『ダンジョン飯』好きにおすすめの漫画5選!

更新:2017.11.6

ダンジョンRPG風の世界観に、食事という新風をもたらした『ダンジョン飯』。しかもそれがことごとく現地調達というのが面白い作品です。今回はそんな『ダンジョン飯』好きな方に送る、一風変わったファンタジー漫画を5作品紹介していきます。

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土曜日の特別営業メニューは異世界風

とある商店街の一角にある洋食屋「洋食のねこや」。創業50年のそこはごく普通のお店でしたが、ただひとつだけ他と違う点がありました。毎週土曜日になると、店の入り口が異世界に繋がるのです。そしてさまざまな人々が、自分たちの世界にはない風変わりなメニューを求めて訪ねてきます。

そんなねこやのことを、人はいつからか「異世界食堂」と呼びます。土曜のねこやは、いつもと変わらない店主と店員が、常連客や新顔の客を温かく迎え入れるのでした。

著者
["犬塚惇平", "九月タカアキ"]
出版日
2017-06-24

本作は2016年から「ヤングガンガン」で連載されている犬塚惇平原作、九月タカアキ作画の作品。Web小説サイト「小説家になろう」で連載されていた同タイトルの小説がコミカライズされたものです。

2017年の夏にアニメが放送されたので、読んだことはなくてもタイトルは知っているという方も多いのではないでしょうか。

通称「異世界食堂」と呼ばれる洋食屋を舞台に、そこを訪れる風変わりな客と、応対する店員をオムニバス形式で描いたストーリーです。「風変わりな客」と表現しましたが、これが本当に雑多な人ばかり。いや、人間ですらない客まで登場します。

祖父の代からメンチカツ好きなトレジャーハンターのサラに、異世界食堂に触発されて豆や野菜中心のエルフ料理を考案する料理家のファルダニア、さらに営業時間の最後に決まってこっそり来店する「赤の女王」の正体は、山のように巨大なドラゴンなのです。

他にもハーフリングやリザードマンなど、異世界に通じる扉をくぐってやってくる客たちは、皆ファンタジーでお馴染みの職業や種族の人々ばかりです。そもそもウェイトレスのアレッタも魔族。名前の明かされていない店主は現代人ですが、店の関係者として異世界人が何人かいるようです。

客はそれぞれ独自の事情を抱えており、異世界食堂の土曜日の営業では、飯テロ必至の垂涎メニューとともに彼らのドラマを見ることができます。

ハック・アンド・スラッシュ・アンド・ハイスクール!

四国の沿岸部にゲンゴロウ島という小さな島がありました。そこはかつて鯨漁で栄えた漁師町でした。今はとある目的で、ゲンゴロウ島の弾正(だんじょう)高校へ入学する者が後を絶ちません。その高校の地下には財宝が眠る迷宮が広がっており、生徒だけが立ち入ることができるようになっていたのです。

主人公の宇佐見ヨウイチは、そうとは知らずに悪友である阿螺井(あらい)に乗せられ、僻地のリゾート高校と聞いて入学しました。しかし彼は、島を闊歩する怪物を目にして、すぐに現実を思い知ります。

そんなヨウイチの運命は、怪物に立ち向かう片足義足の少女、三笠シオと出会ったことで変わっていくのでした。

著者
山西 正則
出版日
2013-07-13

本作は2013年から「月刊COMICリュウ」で連載されている山西正則の作品です。ひと言で言うならば、学校活動の一環で敷地内の迷宮を探索するダンジョンRPG、といったところでしょうか。

しかし言葉で言うほど容易くもないし、一筋縄でもいきません。まず舞台となる弾正高校というのが曲者です。学校というのはただの建前で、実際は世界中から集まってくるトレジャーハンターを体良く規則で縛るための制度。高校とは言っても、中学から進学してきた者ばかりではないのです。

時代設定が現代日本なため、登場人物の身体能力は常人とさほど変わりありませんが、対する迷宮のモンスターはまさに怪物級。普通に戦っても勝ち目がないのは明白で、だからこそ島の有力者は学生を鉄砲玉として送り出しているのです……。

作中では常に死と隣あわせですが、登場人物は結構あっけらかんとしていて、暗い雰囲気は感じられず、ちゃんと青春しています。特にヨウイチとシオの関係は見ていてむずがゆくなるほど。人気取りのためだけに普段からビキニアーマーを身に付けている朝生田悠美(あそだゆみ)など、いろんな意味で見どころがたくさんあります。
 

謎めいた迷宮と淡い青春を1度に楽しめる作品です。

のれんをくぐって、合い言葉は「トリアエズナマ」!

中世ヨーロッパのような帝国の古都、アイテーリア。その裏路地に、石造りの街並みにはそぐわない木造の店が建っていました。店名は居酒屋「のぶ」。店主兼料理人のノブ・タイショーこと矢澤信之は、京都の街外れに店を構えたはずでしたが、どういうわけか店の表が異世界のアイテーリアに繋がってしまいました。

最初は住民から忌避されていましたが、やはて評判が口コミで広がり、今や知る人ぞ知る名店となっています。キンキンに冷えたビールと見たこともない珍奇な料理に誘われて、庶民から役人、果ては貴族や聖職者までが店を訪れるように。

小さな名店「のぶ」が、帝都の人々をお腹から変えていきます。

著者
ヴァージニア二等兵
出版日
2015-12-26

本作は2015年から「ヤングエース」で連載されている蝉川夏哉原作、ヴァージニア二等兵作画の作品です。Web小説サイト「小説家になろう」で連載されていた同名小説をコミカライズしたもので、2018年にアニメ化される予定になっています。

本作は現代の居酒屋が異世界に繋がっていて、異国の珍奇な料理としてメニューをふるまう1話完結型の物語です。先にご紹介した『異世界食堂』と一見似ているように思われがちですが、読んでみるとまったく違う作風であることがわかります。

『異世界食堂』がファンタジー要素の濃い洋食メインなら、本作ははおつまみになるような和食系が目玉。居酒屋だけあって客の年齢層が高く、彼らが語るのは現地の政治絡みであることも少なくありません。

酒の席で客同士の繋がりができ、美味しい料理を介してもめごとが収まるあたりは『美味しんぼ』に近いテイストでもあります。打てば響く大らかなタイショーと看板娘でマイペースなしのぶのコンビが、悩める帝都の人々をたちまち癒やしていきます。

比較されがちな両作を、ぜひ食べ比べ、もとい読み比べしてみてください。
 

囚われの姫が安眠のために魔王城でやりたい放題!

剣と魔法の時代、人の世を支配せんとする魔王は、人類統一国家カイミーンからスヤリス姫をさらって人質としました。かくして、人と魔の対立は深まります。

全国民は姫の無事を願い、勇者はその奪還を誓って旅立ちました。

一方で魔王城の姫は、3食付きで丁重に扱われていましたが、やることがないので暇を持てあましています。

囚われの姫君ができる唯一のこと、それは……寝ること。スヤリス姫はあの手この手を使って、魔王城での平穏で安寧な睡眠を求めるのでした。

著者
熊之股 鍵次
出版日
2016-09-16

本作は2016年から「週刊少年サンデー」や「サンデーうぇぶり」で連載されている熊之股鍵次の作品。

姫を救う勇者ではなく、囚われの姫の日常生活にフォーカスを当てた、1話完結型のファンタジーコメディです。美しいお姫様が魔物にさらわれるのは、古今東西の物語の王道ですが、さらわれた本人の、それも特に逃げる気のない緩い日常というのは聞いたことがありません。

それなりに厚遇されているとはいえ、スヤリス姫の仮住居は鍵付きの牢屋。できることは限られています。そのなかでも特に彼女が執心しているのが、睡眠の質なのです。そのためには恐ろしいモンスターにも立ち向かい、ビビらせて、DIY精神で安眠環境を模索します。

ちゃっかり鍵も手に入れて、我が物顔で城内を闊歩するスヤリス姫には、魔王もたじたじ。人質というよりもVIP扱いになってきた彼女は、そんな貴人の立場を利用して好き放題のやり放題。そこまでアグレッシブに行動できるなら、城から逃げ出せば良いのでは……と思わずにいられないでしょう。

ただ、毎回寝床で見せてくれるスヤリス姫の幸せそうな寝顔を見れば、何もかもどうでも良くなります。姫が良ければ、それで良いのです。

これがRPG世界の日常!?親父のツッコミが冴えわたる!

世界最高峰と言われる魔のダンジョンには、魔王打倒を標榜する勇者から、成り上がりを目論む者まで、力自慢がひっきりなしに訪れます。そんな彼らがダンジョンの前に立ち寄るのが、そのほとりにある街「ドーラ」です。

この物語はダンジョンを攻略する若き英雄の物語……などではなく、街で評判の宿屋を経営する親父目線の日常です。

著者
東谷 文仁
出版日
2016-11-11

本作は2016年からWebコミックサイト「やわらかスピリッツ」で連載されている東谷文仁の作品。当初は4ヶ月程度の期間限定連載でしたが、奇抜さが受けて好評を博し、2017年から同サイトで連載が再開されました。

宿屋を経営するハゲ親父のダンソン。このようなキャラクターはファンタジー作品でよく見る設定ですが、それが主人公となると話は別です。彼が次々にやってくる奇抜な客にツッコミを入れていきます。

1部屋に泊まる男女混合パーティに、露出過多の装備、2軍戦力の扱いなど、お約束として受け入れていたあれこれやの不自然さを軽妙に笑い飛ばしてくれるのです。

レギュラー陣は親父とその奥さんのジョセフィーヌ、出戻り娘のクマとその娘コマ。彼らの性格も下ネタババアにバツイチ子持ち、純粋に毒突くいたずらっ子とかなり濃い面子です。その日常に奇妙奇天烈なゲストが客として訪れるので、これで混沌としないはずがありません。

普通のファンタジーには飽きてしまったギャグ好きの方におすすめです。

いかがでしたか?王道では味わえない、奇妙で面白い個性派ファンタジー作品をぜひご堪能ください。

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