漫画『男子高校生の日常』が無料!アニメ、映画化の人気の訳はキャラにあり?

更新:2021.11.23

「真田北高校」という男子校に通うタダクニ、ヒデノリ、ヨシタケを中心に巻き起こる、バカだけど愛さずにはいられないハイスクールコメディ!スマホで無料で読むことができます。登場人物の魅力と、彼らの名言をランキング形式でご紹介していきます。

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漫画『男子高校生の日常』が無料!会話がやばいwww

著者
山内 泰延
出版日
2010-02-22

本作は山内泰延のギャグ漫画作品です。敵と戦うわけでもなく、恋愛模様があるわけでもなく、部活に青春を捧げるわけでもない、高校生たちが送るごく普通の生活が描かれています。

また単行本の巻末には、女子高生のリアルを追求した書き下ろし漫画「女子高生は異常」が収録されており、彼女たちが何を考え、どんな風に日々を送っているのかが描かれています。

「ゆるさ」と「くだらなさ」で人気を集め、アニメ化、実写映画化もされました。 本作最大の魅力は、キャラクターたちがくり広げる会話にあるといえるでしょう。思春期の彼らが持つ独特すぎる価値観と、絶妙なボケとツッコミを含んだやりとり、時折くり出される名言(迷言)が、読者に笑いを届けてくれます。

この記事では、登場人物の魅力と彼らの名言をランキング形式でご紹介します! また、この作品は現在「マンガUP!」というアプリで無料公開されていますので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

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第15位:「なんでそうまでして生きようとするのぉ~?」【生島】

ツインテールと大きな胸が特徴の生島に、暴力的で負けず嫌いのメガネ女子のヤナギン。そして、かつて「アークデーモン」と恐れられ、隣の家に住む唐沢としゆきに消えない傷とトラウマを植え付けた過去を持つ羽原。この3人の女子校生は仲が良く、いつも一緒に行動しています。

羽原の家に集まっていた彼女たちは「女子高生は何をしても需要があるけど、男子高校生は見てても面白くない」という旨の話し合いをしていました。基本として男子高校生を見下しがちである3人は「頑張って生きている姿に悲哀を感じる」や、「1日中眉間にしわ寄せてたり、無理に悪ぶった発言したり、見てて辛気くさい」など、言いたい放題です。

そんななか生島とヤナギンは、今まで話していた男子高校生の典型ともいえる存在が羽原の隣の家に住んでいることを思い出し、真相を聞きに行こうと、としゆきを尋ねました。

突然の来訪に彼は「どうした」と聞きます。そして、彼女たちはこう問いかけます。

著者
山内 泰延
出版日
2010-02-22

「なんでそうまでして生きようとするのぉ~?」(『男子高校生の日常』1巻より引用)

この問いに、としゆきが言葉を返すことはありませんでした。その代わり、騒ぐ2人に無言でお菓子を渡し、去っていきます。「お菓子だ!お菓子だ!」と手の平を返して喜ぶ2人を見た羽原は「動物園の猿か!」と2人を怒鳴るのでした。

いくら男子高校生を見下しているからといって、まるで存在そのものを否定しているかのような生島とヤナギンの疑問は、男子高校生でなくても胸にグサリときそうです。

また、としゆきが取った「無言」という対応は、彼女たち相手には有効な手段だったかもしれません。としゆきがこんなにも彼女たちの扱いに慣れているのは、やはり付き合いが長いからでしょうか?これまでの彼の苦労が想像できるエピソードです。

第14位:「マレーシアしか知らねえし俺」【タダクニ】

タダクニは一応この作品の主人公ですが、あまりに出番が少なく、作者からも「一応主人公」と紹介されています。本人も出番が少ないことを心配しており、それを自分で自虐する場面もあります。

そんなタダクニをはじめとする男子高校生4人は、夏の思い出を作ろうと海へやってきました。調子に乗ってナンパを試みて撃沈するなど、なんとも男子高校生らしいひと時を過ごします。 海をひととおり満喫した彼らは、温泉に入った後、卓球で勝負をすることになりました。

ルールは4人の対抗戦で、それぞれが球を打つ際、決められた「お題」にあった言葉を言わなくてはならない、というもの。 そのお題が「天王星の衛星の名前」や「世界の黒人大統領」などかなり難しく、タダクニはまったく答えられません。

しかし他の3人は不思議なほどそれらの事情に詳しく、スラスラと答えては球を打ち返します。タダクニだけが手も足も出ない状況です。

著者
山内 泰延
出版日
2010-02-22

3人が絶対に打ち合わせしていると確信したタダクニは、「最後のお題は自分で決める」と言って勝負に挑みます。彼が挙げたのは「国旗に月のマークが入っている国の名前」。自信満々に「マレーシア!」と答えて球を打ち、もう自分まではまわってこないだろうと安心します。

しかし「チュニジア!」「アルジェリア!」「パキスタン!」とテンポよく回答され、結局球は自分のもとに戻ってきてしまいました。完敗した彼の嘆きが、以下のセリフです。 

「マレーシアしか知らねえし俺!何モンなんだよこいつら、もういいよおまえらの勝ちで」(『男子高校生の日常』1巻より引用)

普段はおバカなくせに、こういう時だけ豊富な知識を披露する彼らのギャップが面白いエピソードです。また、卓球をしながらのやりとりということで、非常にテンポよく読み進めることができます。 

完敗したタダクニの、悔しそうな表情に注目してみてください。 

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第13位:「空気読めよアホりんご」【生徒会】

冷静沈着なお人好しで、人助けをすることが好きな唐沢としゆき、黒髪のオールバックとあご髭が特徴で「ヤンキー」と呼ばれてしまうモトハル、アラサーに見えてしまうほどの老け顔を持つ紳士の副会長。「優しい」という共通点を持つ3人は、真田北高校で生徒会役員を務めています。

ある日3人は備品を借りるために「真田東女子高」を訪れ、りんごほっぺと小さな体がチャームポイントの生徒会長、通称「りんごちゃん」に交渉をしていました。

「備品の貸し出しはできない」という彼女を囲み、「2時間半でいいから」「迷惑かけないから」などと言い寄る3人。はたから見たこの光景は、不良グループに絡まれる女子高生というものです。ただならぬ雰囲気を察知したとおりすがりの男子高校生は、彼女を救おうと3人の前に立ちはだかりました。

著者
山内 泰延
出版日
2010-06-22

不良に勘違いされてしまったとしゆきたち。優しい彼らは、この男子高校生に恥をかかせまいと、不良を演じることにします。わざとらしく彼に倒され、りんごちゃんと2人でこの場を去ってくれるように願いました。

しかし、天然なりんごちゃんはそんなことに気づくはずがありません。彼女が状況をまったく理解しなかったので、結局男子高校生には「3人が不良グループではない」ということがバレてしまうのでした。この場を収めるために体まで張ったというのに、その気遣いを無にされた3人がこう怒ります。

「マジかよこの馬鹿女!状況を理解してねぇ!空気読めよアホりんご!」(『男子高校生の日常』2巻より引用)

温厚な生徒会のメンバーには珍しい暴言です。

見ず知らずの高校生のために不良を演じながら、倒れる際に「やれやれ」「トホホ」「やだなもう」という不自然すぎるセリフを発する彼らに、バレない自信はあったのでしょうか。 そんな疑問は残りますが、どちらにせよ「人助け」のためにチームワークを発揮する彼らの魅力と、ユーモアが溢れるエピソードです。

第12位:「タダクニは5のダメージを受けた」【ヨシタケ】

茶髪で伊達メガネが特徴のヒデノリは、「眼鏡キャラは頭がいい」というイメージを覆すお馬鹿キャラで、同じくお馬鹿なユウスケを兄にもちます。仲のいいタダクニ、ヨシタケとは中学からの友達です。

3人でいるとどうしてもおかしな展開になることが多いですが、くだらなくも楽しいやりとりは『男子高校生の日常』というタイトルに相応しいといえます。

ある日の帰り道、タダクニが1本の棒を拾います。すると彼の背後から傘を振りかざしたヒデノリが襲いかかりますが、逆にタダクニに斬られ(棒で)「馬鹿な」とひざまずいてしまいました。そう、棒を拾った瞬間から彼らの「ロールプレイングゲーム」は始まっていたのです。

反射的に斬りかえしてはみたものの、あまり乗り気じゃないタダクニ。しかし、ヒデノリとヨシタケによる勝手なナレーションのせいでどんどん話が進んでいきます。「そんな遊びはしない」とタダクニが断っても話を聞かず、「武器は装備しないと意味がありませんよ」とアドバイスするヒデノリ。

しかたなく彼は棒を手放さずに握っていると、突然……。

著者
山内 泰延
出版日
2010-02-22

「タダクニは5のダメージを受けた」(『男子高校生の日常』1巻より引用)

ただ棒を持っていただけなのに、そんな言葉をかけられます。どうやら、ちゃんと装備しなかったため、剣の刃先を持っていると見なされ、ダメージを受けていたようです。

その後もタダクニは「新たなる魔王を誕生させるため、その素質を持った人間を探している」という人物・ジャック(ヒデノリ)に仲間になられたり、勝手に「王様」の所へ向かわされた途中でモンスター(ヨシタケ)に襲われたりと、無駄に細かい世界観のなかで冒険をさせられます。

しかし、今までノリノリで冒険の世界をくり広げていたヨシタケも、「王様」の元へ到着した途端、「もう家につくから」とあっさりストーリーを投げ出します。しかも最初の場所に鞄を忘れたことを思い出し、彼らのロールプレイングゲームは終了したのでした。

楽しいことに対して全力で、こだわりを持って遊びつくそうとする3人。「家に着いたから」という理由であっけなく終わってしまうあたりは薄情にも感じられますが、お互いに気を使いすぎない、信頼関係のようなものも感じられるでしょう。

スタイリッシュなバトルシーンやBGMまで再現しながら、仲良く遊ぶ姿が微笑ましいエピソードです。

第11位:「このほくろ毛は孤独である証」【ヒデノリ】

毎朝、同じ電車に乗りあわせる女の子に話しかけるきっかけを考えることに、通学時間のほとんどを費やしているヒデノリ。彼は彼女のことが気になって仕方ないのです。

なぜなら、ほくろから毛が生えているから。

声をかける勇気を持てず、思い悩む日々を送っていた彼はついに友達に相談しますが「そんな親切心は絶対に伝わらない」と、止められます。確かにそうだと自分に言い聞かせた彼は、明日から電車の時間をずらそうとして、ふと思いとどまりました。

どうしてこのほくろの毛はこんなに伸びるまで放置されてしまったのか。なぜ周りの人間は彼女に指摘しないのか。もしかすると彼女には、友達がいないのでは……。

著者
山内 泰延
出版日
2010-06-22

「このほくろ毛は孤独である証」(『男子高校生の日常』2巻から引用)

勝手な妄想で切なくなったヒデノリは、「まだ自分がいるではないか」と決意します。この胸くそ悪いほくろ毛は、刺し違えてでも自分が取らなければいけない、と。

不可解な理由から行動を起こした彼は、結果的に女子高生からなぜか「ありがとう」と感謝されます。こうして、彼の毎朝の悩みは解消されたのです。

ヒデノリの恋の物語かと思いきや、「ほくろから生えている毛」にまつわるエピソード。その見どころは、やたらとドラマチックな演出です。しょうもない内容のはずが、この演出のせいで何か深い物語を読んでいるように錯覚してしまうでしょう。

また、ヒデノリの勇気と、他人を思いやる優しい心を見ることがでるお話でもあります。

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第10位:「死ねええええええええええぇえぇええ!!」【タダクニの妹】

タダクニには妹がいますが、仲が悪いためほとんど会話をしません。彼の友達からは「妹」と呼ばれています。

そんな妹が、タダクニに膝蹴りをくらわすところから物語は始まります。下着を盗んだだろうと疑われるタダクニ、ヒデノリ、ヨシタケの3人は妹から「今すぐ死なないと殺す!ぶっ殺されたくなかったら早く死ね!」と脅されますが、自分たちの罪を否定し続けました。

そんななかヨシタケは、ヒデノリが妹のブラジャーをつけていることに気づいてしまいます。まさか隣にいた犯人にドン引きしてタダクニに助けを求めようとしますが、なんと彼も妹のブラジャーを付けていました。

仲間を失ったヨシタケは絶望します。

著者
山内 泰延
出版日
2010-02-22

放っておくわけにもいかないので、ヨシタケは彼らを殴ることで妹に詫び、間違った道に進んだ2人を正しい道に戻そうと思いました。しかし途中で「同じ道を歩み、罪を犯したならともに背負うのが友達だ」と間違った確信をしてしまいます。

2人のために、意を決して妹のパンツをかぶったヨシタケ。しかしヒデノリとタダクニから「なにしてやがるこの変態!」「やっぱりてめえかこの野郎!!」裏切られてしまい……。

「死ねええええええええええぇえぇええ!!」(『男子高校生の日常』1巻から引用) 

走り出した妹による強烈な一撃を、ヨシタケがひとりでくらってしまうのでした。

罪を犯した友達のため、自分まで罪と「パンツ」を被ったヨシタケからは、熱い友情を感じることができます。しかし、そんな気持ちを踏みにじるように彼を裏切り、ただの変態に仕立て上げたヒデノリとタダクニによる連携プレーも見事なものとなっています。

また、可愛らしい見た目をした妹による怒りと飛び蹴りは、迫力満点です。 

第9位:「シュールだな」【ヨシタケ】

ヒデノリとヨシタケの暇つぶしエピソードです。

だるまさんが転んだをしたり、ブレザーを丸めてキャッチボールをしたりしています。ブレザーだと前に飛ばしにくいため、ローファーを飛ばしてみたところ……

「シュールだな」(『男子高校生の日常』5巻から引用)

と、ヨシタケがぽつりと言いました。

著者
山内 泰延
出版日
2011-12-22

なぜこんなに暇を持て余しているのかというと、創立記念日で休みの日に学校に来てしまったのでした。

考えていることもやることも似ている姿が微笑ましい2人。ある意味青春の1ページを切り取ったかのようなこのエピソードは、ほのぼのとしながら見ることができます。

第8位:「顔じゃない」【奈古さん】

奈古さんはタダクニのバイト仲間で、身長171㎝という体格のいい女子高生です。

普段は気難しい顔をしており、タダクニたちに「もっと自分を磨いたら」と言われた際には、凸面鏡を使って精一杯目を見開いた顔を見せ、その美少女っぷりで驚かせる場面がありました。

ぶっきらぼうに見えて優しい一面もあり、タダクニが友達のことで悩んでいた時には、背中を押してあげたこともあります。 

著者
山内 泰延
出版日
2010-02-22

ピザ屋でのバイト中、タダクニは「女子高生は男のどこに惚れるの」と何気なく奈古さんに聞きました。すると……

「顔じゃない」(『男子高校生の日常』1巻より引用)

とキッパリ言い切りました。

「話が終わっちゃうじゃん」とタダクニに言われていましたが、彼女はただ、厳しい真実を彼に伝えただけなのかもしれません。潔いまでの奈古さんの回答に、好感が持てるエピソードです。

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第7位:「あの人がいつも口笛で奏でていたパッフェルベルのカノン」【ヒデノリ】

ヒデノリが過去を振り返りながら神社の階段をのぼっていました。

小学生の頃にいじめられていた彼は、かつて「ラバーシューター」という人物に出会いました。弱き者の味方であるラバーシューターは、彼に「ピンチになったら吹く笛」を渡します。

その数日後、助けが必要になったヒデノリが笛を吹こうとすると、「吹くな!!」とラバーシューターが現れ、助けてくれました。「笛を吹いていないのに、どうして助けてくれたの?」と尋ねると、「大切な友達を助けるのは当然のことだ」といって、彼は颯爽と去っていったのだそうです。

そんなヒーローの姿に感動したヒデノリは、それ以来ラバーシューターを尊敬する人物として挙げています。彼のことを思い出すたび、自分が目標としている人物像を再確認していました。

ある日、ヒデノリが思い出の地を訪れると、どこからか彼がよく奏でていた曲が聞こえてきました。

著者
山内 泰延
出版日
2010-06-22

「こっ これはあの人がいつも口笛で奏でていたパッフェルベルのカノン」(『男子高校生の日常』2巻から引用) 

もしや近くにいるのか?彼に会えるのか?と急ぎ足になるヒデノリですが、そこにいたのはよく知る人物でした。彼は大変なショックを受け、それ以来尊敬する人物を「野口英世」だと言うようになります。

子供の頃の夢や思いはいつか壊れてしまうものかもしれませんが、ヒデノリの場合は、彼らしい笑いありの壊れ方だったのではないでしょうか。

ラバーシューターの正体を知ってしまったヒデノリのリアクションに、ぜひ注目してみてください。

第6位:「お前ちょっとは察しろよ!」【ヒデノリ】

ある冬の日、雪が固まり、道が滑りやすくなっていた朝でした。タダクニの妹が急いで学校に向かっていると、案の定氷で足を滑らせ転んでしまいます。

その光景を見つけたヒデノリは、来るなと言う妹の願いもきかず、「1人で転んで恥ずかしい思いをしていることだろう」と気を利かせて歩み寄ったところ、お約束のごとく彼も転びました。

さらに恥ずかしくなった妹は起きあがり、ヒデノリを横目にスタスタと先に行ってしまいます。そしてそこへ、ヒデノリの様子を見かけた友達、ミツオ君まで気を利かせてやってきます。「来るな!」と目で訴えるも、足を止めないミツオ君に、 

「お前ちょっとは察しろよ!」(『男子高校生の日常』第4巻引用)

と訴えますがそれも虚しく、ミツオ君は目の前で派手に転びました。

著者
山内 泰延
出版日
2011-04-22

2人を見た妹が「しょうがないな~!」と戻ってきますが、彼女もまた転んでいます。そんな彼らを気にする素ぶりを見せる通行人は、ひとりとしていませんでした。

次々と起こる展開は、わかりきっていはいるものの、つい笑ってしまうという悔しい思いをするエピソードです。しかし、転んでしまった知人のことを放っておかない3人からは、思いやりと優しさが感じられます。

第5位:「今からてめーの春を殺すからだ」【モトハル】

「タダクニが女と歩いている!」と言うヨシタケのひと言で、大騒ぎになるクラスメイトたち。興奮が止まらない男子に「落ち着け!カスども!!」と、モトハルが一喝します。何事も観察することが大切だという彼の指導のもと、タダクニと女の子の分析が始まりました。

鋭い洞察力から、一見楽しそうに歩いているようでふいに視線を逸らしていること、会話が途切れていること、互いの歩行速度がバラバラなことに気づき「2人はあまりお互いのことを知らない」という事実をあぶり出しました。

以上のことから、出会ってまだ日は浅いけれど、結ばれてしまうのも時間の問題だと判断したモトハルを先頭に、クラスメイトたちは「2人の中をぶち壊そう!」と一致団結します。

著者
山内 泰延
出版日
2010-02-22

校門にいたタダクニの前に、モトハルが現れます。そして「今日も寒いだろう、何でか分かるか?」と問いかけました。何のことかわからない、といった様子のタダクニに、彼は答えました。

「今からてめーの春を殺すからだ」(『男子高校生の日常』1巻から引用)

これに対しタダクニは「どうした?意味が分からん。お前の頭が春か?」と問い返すのでした。

あの時の女の子は道に迷っていただけて、タダクニは道案内をしていただけということがわかり、モトハルの推察力は当てにならないものだったということが判明したエピソードです。

恋愛ごとに敏感で、カップル成立の予感に焦る彼らの姿は、まさしく男子校!という感じがして、可愛らしく思えることでしょう。

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第4位:「安心しろ、等価交換だ。代わりに俺のパンツを置いてきた」【ヨシタケ】

「女子のスカートってどう思う?」という思春期の男子的な話題が、タダクニ、ヒデノリ、ヨシタケの間であがります。スカートについて「腰の周りに布を巻いているだけ」「パンツむき出しで歩いていることがあり得ない!」といいながら、ヒデノリとヨシタケはかなり興奮しているようです。

そして好奇心から、「スカートを履いてみよう」という話になり、タダクニの妹のスカートを勝手に拝借した挙句、なんとパンツまでどこからか持ち込んできます。もちろん、妹のパンツです。何をやっているんだ!と怒るタダクニ。そんな彼にヨシタケは、こう言い聞かせました。

「安心しろ、等価交換だ。代わりに俺のパンツを置いてきた」(『男子高校生の日常』1巻から引用)

まったく安心できない返答に「お前ほんと馬鹿だな!」とタダクニがツッコみますが、ヒデノリとヨシタケはすでにスカートデビューする気満々で、すね毛を剃るか剃らないかの言い争いまで始める始末。呆れたタダクニは、それで気がすむならと、結局3人でスカートを履いてみることにしました。

著者
山内 泰延
出版日
2010-02-22

しかし、またもや彼は裏切られます。3人別々の部屋で着替えを済ませ、いざ扉をあけて対面すると、ちゃんとスカートを履いていたのはタダクニだけだったのです。

自分ひとりで恥ずかしい思いをしている状況に彼は怒りますが、スカート姿は意外にも似合っており、ヒデノリとヨシタケも彼を褒めます。そのせいで調子に乗り、ブラジャーまでいそいそとつけはじめるタダクニ。しかし、そんな最悪のタイミングで、妹が帰ってきてしまうのでした。

ファンの間でも人気の高い、このスカートのエピソード。タダクニひとりを陥れ、何食わぬ顔で再登場したヒデノリとヨシタケのしれっとした感じが笑いを誘います。

またその場に居合わせた妹の、予想外なほど冷静な反応からは、いつも以上の凄みを感じられるでしょう。

第3位:「これが2年の歳月をかけて完成させた直立不動シュートだ」【ミツオ君】

ミツオ君は、みんなから「君」付けで呼ばれている愛すべきいじられキャラクターです。登場人物一覧でも、彼だけは唯一「君」づけの名前で表記されています。

ある日ミツオ君は、ヒデノリにサッカーの練習に付き合ってもらっていました。練習相手を引き受けてくれた彼に感謝しながら、ミツオ君は突然必殺シュートを見せつけます。

その時のセリフがこちらです。

著者
山内 泰延
出版日
2010-10-22

「どうだ!これが2年の歳月をかけて完成させた直立不動シュートだ」(『男子高校生の日常』3巻から引用)

反応できまい!と自信満々に打ったシュートは、運動が得意ではないはずのヒデノリにすべて止められてしまいます。この出来事のせいで自信をへし折られヤケになったミツオ君は、ボールを持ったままゴールに突っ込むという奇行に出たのでした。

せっかく必殺技をモノにしたと思ったのに、それがまったく役にたたなかったミツオ君の気持ちを考えると切なくもなりますが、「直立不動シュート」という非力な技が決まるわけもありません。

また、後にミツオ君がサッカーではない別の部活でレギュラーの座を獲得するというオチは、読者を深く納得させることでしょう。

第2位:「今日は……風が騒がしいな」【ヒデノリ】

夕暮れの河原で本を読んでいたヒデノリは、自分のすぐ後ろに少女がいることに気づいて驚きます。

しかし、なぜ彼女はこんなに近くに座ったのか。考え込んだ彼は、夕暮れの河原というシチュエーションのなかで「何かロマンチックな発言をしなくてはならないのでは?」と、またもや謎の使命感に駆られてこう呟きました。

「今日は……風が騒がしいな」(『男子高校生の日常』1巻から引用)

直後我に返り、恥ずかしすぎる発言をしたことを死ぬほど後悔したヒデノリでしたが、少女にとっては嬉しかったようで、「でも……少しこの風泣いています」と返答してきました。

著者
山内 泰延
出版日
2010-02-22

どうやらこの少女は空想好きの文学少女だったようで、「風」にまつわるファンタジックなやりとりを、なかなかやめさせてくれません。状況を打破しようと呼んだ助っ人のヨシタケも役に立たず、どんどん膨らんでしまう空想に、少女はあからさまな興奮をみせています。

いよいよ収集がつかなくなってしまい「行けるところまで行こう」と腹を括ったヒデノリ。しかしそこへ最後の助っ人、タダクニが登場し、とんでもない発言をしてこれまでの世界観をぶち壊したのでした……。

やめたいと思っているのについノッてしまうヒデノリは、きっとふざけるのがクセになってしまっているのでしょう。彼が無意識におこなってしまう迫真の芝居と、最後に現れたタダクニのセリフは必見です。

またこの一件以来、少女はたびたび彼らの前に現れ、幻想的なセリフを求めるようになってしまいます。困惑しながらも彼女の期待に答えようとする3人の奮闘ぶりも、ぜひチェックしてみてください。

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第1位:「なあ、彼女ってどうやったらできんの」【タダクニ】

いつもどおり、タダクニの部屋で過ごしていた3人。ふとタダクニが口にした問いは、おそらく多くの男性が悩んだことのある内容でした。

「なあ、彼女ってどうやったらできんの」(『男子高校生の日常』1巻から引用)

悩むタダクニのためにヒデノリとヨシタケは、「女子と2人きりになった時にどのような対応をすべきか」というシュミレーションを始めます。

その内容は、放課後の教室に残ってのプリント作業だったり、フェロモンを振りまく女性教師の絡みだったり、ツレない委員長とのやりとりだったりとかなり豊富です。幾度も失敗を重ねるタダクニは、そのたびに2人から痛烈なダメ出しを受けますが、諦めずに特訓を続けていきました。

そして最後には、彼らを感動させるほどのドラマを演じてみせたのです。

著者
山内 泰延
出版日
2010-02-22

しかし彼らは、大切なことを忘れていました。自分たちが通っている「真田北高校」は男子校です。そのため、これまで練習してきたシチュエーションはすべてあり得ず、何の意味もないものでした……。

恋愛シミュレーションで女役を演じるヒデノリとヨシタケは、タダクニのためと言いながら、ずいぶん好き勝手な設定を作りあげ、彼に難題を突きつけます。彼らがいくら「協力」だといっても、読者から見ればやはり「わるふざけ」です。

タダクニの家の中を走り回りながら青春ドラマをくり広げるシーンは、まるで別の漫画を読んでいるような気分になるでしょう。普段はどちらかというと面倒臭がりなタダクニが、「全力」と「大真面目」な姿見せる貴重なエピソードを、ぜひ読んでみてください。  

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強烈な個性のキャラが多く登場し、キャラの大渋滞がおこっていますが、それぞれが臨機応変に対応しています。男子高校生っていいなあと微笑ましくなります。どこまでもゆるく、くだらない内容ですが思わず笑ってしまう描写が多くおバカな男子高校生が送る「日常アニメ」の魅力が詰まった『男子高校生の日常』に癒されること間違いなしです!


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