馬場翁による大ヒットライトノベル『蜘蛛ですが、なにか?』。かかし朝浩によるコミカライズも展開されている、ぜひチェックしておきたい話題作です。2021年1月からアニメが放送され、さらに盛り上がっています!
本作は、作者・馬場翁が「小説家になろう」にて掲載していたWeb小説です。オンラインで高い人気を獲得したため、KADOKAWAのWeb小説レーベルから単行本されました。2017年の「このライトノベルがすごい!」では、ノベルズ部門の第3位を獲得しています。
女子高生から蜘蛛のモンスターに転生してしまった主人公の視点と、転生後もヒトになることができたシュンたちの人間側の視点の2つの角度から展開されるという、他の作品にはない独自の構成も魅力的です。
かかし朝浩のイラストでコミカライズもされ、小説版とはまた違った雰囲気を楽しめるでしょう。また、2021年1月から2クール連続でアニメが放送されています。詳しくはアニメ公式サイトをチェック!
この記事では「蜘蛛ですが、なにか?」シリーズの魅力を、各巻ごとにネタバレを含めながら紹介していきます。
他にも数々の大人気作品が、同じ時期にアニメ化されています。詳しくはこちらへ。
気になる2021年冬アニメは32本!原作とあらすじを一挙公開!
2021年の冬アニメは人気作やその続編が盛りだくさんです!! 今もなお、絶大な人気を誇る作品「五等分の花嫁」や「Re:ゼロから始める異世界生活 」、「七つの大罪」、「はたらく細胞」などの続編、話題沸騰の異世界ファンタジー作品「転生したらスライムだった件」、「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」などなど、冬アニメはどれも見逃せません! もう知っている人もそうでない人も、軽くあらすじや原作を抑えつつ、そのほかの冬アニメ作品と一緒に計32作品を余すことなくご紹介していきます!
地球人では分かり得ないシステムに支配された異世界。この世界では勇者と魔王、そして「人族」と「魔族」が長い間争い続けていました。勇者と魔王が互いを倒すために放った魔法の余波は次元を超え、日本のとある高校まで飛んできてしまいます。
突然炸裂した魔法の被害を受けた高校の生徒や教師は、全員死んでしまいました。しかし幸か不幸か、殺された彼らの魂は勇者や魔王がいた異空間へと流れていき、行き着いた先の異世界で、前世の記憶を保ったまま転生することになったのです。
「人」の形に転生できた人の方が多い中、主人公の女子高生はなんと「蜘蛛のモンスター」に転生してしまうのでした。最弱の魔物に生まれ変わってしまった彼女の、波乱の日々がはじまったのです。
- 著者
- 馬場 翁
- 出版日
- 2015-12-10
ほとんどの同級生が「人族」に生まれ変わった中、本来であれば知性を持たないモンスターに転生してしまった主人公。今巻では「蜘蛛」の化け物に生まれ変わってしまった彼女が、最弱という立ち位置から工夫を凝らし、強者へと這い上がっていく様子が描かれています。
タマゴから生まれてさっそく、「親蜘蛛による共食い」という危機から逃げきったものの、その先に待ち構えていたのは怪物の巣窟!彼女のいたのは、蜘蛛の天敵である毒ガエルに大蛇、巨大猿、竜などという危険な生き物たちで溢れかえるダンジョンだったのです。
そんな絶対絶命な状況を、元人間ならではの知性と知識、そして「ステータス向上系スキル」という異世界での特殊能力をフル活用して切りぬけていきます。そんな主人公の懸命な姿を見た読者は、思わず彼女を応援したくなってしまうでしょう。
「韋駄天」という俊足の能力を活かし、自らの実力をどんどん高めていく主人公。蜘蛛の糸との合わせ技を使いこなし、罠を駆使して応戦し、魔物たちとの対峙にも慣れてきました。
やっとのことで最初のダンジョンを脱し、新たな世界「中層」にたどり着きますが、そこに待ち受けていたのは炎を操る魔物、火竜でした。彼女が飛び出した先は、灼熱の「マグマエリア」だったのです。
蜘蛛の糸を燃やしてしまう火が、そこらじゅうから吹き出す場所を前になす術もなく、主人公は挫けそうになってしまいます。中層の魔物たちからくり出される魔法や襲いくる火竜の攻撃を、彼女はどう潜り抜けていくのでしょうか……。
波乱の展開が続く第2巻です!
- 著者
- 馬場 翁
- 出版日
- 2016-03-10
ダンジョンでの天敵たちとの戦いを切り抜けたことで、戦うことに馴れたかと思えた主人公でしたが、灼熱の空間と、休む間もなく襲いくる攻撃に圧倒されます。しかしそれでも諦めず立ち向かっていく彼女の姿は、蜘蛛とはいえ勇気に満ち溢れており、読者も見習うことができるでしょう。
蜘蛛の糸が燃えてしまう火竜の住処。その絶望的な相性の悪さを機転を利かせて攻略できたシーンでは、思わず拍手を送りたくなってしまいます。
また今巻では、主人公の元クラスメイト、つまり彼女以外の転生者たちにも動きがみられます。人族として異世界を彷徨っていた彼らもまた、「人族としての局面」を迎えていたのです。
異世界でも変わらない、高校生らしいくすぐったい人間関係と、ファンタジーらしい壮絶な戦いの絶妙なバランスを堪能してください。
天敵だらけの中層を切り抜け、戦いの経験を得たことで「進化」し、さらなる力をつけていった主人公。その力は雑魚な魔物なら、彼女を見ただけて逃げていってしまうほどになりました。
力を得たことで楽勝ムードを漂わせていましたが、再び影が差します。大陸を渡るため巨大な迷宮に挑んだ彼女は、大迷宮の主「地龍アラバ」との対決を免れなくなったのです。
アラバと主人公の実力差は絶望的なもので、彼女があらゆるスキルと知略の限りを尽くしても、まったく歯が立ちません。ここで彼女は、初めて「死」の恐怖を味わうのでした。
この窮地、一体どうすれば脱することができるのでしょうか?
- 著者
- 馬場 翁
- 出版日
- 2016-07-09
今巻で対決することになる地龍アラバは、今後のシリーズにおいても非常に重要な存在となります。主人公はアラバを、はじめて「死」を感じさせた相手として、「いつか超えなくてはならない宿敵」と認知したのでした。
頭脳戦による攻防、そしてモンスターとしての豊富なスキルを駆使する姿が描かれるため、主人公対アラバの戦闘シーンの迫力は、本シリーズでもっとも注目してほしい場面のひとつです。さらに今巻からは「管理者」と名乗る黒幕との接触により、異世界の秘密が少しずつ明らかにされていきます。
一方で、これまで和やかなヒューマンドラマをくり広げていた人族たちの方でも、激しい戦いが巻き起こります。彼らは「戦争」に陥ってしまうのです。
本作のもうひとりの主人公といえるシュンは、国を統べる「王族」に転生し、さらに兄が亡くなったことで「勇者」の称号も引き継いでいました。しかしそんな彼は、ある組織の陰謀により、国王暗殺の罪に問われてしまいます。
どうすることもできず、エルフの村に逃げていく彼らの波乱の展開にも注目です。
ついに危険な魔物が蔓延る大迷宮を脱した主人公。人族のシュンたちがいる大陸にやって来たと思いきや、そこで待ち構えていたのは「蜘蛛種の女王・マザー」でした。彼女にとってこの女王は、この世界での生みの親です。
大迷宮の最後に待ち構えていた敵との戦いは、当然ひと筋縄ではいきません。マザーをはじめ、はるかに格上である相手との戦闘を余儀なくされます。
手足が吹き飛ぶほどの苛烈な戦いの行く末とは?そして魔王の正体は?物語の核心が見え隠れする怒涛の展開に目が離せません!
- 著者
- 馬場 翁
- 出版日
- 2016-10-08
大迷宮の完全攻略を果たす今巻。マザーのはめ技(相手に反撃の隙を与える間も無く連続させる技)では、あと1歩で死んでしまう!というところまで追い詰められるものの、主人公ならではの知略が炸裂し、逆転勝ちを遂げます。
そして、敗れたマザーが最後の助けをもとめた相手、魔王の存在も見逃せないでしょう。
一方、シュンたち人族のストーリーもどんどん進んでいき、これまで語られていた主人公の物語と人族たちの物語に「時間差」があったことが発覚します!ちりばめられていた伏線が少しずつ回収され、真実が明かされ始める一冊です。
どうにかマザーを倒した主人公は、次なるステージに向けてしばし力を蓄える時期を迎えました。異世界の最後の強敵である「魔王」を打ち倒さなくてはいけないのですが、その前に強くなりすぎてしまった彼女は、さまざまな方向から注目を集める存在になってしまいます。
そんななか、ついに主人公と人族たち、つまりは転生者同士の再会が果たされます!
しかしこの再会が、第三勢力「エルフ」との思いがけない関係に発展していくのでした。
- 著者
- 馬場 翁
- 出版日
- 2017-02-10
再会した同じクラスからの転生者は、吸血鬼の伯爵家令嬢。彼女が盗賊に襲われているのを助けたために、新たなる勢力「エルフ」の怒りを買ってしまいます。自尊心が高く、排他的なエルフとの関係や、主人公の新たな形態など、今巻も見どころがたっぷりです。
また、転生者同士が再会することもあり、転生前の登場キャラクターたちの素性や関係性についても徐々に明かされていきます。これまで明かされてこなかった主人公の名前や、クラスでの立ち位置など、知りたかった情報も目白押し!
これまでの物語が、少しずつひとつに繋がっていく楽しさ、爽快感が味わえるでしょう。
戦うつもりがまさかの和解を遂げた魔王や、助けた吸血鬼、その従僕たちとともに旅に出ることになった主人公。異色のパーティーでゆく珍道中は、想像以上の波乱に溢れていました。
そのおかげで、登場キャラクターそれぞれの魅力をがっつり楽しめる一冊になっています。これまでひとりぼっちで旅をしていた主人公が初めて仲間を得たことで、物語は新たな局面へと向かっていきます。
今巻の見どころは、かつての勇者や敵たちと、新たな人間関係を築いていく過程です。豊富な会話シーンから、それぞれの関係や企みも見えてきます。
- 著者
- 馬場 翁
- 出版日
- 2017-06-09
今巻は、主人公の視点のみで物語が進んでいきます。主人公、魔王、吸血鬼のソフィアと、彼女の眷属であるメラゾフィスという個性豊かなキャラクターたちによる会話や、それぞれの心情、決意などを知ることができるでしょう。
また、アルコールの入った主人公の思わぬ本音など、今まで語られなかった新たな一面も伺えます。これまでの激しいバトルとはうってかわって、キャラクターたちひとりひとりにスポットが当たり、彼らのやりとりをじっくりと楽しめる平和的な一冊です。
7巻では、時系列的な進みはあまり多くはありませんが、戦闘にSF展開、設定のちょっとした種明かしなど、盛りだくさんな内容。
まずは、どんどん登場する新たな敵とこれでもかというほどにバトルがくり広げられます。UFOに戦車、ロボットなど、これまでにない相手が主人公たちを襲ってきます。
毎回強くなっている主人公に、それを上回る敵が登場するので、若干パワーインフレが起こり始めていますが……。
- 著者
- 馬場 翁
- 出版日
- 2017-10-10
そしてそこから今度はこの世界観設定の種明かし。もともとの世界観とは少しギャップのある「エルフ」が鍵を握ります。彼らの機械文明の謎が明らかにされるので、必見です。まだまだ明かされていない部分もあるので、これからがさらに楽しみですね。
そんなバトルシーンの迫力やストーリー上重要な世界観の設定なども見所ですが、7巻は主人公と魔王の絡みもファンにはたまらないものとなっています。彼女のツンデレイズムが存分に発揮された2人の距離感もぜひご覧ください。蜘蛛という見た目なのに、ここまで可愛い主人公はなかなかいないのでは……。
7巻ではスペクタクル感の強い展開がメインでしたが、8巻は主人公の弱体化もあいまって、ちょっとペースは落とし気味。何と彼女は神化(ゲームでいう転職のようなもの)によって、スキルとステータスを失い、一般人以下の能力になってしまうのです。
しかしながら主人公のテンポのいい独白劇は健在。心の中で話しているので、会話劇にはならないところが、また「らしい」です。しかもここからまた成長の様子を見られると思うと、ワクワクしてきますね!
- 著者
- 馬場 翁
- 出版日
- 2018-03-10
そんな8巻の見所はひとり鬼こと、笹島くんのストーリー。ウェブ版とは異なり、時系列を変えるなどして彼の息が苦しくなるような物語が描かれます。ゴブリンに転生した彼の辛い境遇がさらに色濃く書かれ、ファンの方には辛い展開でしょう。
彼は妹とのある悲惨な事件を通して、怒のスキルがアップ。それにより戦闘力を増すのですが、逆にそのスキルに支配されてしまい……。
9巻にまだ少し続く様子の笹島くんのストーリー。果たして彼はその苦しみから解放されるのでしょうか?
神化することによって、一般人以下まで弱体化してしまった主人公でしたが、無事にスキルも復活し、さらなるパワーアップを遂げることとなりました。
神レベルになった転移能力でどこにでも行けるようになった彼女は、自分を蜘蛛に転生させた世界の管理者「D」のもとへ行こうと考えるのです。
そしてこの考えこそが、主人公の本当のルーツを暴くことになるのです……。
- 著者
- 馬場 翁
- 出版日
- 2018-07-10
現世で死亡した高校生や教師の多くが人に転生するなか、蜘蛛のモンスターに転生してしまった主人公というところから始まるのが、本シリーズの最大の特徴であり魅力だったわけですが、その本当の意味が、本巻でようやく明かされることになります。
どうして多くの仲間が人に転生しているのに、彼女だけが蜘蛛だったのか……そこには読者の予想を裏切る、意外な秘密が隠されていたのです。同時に、その真実が明かされるきっかけにもなった世界の管理者「D」の正体も判明。
これらの事実には、驚きの一言。実際に手に取って読んでみてください。
いかがでしたか?これからの展開に目が離せない『蜘蛛ですが、なにか?』。あなたもぜひ手にとってみてください!