ブラック企業に勤める、すべてのお仕事女子に捧げたい恋愛漫画『午前3時の無法地帯』。午前3時まで仕事は終わらないけれど、それでも恋を諦めたくない……!と、奮闘する主人公に共感すること間違いなし。
やりたい仕事とは違う、こんなはずじゃなかった……絶対に辞めてやる……!と心の中で叫びながら、仕事に追われる日々を過ごす七瀬ももこ。
男のだらしない空気が漂い、女子力なんて意味をなさない職場で、彼女は仕事にどう向き合っていくのでしょうか?仕事が忙しすぎるなかでも、恋をすることで頑張れる女子のリアルな生活が描かれています。ドラマ化もされたねむようこの人気作品です。
- 著者
- ねむ ようこ
- 出版日
- 2008-12-08
仕事のミスで説教されたり、恋のライバルが出現したり……。一見ほのぼのした日常のなかに、これでもかとトラブルが発生するお仕事女子漫画です。
ブラック企業のあるあるネタにクスッと笑えたり、仕事と恋の両立が難しいと感じるシーンで少し切なくなったり。主人公と同じく、少しお疲れのお仕事女子は共感すること間違いなしでしょう。
『午前3時の無法地帯』を読み終わったころには、すっかり会社が大好きに……なんてうまくはいきませんが、元気をもらえる作品です。
主人公のももこがイラストレーターを夢見て就職した先は、願ってもいないパチンコ専門のデザイン会社でした。
やりたかったこととは違う仕事、毎日深夜まで続く残業、常にタバコの煙が充満する事務所。そんな現場で、鬼のような営業担当の上司や、脱ぎたがりの変態デザイナーたちに囲まれながら、慌ただしい毎日を過ごしています。
すぐにでも辞めてやる……!と辞表まで準備していた彼女が、無理矢理に仕事を続けるなかで気づいたこととは。そして、こんな会社に就職してしまったせいで、絶賛女子力低下中である彼女の恋の行方とは……?
お仕事女子のリアルな日常を描く『午前3時の無法地帯』。仕事に疲れた女子たちにおすすめしたい作品です!
- 著者
- ねむ ようこ
- 出版日
- 2009-04-08
イラストレーターという肩書に騙され、就職したのはパチンコ専門のデザイン会社。
憧れていたキラキラした世界とは真逆の、タバコ臭い男だらけの職場で毎日仕事に追われるももこが主人公です。
すぐにでも辞めてやる!!と思っていた彼女ですが、愚痴を言い合っていた唯一の同期に抜け駆けされ、辞めるに辞められない状況になってしまいます。
大嫌いな会社をいつか絶対に辞めてやると決意し、辞表を常に持ちながら仕事をする毎日。しかし、上司や同僚に頼りにされることで、仕事へのやりがいを感じ、徐々に楽しく仕事ができるようになっていきます。
やっと楽しさを感じはじめた矢先、先輩と口喧嘩した勢いで、本当に「辞めてやる」と口にしてしまいます。それを上司である堂本に聞かれ、辞める方向に話は進んでしまい……!?
辞めたくて仕方がなかった会社なのに、いざ辞めるとなると戸惑ってしまう……そんな彼女の心境の変化に共感する人も多いのではないでしょうか。
そして堂本に「仕事ナメんな」と言われたことで気づいた、自分の仕事に対する考え方の甘さ。社会人1年目にありそうなリアルな心境が描かれています。
辛い状況で働いている多くの方に、仕事に対する熱意を思い出させてくれるでしょう。
いくら仕事が忙しいからといって、恋愛までおろそかにするのはいやだ!と、ももこは恋する気持ちに真っ直ぐ向き合い、奮闘します。
忙しいなかで唯一、心の癒しとなっていたのは、学生時代から付き合っている彼氏のたもつでした。しかし、仕事終わりに彼の家に寄るものの、疲れてすぐにベッドに飛び込んで寝てしまう始末。
その結果、彼氏に「俺に会いに来てるんじゃなくて、ベッドに会いに来てるんだろ」と言われてしまい……。
挙げ句の果てには、彼が年下の女の子と浮気をしていることが発覚。その現場を見てしまったももこは、驚きのあまり声をかけられず、涙さえ出ませんでした。そんな彼女の姿に、思わず切なさが込みあげてくるでしょう。
彼氏と別れた傷を癒してくれるのが、同じビルの別会社で働く多賀谷。ももこが残業で疲れ果てていようと、お風呂に入れてなかろうと、優しく女の子として接してくれる紳士的な男性です。
一度はたもつとやり直そうと思ったももこ。しかし、多賀谷とほのぼの昼ランチデートを重ねるにつれ、徐々に大人な彼を好きになっていくのです。
どれだけ忙しくても、彼に会えるだけでやる気がみなぎるももこに、共感する女子も多いでしょう。それほど彼女にとって、多賀谷は力の源である存在だったのです。
しかしももこが、自分は多賀谷と付き合っていると信じる一方、彼はあまりそういう態度を出してきません。ご飯に連れていってくれるものの、たいてい解散するのは終電前。そんな彼の態度に少しがっかりしながらも、ゆっくりでいいか、と割り切るのです。
この、なんとも言えない関係がもどかしすぎる……!読者は「いいから早く付き合ってくれ!!」と悶えること間違いありません。
なぜ多賀谷はそんな態度を取るのか?そして、彼の秘密を知ったももこは一体どう思うのでしょうか……。
2人の恋の行方もさることながら、それに伴う彼女の仕事に対するモチベーションの浮き沈みも感じられるでしょう。やはり働く女子には、恋の力が必要不可欠なのです。
嫌だ嫌だと思いながら続けた仕事。そして、好きな彼の秘密を知っても、なお諦められない恋心……。『午前3時の無法地帯』の3巻では、そんなももこが、もがきながら見つけた答えが描かれています。
「仕事ナメんな」と言われてから、彼女は必死に仕事をこなし、やりがいを見いだせるようになりました。もうタバコ臭いことなんて気にしなくなったし、何日間もお風呂に入れず、洗面台で髪を洗うことだって、へっちゃらに。かといって、決して女を捨てたわけではない、というのが彼女のいいところです。
疲弊する毎日のなかで、ちゃんと恋をして、たくさん悩んで、感情を出しすぎるぐらい表に出して。彼女は、恋と仕事に一生懸命、向き合っていきます。
なにより、ももこの会社の上司や同僚たちが、彼女にとって素晴らしい支えとなっているのが、物語を通してよく伝わってくるのです。みんなでももこの恋を応援したり、励ましたり、一緒に悩んだり。恋愛だけでなく、仕事の面でも彼女の実力を認めてサポートしていて、本当に羨ましくなるほど、人間関係に恵まれている会社なのです。
- 著者
- ねむ ようこ
- 出版日
- 2009-09-08
ただ、そんな居心地のよい会社のメンバーが、ずっと変わらないわけではないのです。なかには、夢をもって辞めていく人もいます。
そのなかで、ももこは多賀谷が同じビルで働いていることを励みに仕事を続けようと決意します。しかし、結局はその彼までもいなくなることに……?
多賀谷がいないなんて、もはや会社に行く意味がない!と嘆くももこに、容赦なく新しい仕事は入ってきます。
せっかくやりがいを感じるようになった仕事と逆境を乗り越えた恋、ももこは一体どちらを選ぶのでしょうか?
- 著者
- ねむ ようこ
- 出版日
- 2008-12-08
うら若き乙女ながらパチンコ専門のデザイン会社に入社してしまったことで、普通の新入社員によくある仕事のできなさ以外にも、激務、女子力の低下などに悩まされることになってしまったももこ。ダラダラとやめられずにここまできてしまった感もありますが、それこそがリアルで、彼女の物語に共感できる理由になっています。
あまりうまくできない仕事、大きな不満がある訳ではないものの、順調とも言えない恋愛など、その日々にドラマチックな展開はほぼないからこそ自分に置き換えて一緒に成長している気分を味わうことができます。
しかし本作は結末がドラマチック。物語のスパイスとなって読者をより作品に引き込みます。果たしてももこのストーリーのいったんの結末はどのような形で終わるのか?彼女の選択を見届けてみてください。
『午前3時の無法地帯』は、頑張るお仕事女子の「お守り」となること間違いなしです。そんな、元気の出る作品をぜひ一度読んでみてください。