『監査役野崎修平』の名言全巻ネタバレ紹介!ビジネスマン必見のドラマ化漫画

更新:2021.11.25

日本の都市銀行が舞台である本作。「監査役」に就任した主人公・野崎修平が、銀行内にはびこる問題に取り組む姿が描かれます。監査役は日本では珍しい役職であり、それを題材にしたことで注目を集めている作品です。今回は名言を取りあげながら、作品の魅力を紹介していきます。

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漫画『監査役野崎修平』の名言を全巻ネタバレ紹介!ドラマ化決定の、会社法などを学べる名作漫画

『監査役野崎修平』は、大手都市銀行「あおぞら銀行」を舞台にした経済漫画です。

主人公は、「監査役」という取締役、および会計参与の業務を監査する機関に就いた野崎修平(のざきしゅうへい)。彼が銀行内部の不正を暴き、問題を解決していきます。

監査役は、会社法によって柔軟な機関構造を選択できるようになり、現代では役職を設置していない会社もあります。そのことから注目を集め、人気となりドラマ化につながりました。

著者
["周 良貨", "能田 茂"]
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物語を通じて会社法を学べる作品であり、ビジネスマンであれば読んでいてためになる内容です。作中には解説も挟まれているので、法律関係の知識がないという人でも抵抗なく読むことができるでしょう。

何より、主人公をはじめなかなか味のあるキャラクターが登場し、そこが本作の魅力のひとつでもあります。正義漢から悪人までさまざまな人間が描かれ、それぞれの思惑が複雑に絡み合う物語だからこそ、読者は『監査役野崎修平』の世界に引き込まれていくのでしょう。

キャラクターの色が濃いことに加えて、心に響く言葉や思わず図星を突かれるようなものなど、名言がたびたび登場する点も見どころです。

今回は多数ある名言を各巻から抜粋し、ストーリーの見どころとともに紹介していきます。

漫画『監査役野崎修平』あらすじ【ドラマ化】

漫画『監査役野崎修平』あらすじ【ドラマ化】
出典:『監査役野崎修平』1巻

 

あおぞら銀行地蔵通り支店の支店長に就いていた野崎修平。人事異動によって、本社の監査役に就任しました。栄転とも呼べる異動でしたが、実際のところ監査役は窓際部署のようなもので、進んで働こうとする者がいませんでした。

しかし修平は、監査役の職務をまっとうし、あおぞら銀行内における不正と問題を明るみにし、銀行の再建に奮闘するのです。
 

 

著者
["周 良貨", "能田 茂"]
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登場人物1:成長する姿に惚れる、熱い男【野崎修平】

登場人物1:成長する姿に惚れる、熱い男【野崎修平】
出典:『監査役野崎修平』1巻

勧善懲悪の展開のストーリーである本作の主人公が野崎修平。ドラマ作品では織田裕二がその役を演じます。

当初はあおぞら銀行の支店長をしていましたが、その統廃合により、まさかの役員である監査役に抜擢された人物です。監査役は外部からの人間であり、どこまで問題に口を突っ込むかが難しいポジションでもあります。

そんな野崎の魅力は、成長するリアルな姿と、熱い男気。当初はすべて不正を正すためだけに尽力し、その結果銀行がつぶれようとこちらの責任ではないという考えでしたが、徐々に経営観を持ち、変化していきます。

目標に向けて妥協をしない熱さがありながらも、どこか固すぎる考えのあった野崎。少しずつ現場の仕事をしていくうちに変化し、武田の影響も受け、彼はその正義感を働く社員にまで向けることができるようになっていきました。

キャラクターが魅力の本作ですが、やはり彼には主人公らしい風格があり、その熱い振る舞いは感動させられるもの。少し現実離れしたところもありますが、銀行の立て直しに強い信念があり、たとえ権力を持った者であろうと物怖じせずに立ち向かっていく姿がかっこいい男です。

登場人物2:武闘派の熱い男!【武田真吾】

登場人物2:武闘派の熱い男!【武田真吾】
出典:『監査役野崎修平』6巻

関連会社であるあおぞら興産の社長から、こちらも野崎と同じく異例の専務待遇としてあおぞら銀行に呼び戻されたのが武田です。ドラマ作品では岸谷五朗がその役を演じます。

当初は多少の不正には目をつぶり、利益優先の構えで、野崎とよくぶつかっていた彼。しかしある日、あおぞら銀行の社員やその家族にまで危害を加えた東都に見切りをつけます。

その後、同じ会社であるにも関わらず武田のその態度に眉をひそめた副頭取の柳沢という男に「東都を検察に売った」という噂を流され、逆恨みされ、海藤などの男たちに腹部を刺されるという重症を負ってしまいました。

そのあとから柳沢らを取りしきる京極を頭取から外すべきだという考えで野崎と協力関係になります。

社内でも珍しい武闘派ということもあり、頼り甲斐のある雰囲気の武田。野崎とはまた違うこなれた印象をうけるかっこいい男です。

登場人物3:野崎と手に汗握るバトルを繰り広げる、黒幕!【京極雅彦】

登場人物3:野崎と手に汗握るバトルを繰り広げる、黒幕!【京極雅彦】
出典:『監査役野崎修平』2巻

あおぞら銀行の頭取で、野崎とバチバチの熱いバトルを繰り広げるのが京極です。ドラマ作品では古谷一行がその役を演じます。

一見その人柄は穏やかにも見えるものですが、実は彼は人を見下し、利益を優先する独裁者でした。自らの権利を守るためにのみ心血を注いでいます。

しかしそんななかでもあおぞら銀行の未来も考え、社内改革をすすめようとしていました。そこで抜擢されたのが野崎と武田だったのです。

しかし彼らは京極の予想を超えての内部浄化を図ろうとし、京極は懐刀のような存在である柳沢を呼び戻すのでした。

実は彼は入校当初はこのような性格ではなかったのですが、ある出来事を機に心変わりをしてしまうのです。

絶対悪として作品を盛り上げる京極。彼のあくどいながらもカリスマ性を感じさせる様子にはつい引き込まれてしまいます。

登場人物4:野崎の正義感に悩んでいた男【阿部龍平】

登場人物4:野崎の正義感に悩んでいた男【阿部龍平】
出典:『監査役野崎修平』1巻

かつては野崎の部下で支店統括第4部長として働いていたのが阿部龍平。しかし彼のミスを庇って野崎が関連会社に出向したため、のちに取締役総合企画部長として彼の上司となって再び姿を表します。ドラマ作品ではユースケ・サンタマリアがその役を演じます。

野崎によって立場が危ういところを逃れられたかと思いきや、阿部はずっとその事件によって苦しんでいました。

職場でも家庭でも野崎が自分を庇ったということがバレており、ずっと肩身の狭い思いをしてきたというのです。野崎の正義感によって傷つけられたとも。

八つ当たりではありますが、彼の言い分も分からなくはないもの。しかしその後今度は自分が人の罪をかぶることになってしまうのです……。果たしてこの出来事によって彼は改心できるのでしょうか?

確かに野崎の正義感は強すぎるともいえるところがあり、彼はその被害を被ったとも言えるかもしれません。

登場人物5:女も武器にし、出世街道を走る!【橘祥子】

登場人物5:女も武器にし、出世街道を走る!【橘祥子】
出典:『監査役野崎修平』5巻

あおぞら銀行初の女性支店長であり、初の女性役員になることを目論んでいるのが橘祥子です。ドラマ作品では立川祥子という名前に変え、松嶋菜々子がその役を演じます。原作とは少しキャラクターも異なってくるかもしれません。

漫画作品では野崎を踏み台にして出世しようと目論んでいます。もともとそのような手法を得意としており、かつては夫と娘がいながらも武田の愛人だったこともありました。

出世欲がありながらも男と対決するだけでなく、女を武器にすることも厭わない彼女。バイタリティのある姿は圧倒されるものの、かっこいいとも思わされる女性です。

名言1:「最後まで銀行に残る人間は、私利私欲のない人間でなくてはならない」【1巻ネタバレ注意】

あおぞら銀行地蔵通り支店・支店長として働いていた野崎修平は、支店の閉鎖にともなって、本社の監査役として抜擢されました。

これを機に、彼は銀行の変革を決意します。バブルの崩壊によって信用を失った金融業界に一石を投じ、不正を暴くことで、本来のあるべき姿へ戻そうと奮起するのです。

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["周 良貨", "能田 茂"]
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「最後まで銀行に残る人間は、私利私欲のない人間でなくてはならない」(『監査役野崎修平』1巻より引用)

役員たちの懇親会に出席した修平でしたが、懇親会の開催は無駄である指摘し、さっさと帰宅してしまいます。その帰り道で修平は、銀行の内部の変革を口にし、銀行を変えようと決意するのでした。

1巻では、監査役に就任した修平のもとに、さっそくきな臭い情報が舞い込みます。さらには、かつての部下で取締役に就任した阿部との争いや、山田エージェンシーとあおぞら銀行の裏の繋がりなどが露見し……。

これから先、修平は監査役としてどこまで会社の不正を暴いて正すことができるのか、今後の展開に期待が膨らみます。

名言2:「あおぞらは逃げません!!」【2巻ネタバレ注意】

修平はある社員の情報提供によって、山田エージェンシーへの不正融資の調査を開始します。少しずつ真相に迫る修平でしたが、不正融資に対する上層部の関与と、その裏に潜む大物フィクサーの存在を知ったのです。

暴力で脅される修平でしたが、彼は屈することなく、自らあおぞら銀行を告発する道を探るのでした。

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["周 良貨", "能田 茂"]
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「あおぞらは逃げません!!」」(『監査役野崎修平』2巻より引用)

週刊誌に送られた告発文書によって、あおぞら銀行は緊急記者会見を開きます。修平はその会見に参加し、役員と山田エージェンシーによる不正融資の事実を認めたのです。そして彼は、さまざまな質問が飛び交うなかで、「あおぞらは逃げません!!」と高らかに宣言しました。

2巻では、今後あおぞら銀行に大きく関わってくる武田が登場します。彼はこれまでの役員とは違ってまっすぐな男で、頭取の座を正々堂々と狙っていました。

しかし、こういった出世争いや、多額のお金が動く場には暴力が潜んでいることも事実。修平は青いと言われながらも、あらゆる困難に立ち向かっていくのです。

名言3:「信用や正義は理想ではありません」【3巻ネタバレ注意】

修平は山田エージェンシーとの不正融資の件について、調査を続行します。そして林専務の関与を公にして告発するという形で、銀行のあるべき姿とはどういったものなのか、内部はもちろんのこと、外部にも示しました。

また今回の告発によって、あおぞら銀行は再生委員会を設立。委員長に抜擢された武田は、過激なリストラ政策をおこないます。

それに対し、銀行の財産は「人」であると考えている修平は、武田の政策によって起こるであろう行員の混乱を懸念するのでした。

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["周 良貨", "能田 茂"]
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「信用や正義は理想ではありません」(『監査役野崎修平』3巻より引用)

あおぞら銀行内の変革政策で、武田と衝突する修平は「信用」と「正義」をコストであると主張します。

これらが、銀行がまともな経済活動をおこなううえでのコストであるという考え方は、なかなかできるものではないでしょう。彼の考えを支持したいと思う一方、何もできなければ理想論だと片づけられてしまうことが察せられます。

これを理想論で終わらせないため、彼はどのような政策をおこなうのでしょうか。信用と正義をもとに、変革を目指していく姿が描かれていきます。

名言4:「自分の信じている事を貫けばきっといつかわかってもらえる」【4巻ネタバレ注意】

まじめな銀行員だったのに、黒沢は武田の政策によってリストラ対象となってしまいました。同じく、諏訪取締役もその対象となります。彼は最後に不正金の横流しを計画し、実行した男でした。

多くの行員を巻き込んだ武田の政策に、修平は異を唱えます。

さらに、不良債権化したビルに関する経緯表の紛失も発覚。修平は、不正と政策、さまざまな事柄に追われていきます。

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["周 良貨", "能田 茂"]
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「自分の信じている事を貫けばきっといつかわかってもらえる」(『監査役野崎修平』4巻より引用)

いつまで不正を暴き続ければ戦いが終わるのか……修平は不安を覚えます。そんな彼は、かつて働いていた地の居酒屋へ赴きました。

修平は顔見知りの店主と昔話に花を咲かせ、それをきっかけに原点の気持ちに立ち返り、新たにあおぞらの変革に取り組むことを決意するのです。

さて、山田エージェンシーとの不正融資は明るみになりましたが、まだまだ他の不正が待ち受けています。過去の不正、現在も水面下でおこなわれているもの……。あまりにも不正が横行しているため、修平ひとりの力では、証拠をつかむことすらできません。

さらに、4巻ではクセの強そうな美人支店長・橘が新たに登場します。彼女はこれから先、あおぞらの内部にどう関わってくるのでしょうか。

名言5:「過去の反省なしに新しいスタートなどありえない」【5巻ネタバレ注意】

橘から持ちかけられた「不良債権化した木村ビルの経緯表消失」の件について、修平は調査を開始します。しかし、現在木村ビルを管轄している業務推進部は、まったく取り合ってくれません。

また旧担当者の安藤にも接触しますが、彼は何かに怯えたような態度で、この件に関してまったく口を割りませんでした。さらに、頭取までもがこの件から手を引くように言ってきます。

それでも、修平は徹底した調査に乗り出していくのです。

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["周 良貨", "能田 茂"]
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「過去の反省なしに新しいスタートなどありえない」(『監査役野崎修平』5巻より引用)

木村ビルの件で、修平と橘が衝突します。

過去のおこないからは、もう手を引くべきだと言う橘。しかし修平は、過去は反省しなければならないものだと主張するのです。

修平と橘の出番が多い5巻ですが、やはり橘はクセの強い女性でした。かなりの上昇志向を持っており、女性初の役員になるという野望を抱いています。そのため、野崎に接触を図ったのでした。

また、木村ビルの件であおぞら銀行の内部にも怪しげな動きが見られるようになります。はたして修平は、証拠をつかめるのでしょうか。

名言6:「知らぬが知るに勝る事もある」【6巻ネタバレ注意】

「不良債権化した木村ビルの経緯表消失」の件について調査を始めた修平は、あおぞら銀行側の過失を発見し、さらに深く調査を進めます。そして、別の筋から同案件を調査している武田は、「G1計画」と呼ばれる、頭取が関与した可能性のある謀略をかぎつけたのです。

同じく修平もG1計画について知り、頭取にこの計画について調べていくと報告。しかしその直後に、木村ビルが燃えているという連絡が飛び込んできたのでした。

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["周 良貨", "能田 茂"]
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「知らぬが知るに勝る事もある」(『監査役野崎修平』6巻より引用)

G1計画に対する修平や武田の動きを受けて、頭取はある人物に連絡を取ります。しかしその人物は何の情報を伝えることもなく、知らないままでいろと命令するのでした。

知らないことは致命的、と考えられがちですが、時には知らないままでいたほうがよい場合もあるのです。それが自分を上回る力の持ち主からの助言であれば、なおさらでしょう。そして木村ビルが燃やされたことがなによりの証拠でしょう。

しかし修平は、G1計画について着々と近づいていきます。彼はその計画の全貌と証拠をつかみ、責任者を追求することができるのでしょうか?

名言7:「正義を勝ち取るためには綺麗事では済まない」【7巻ネタバレ注意】

バブル期に、銀座一丁目界隈で進められていた謀略、G1計画。修平はその黒幕を頭取だと半ば確信して調査を進めていました。しかし、あおぞら銀行と繋がりのある右翼団体「東都政策研究室」によって妨害を受けてしまうのです。さらに、彼の家族までもが巻き添えを食らってしまいます。

核心に迫るがゆえに妨害を受ける修平ですが、そんななかで元あおぞら行員の沖田から、G1計画の資料を入手します。そこには、衝撃の事実が書かれていました。

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["周 良貨", "能田 茂"]
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「正義を勝ち取るためには綺麗事では済まない」(『監査役野崎修平』7巻より引用)

東都の武力介入に対して修平は、あおぞらと東都のつながりを公表する、と内部の人間を脅します。まっすぐな正義を振りかざせる修平だからこそ、この言葉に意味があるのでしょう。

7巻ではG1計画の全貌がついに明らかになります。実は頭取のみならず、国まで関わっていた闇の深い計画だったのでした。あまりにも大きなスケールに、修平はどこまで立ち向かえるのでしょうか。

そして、真実へと近づく修平を頭取はどうするのか……それぞれの動きに期待が高まります。

名言8:「強い人間などいません!強くありたいと望むかどうかです……」【8巻ネタバレ注意】

銀座一丁目で進められた再開発に絡み、あおぞら銀行は木村ビルに対して不正融資をおこなっていました。修平は、この件の黒幕とされている頭取と正面対決を決意します。

しかし頭取は懐刀の柳沢を呼び出し、修平の動きを封じようと画策。柳沢は検察を利用して、事態の収拾を図るのでした。

一方で修平のもとには、武田が東都政策研究室の手の者に刺されたと報告が入ります。事態はめまぐるしく動いていきます。

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["周 良貨", "能田 茂"]
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「強い人間などいません!強くありたいと望むかどうかです……」(『監査役野崎修平』8巻より引用)

武田が刺された事件で総務部の者と接触した修平は、銀行に携わったことで死んだ人間がいるという可能性を突き詰めました。そして彼らに対し、金と命がかかわる以上、行員も体を張るのが道理だと主張するのです。

しかし総務部の者は、この事実に直接関係したわけではありません。彼らもひとりの人間で、そんなに強くはないのです。

そこで修平は、強い人間などいないことを肯定しつつ、強くありたいと望むべきだと語るのでした。

これまでは生死に関わるほどの傷を負った人はいませんでしたが、8巻ではついに武田が重傷を負ってしまいます。相手もだんだん荒っぽい手段に出てきますが、修平は屈することなく監査役の使命をまっとうできるのでしょうか?

名言9:「いつも場当たり的な対応だから、いつまでたっても火は消えないのです」【9巻ネタバレ注意】

あおぞら銀行は、裏社会との癒着や武田襲撃事件といった不祥事への対応に追われます。そんななか修平は、目前に控えた株主総会で、従来の総会工作をすべて排除する方針を提唱しようと決めました。目的は違えど、柳沢も修平と同じ姿勢をみせます。

両者の思惑が絡まり、ついに株主総会が始まりました。そしてこの総会は、歴代でもっとも荒れたものとなっていき……。

著者
["良貨, 周", "茂, 能田"]
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「いつも場当たり的な対応だから、いつまでたっても火は消えないのです」(『監査役野崎修平』9巻より引用)

あおぞら銀行再建のための役員会議で、修平は木村ビルが燃やされた件を再度掘り返しました。柳沢はこの件を火に例え、いくつもの火の原因を探る前に、火が付くのを防ぐことを優先すべきだと主張します。

しかし修平は、バブルの崩壊からずっと火は付き続けている、根本から変えなければ意味がないと主張するのです。

修平の言うように、根本を消化しなければ火が消えることはないでしょう。大元を鎮火しないかぎり、新たな場所に火が燃え移るのは明らかです。そのためにも、根底に見えるG1計画の責任を取らせるしか方法はないのかもしれません。

名言10:「私は自分の信念に基づいて話しています」【10巻ネタバレ注意】

工作を一切排除した株主総会は、予想どおりの大荒れ状態です。ヤジと物が飛び交う総会で、修平は何を語るのでしょうか。

また、あおぞら銀行内の上層部における権力争いが激化していきます。副頭取である柳沢が頭取の座を狙う一方で、頭取はある筋から、3つある銀行の合併によってメガバンクが誕生するという情報を手にしていました。

そして頭取は、他行との合併を画策し、怪我から復帰した武田にこの件に関する責任者になるよう持ちかけるのでした。

著者
["良貨, 周", "茂, 能田"]
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「私は自分の信念に基づいて話しています」(『監査役野崎修平』10巻より引用)

大荒れの株主総会、その混乱を招いた修平は糾弾されますが、彼は真っ向から受けて立ちます。どれだけのヤジが飛ぼうとも、修平は自分の監査役としての信念を貫くのでした。

株主総会は今までの定型をやぶり、5時間を超えるものとなりました。

総会というより議論の体になっていましたが、これこそ本来のあるべき姿ではないでしょうか。株主は、会社の内情を知る権利があります。修平は、定例化してしまった総会のあり方を変えることで、あおぞら銀行の変革を図ったのです。

波乱の株主総会から束の間、合併の話が浮上します。ついに頭取が大きく動き出し、恐ろしい本性をみせるようになりました。

この状況下で、修平はどう動くのでしょうか?激動の展開から、目が離せなくなってきます。

名言11:「私はたとえ親を殺した相手とでも笑顔で握手ができます」【11巻ネタバレ注意】

国内でのメガバンク誕生を受けて、あおぞら銀行も他行との合併の道を模索します。その責任者として指名を受けた武田は、頭取の座を狙いながらも「よつば銀行」との合併交渉を開始しました。その一方で、柳沢は「ひかり銀行」に合併を打診するのです。

上層部が合併に対して意欲的に取り組むなか、修平は合併によって弊害が生じると危惧するのでした。

著者
["良貨, 周", "茂, 能田"]
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「私はたとえ親を殺した相手とでも笑顔で握手ができます」(『監査役野崎修平』11巻より引用)

副頭取である自分を差し置いて、合併するという相談もなしに武田に任せたことについて、柳沢は頭取を問い詰めます。頭取は、武田のほうが合併の件には向いていると言い放ち、自分には人を見る力があると告げました。

その言葉を受けた柳沢は、それは人を裏切る能力ではないかと問いかけます。すると頭取は笑顔でこのように答えたのでした。

頭取の恐ろしさが詰まっている言葉でしょう。たしかに感情を隠すことは、ある場面では必要になってきます。しかし彼は、感情を隠すことに長けすぎているのです。

真意がほとんどみえず、権力のために動いているといえども、どこかで本当にあおぞらのために動いているのではないかと錯覚してしまいます。
 

名言12:「最強の銀行とはなんですか?」【12巻ネタバレ注意】

あおぞら銀行の融資先である百貨店グループ・エチゴが、債務超過で破綻寸前であると発覚。頭取はこの話を受け、武田と柳沢に対し、エチゴを再建した方を次期頭取に推薦すると宣言しました。そしてその証人に、修平を指名したのです。

しかし、頭取レースに関係もなければ興味もなかった修平は、単独でエチゴの再建を探ります。そして頭取に対し、エチゴへ出向してもかまわないと伝えるのでした。

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["良貨, 周", "茂, 能田"]
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「最強の銀行とはなんですか?」(『監査役野崎修平』12巻より引用)

修平は、頭取、武田、柳沢が顔を合わせた合併についての会合に出席。そこで頭取は合併先の選び方を、「日本最強の銀行」「世界に通じる銀行」と主張します。その筋から考えると、答えは自然と出てくるのだそうです。

すると修平は、「最強の銀行」とは何なのか、誰に対して、何に対して最強なのかと問い返すのでした。

最終巻ではありますが、合併の件はまだ終わりません。監査役としての務めもまだ終わらないのです。

続きは『監査役野崎修平 銀行大合併編』で描かれています。続きが気になる方は、ぜひそちらも手にとってみてください。


『監査役野崎修平』の名言とともに、ストーリーの魅力をご紹介しました。「自分が変えるんだ」という強い意志を持った登場人物の姿に、勇気がもらえることでしょう。ぜひ1度読んでみてください。

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