『きみはペット』は永遠に大人女子を癒す名作漫画だ!【ネタバレ注意】

更新:2021.11.25

『きみはペット』は、2000〜2005年に「Kiss」で連載していました。2003年には連続ドラマ化もされ、その人気ぶりは国内にとどまらず、2011年には韓国でも映画化されるほど。今回は、そんな一世を風靡した本作の魅力をご紹介していきます。

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漫画『きみはペット』の魅力とは?

小川彌生(おがわやよい)が手がける『きみはペット』は「Kiss」で連載されていました。2003年には連続ドラマ化もされ、さらに時を経て、2017年にもキャストや放送局を変え、再連続ドラマ化されました。

著者
小川 彌生
出版日
2000-12-13

登場人物はスタイリッシュでオシャレな雰囲気をまとっています。思わず手に取ってしまいたくなるオシャレな表紙は、どんな漫画なんだろう?と興味をそそられる構図のものばかりです。

『きみはペット』は、可愛くてピュアな恋愛模様から、大人びた雰囲気のラブストーリーまで、さまざまな胸キュン要素が詰まった魅力溢れる作品です。

漫画『きみはペット』あらすじ

 

巌谷澄麗(いわやすみれ)は、容姿端麗・頭脳明晰なキャリアウーマン。しかし、見た目とは裏腹に、本当は恋愛に不器用な繊細な心の持ち主でした。

スミレはある日、自宅の前に捨てられていたダンボールを見つけます。なんと、そのなかには青年・合田武志(ごうだたけし)が転がっていたのです。

 

著者
小川 彌生
出版日
2001-06-13

 

そんな彼の姿を見て、思わずスミレは子供の頃に飼っていたモモという愛犬を思い出します。

行くあてもない彼を見捨てることができず、スミレは自分のペットになることを条件に、部屋を提供することになりました。

そして、あまりにも愛犬そっくりの彼を「モモ」と呼ぶことに決めます。彼は意外にも、あっさりとスミレの提案を受け入れるのです。

こうしてスミレとモモの奇妙な同居生活が始まります。ドキドキするような展開もあり、2人の生活は、徐々に目が離せないラブストーリーへと変化していくのです。

 

魅力1:イケメンがペットという過激設定!

本作のテーマでもある「人間をペットとして飼う」という一見過激な設定は、興味を引かれるテーマとなっています。そのテーマを知った人は、思わずいろいろな過激な妄想をくり広げてしまうことでしょう。

著者
小川 彌生
出版日
2001-11-13

実際にはとてもハートフルな内容です。スミレのペットとして飼われることとなった青年・モモは、懐っこい笑顔で人当たりのよい印象を与えます。バリバリのキャリアウーマンであるスミレは、仕事で疲労やストレスを抱えています。ですが、人懐っこいモモを介抱してあげることで癒される日々を送っているのでした。

それぞれが抱える事情と擦り合わせて、ウィンウィンの関係を築く男女の姿が描かれる本作。少女漫画らしさとビターな大人の雰囲気、この両方を兼ね備えているところが、最大の魅力といえるでしょう。

魅力2:大人女子の理想?モモがかっこよくて可愛い!【ネタバレ注意】

合田武志(ごうだたけし)ことモモは、赤茶色の柔らかな巻毛が特徴の美青年です。小さな頃から家族の影響を受け、クラシックバレエを習っていました。バレエの留学の際にペアを組んだパートナーを再起不能にしてしまい、やむなく帰国したモモは、さらにトラブルに巻き込まれます。

そして、ダンボールに捨てられ、行くあてをなくし、スミレに拾われます。スミレが昔飼っていた愛犬に似た雰囲気を持つモモは、本当の犬のように人懐っこく、明るい笑顔や態度でスミレを癒す存在となっていくのでした。

著者
小川 彌生
出版日
2002-04-09

ストレス過多なスミレの愚痴を、シャンプーされながら大人しく聞いてあげるなど、まさに癒しの存在である彼にキュンとするでしょう。

モモの愛情深く健気な様子は、本当に犬のようで、見る人のハートを掴んで放しません。

可愛いイメージの強いモモですが、物語が進むにつれ、徐々にスミレの恋愛対象として変化していきます。その変化は、可愛いイメージが強かったモモに、男らしさを感じさせるほどです。スミレに対する真摯な態度は、普段とのギャップを感じることができ、思わずグッときてしまうこと間違いないでしょう。

魅力3:リアルな恋愛の不器用さに共感!

 

『きみはペット』には、実はモモ以外にも魅力的なイケメンが登場します。蓮實滋人(はすみしげひと)は、スミレの勤務する巷談新聞社の外報部に所属する、東大卒のエリートです。さらに蓮實はそのスペックを武器に、スミレに強引に近づこうとします。

実は彼は、過去の恋愛で4回プロポーズしたことがありました。しかし、どれもこれもうまくいかず破局していたのです。恋愛中はかなり視野が狭くなってしまい、独りよがりな恋愛をしてしまうところがありました。その不器用さゆえの結果なのです。

 

著者
小川 彌生
出版日
2002-08-07

 

本作の主人公であるスミレも、現在はバリバリのキャリアウーマンですが、大学在学途中までは地味でダサい容姿をしていて、全然モテなかったのです。しかし、「このままではいけない」と親友に諭され、特訓の成果もあり、現在の才色兼備な姿へと進化しました。

リアルな恋愛の不器用さが垣間見えるのも、本作の魅力のひとつとなっています。誰もが憧れるような完璧な人たちの不器用な一面が見えて、途端に親近感が湧いてくるでしょう。

 

魅力4:最終回がまさかの展開!これがリアル?【ネタバレ注意】

 

物語が進むにつれて、恋愛模様はさらに複雑なものへと変化していきます。巷談新聞社の2階にある診療所で働く福島紫織(ふくしましおり)は、小悪魔系女子。金持ちの男ばかりを狙っていた紫織は、会社の飲み会で知り合った蓮實をターゲットに定めます。

蓮實と晴れて恋人関係となっていたスミレは、彼に迫る紫織の存在に脅かされ、複雑な心境を抱きはじめてしまい……。

 

著者
小川 彌生
出版日
2005-12-13

 

虎視眈々と蓮實を狙う紫織は、エリートイケメンなだけではない、蓮實本来の天然な一面や素の性格にふれて、本気で彼に惚れ込んでいってしまいます。

モモと暮らすスミレを脅しながら、狡猾なやり口で蓮實とスミレの仲をこじれさせていく紫織。そんなやり取りをくり広げながら、物語は終盤に近づくにつれて、最大の局面を迎えます。

物語終盤で蓮實からのプロポーズを受け入れたスミレですが、それと同時にモモにもプロポーズをされてしまい……。

蓮實と紫織に対して複雑な気持ちを抱いていたこと、また、モモの真摯な告白によって、スミレは自分の本当に気持ちに気づくのでした。

スミレの弱い部分を知っていて、落ち込んだ時にいつもそばに居てくれたモモ。スミレ自身に本当に寄り添っていてくれたのは、モモだったのです。

不器用な恋に、時には間違いを犯すこともあったキャラクターたちが、本当の気持ちに向き合った結果。それは、とても納得のいく結末といえるでしょう。ぜひ実際に読んで、確かめてみてください。

 

個性豊かなキャラクター、ドキドキするような胸キュン展開に、読みはじめたら目が離せなくなること間違いありません。ぜひ、めくるめくビターなラブストーリーに酔いしれてみてはいかがでしょうか?

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