がらない姉弟が営むバー「澪」です。お店のリニューアルオープンを祝って、流しのギター弾きをやっている「ナベさん」を呼ぶ姉の澪と、弟の琢也。
昭和の時代からパタリと見なくなってしまった流しでのギターの弾き語りは、「澪」を訪れた客たちにも好評を博します。初めて流しを見たという琢也も、感慨深げにタバコをふかして聞き入っています。
その時に彼が使っていたライターがすべてのはじまりでした。
琢也が持っていたのは、ロンソンの「バンジョー」という珍しい形をしたライター。実はそのライターは、幼い頃に父と別れて暮らすようになった琢也が唯一、父の思い出として憶えていたものだったのです。
大人になってから記憶を頼りにレプリカを買い求めて愛用しているのだという事実を知った七瀬たち。実はその父親がナベさん。最初は琢也とナベさんを引き合わせようと店に呼んだのですが、ナベさんは負い目があり、結局名乗れずじまい。
澪は琢也も女手一つで育ててくれた母親の苦労を知っているだけに、素直に受け入れられるか心配しています。
そんななか、ナベさんが肺がんになってしまったということもあり、七瀬が父と琢也を会わせてやろうと画策するのですが……。
通常の物語より謎解きとしての要素は少ないですが、じんわりと心が温まるお話となっています。具体的な話には誰ひとりとして触れないものの、彼らが家族であること、そして成人してから再開して過去を受け入れたことが伝わる名エピソードです。
また、4巻まできて、回を増すごとに「いい人」になっていく七瀬にも注目です。1巻の頃に比べ、だんだんと暴力シーンが少なくなっていることからも彼が少しずつ変化していることがうかがえます。
暴力シーンだけでなく、心温まるエピソードをまじえながら、七瀬は七瀬らしくしっかりと鑑定をこなし、結果的に人を助ける。ドラマ化されるほど愛される理由は、こういったストーリー展開にも一因があるのではないでしょうか。
- 著者
- 観月昴
- 出版日
- 2017-10-07
自殺にまで追い詰められたギャンブラー、父の葬式にやってきたヤクザの借金取りに脅されている女子高生というヘビーなエピソードから、フォリピーナの妻と彼女の夫の純愛、老舗とんかつ店での家族の物語など振り幅の広い話で読者を楽しませてくれた5巻。
今回は最近よく聞く「JKビジネス」にも繋がるエピソードをご紹介します。
ある日、七瀬の店にここは盗品を売っているのか、と入りこんできたのは、ケンタの知り合いのマサシでした。彼は歌舞伎町でキャッチをしている男です。
彼が盗品だと言っていたのはショーウィンドウにあった腕時計。それは「神待ち少女」に盗まれた品だと言います。
神待ち少女とは、家出少女のネット上の俗称のことで、マサシがその子を泊めた翌朝に目を覚ますと、金目のものをすべて持っていかれてしまったのだそうです。
下心もあったとはいえ、もともと父親の家庭内暴力に耐えかねて新宿まで流れ着いたマサシは彼女に同情したのでした。
時計のシリアルナンバーもあるから返してくれというマサシに対して、七瀬は損をするだけにならないよう、家出少女に弁償させようと持ちかけます。健太は美少女だというその子を見たいだけだろ、と心の中でつっこんでいます。
おそらくハンドルネームは違うものの、同一人物だと思われる少女に健太が接触。そして一晩を共にしますが、健太は彼女の話を聞いているうちに同情するのです。そして明け方になっても横でまだ天使のような寝顔で寝ているその女子高生を部屋に置いたまま、健太は七瀬に許してやろうと電話をかけます。
もちろん修羅場をくぐってきた七瀬にそんな手が通用するはずなく、彼は健太に今すぐ部屋に戻ってみろと言います。そのとおりに部屋に戻ると、そこには見知らぬ男子高校生とともに部屋をあさる彼女の姿がありました。
何をしているんだ、と言う健太に詰め寄ってきたのは共犯の男子高校生。未成年を家に泊めたと上司にバラして会社をやめさせてやろうかと詰め寄る彼に、「上司」である七瀬が来ます。予想していた上司とは異なる姿に驚く少年。そりゃそうですよね笑
七瀬はそんな様子を尻目に、彼の制服が名門校のものだと見抜いて逆に学校にバラしてやろうかと脅します。そして追い詰められて逆に殴りかかろうとしてくる少年に対し、「小僧 拳ってのはこう使うんだ!!」と言ってワンパンで圧倒。最後にこう言います。
「いいか 大人を甘く見るな
色仕掛けでいいなりになり 脅せば金を払う
そんな神様ばかりじゃない
体を張って生きてる男(オニ)もいるんだぜ」(『新宿セブン』5巻より引用)
そうすごまれて逃げる少年。かっこいいと思うまもなく、置いていかれた少女に七瀬は「制服を脱げ」と言ってきて……!?
さすが七瀬、子供に見せる兄貴分的な顔も惚れ惚れしてしまうものです。しかしその直後に言ったのはまさかの言葉!
果たしてこの発言はどういう展開に繋がるのでしょうか?その様子はぜひ5巻でお確かめください。
『新宿セブン』の魅力、おわかりいただけたでしょうか? 興味を持たれたら、ぜひ1度読んでみてください。口では何だかんだ言いつつ、結局人のために動いてしまう。叩けば埃が出るような飲んだくれのダメンズなのにも関わらず、魅力あふれる彼の姿から目が離せなくなりますよ。