シコルスキーがイラストを描くおすすめラノベ4選!はっきりした色使い

更新:2021.12.5

女子中高生を中心として、女性キャラクターを可愛らしくセクシーに描くシコルスキー。鮮やかで元気なものから、ほんわりと穏やかなイラストまでバラエティ豊かに魅せるのが特徴です。シコルスキーがイラストを描くラノベを厳選してご紹介します。

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庇護欲をそそるイラストといえば「シコルスキー」

ライトノベルのみならず、ゲームなどのイラストも手掛けるシコルスキー。そのイラストは女子中高生を中心として、女性キャラクターを可愛らしくセクシーに描くところに特徴があります。

描かれる女性はみな、大きな瞳に庇護欲をかきたてる表情、メリハリのある身体、すらりと伸びた脚など、魅力的なキャラクターばかり。今回はシコルスキーが挿絵を手掛けているライトノベルを4作品ご紹介します。

シコルスキーのイラストを楽しめる!神々バトルもハーレムも盛りだくさん

「わたしは心から望んで、あなたに純潔を捧げたわ。でも、あの後から護堂ったら急に冷たくなって……。釣った魚にエサをやるつもりはないんだ?」(『カンピオーネ!―神はまつろわず』より引用)

主人公の草薙護堂は高校生にして「魔王」たる「カンピオーネ」になってしまった少年です。普通の人間では持ちえない力を持ってしまったがゆえに、護堂は争いへと巻き込まれていきます。

著者
["丈月 城", "シコルスキー"]
出版日

今作の魅力は、平穏無事な学生生活を望む護堂が、ひょんなことから強大な力を手に入れてしまい、バトルとハーレムの世界へと巻き込まれていくところにあります。護堂が力を手に入れる契機となったのは、ペルシアの神であり勝利の化身とされたウルスラグナを殺してしまったことでした。

気づくと争いやトラブルに巻き込まれている護堂は、ウルスラグナを殺したことで「東方の軍神」を手に入れ、その結果、不安定ながらも地上に災厄をもたらすほどの力を得ることになります。

そんな護堂を周りの人が放っておくはずはなく、ミラノの魔術結社に所属する美少女魔術師エリカに、荒ぶる神と接触を持つよう強制されることになるのです。さらに、関東一帯を霊的に守護している団体の高位の巫女である高校生、祐理もまた護堂に近づきます。

彼らの世界では、荒ぶる神々が多く存在し、人類を滅亡に追い込みかねない状況にしばしば陥っていました。そのため、魔術師たちなど異能力をもつ人々は神の暴走を止めるべく日々活動をしています。

彼らにとって護堂は荒ぶる神々と戦う武器であり、魔術師にとっての王たる存在なのです。そんな護堂が女性への無感動さも相まってモテにモテまくったり、美少女たちとの共同戦線によって強大な敵を倒していく快感ストーリーとなっています。

本作はヒロインたちのみならず、神々も美少女や美女であり、その戦いもあたり一面を焦土と化すほどの規模の大きなものです。そのため、セクシーかつ迫力のあるイラストを楽しめるのが特徴となっています。

幼妻で押しかけ女房のあの子は……鬼だ

「ロリコンになりたい。と、犬伏ユージは思った。ロリコンになれば、自分は幸せになれる。ユージはそう確信している。」(『オウガにズームUP!』1巻より引用)

男子高校生の犬伏ユージには、クラスの誰にも言えない秘密があります。それは、クラスメイトの井上ククルと結婚し同居生活をしているということでした。

著者
穂史賀 雅也
出版日

今作の魅力は、小学生と見まごうほどに小さく幼い容姿をしており、さらに行動もこどもっぽい幼妻ククルにユージが振り回されるところにあります。ククルは、未発育の身体にスクール水着を着て、その上からエプロンをつけて頭には三角巾まで着用した状態で帰宅したユージを出迎えるなど、かなり奇天烈です。

おまけに、ククルは感情が高ぶると「角」が出てしまうというオプションまでついています。実はククルは人間ではなく鬼なのです。そんなククルはユージの妻といっても、法的に結婚しているわけではありません。

ひょんなことからユージがククルの秘密を知ってしまい、それによってククルが「妻」としてユージの家に転がり込んできた、というのが本当のところ。幼児体型でコスプレ好きで家事が得意で、幼妻で、押しかけ女房で、さらに時に鬼というギャップ持ちなのです。

ククルは男性の夢とロマンを思いっきり詰め込んだといえる存在です。おまけに、ユージに自分を好きになってもらおうと一生懸命コスプレを着込んで頑張っている姿は、他の要素も合わせて可愛さ百倍だといえるでしょう。

今作のイラストでは、スクール水着の上にエプロンと三角巾を装着したククルや、ネコ耳をつけたククルが前面に押し出されるのみならず、クラスメートの美少女たちも登場し、物語に彩りを添えています。明るく元気でちょっとお馬鹿なククルの奮闘っぷりをぜひお手に取ってご確認ください。

「ヤギ」と優しい文通を重ねる

「『ごめんなさい、おいしかったです』 手紙には、こう書かれてあった。」(『暗闇にヤギを探して』1巻より引用)

主人公の草加合人は、ぼーっとしているように見える容貌が特徴の男子高校生です。そんな彼は、ある日、机に入れていた数学のノートが破られていることを発見します。

著者
穂史賀 雅也
出版日

今作の魅力は、文字の書いてある紙を「食べて」しまうらしい何者かと、合人が文通を重ねていくこところにあります。最初のコンタクトは、授業ノートに挟まれていた薄青色の便箋でした。

そこには、「ごめんなさい」という言葉から3行空けて「おいしかったです」と書かれていたのです。それは、授業内容を書きとった部分のみが破り取られたノートに挟まっていました。

合人と友人は、犯人が「ヤギ」だと考えて推理とも妄想ともつかない考えを巡らせていきます。そしてそれは、合人と「ヤギ」との文通の始まりでもありました。

今作では、不思議な「ヤギ」だけではなく、魅力的なキャラクターが多く登場します。なかでも異彩を放っているのが、合人の幼馴染である風子でしょう。彼女は着ぐるみが好きで、学校にいる間を除いて常に着ぐるみを着ています。

その着ぐるみはいつも違っており、ある時はネコ、ある時はクマ、ある時はキリンだったりとさまざまです。そんな風子は合人に想いをよせていて、彼の帰りを駅前のベンチで缶コーヒーを3本飲みながら待っているなど、可愛らしいところがあります。

また、合人の姉である女子大生の楓はカエルグッズが大好きで、グッズの収集に余念がありません。さらに恋愛の話題が大好物で、話し始めると止まらないなど、明るく合人を振り回すのです。

本作のイラストは、そんな魅力的なキャラクターたちがほのぼのとした色彩で描かれています。なかでも「ヤギ」の正体である、ツンデレ気味な生徒会長の千歳の描写は必見だといえるでしょう。

大好きな父親の自殺により、人が文字を書いた紙を食べることしかできなくなってしまった彼女と合人の交流シーンは、イラストだけでも切なさがあふれるものとなっています。

シコルスキーが描くヒロイン力No.1なヒーロー

「今日という今日は言わせてもらう。おかしいだろ、なんで俺が男友達にドキドキしないといけねぇんだっ! なんで年々、可愛くなってんだっ!」(『可愛くなんかないからねっ!』1巻より引用)

クラスに学年トップスリーの美少女が集まっていることが判明した主人公の男子高校生、文野ハルは、その内訳を聞いて仰天することになります。なんと、その中のひとりは自分だというのです。

著者
瀬那 和章
出版日
2011-06-10

男らしくなりたい、と意気込むハルに、親友の武一は「おまえは男に向いていない」と言い放ちます。性別に向いているもくそもあるかと怒るハルでしたが、武一はハルに、ファンクラブのメンバーズカードを見せるのです。

そこには武一が、ハルのファンクラブ会員ナンバー3という、設立時のメンバーであることが示されており、ハルは親友に裏切られた気持ちになりながらも彼に恋の相談をします。ハルには小学生のころから片思いをしている相手がいたのです。

その相手は、名前も知らない女の子でした。2人の出会いは、ハルが母親に貰った月ウサギの人形を他の子に川に放り投げられたことから始まります。人形を拾いに川に入ったハルは見事に川の急流に足を取られて流されてしまうのです。

溺れて絶体絶命、というところで、助けに来てくれたのがその女の子でした。女の子はハルを川から助け出し、暗くなるまで歌を歌ったり話をしたりしてくれたのです。そしてハルはお礼にと、月ウサギの人形を彼女に渡したのでした。

そんな片思いの相手との思い出の品である月ウサギの人形を、ある日ハルは学校内の渡り廊下で拾うことになります。片思いの相手がこの学校の中にいると知ったハルは、彼女に好かれる男になりたい、男らしさを手に入れたい、と思うようになるのです。

今作の魅力は、女の子としか思えない可愛らしい見た目のハルの恋愛模様に加え、童謡に隠された意味や歌の穢れからくる化け物と戦う異能力バトルがおこなわれるところにあります。クラスメートの女の子に弱みを握られてバトルに参加させられるハルが、ヒーローになりきれないところも魅力なのです。

そんなハルの魅力を、イラストが全面的にバックアップしているのも本作の特徴だといえるでしょう。ハルの弱みを握り詰め寄る美少女とのシーンは、まるで女の子同士の恋愛を見ているようでもあり、ドキドキさせられるのです。

女子中高生のイラストを得意とし、鮮やかで元気なイラストから、ほんわりと穏やかなイラストまでバラエティ豊かに見る人を魅せるシコルスキー。イラストをきっかけにし、しかし時にイラストに騙されるのもライトノベルの醍醐味でしょう。さまざまな本を手に取ってみてください。

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