ストーカー男とドルオタ女子の恋愛劇を描いた『からっぽダンス』!不器用同士なカップルのはちゃめちゃで甘々な様子は、笑いと胸キュンを届けてくれます。
ストーカー男が恋をしたのは美人なアイドルオタク。この記事では、濃いキャラクターたちが織りなすラブコメディ『からっぽダンス』全4巻のドタバタの恋愛物語の見どころと魅力についてご紹介します。
好きになり、追いかけ回しては振られる。おきまりのパターンを繰り返してなかなか幸せになれずにいた久我は、美人OLの月島に一目惚れをします。お得意のストーカー紛いなアタックを繰り返し、デートまでこぎつけた久我でしたが、月島に連れてこられたのは東京ドーム。なんと彼女は重度のアイドルオタクだったのです。
ストーカーとドルオタ。価値観のまったく違う2人によるドタバタの恋愛劇が始まります。
ストーカー体質のせいでまたも彼女に振られた久我は、高校の頃の後輩玉野をラーメン屋に呼び出して愚痴を聞かせていました。久我は好きだからこそ彼女を追いかけ回してしまうため、それがなぜ嫌われる理由になるのかまったくわかっていなかったのです。
自分の愛が伝わらない久我は「もうずっと1人でいい」と嘆きますが、新しい恋は唐突に訪れます。その時ちょうど来店した美人OL月島に一目惚れしてします。
月島にロックオンした久我は猛アタックを開始。止める玉野の言葉も聞かず、猛アピールしはじめます。
- 著者
- 阿弥陀しずく
- 出版日
- 2015-01-24
職業は警察官、癖はストーキング。愛ゆえに恋人を追いかけてしまいますが、追いかけられる側からしたら恐怖でしかなかったようです。「元カノがストーカー被害相談窓口にきた」という噂もあります。
そんな彼が新しく恋をしたのは、玉野が務める会社の派遣社員月島です。彼女も近頃失恋したばかりで、ラーメン屋に立ち寄ったのもやけ食いのためでした。そこで出会った久我を最初は不審に思っていましたが、白昼堂々自分を待ち伏せする彼に興味を持った彼女は、少しずつ久我を受け入れていきます。
そんな2人はさっそくデートをしますが、行き先はアイドルのコンサート。実は月島は重度のアイドルオタクだったのです。本来の自分を出してコンサートを楽しむ月島に、久我もはじめは圧倒されますが、徐々にそんな月島にも惹かれていきます。
コンサート中の月島に関す久我の感想の一つ一つが笑いどころとなるので、ぜひ注目して読んでみてください。
久我の告白のかいがあり、2人はめでたくお付き合いすることとなりました。意中の月島を射止めた久我は勤務中にもにやけてしまうほど幸せ全開ですが、月島の方はざっと10年ぶりの交際で、少し戸惑ってもいました。
それでも、タイプは違っても不器用同士な2人の仲は順調に深まっていきます。下の名前で呼び合うようになったり、はじめてのキスをしたり、カップルらしい甘いやり取りが増えていく様子は胸キュンものです。
しかし、思わぬ人物の登場で月島の気持ちに不安が過ぎります。久我の職場に、久我をストーキングする女子が現れたのです……。
- 著者
- 阿弥陀 しずく
- 出版日
- 2015-08-08
笑顔の可愛い署内のアイドル井出千代は、久我や月島に同じく近頃失恋したばかりでした。傷心しきっていた時、偶然出会って一目惚れした相手が久我だったのです。
久我のファンを自称する彼女の行動も、久我に勝るとも劣らないストーカーっぷり。尾行はもちろん、当たり前のように盗撮もします。そんな井出に惚気話や恋愛相談を持ちかける久我は、彼女の気持ちには一切気づいていない様子。
しかし久我は、会話に花が咲いて井出と顔を近づけあってしまった瞬間を、月島に見られてしまったのです。ただえさえ自信がなく恋愛に消極的な月島は久我に疑いをもつようになってしまいます。
この後、月島の誤解を解こうとする久我の、ストーカーにしかできない行動は必見です。今までの彼女は彼のこういうところに恐怖して去っていったのかもしれない、そんなことを思わせる2巻となっています。
誤解を解くため、月島の家を突然訪問した久我。まず「なんで家を知ってるの」と月島は怒りますが、玉野から久我の習性はさんざん聞かされていたため、ひとまず心を落ち着けました。
突然とはいえ家に来られてしまった月島は、緊張しながら久我を部屋に招き入れます。この緊張は初めて彼氏を部屋に呼ぶからではなく、アイドルオタクな自分のプライベートを見せることからくる緊張でした。
そこで、井出が久我を好きなのではないかと月島は問いますが、久我は思わずドキッとしてしまう言葉で月島への愛を証明するのです。
- 著者
- 阿弥陀 しずく
- 出版日
- 2016-05-07
一途さが溢れるセリフは、ストーカーな久我が言うからこそさらなる説得力を持って月島に届きます。普段は変態的な要素の方が目立つのに、ここぞという時にはちゃんと男らしさを感じさせてくれるのは、久我の魅力の一つです。
さらに3巻では、ある驚きの人物と久我が友達に!パトロール中の久我がふと路地裏を見ると、奥で男女がもめているのが見えました。不穏な空気を感じで近づくと、男性が久我に助けを求めたのです。その相手は、なんとアイドルグループ「BLT」のメンバー・尚也だったのでした。
尚也は月島の推しです。久我は「月島の好きなアイドル」ということ以外は特に尚也に興味はありませんでしたが、尚也の方はなぜか久我を大変気に入り、連絡先を交換して飲みにも誘うようになります。こんなことを月島が知ったらどうなってしまうでしょう……。
この尚也が、ことごとく久我と月島の仲を邪魔することとなります。最悪のタイミングで電話やメールをよこし、そのたびに怒り狂う久我の姿は笑えるポイントです。
なぜか尚也にすすめられ、久我は月島と2人で鎌倉に旅行に来ていました。初のお泊りデートで、もう一歩関係を深めたい久我は期待していましたが、なんと尚也もロケで鎌倉に来ていたのです。旅行先で憧れのアイドルを見つけ、目まであってしまった(本当は久我を見た)月島は興奮して倒れてしまいます。尚也のせいでせっかくのお泊まりデートは台無しに……。
後日、埋め合わせのために月島が提案したお泊まりデートも、尚也が久我に連絡をよこしたせいでダメになり、月島はまたもや自信を失ってしまいました。30代も目前で、この先新しい恋をする自信もない月島は、自分の将来にどんどん悲観的になっていきます。
しかし、そんな彼女の心配とは裏腹に、久我のプロポーズ作戦は始まっていたのです。
- 著者
- 阿弥陀 しずく
- 出版日
- 2016-12-08
お付き合いをはじめて半年程度ですが、「時間は関係ない」と言い切る久我は月島に思いを伝えるために準備を進めます。誕生日に指輪のサイズ、好みなど、月島本人に聞いていないはずの情報がすべてインプットされているあたり、さすがの一言です。
最初のチャンスは月島の誕生日。ディナーに誘い、雰囲気も完璧な中でプロポーズしようとしますが、なんと側のテーブルで別のカップルがプロポーズを行なっていたためにタイミングを逃してしまいます。
出鼻をくじかれた久我がリベンジの場所に選んだのは、2人が初めてデートをした東京ドーム。はじめて2人でコンサートを楽しんだ場所でなら、プロポーズが成功すると考えたのです。
しかし、東京ドームとは本来野球が行われる場所。久我と月島が訪れたその日もドームは野球ファンで賑わい、プロポーズどころではありません。少し考えればわかるはずなのになぜ気づけなかったのかと久我は動揺し、放心状態になって何度も電柱にぶつかりながら歩きました。
その時、久我のポケットから何かが落ちます。月島はそれが指輪だと気づいてしまったのです……。
言葉にされる前にプロポーズされたも同然な月島の、口に出せないツッコミの嵐。肝心なところで失敗してしまう久我に呆れてしまいます。ただ、呆れながらも幸せそうに笑う月島の表情は、読者にも幸せをわけてくれます。
さて、指輪を落としたことに気づかない久我はこのプロポーズをどう締めくくるのでしょうか?ストーカー体質な久我は、愛する月島を追いかけ続けることができるのでしょうか?2人らしい、納得のラストは必見です。
- 著者
- 阿弥陀しずく
- 出版日
- 2015-01-24
アイドルオタクをこじらせまくったヒロインに、警官にもかかわらずストーカー気質をもっているヒーローの恋愛物語。癖が強い、でもどこか純真なふたりの恋にきゅんとしてしまいます。
個人というものが意識され、認められ、ますます自分の趣味や癖に没頭する人の増えている昨今。誰かといる煩わしさを感じるくらいなら、自分の好きなことに没頭できる方がいい、と思う方も多いのではないでしょうか。
本作に登場するふたりも、ある意味そんな「自己中」とも言えるところがある人物。ひとりは目の前の相手よりもアイドルに本能的に反応してしまうし、ひとりは相手のことを考えない一方的な愛を持っています。
そんなふたりですが、決して相手をあきらめないというところに勇気付けられます。自分の好きなこと、性格を曲げたくないけれど、好きな人といる時間も大切にしたい、という欲張りな様子には、どちらも諦める必要ない、そのままでぶつかりながらも日々を過ごすこともできるのだと感じます。
ぜひ、自分の性格や恋愛に「これでもいいのかも」と勇気付けられるラブストーリーを読んでみてください。
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久我は過去の彼女を悩ませるほどのストーカー男ですが、それだけ一途だと思えば素敵な男性です。自分に自信のない月島にとって、とてもよい恋人かもしれません。笑いありトキメキありの本作を、ぜひ読んでみてください!