影響を受けやすい人は要注意!絶望感の漂うイヤミス小説

影響を受けやすい人は要注意!絶望感の漂うイヤミス小説

更新:2016.10.11 作成:2016.10.11

どうも、わちゅ〜さんです。 皆さんは本を買うとき、何を基準に選びますか? タイトルや表紙、口コミ、作者など、人によって異なると思います。私の場合は、もっぱら口コミです。ネットで前もって調べ、評判の高かったものを買うようにしています。といいつつも、本屋にいって衝動買いすることもしばしば。気になったタイトルを見つけると、ついつい買ってしまうんです。でへへ。 でもこういう買い方をしていると、たまに当たっちゃうんですよね。絶望感しか漂ってない小説に。

わちゅ~@Thinking Dogsプロフィール画像
バンド「Thinking Dogs」 B
わちゅ~@Thinking Dogs
茨城県水戸市出身。 Vo.TSUBASA、Ba.わちゅ〜、Gt.Jun、Dr.大輝によるロックバンド、Thinking Dogsで活動中。2014年6月からバンドを始動させ、 同年夏に行われた大型野外ロックフェスティバル「イナズマロック フェス 2014」連動型のオーディション「イナズマゲート 2014」へ出場し、準グランプリを獲得。メンバーチェンジを経てThinking Dogsと改名し、2015年6月にシングル「世界は終わらない」でメジャーデビューを果たす。2016年2月にはテレビ東京系アニメーション『NARUTO -ナルト- 疾風伝』エンディングテーマ曲でもある3rdシングル「そんな君、こんな僕」をリリース。2018年9月26日には映画「あの頃、君を追いかけた」主題歌でもある7thシングル「言えなかったこと」をリリースした。 公式ホームページ http://www.thinkingdogs.jp/ 公式ツイッター https://twitter.com/wachu_TD 公式インスタグラム https://instagram.com/wachustagram
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絶望感しか漂ってないとはいっても、決して内容がつまらないという意味ではありません(たまにそういう本もあrK☆#ピ◆・・・)。俗にいうアレです。イヤミスってやつです。読んだあと嫌な気持ちになるミステリーのことです。

イヤミスといわれる作品たちは、イジメや嫉妬、猟奇殺人といったムゴい内容のものが多く、読んでいると精神がえぐられそうになります。恐らく好き嫌いがはっきり分かれるはず。私も初めのうちは少し敬遠してました。が、怖いもの見たさで何冊か読んでいるうちにハマりだし、今では大好きなジャンルの一つに。

だって面白い作品が多いんですもの!!

ってことで今回は、私のお気に入りを紹介していきまーす! あ、一言いっておきますが、影響を受けやすい人は本当に注意です。ちなみに私は影響受けまくってます。あははっ! 泣きたい。

盤上の敵

著者
北村 薫
出版日
2002-10-16
今回の一押し!

実は私、この本がイヤミスだったとは露知らず。元々ミステリーとしての評判がすこぶる高かったため、トリック目当てで買いました。「うっふふーん。楽しみ楽しみー!」と小鳥が戯れるかのようなテンションで本を開くと、ん? ん? 何やら冒頭に注意書きが載っているではありませんか。

そこには、著者・北村薫さんからこんな一言が。「今、物語によって慰めを得たり、安らかな心を得たいという方には、このお話は不向きです」と。……おいおいおいおい。不穏すぎるやないか。

今作の主人公は、TVディレクターの末永純一。ある日、猟銃を持った殺人犯が彼の家に立てこもり、妻の友貴子が人質にされてしまいます。彼女を救うため、純一は警察を出し抜き、犯人との直接交渉を開始。そして迎える衝撃の結末……!というお話。

本編は、純一と友貴子、二人の視点が交互に描かれる形で進行していきます。主に、純一の視点では犯人との攻防戦が、友貴子の視点ではそれまでの回想が中心に描かれています。

……はい。ここが今作のポイント。友貴子の回想こそが、今作のイヤミスたる所以となっております。一言でいうと、ムゴいです。主に彼女が体験したイジメ(もはや傷害のレベル)が赤裸々に綴られているのですが、これがかなり壮絶な内容。トラウマになります。

しかも恐ろしいことに、著者・北村薫さんの描写がうますぎるんです。五感を刺激する巧みな描写によって、イジメの壮絶さがパワーアップしております。「うわぁもうやめてぇぇ」って感じです。

と、率直な感想を述べてみましたが、面白さは抜群です。ぐいぐい引き込まれます。
この容赦ないイヤミスっぷりに耐えてでも、一読の価値はありますぞ。

凍花

著者
斉木 香津
出版日
2013-02-14
こりゃ切なかったなぁ……。ある家族をめぐる悲しい物語です。

美人で仲が良いと評判だった園部家の三姉妹。しっかり者で優しい長女、明るく天真爛漫な次女、甘えん坊な三女。一見幸せそうに見える一家ですが、ある日、長女が次女を撲殺。動機は、大切にしていた人形を投げられたからだという。どうしても納得のいかない三女は、本当の動機を探るため、姉の調査に乗り出します。すると、徐々に自分の知らない別の顔が明るみになり、姉に対するイメージが一変。そしてたどり着いた悲しい真実とは……。

いやはや、ものすごく切ないお話でございます。まさに慟哭。人間の奥底に潜む闇、誰にも言えない悩みといったものがリアルに描き出されており、読んでいて苦しくなりました。

このドロドロ感、凄まじいです。これ、夜一人で読んじゃあかんやつです。凹みます。

悲しいストーリーですが、他のイヤミス作品に比べると僅かながら希望が感じられる印象です。単にイヤミスという言葉で括ってしまうのは勿体ない作品。おすすめです。

ボトルネック

著者
米澤 穂信
出版日
2009-09-29
絶望を味わえる青春SFミステリー!

今作は、パラレルワールド(知らない人はレッツ検索!)を扱うという面白い手法で、イヤミスっぷりを存分に発揮しています。

主人公は、高校一年生の嵯峨野リョウ。二年前に亡くなった恋人・諏訪ノゾミを弔うため東尋坊へとやってくるが、そこで崖から転落。……したはずだったのだが。気が付くとそこは、彼の地元である金沢市。東尋坊にいたはずなのになぜ?と困惑しながら自宅へ戻ると、中から見知らぬ女性が。話をしているうちに、その女性は存在しないはずのリョウの姉・嵯峨野サキであることが判明!といった感じで物語が始まります。

この主人公のリョウは、パラレルワールドに迷い込んでしまったのです。元の世界では姉のいないリョウですが、このパラレルワールドでは存在。それどころか、こちらではリョウが生まれていないことになってるのです。わぉ!

つまり、姉のサキではなくリョウが生まれた世界(現実)と、リョウではなくサキが生まれた世界(パラレルワールド)の二つが存在するということに。そして迷い込んでしまった彼は、この二つの世界を比較していく中で、ある真実を知ることとなります。これがまた残酷でね。うはっ!やだやだ。

今作には「もし自分が存在しなかったらどうなっていたのか」という厳しすぎる現実が描かれています。自分の存在がプラスに働いていればいいものの、もし周りに悪影響を及ぼしているとしたら……。あーこわいこわい。

これ、もはやホラーです。なんとも形容しがたい恐怖に襲われます。私はこの作品を買うとき「米澤さんの作品だ! ひゃほーい!!」と軽いテンションでゲットしたため、完全に不意打ちをくらいました。ご注意を。