漫画『ボイスカッション』の魅力をネタバレ紹介!声優は熱い

更新:2021.12.3

声優の才能を開花させた主人公が「声霊」を目指し、トップへの道を駆け上るサクセスストーリー『ボイスカッション』。声優ファンにとっても、声優業界に興味をお持ちの方にとっても興味深い内容となっています。 この記事では物語の魅力と見どころについてご紹介しましょう。

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漫画『ボイスカッション』が面白い!声優業界のリアルを描いたサクセスストーリーの魅力をネタバレ紹介!

『ボイスカッション』は、声優の才能を持って生まれた主人公が苦悩と成長を繰り返し、限られた声優のみがなれる「声霊(せいれい)」を目指していく物語です。声優とはなにか、声で魅せるとはどういうことかを教えてくれます。

毎日のように面白いアニメが放送される現代、声優業界に興味や憧れを感じる人はたくさんいると思います。そんな方々にとって本作は、声優という仕事の魅力ややりがいをあらためて知るため、そしてプロへと続く厳しすぎる道のりを知るために有用な作品となるでしょう。

この記事では、そんな『ボイスカッション』のあらすじと魅力、見どころについてご紹介したいと思います。

著者
["棚橋なもしろ", "小金丸大和"]
出版日
2016-02-05

『ボイスカッション』は声と声が繋ぐ人々の関係を描く!【あらすじ】

尊敬していた人気声優の父から「お前の声が憎い」と首を絞められた出来事以来、大好きな芝居から離れてしまった女子高生の日向琴里(ひむかいことり)。表舞台に立つことを避けるも、親友から演劇部に誘われ続けていた彼女は、「区民文化祭特別公演」を間近に控えた演劇部の雑用係を引き受け、裏方として協力していました。

そして迎えた公演当日、役者の生徒が会場へ向かう途中で事故に遭うというアクシデントに見舞われます。その部員の代役に選ばれたのが琴里です。

自分の声が父を傷つけたという過去を忘れられない琴里は出演を断りますが、彼女は、この日のために部員たちがどれだけの練習を積んできたかも知っていました。「皆が一生懸命作り上げてきた舞台を無駄にしたくない」。そう強く思った琴里は公演を成功させるため、意を決してマイクに向かいます。

著者
["棚橋 なもしろ", "小金丸 大和"]
出版日
2016-03-05

声優業界のリアルに引き込まれる!

「本格派声優ドラマ」の本作で描かれるのは、夢見るだけでは絶対になれないという声優業界のリアルです。どこまでもシビアで、時には「汚い」業界の真実が明かされます。

琴里が代役として参加した区民文化祭特別公演の客席には、大手声優プロダクション社長の高杉の姿がありました。彼からスカウトを受けた琴里は事務所の特待生の座をかけたオーディションに挑みます。会場に到着した琴里が見たのは、100人を優に超える応募者たち。こんなにも多くの人が声優を目指しているのかと圧倒されるのでした。

しかし、現代の日本で声優を目指している人々は推定30万人以上と言われています。その中で、声優業のみで生活していける人の割合は0.001%。オーディション会場に集まった人の多さに琴里は驚きましたが、そのごった返した会場の中からでも、将来声優になれる人は1人として現れないかもしれないのです。

出典:『ボイスカッション』1巻

声優としてデビューした後も、それだけでは小遣い程度も稼げません。生活していくためにはアルバイトなどでの収入の確保は必須です。多忙を極めるなかでも休まず努力を重ね、ライバルたちと「番組レギュラー」、「レギュラー」、「主役」の座をかけて競い続けます。

たとえ「主役」の座を勝ちとったとしても、役に人気が出なければ次の仕事に繋がらず、アニメ放送の終了とともに職を失います。さらに、毎年声優希望者が押し寄せるたびにライバルは増え続け、最後まで結果を出せなかった人々は、もう業界では相手にされません。プロ声優への道は閉ざされたも同然になるのです。

「この声優界は 実力だけではどうにもならないんだよ」(『ボイスカッション』1巻から引用)

こう断言する高杉は、実ははじめから琴里を特待生として迎え入れるためにオーディションに招待しました。すでに出来レースを用意していたのです。才能を感じられた人物に目をつけ、その人に実力が伴っていようがいまいが、事務所の営業力をもって人気声優へと押し上げていく。そんな声優の努力を無視したやり方が、高杉流のプロデュースだったのです。

並大抵の覚悟では生き残ることができない声優業界。それでも、夢の溢れる世界であることも確かです。本作を通して、そのシビアな世界を疑似体験してみてはいかがでしょうか?

「声霊」を目指す少女のサクセスストーリー!

声優の才能を持って生まれてきた少女、琴里。幼い頃からすでに「声霊」の片鱗を感じさせてきた彼女は、人気声優である父の収録現場に同行し、マイクに向かう父の背中を見て、自分もいつか声優になるんだと夢見ていました。

そんな琴里に父が放った「お前の声が憎い」という言葉。その日から父は失踪してしまいます。声優として高みを目指し続けるも、自分の限界も感じ始めていた彼は、才能の塊である実の娘への嫉妬心を抑えられなくなってしまったのです。

この出来事は「プロの声優が琴里の才能を認めた」という意味にもなりますが、幼い琴里にそんなことはわかりません。この悲しい過去は彼女のトラウマとなり、声優という夢を閉ざさせたのでした。

著者
["棚橋なもしろ", "小金丸大和"]
出版日
2016-06-03

しかし演劇部の舞台に参加したことをきっかけに、オーディションという形で声優業界に足を踏み入れた彼女は、その日から本気で「声霊」を目指し始めます。「俺がお前を声霊にしてやる」。そんな高杉の誘いも蹴って、自分の力で夢を叶えると心に決めたのです。

「大人の事情」で溢れる業界で、琴里は理不尽な理由からつまづかされたり、高い壁に立ち塞がれたりします。なかなか思い通りにいかない悔しさから涙を流す日もありますが、今度こそ夢を諦めないと誓った彼女は何度転んでも立ち上がるのでした。

父の教えを大切にしてきた彼女は時折、圧倒的な才能でライバルたちを圧倒します。声から「イメージ」をくっきりと連想させ、その場の雰囲気を空間ごと作り変えてしまう様子は圧巻です。声優界の頂点を目指す琴里のサクセスストーリーを、ぜひその目で見届けてください。

ライバル?仲間?ストイックに声優を目指す少年、藤堂清正がかっこいい!

ライバル?仲間?ストイックに声優を目指す少年、藤堂清正がかっこいい!
出典:『ボイスカッション』1巻

藤堂清正(とうどうきよまさ)は、琴里が初めてのオーディションで出会った声優志望の少年。才能がモノを言う業界の厳しさと仕組みを知っていたらしい彼は、琴里と初めて出会った時に「夢を潰されたくないなら帰った方がいい」と忠告しました。

素人臭さが抜けない周囲のライバルたちと比べ、清正の演技は基本が備わった目を引くもの。実は彼はかつて「声霊」と呼ばれた伝説の声優鍵山太郎(かぎやまたろう)の弟子だったのです。

初めてのオーディション以降、琴里の才能と「何が何でも声優になる」という信念を知った清正は時に助け合い、時に競い合うよい仲間となります。また琴里にとって清正は、同年代の声優志望者の中で最も「魅せる声」で演技できる、尊敬の対象でもあるのです。

そんな彼と琴里は4巻ではライバルとして、大手声優プロダクション「コズミックヒーロー」のオーディションで激突します。才能の琴里と経験の清正。ここまで互角の戦いをしてきた2人の決着の瞬間を、ぜひその目で確かめてください。


本作の内容に描かれていることに、きっとオーバーな内容はないのだと思います。現在声優として活躍されている方々は、いくつもの苦難を乗り越えて今のキャリアを築かれたのでしょう。声優のアツさを感じられる物語を、ぜひ読んでみてください!

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