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サボテンの水やりはどのくらい?育て方のコツから人気の種類まで

更新:2017.10.13 作成:2017.10.13

観葉植物として根強い人気を誇るサボテン。その愛らしい姿と不思議な生態は、私たちを魅了してやみません。なかには高値で取り引きされるものや、食用のものも。今回はそんなサボテンをご家庭で栽培する際のコツから、人気の品種、おすすめの本をご紹介します。

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サボテンの水やりの頻度って?

植物を栽培する際に気になることのひとつが、水やりの頻度ですよね。砂漠などの乾燥した場所に自生するイメージの強いサボテンは、水分をあまり必要とせず、育てやすい印象があるのではないでしょうか。

サボテンは主に、北アメリカから中央・南アメリカ近辺の乾燥地帯に自生する植物です。そのため雨量が少なくても生育に影響が出ないよう、肉厚の茎や根に水分を蓄えることのできる細胞をもっています。

丸みを帯びた独特のフォルムも、表面積を減らして水分の蒸発を防ぐために進化した結果だといわれています。

しかしサボテンも植物ですので、ご家庭で栽培される時にはもちろん水やりが必要です。生育期や環境に合わせて、適度な水やりを心がけるようにしましょう。

生育期:春(4月、5月、6月)と秋(9月、10月)

生育期には、土が乾いた時にたっぷりの水をやります。その際は、鉢底の穴から水が溢れ出るくらいあげるようにしてください。

休眠期:冬(11月~3月)

冬場は休眠するため、室温5度以上であれば月に1度で充分です。室温が5度を下回るときや、土が少しでも湿っているようであれば水やりは不要です。

生育が一時的に緩やかになる夏の間は、目安として春や秋の半分程度の頻度で構いません。品種によっては休眠期が夏のものもあるため、注意が必要です。

育て方のコツは?

日本で地植えのサボテンを育てることは、温室などの管理設備が無いと一般的には難しいといわれています。なぜなら日本の気候と、原生地の気候が大幅に異なっているからです。

ここでは、鉢植えでの栽培を想定して、ご家庭での育て方のコツをいくつかご紹介します。

・置く場所

植物を栽培する際は、原生地になるべく近い環境で育てることがポイントです。サボテンの場合、日当たりがよく、乾燥していて、湿度が低い場所が生育に適しているといえるでしょう。

室内でも栽培することはできますが、日照量が少ないと株が弱り、葉の色が悪くなる原因になります。最低でも1日5時間は日光に当てることが大切です。

・土、肥料

土に関しては、水はけと通気性のよいものが栽培に適しています。ご自分で土を作る場合は、赤玉土小粒6:腐葉土3:川砂1の割合で配合するとよいでしょう。専用の培養土も市販されているので、そちらを利用するとより手軽に始めることができます。

肥料は必ずしも必要なわけではありません。大きくしたいのであれば、植え付けや植替えの際に、緩効性肥料を株と一緒に少量埋め込む程度で充分です。

・植え付け、植え替え

サボテンは根の生育が旺盛なため、鉢植えなどで栽培する際には定期的な植え替えが必要です。1~2年に1度を目安におこないましょう。

苗は、生育期直前の3月~4月上旬ごろに植え替えるのが理想的とされています。2週間以上前から水やりを控えて土を乾燥させておくことが、株へのダメージを最小限に抑えるためのコツです。

鉢から株を抜いた後は古土を落とし、傷んだり伸びすぎたりしている根を鉢の大きさに合わせてカットします。植え替えた後はしばらく風通しのよい半日陰に置き、1週間は水やりを控えましょう。植え付けについても、基本的には同様です。

・開花

1年を通して瑞々しい緑色をしている印象の強いサボテンですが、実はいくつかの条件さえ満たせば、あらゆる品種が赤やピンクなどの鮮やかな花を咲かせることができます。種類によって花の咲きやすいものとそうでないものがあるため、栽培を始める前に下調べをしておくといいでしょう。

前者の場合、日光によく当て適度に水をやり、休眠期にはしっかり休ませてあげるというポイントさえ押さえれば、花の咲く確率はぐっと上がります。

日中に花を咲かせるタイプと、夜中に咲くタイプとに分かれ、なかには株が成熟しないと花をつけないものや、一定の大きさまで成長しないと咲かない種類のものもあるのです。

サボテンの殖やし方

代表的な殖やし方は、挿し木、接ぎ木、実生の3つです。

・挿し木

親株の脇から子株が生えるタイプの品種の場合、子株のみを切り離し、2~3日ほど日陰に置いて、切り口を乾燥させてから挿し木します。この時、子株を土に植えこむ必要はありません。土の上に乗せるだけで大丈夫です。生育期である春期や秋期におこないましょう。

・接ぎ木

どの種類のサボテンでも、品種の異なるもの同士を合わせて接ぎ木することができます。それぞれのサボテンを水平にカットし、維管束を合わせて互いを密着させ、糸で固定し、日陰で2週間ほどそのままにしておくと定着します。

・実生

他の植物と同様に、種から育てることも可能です。湿らせた土の上にパラパラと種を蒔くだけで、上から土を被せる必要はなく、2~3週間で自然と発芽します。

乾燥を避けるようにし、しばらくは霧吹きなどで小まめに水やりをしましょう。実生なら少々時間はかかりますが、1度にたくさんの苗を得ることができるというメリットがありますよ。

人気!サボテンの種類

サボテンには100以上の属があり、世界各地に2000種以上が自生しているといわれています。この数は原種だけなので、交配種を含めるとさらに膨大な数になります。なかにはサボテンなのにトゲのない品種や、食用できるものなど、その生態も極めてユニークです。

今回は、ホームセンターや園芸店などで比較的手に入りやすいもののなかから、育てやすく人気のものを属ごとに5種ご紹介します。

●エキノカクタス属

球形や樽状の茎をもち、鋭いトゲが印象的なエキノカクタス属。いかにもサボテンらしい存在感のあるルックスが特徴的です。黄色や紫、黒などのカラフルなトゲをもち、ファンも多い種類。なかには1メートル以上の大型になるものもあり、春口から夏頃にかけて美しい褐色の花を咲かせます。

日向を好み、昼夜の温度差が大きいほど生育が旺盛になるという性質があります。

人気の品種は「金鯱」

黄色の鋭いトゲをもつ球形の金鯱は、サボテンの王様とも呼ばれる品種です。耐寒性があり、丈夫で栽培しやすいことから、代表格として広く親しまれています。実は野生のものは極めて貴重で、自生地が水没したため絶滅に瀕しているとか。花はあまり見られません。

●オプンチア属

団扇状の平たい茎をもつオプンチア属は、100以上の品種があるバラエティ豊かなグループです。次々と茎節を増やして生長していく姿がうさぎの耳を彷彿とさせることから、「バニーカクタス」という別名があります。

栽培自体は難しくありませんが、鉢植えで花を咲かせるのには少々コツが必要です。風通しと日当たりのよい場所を好みます。

人気の品種は「象牙団扇」

ふわふわとした柔らかい白色のトゲをもち、茎の緑も鮮やかなことから、インテリアとして栽培されることも多い象牙団扇。黄色の可憐な花を咲かせますが、トゲは抜けやすいため注意が必要です。

繁殖力が強いという性質があり、挿し木でも簡単に殖やすことができます。初心者にもおすすめの栽培しやすい品種といえるでしょう。

●マミラリア属

こちらも400種を越す仲間をもつ巨大なグループで、球形や筒形をした小型のものが大半を占めます。マミラリアとは「イボやコブがある」という意味で、別名イボサボテンと呼ばれることも。

数あるサボテンのなかでももっとも栽培しやすいもののひとつで、多湿を嫌い日当たりと風通しのよいところを好みます。見た目のバリエーションも豊富なため、コレクションして楽しむのにもぴったりです。

人気の品種は「姫春星」

ピンク色の鮮やかな小花が美しい小型の人気種です。

比較的丈夫で生育も旺盛ですが、自生地がメキシコの乾燥地帯であるため、湿気には弱いという特徴があります。風通しのよい日向に置くことで、花付きがぐんとよくなりますよ。

●アストロフィツム属

全体に白い星を散りばめたような小さな斑点があることから、有星類とも呼ばれるアストロフィツム。やや扁平な球形をしているものと、スターフルーツのような形をしているものとに分かれます。

交配種や変種も多く、コレクターからの人気も高いグループです。寒さに弱く、強い直射日光にも注意が必要なため、夏場は半日陰か遮光した場所で管理しましょう。栽培の難度は、少し上がります。

人気の品種は「兜」

アストロフィツムのなかでも特に人気のある品種です。派生種も多く、なかにはびっくりするような高値で取り引きされるものも。トゲは退化しており、その名の通り兜を思わせるような存在感のある姿をしています。春から秋にかけて次々と咲く薄黄色の花も美しく、見ごたえがあります。

●ギムノカリキウム属

南米の草原地帯に多く見られ、4~15センチほどの小型の品種が多いギムノカリキウム。他のサボテンに比べ、夏場の直射日光と過度の乾燥を苦手とします。こちらも基本的には丈夫で、栽培しやすいといえるでしょう。花付きのよいものが多く、春から秋口にかけてツクシのようなユニークな蕾をつけます。

人気の品種は「緋花玉」

春先から秋口まで、その名のとおり緋色をした美しい小花を次々とつける緋花玉。園芸店などでもよく見られるポピュラーなサボテンのひとつです。

原生地は、アルゼンチンやウルグアイの乾燥地帯。耐寒性も高く栽培しやすい品種ですが、夏場の強光を避け適度な湿度を心がけると、さらに生き生きと育ちます。

もっとサボテンについて知りたい人のための本

ここまでご家庭での栽培方法と、人気の品種について簡単にご説明しました。

もっと詳しくサボテンについて知りたい方のために、おすすめの本を3冊に厳選してご紹介します。参考にしてみてくださいね。

サボテン栽培初心者のための必携書

多肉植物とは、葉や根に発達した貯水組織をもつ植物のことを指し、サボテンもこのグループに含まれます。本書を読めば、そんな多肉植物の栽培の仕方から寄せ植えのアイデアまで、幅広い知識が身に付きます。

巻末の図鑑も必見ですよ。

著者
出版日
2014-05-15

本書の前半は、主に多肉植物全般の育て方や楽しみ方について書かれています。適切な育成環境や株の殖やし方、仕立て直しなどの基本的な情報がひととおり掲載されているため、サボテンを育てる際にはぜひ手近に置いておきたいです。

病害虫や根腐れなど、トラブルの対処法が詳しいのも嬉しいですね。

後半部は図鑑になっており、属ごとに整理されてさまざまな種類が紹介されています。珍しい品種も数多く掲載されているので、参考になりますよ。

作業工程の写真やイラストも豊富でわかりやすく、情報量が多いため、栽培初心者にとってはまさに痒い所に手が届く一冊だといえるでしょう。

親子で読むのにぴったり

シリーズ全体で1900万部の売り上げを誇る人気の写真図鑑「科学のアルバム」シリーズの中の一冊。

大きな活字で、すべての漢字に読み仮名がふってあるため、自然に興味のある子どもたちも楽しく読むことができます。

著者
埴 沙萠
出版日
2005-03-01

主にサボテンの不思議な生態について、科学的な視点から迫った本書。子どもを対象として書かれてはいるものの、要点がきっちりと押さえられているため、大人にもおすすめしたい一冊です。

全体で50ページ程度なので気軽に読め、文章も簡潔で、イラストも豊富。なかでも写真は、果実や花、自生する様子などバラエティに富んでおり、葉や気孔の拡大図、茎の断面図など、他ではあまり見られないものまで掲載されいます。

生長段階や、進化の過程についても知ることができ、サボテンだけではなく植物全体への興味や関心を広げるきっかけになるでしょう。

眺めて楽しいサボテンカタログ

品種の多さで知られる多肉植物ですが、こちらはそのうちのなんと800種を掲載したハンディタイプの植物図鑑。ページのほとんどを美しいカラー写真が占める、親しみやすい一冊です。

茎の質感や花の色も鮮明でわかりやすく、大人から子どもまで楽しみながら読めますよ。

著者
出版日
2015-03-13

サボテンに関する数々の著作があるほか、栽培や販売をおこなう「サボテン相談室」の主宰でもある羽兼直行が監修した作品。彼は芸術的視点からサボテンを捉え、その魅力を発信し続けるカクタスクリエーターでもあります。

本書ではサボテンをはじめとする多肉植物が800種も写真付きで紹介されており、それぞれの生態の特徴についても3行ほどで簡潔にまとめられています。

何しろ掲載されている品種が膨大なため、パラパラとページをめくっているだけでも随所に新しい発見があるでしょう。形状や色のバリエーションの豊かさ、品種名の面白さなど、多肉植物の奥の深さを感じることができます。

ポピュラーなものから珍しいものまで幅広く掲載されているので、次に育ててみたい品種を探してみるのもいいですね。

いかがでしたでしょうか。知れば知るほど気になる植物、サボテン。少しでも興味が湧いてきたら、ご紹介した3冊を参考にして彼らのもつ不思議な魅力を実際にその目で確かめてみてくださいね。