『ヒロインズゲーム』が面白い!可愛くてグロい魅力をネタバレ紹介!

更新:2020.12.10

「ハッピーエンド」を勝ち得るためにヒロインたちが殺し合うバイオレンスファンタジー『ヒロインズゲーム』が面白い!可愛くてグロて大迫力。そんな魅力のつまった物語について、この記事ではご紹介します。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

『ヒロインズゲーム』を読んでみよう!メルヘンな世界で行われるデスバトルの見所をネタバレ紹介!

主人公はアイドルの少女アリス。ある日彼女は突然異世界に迷い込み、おとぎ話のヒロインたちとの「ハッピーエンド」を賭けた殺し合いに参加させられることとなりました。

本作のモチーフは「童話の世界」です。赤ずきん、シンデレラ、白雪姫といったおなじみのヒロインたちが登場し、それぞれのストーリーにちなんだ武器・能力を使って戦います。ロマン溢れる夢の国であるはずの舞台がヒロインたちの戦場となり、激しい戦いの中で血塗られていく様子はショッキングでありながら、どこか芸術的で目を引きます。

この記事では物語の魅力と隠された謎について考察し、ご紹介いたしましょう。

著者
緒里たばさ
出版日
2017-08-09

『ヒロインズゲーム』で少女たちは願いを叶えるために殺しあう【あらすじ】

『ヒロインズゲーム』で少女たちは願いを叶えるために殺しあう【あらすじ】
出典:『ヒロインズゲーム』1巻

主人公のアリスは、「トップアイドルになる」という夢を叶えるためなら何でもするというストイックな少女です。そんな彼女はある日突然、見知らぬ森に迷い込んでしまいます。

水すら飲めないまま、なぜか後をついてくる猫(?)とともに彷徨い続けていた彼女は花畑にたどり着き、1人の少女を見つけます。しかしアリスに気づいたその少女は狼のような太い腕と銃を持って立ち上がると、迷うことなくアリスに襲いかかってきたのでした。

『ヒロインズゲーム』の魅力をネタバレ紹介!デスゲームに参加する少女たちの願いとは?

『ヒロインズゲーム』の魅力をネタバレ紹介!デスゲームに参加する少女たちの願いとは?
出典:『ヒロインズゲーム』1巻

アリスが迷い込んだのは「夢の国(ワンダーランド)」。望まぬ不幸な結末を迎えたヒロインたちが集い、唯一のハッピーエンドを求めて殺しあう世界です。途中参戦したアリスが出会ったのは、12人のヒロインたちでした。

彼女たちの命をかけた「ヒロインズゲーム」は鐘の音で始まり、鐘の音で終わります。生き残っている少女たちの中から1人の「ヒロイン」を決め、残りは「狩人」となってその命を狙います。その時戦場となるのはヒロインに選ばれた人物の舞台。制限時間内に狩人たちによって殺されなければヒロインの勝ちです。

また、終わりの鐘が鳴ってから次のゲームが始まるまでの間には「お茶会」が開かれます。インターバル的な役割を持ち、次のヒロインと狩人を決める時間でもあるこのお茶会には、生きているヒロインたちは絶対に参加しなくてはなりません。

さて、それぞれのヒロインたちが望むハッピーエンドと、実際に迎えてしまった結末とはいったい、どんなものだったのでしょうか?1巻のみ発売中の現在(2017年11月)すべてのヒロインの事情が詳しく明かされている訳ではないので、ここではすでに登場した「赤ずきん」と「親指姫」を取り上げ、考察したいと思います。

狼の腕を持つヒロイン【赤ずきん】

狼の腕を持つヒロイン【赤ずきん】
出典:『ヒロインズゲーム』1巻

皆さんが知っている赤ずきんのストーリーは、おばあさんの家にお使いに行った赤ずきんが狼に襲われ、おばあさんとともに一度食べられてしまうも、後に駆けつけた猟師によって助けられる、というストーリーかと思います。

しかし、本作の赤ずきんにとっての「おばあちゃん」は、どうやら手持ちのカゴの中の頭蓋骨です。つまり狼に食べられて死んでしまったのでした。

赤ずきんは食べられてしまったおばあさんの体も見つけ出すため、手当たり次第に狼を殺しては腹のなかを探し、なければ見せしめのようにその死体を野ざらしにします。赤ずきんの願いはおばあさんの体を見つけ出すこと、そして願わくは生き返らせ、一緒に平和に暮らすことなのではないでしょうか。

「優しい少女」と演じる卑劣な策士?【親指姫】

「優しい少女」と演じる卑劣な策士?【親指姫】
出典:『ヒロインズゲーム』1巻

最もよく知られている親指姫の物語は、「娘がほしい」と願った夫婦が魔法使いに頼み、花の中から生まれた小さな女の子を授かるところからはじまります。親指の先程度の小ささから「親指姫」と名付けられた少女の可愛らしさは評判となり、種族を超えて彼女に求婚する生き物たちが現れます。

ヒキガエルに攫われてしまった日から、メダカに助けられ、ネズミの家族とツバメに出会い、モグラに見初められ、そのモグラとの結婚から逃げた先で自分と同じ大きさの王子様に出会って結婚する、というお話です。

しかし、本作の親指姫はヒキガエルの妻となり、おびただしい数の子供たちを育てるヒキガエルの母となってしまいました。彼女はこの悲惨な結末を回避し、無事に王子様と結ばれるハッピーエンドを手に入れたかったのかもしれません。

ゲームの黒幕、腐った「卵」の企みとは……【レプス】

ゲームの黒幕、腐った「卵」の企みとは……【レプス】
出典:『ヒロインズゲーム』1巻

ヒロインたちが命がけの戦いに身を投じていることはご説明した通りですが、彼女たちを戦わせているゲームの運営側の謎についてはまだほとんど明かされていません。 唯一、ゲームとお茶会を仕切る「マスター」として彼女たちの前に姿を見せるのが「レプス」という卵型のうさぎです。

レプスはアリスをゲームに引き入れる際、気になるこんな言葉を言いました。

「おやおや? どの世界も同じようなことをしているのですねェ 御伽(おとぎ)の昔から人の欲望は果てしないものです」(『ヒロインズゲーム』1巻から引用)

「どの世界も」という言葉がポイントです。ヒロインを集めるために、どうやら時空を超えられるレプス。今までどれだけのヒロインをゲームに引き込み、命を落とさせてきたのか。そして彼が、生き残ったヒロインたちの辿ってきた道筋を「血の物語」と呼ぶのはなぜなのか……。

黒幕の正体がほとんどわかっていない今、レプスの言葉の一つ一つが大切なヒントとなります。ヒロインたちの秘密とともに、要チェックです!

 

『ヒロインズゲーム』の魅力をネタバレ紹介!「心が無い」と言われた主人公の能力は「ハートの女王」

『ヒロインズゲーム』の魅力をネタバレ紹介!「心が無い」と言われた主人公の能力は「ハートの女王」
出典:『ヒロインズゲーム』1巻

アリスは「ワンダープリンセス」というアイドルグループのリーダーです。アイドルの頂点を目指す彼女は仲間たちに非常に厳しく、ルールを破ったメンバーは有無を言わさず脱退させていました。

苦楽をともにしてきた仲間だろうと容赦なくクビを切る彼女は「心がない」と言われ、残ったメンバーからも「女王様」という不名誉なあだ名をつけられています。しかし自分の夢を叶えるためだというのなら、彼女は「心なんかいらない」と言い切れたのでした。

そんなアリスがワンダーランドで目覚めさせた力は「ハートの女王」です。

大きな鎌を振りかざし、空からギロチンを落として相手の首をはねることができます。また、女王となった時のアリスは、独裁的な性格に拍車がかかったように冷酷無慈悲を極めます。ゲームのルールを一切無視し、気に入らないヒロインたちを片っ端から始末しようとするのです。

そんなアリスもゲームに参加したということは、何かしらの「望む結末」をもっているということです。「トップアイドルになる」というのが揺るぎない彼女の夢であり目標でしたが、メンバーから「心がない」と言われたあとに楽屋で座り込んでいた姿を見ると、同じ志を持った、本当の意味での仲間が欲しかったのではないか、そんなことが考えられます。

戦いの末にアリスが手にする結末とはなんなのか、その真相が明かされる瞬間を待ちましょう。 

『ヒロインズゲーム』の魅力をネタバレ紹介!世界観が美しく、グロテスク

『ヒロインズゲーム』の魅力をネタバレ紹介!世界観が美しく、グロテスク
出典:『ヒロインズゲーム』1巻

本作の見どころは、著者緒里たばさの圧倒的な画力で表現されるおとぎの国の世界観と、ヒロインたちによる血なまぐさい戦いの様子です。

現在子供向けの物語として周知されている数々の童話が、誰にでも読みやすいようソフトな内容に改変されたものだということはご存知ですか?本来子供に教訓を教えるために描かれた童話たちは、凄惨な内容のものがほとんどだったのです。

本作のストーリーは、童話がもつ本来の暗さと恐ろしさと思い起こさせます。お花畑や石造りの可愛い家といったメルヘンチックな風景が血に染まっていく様子はまさに地獄です。しかし、憎しみと欲望にまみれたヒロインたちによる大迫力の戦闘シーンは、とても美しいものとなっています。

メルヘンをぶち壊し、新しい魅力を浮き上がらせる衝撃作。ぜひこの機会に読んでみてはいかがでしょうか。

著者
緒里たばさ
出版日
2017-08-09

昔読んだ童話の新しい魅力を発見させてくれる『ヒロインズゲーム』。グロテスクな表現が苦手という方は観覧は避けられたほうがよいかもしれませんが、平気な方にはぜひ、本作の暗くて美しい世界観を楽しんでいただけたらと思います。