『最後のレストラン』が面白い!異色のグルメ漫画を最新11巻までネタバレ!

更新:2020.12.17

ファンタジー×歴史×グルメと異色の要素が合わさった本作。笑いと感動が満載の、不思議な歴史グルメ漫画です。無念の死を迎える歴史上の人物たちが、要望どおりの料理と、オーナーの言葉や機転で心が救われる……そんな素敵なレストランに、読者の皆さんもご案内します。

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漫画『最後のレストラン』が面白い!その魅力とは?

漫画『最後のレストラン』は、現代社会のレストランに、なぜか突然歴史上の人物たちが現れ、彼らがお客様としてもてなされるというファンタジー歴史グルメ漫画です。

おとぼけオーナーシェフとメイドたちのかけ合いが面白おかしいだけでなく、読者の心をほっこりさせてくれるようなシーンもたびたび登場します。

著者
藤栄 道彦
出版日
2011-12-09

原作はもちろん、実写ドラマ化でも大成功をおさめました。2016年に放送されましたが、続編を期待する声があがるほど、男女問わず幅広い年代から多くの支持を得ており、今でもその人気は衰えていません。

今回はそんな『最後のレストラン』の魅力の秘密について、ネタバレも含みながら紹介していきます。

『最後のレストラン』あらすじ

主人公の園場凌(そのば しのぐ)は亡くなった父から受け継いだレストラン「ヘブンズドア」でオーナーシェフを勤めていました。しかしそこは、連日お客が集まらず、閑古鳥が鳴いているようなお店でした。

先行きに不安を感じていたある日、扉を開いてやってきたのは、なぜか鎧を着た御一行。そのなかには、なんと自らを「織田信長」と名乗る男がいたのです。

彼らは時空を超えて「ヘブンズドア」に来店してしまったのでした。そして来るなり、「空前絶後の料理」を注文。園場は突然の出来事に困惑したうえ、無理難題な注文をされてピンチに追い込まれます。

しかしある機転を利かし、無事に信長の要望に叶った料理を出すことができました。満足したご一行は、元の時代へと帰っていきます。

ところが、この不思議な出来事はこの1回限りではなかったのです。信長が帰ったその日以降も、なぜか死を目前にした歴史上の人物たちが、日替わりにこのレストランへ現れるようになりました。

園場はメイドの有賀千恵と前田あたり、そして元の時代に戻れなくなった歴史上の人物、ジャンヌ・ダルクと知恵を絞り、歴史を遡って現れる人物たちの無理難題なオーダーに奮闘しながら応えていきます。

そして、ネガティブ思考で卑屈な性格だった園場は、彼らと出会い感謝の言葉をもらうにつれて、料理人としてのやりがいを見出し、経営者としての工夫やこだわりに意欲を見せるようになっていくのです。

彼は料理人、そして経営者として、どこまで成長できるのでしょうか。今後の展開に期待です。

『最後のレストラン』の魅力!歴史上の人物たちからの難題に答える!

『最後のレストラン』の魅力!歴史上の人物たちからの難題に答える!
出典:『最後のレストラン』1巻

本作の魅力のひとつとして、偉人たちの無理難題な注文に主人公らが知識を出しあい、才能やセンスを活かして、なんとか満足してもらえる料理を出そうと奮闘する姿があります。

たとえば、先にお伝えした織田信長からのオーダー「空前絶後の料理」。

メインを作る段階になり、園場は前田から「信長の好物は焼き味噌の湯漬けに果物」というヒントをもらいます。「それがわかっているなら前田さん……あなたが自分で……!」と返答した瞬間に、何かを閃きました。

なんと園場は、仮にもお客様である織田信長を厨房へ立たせ、「焼き味噌ご飯の和風ドリア」を作らせたのです。この料理が空前絶後の料理である理由を、園場は信長に次のように説明します。

「信長様みずからがお作りになった料理だからでございます。天下無二の方がお作りになったのですから、天下無二の料理に決まっております。」(『最後のレストラン』1巻より引用)

信長好みの料理を、信長自らが作る……確かにこのような出来事は過去の歴史にはない、まさに園場らしい「その場しのぎ」の答えでした。

それぞれの最期のシーンにしんみり……

それぞれの最期のシーンにしんみり……
出典:『最後のレストラン』1巻

この漫画に登場する偉人たちは、無念の死を迎えた人々です。

最後の晩餐に彼らが何を食べたかったのか、自分の人生や運命をどう感じ、どんな葛藤があったのかなど、彼らの人物像がうまく表現されています。

園場はお客様として迎えた彼らと対話することで、ひとりひとりに合った料理を出していきます。登場した偉人のなかで、彼の料理に不満を抱いた人はいませんでした。

先の織田信長の場合、園場の出した料理の説明を聞くと、自分の最期にふさわしい料理だと大層感動し、自らの生きざまに自信を取り戻しました。

それまで彼は、味方から裏切られる自分自身に腹を立てていました。それでも、そんな自分にも最後までそばにいてくれる味方がいることや、自分の作る料理で彼らが心から笑ってくれることに気づいたのです。

また、9巻に登場するキング牧師は、「愛と平和の料理」をオーダーします。それに対し、園場は「チーズフォンデュ」と長い串を出しました。キング牧師は長い串は互いに食べさせ合うためのものと理解し、それは仏教の「長い箸で互いに食べさせる」という説話と同じだと気づくのです。

その時彼は、「人々が信じあい助け合うことの素晴らしさは長い間説かれているのに、世の中ではいまだに争いが絶えない。自分の説いていることも無駄なのではないか」と嘆きました。

すると園場はキング牧師へこう言います。

「洗っても洗っても汚れるから シャワー浴びるのやめようとか
食べても食べてもお腹が空くから 食事をやめようとか思いませんよね?
それと同じことかと」(『最後のレストランへ』9巻引用)

この言葉に彼はいたく感動するのです。

また、キング牧師がチーズフォンデュを食べる時、実は同じテーブルに国際色豊かな子供たちも座っていました。念願の夢が叶ったこともあり、キング牧師は感動と自信に溢れた表情で、元の時代へ戻っていきました。

たとえ死の直前のわずかな時間だけだとしても、オーダーに応えた料理で満足させ、偉人たちの心が報われるシーンは圧巻です。

『最後のレストラン』の登場人物が魅力的!おとぼけシェフとふたりのメイドが良い味出してる!

『最後のレストラン』の登場人物が魅力的!おとぼけシェフとふたりのメイドが良い味出してる!
出典:『最後のレストラン』1巻

ネガティブ思考の園場と、メイドで女子高生の有賀千恵、 同じくメイドで女子大生の前田あたりの3人のかけあいが、歴史上の人物のオーダーを考えるシーンを面白くしています。

有賀は持ち前のポジティブ思考と明るさで園場を励ます、ムードメーカーです。時折彼があまりにもネガティブな発言した時には、「やらないんですね、お断りしてきます」と言って、園場へ発破をかけます。

また有賀はツッコミ役もこなします。たとえば、彼女がサバイバルゲームについて話していると、園場が「人生というものは、それ自体がそもそもサバイバルなのです」と力説しました。すると彼女は「苦難や困難から逃げ回ってばっかり」とつぶやくのです。的確に痛いところをつく発言に、読者もおもわず笑ってしまうでしょう。

前田は冷静沈着な性格で、歴史の知識が豊富で語学も堪能です。レストラン「ヘブンズドア」には、マリー・アントワネットや楊貴妃、リンカーンなど外国の偉人も現れますが、そのたび前田が英語やフランス語、中国語、さらにはロシア語まで通訳し、彼らの歴史上の功績や出来事について説明しています。 

また園場と有賀は、タイムスリップして来店する偉人たちを本物だとは思わず、コスプレ好きの風変わりな人たちだと思っています。しかし前田だけは彼らが本物だと薄々感づいており、ひそかに偉人たちがやってくる原因や法則について、探りを入れているのでした。 

所々にパロディが散りばめられている!

 

この漫画では、所々にほかの漫画やアニメ、政治や芸能関係のパロディとみられるシーンが登場します。たとえば4巻に登場するインド独立の父・ガンジーのお話では、こんな場面がみられます。

お店が大繁盛した半面、休日が激減した現状に園場は不満を抱きはじめ、ハンスト(飢餓によるストライキ)を起こしました。理由を知ったガンジーは激怒し、「己の意志を他人に強要するなど、暴力と変わらん」と言って園場へゲンコツします。

その時のガンジーの顔はまさに『サザエさん』の登場人物で、「バカモン!」と言ってカツオを叱る波平そのものでした。さらには、ガンジーについて説明する時の前田とそばにいた有賀の顔は、『サザエさん』の作者、長谷川町子の作風で描かれているのです。

 

著者
藤栄 道彦
出版日
2013-11-09

 

また『最後のレストラン』9巻では、言葉でパロディとわかる瞬間がありました。

モーツァルトが登場するお話でのこと。「ヘブンズドア」でクリスマスパーティーを開催することになった当日、手違いでピアノを披露する予定だったピアニストが来られなくなるトラブルが起きます。主催者がピアニストへ確認の電話をしました。

そして電話を切った後、主催者ははっとするのです。「あれ?あの人たしか耳が聞こえなかったはずじゃ……。」

ピアニストの風貌やこの主催者の発言が、過去にゴーストライターと判明した某音楽家のことを思わせるヒントになっています。これに気づいた時、思わずこちら側もはっとしてしまうほど、豊かな表現力に衝撃を受けるでしょう。

「そういえば、こんなキャラや有名人もいたな」とくすっと笑わせてくれるエピソードが、他にも随所で登場します。

 

『最後のレストラン』最新11巻!【ネタバレ注意】

 

天下統一を目指す豊臣秀吉と、晩年の秀吉、2人の秀吉が登場!?

 

著者
藤栄道彦
出版日
2018-06-09

「豪華で質素な料理」という難しいお題を出した秀吉。そんな彼に、鯛のパイ焼き包みを差し出します。中身の豪華な鯛は若き日の彼に、外の質素なパイ部分は晩年の彼に。一見質素なパイ皮だけど、中身(若き日)の味がしっかり染み込んでおり、秀吉はその味に思わず涙を流すのでした。

その他にも古代ギリシャで数学や物理学、天文学、さらには発明までさまざまなことをおこなっていたアルキメデスや、百年戦争で活躍したジル・ド・レ、第4代バイエルン国王のルートヴィヒⅡ世など、本巻でもさまざまな歴史的人物が登場します。

なかでも注目したいのは、ジル・ド・レの話。なんとジャンヌに向かって、戻ってきてほしいと呼びかけます。その時、果たして彼女は!?

今後も目が話せない本作に、注目です!


いかがでしたか?新たな歴史上の人物の登場はもちろん、園場を取り巻く恋愛模様の決着など、まだまだ目を離せないでしょう。

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