『宇宙戦艦ティラミス』をご存知でしょうか?ヤマトの間違いじゃないかって?いえ、今回ご紹介するのは「ティラミス」です。神経質で引きこもりの主人公、スバルが宇宙戦艦のエースパイロットとして奮闘するギャグコメディです。 アニメ化された人気作ですが、スマホで無料で読めますよ!
この作品は主人公スバルが乗り込んでいる宇宙戦艦のエースパイロットとして、地球を守るために奮闘する漫画です。これだけ聞くと、SF作品なのかな、と思いますよね……。
表紙もなかなか格好いいですし。ただ、よく見てみてください。確かに絵がキレイで格好いいのですが……なぜか串カツが浮いている……?
- 著者
- 出版日
- 2016-05-09
実はこの作品、舞台こそ宇宙という壮大なテーマですが、話は日常系ギャグ漫画なのです。
主人公スバルはエースパイロットとして非常に優秀なのですが、集団生活に馴染めない彼はすぐ自分の専用機に引きこもってしまいます。飲食もしばしば専用機のコックピット内でするため、いろんな食材が宙を舞ってしまうのです。
原作は『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った』などの作品を描いた宮川サトシ、作画は伊藤亰が手がけた本作。なかなか独特な魅力のある本作ですが、なんと2018年4月からアニメ化されることも決定しています。声優はスバル・イチノセを石川界人、イスズ・イチノセを櫻井孝宏が務めます。
はたしてアニメ作品ではこの魅力がどう伝わるのか?ぜひ原作と比較して楽しんでみてはいかがでしょうか?
そんな話題作の『宇宙戦艦ティラミス』は、スマホアプリで無料で読むこともできるので、そちらからまずはこの世界観を楽しんでみるのもおすすめです。
宇宙戦艦のパイロット、スバル・イチノセ。晴れて地球を防衛するための戦艦「ティラミス」に採用されたものの、そこにいるのは年上のおじさんばかりでした。話の合う人間もおらず、彼は専用機のコックピット内で引きこもり生活をするようになってしまいます。
スバルにとってコックピット内はまさに聖域。誰にも邪魔されず、ひとりの時間を堪能できる唯一無二の大切な場所なのです。
そこでは、あまりにも日常的すぎるトラブルが多々巻き起こります。壮大な非日常である宇宙空間ということをうまくミックスしながら、スバルの身の回りに起こる出来事を描いた作品です。
途中から登場する、非常にキャラの濃いスバルの家族にも要注目。クスッとした笑いを起こしてくれるほのぼのSFギャグ漫画『宇宙戦艦ティラミス』の、各巻の魅力をご紹介しましょう。
今作品で初めて女性キャラクター、リージュ中尉が登場する場面をご紹介します。
突如やってきた彼女のワガママに逆らえず、艦長はリージュにスバルの専用機デュランダルを使用することを許可しました。
嫌がるスバルでしたが、艦長命令に逆らえず、代わりにリージュの愛用機に乗り込むことになります。当初は嫌がっていたものの、機体の中は女性特有のとてもよい匂いがして……ついつい興奮するスバル。いつもは引きこもりで面倒くさがりの彼でしたが、そこでは健全な思春期の男子高校生が描かれているのです。
1巻に収録されているこのストーリーで、これまで引き籠もったり、妙なこだわりを見せていたりした彼の、普通の男の子と変わらぬ様子に安心できるでしょう。ただ、やはり変わり者のスバルが興奮するポイントは、なかなか変態度が高いです。
また艦内の指示系統や人間関係、キャラクターも少しずつクリアになり、そこも踏まえて読むことでより面白味を感じられる話になっています。どんなにクールに振る舞ってても、スバルはまだ思春期の男の子なのです。男ばかりの宇宙艦ですが、彼には力強く生きていってほしいと思います。
- 著者
- 出版日
- 2016-05-09
また別のストーリーでは、戦場で仲間とはぐれたスバルが宇宙を1週間漂います。なんとかコックピット内の非常食のお米で食いつなぎますが、まだまだ育ち盛りの彼には、白米だけでは何とも味気がありません。徐々におかずが欲しくなってきます。
とりあえず思いつきで操縦レバーにご飯を盛ってみると……なんかおいしくなってる!「手の塩気が土鍋のように染み込んでいるのかもしれない。」と彼は考えます。より汗をかいている部分のほうが、塩分が高めだと考えた彼は、最終的には肩や腕にご飯を盛って食べようと試みます。
この話は死を目前とした緊張感がある場面なのに、あまりに日常的な悩みを考えているスバルのギャップがとても面白いです。確かに白米ばかりでは飽きてしまうこともわかるけども、今それ考える……?あと塩分求めて自分の体に白米盛るって……。
追い込まれた人間はなんでもできてしまうものですね。みなさんも給料日前、お金がないときはぜひスバルを参考にしてみてください!
2巻ではいよいよ、スバルの兄、イスズが登場します。パッと見、まともでスバル同様イケメンの兄貴です。スバルのお兄さんは、独立宇宙要塞メトゥス=ゲルメンの総司令官。ティラミスとは敵対関係にあります。
突如、目の前に現れた実の兄ですが、スバルはどうして兄が目の前にいるのかわかりませんし、そもそも兄が生きていたことすら知りませんでした。
- 著者
- 出版日
- 2016-10-08
兄に誘われたスバルはティラミスを後にし、兄貴とともにメトゥスに向かいます。兄の機体の中はモノトーンでまとめられた大人の空間。感心したスバルでしたが、近くにあったビスケットのカンを空けてみると……そこには彼女からの手紙と手作りの人形が入っていました。
「イスズ兄さんキツっ…!」(『宇宙戦艦ティラミス』2巻より引用)
思わずスバルもドン引きしてしまいます。
2巻では初めて兄貴が登場し、出会いのシーンもシリアスな雰囲気だったので真面目な話になるかと思ったのですが、やはり兄貴もひと癖ありました。実は兄の機体に行く前も機体に入るための鍵を紛失したり、不必要に眼帯をしていたり……となかなかの痛いキャラクターに仕上がっています。
シリアスな雰囲気と性格のギャップが魅力的なイスズ。スバルとのやり取りも面白いので、ぜひ読んでみてくださいね。
3巻では、地球に不時着したスバルとイスズの前に、ついに父親ソウイチロウが姿を現します。車いすに乗って、怪しげな雰囲気を醸し出す父親。イスズと出会ったとき同様、重々しい雰囲気のなか、再会を果たします。
ソウイチロウは、地球のとある研究施設の重要なポジションを任されている凄腕の研究者でした。彼は昔、研究を優先して家族を捨てて出ていったため、イスズはあまりよく思っていない様子です。
- 著者
- 出版日
- 2017-04-08
そしてこの親父さん、もちろん凄腕なのですが、かなりのエロ親父でどうもエロサイトや出会い系サイトらしきものを頻繁に見ているようなのです。
緊迫した場面で、手にしたアイパッドの画面にはエロサイト登録完了のメール。しかも架空請求で54万円を請求されています。さらに彼はその請求を信じてしまい……架空請求の動揺のあまり、スバルの機体デュランダルの名前を54万ダルと間違えていました。
地球を救うほどの機体を完成させる手腕を持っていながら、なんですか、そのITリテラシーの低さ……。キャラクターとしてのツッコミどころが満載です。
架空請求に怯えながらも、息子たちの前では何事もなかったかのように振る舞う姿のギャップに笑えるでしょう。
作中ではユニヴァース感覚と呼ばれる能力が存在し、その力を開花させたものは五感がより鋭くなり、自らの機体を自由に動かせるようになるのです。
ユニヴァース感覚を持たないイスズは自身の戦闘機、ケリュケイオンを改造し、ユニヴァース感覚を開花させている仲間と戦闘データや行動を共有できるようにします。
- 著者
- 伊藤亰 宮川サトシ
- 出版日
- 2017-09-08
その条件として、全員プラグイン手術を受けて機体とコードを接続するようにしていたのですが、初出陣間際、イスズの仲間は衝撃的な事実に気づきます。なんとイスズが手術を受けていないのでした。問いただすと「直前になって気が乗らなかった」「保険適用外なのも気になった」という理由だったのです。
……いや、そもそもこの手術はイスズがユニヴァース感覚を持っていなかったから始まったものだよね?それを直前になって手術キャンセルって……。こう問いただす仲間に、イスズは逆ギレします。
あれ……この感じ、既視感あるな。バンジージャンプをすることになった時に、友達が直前で逃げだすアレに似ている……。友達と盛りあがって何かをするときに、もう絶対にこれをやる、という方向性で固まっているのに、直前のタイミングになってやらない人いますよね。本当こういう人いるいる、と頷ける描写です。
ただ、このような人間味溢れる描写が多いのも、この作品の魅力でしょう。イスズのダメっぷりも作中でたくさん出てくるので、ぜひご自身で確認してみてくださいね!
これまで、地球連邦軍と宇宙移民であるメトゥスの民の戦いがギャグ要素満載で描かれてきました。5巻の冒頭では、メトゥスの民の最高司令官であるエスカレド・キャデラック総帥が登場。民衆の前で「私が戦いを終わらせよう」と力強い演説をし、これまで以上にシリアスな展開を見せています。
民衆の士気が高められ、歓声が湧き上がるなか、クローズアップされる総帥の手。手の甲から指の先まで、びっしり演説の言葉が書かれているじゃありませんか……。
強面で、威厳を感じさせる風貌の総帥ですが、絶対に民衆には見られたくない恥ずかしい一面も持ち合わせているのでした。
また、妻との関係が上手くいっていなかったり、演説でもらった寸志でスクラッチを買いに行ったり、意外にも人間味のある人物で、演説の時とのギャップに笑えてしまいます。
- 著者
- ["宮川 サトシ", "伊藤 亰"]
- 出版日
- 2018-03-09
主人公のスバルはロメオという後輩のサポートをする役回りになっていくのですが、この2人がなかなかの名(迷?)コンビ。スバルは後輩の前ではかっこいい姿を見せたいのに、何かとハプニングに見舞われてしまうのです。
最新5巻では、「中尉の後ろに誰か人がいる…」という後輩の発言に、うろたえてしまうスバルのエピソードが描かれています。本気で怖がり、デュランダルに幽霊が取り憑いたと信じて疑わない姿は可愛らしくもありますが、やっぱりスバルは残念イケメンですね。
技術面ではエリートの集まりのはずですが、変わった癖や性格のためにいつも決まって珍事件が起こる宇宙戦艦ティラミス。メトゥスとの戦いも激化していき、敵味方それぞれのキャラクターに焦点が当てられていきます。
ツッコミどころが満載の本作。アニメ化も決まっていますので、ぜひ手にとってみてくださいね。
さて、ヤマトではなくティラミスに少しは興味を持っていただけたでしょうか。『宇宙戦艦ティラミス』は何よりも日常あるあるをボケとして使っているのが本当に面白いです。スマホでも無料で読めますので、少し気持ちが張り詰めすぎている方は息抜きにぜひ読んでみてくださいね!