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『ちはやふる』好きにおすすめの漫画5選!

更新:2020.11.24 作成:2017.11.22

漫画の中には、男女の別なく夢中にさせてくれる作品というものがあります。少年少女がひたむきに何かに取り組む姿が、性別や世代を超えて大きな感動を生むのです。今回は登場人物が青春にひた走るおすすめ漫画を5作品ご紹介したいと思います。

剣道とはひと味違う! 薙刀女子の気合い一閃

小柄で非力なメガネ女子の東島旭(とうじまあさひ)は、二ツ坂高校に入学したばかりの1年生です。文化系からの脱却を目論んでいた彼女は、部活オリエンテーションで薙刀部と運命的に出会います。薙刀は競技人口の少ないマイナースポーツ。ほんの少しの努力で全国に手が届く、と先輩に誘惑されて、旭は入部を決意しました。

旭を待っていたのはつらい鍛錬の日々でしたが、仲間との絆を深めつつ、彼女達は徐々に薙刀の魅力にはまって強くなっていくのでした。

著者
こざき 亜衣
出版日
2011-04-28

本作は2011年から「ビッグコミックスピリッツ」で連載されているこざき亜衣の作品。

本作を一言で表すなら、熱血スポ根女子高漫画、でしょうか。舞台となる二ツ坂高校は元々女子校で、現在は共学となっていますが、それでも割合としては女子が大半。登場するのもほぼ女生徒ばかりで、女子校と見紛う状況です。女子薙刀がメインなので、対戦相手も当然女子。

そういうわけで、ノリは女子校のそれ。と言っても、余人がイメージするお淑やかなお嬢様学校ではなく、女子だらけゆえの気さくな開けっぴろげさという意味ですが。それを踏まえた上での運動部となっており、かなり体育会系。女子と思って甘く見てはいけません。

登場人物の誰もが生き生きとしているのが特徴。例えば薙刀部のエースにして、厳しい先輩となる宮路真春(みやじまはる)は旭の理想です。同級生の紺野さくらや八十村将子(やそむらしょうこ)は同年齢の気楽さで刺激を与え合う仲。特に八十村は薙刀初心者ながら剣道経験者なので、旭にとって良い刺激となります。

そしてライバルとなるのが、読者にも強烈な印象を与える孤高の秀才、一堂寧々(いちどうねね)。

彼女達の切磋琢磨し、勝って喜び負けて涙する様子が、この上なく熱いのです。もう1つ忘れてはいけないのが、女子だらけの本作における清涼剤的な存在、真春の弟である宮路夏之。旭と彼の淡い交流も、本作がただのスポーツ漫画に終始しない、青春モノたる所以です。

一見可憐な女子が本気で取り組む真剣スポーツ、薙刀。友情と努力と勝利、あるいは苦い敗北。その全てが詰まった熱い作品です。

書道一直線! 文化系青春漫画

カナダ帰りの帰国子女、大江縁(おおえゆかり)は入学式で隣になった望月結希(もちづきゆき)に一目惚れします。ところが経歴の反面、冴えない容姿と性格で早くも浮き気味。縁の入学した鈴里高校の書道部は廃部の危機にあって、たまたま目を付けられた彼は2年生の加茂杏子(かもきょうこ)らの策略で書道部に入ることになります。

後日、部活の最中にパシリを命じられた彼は、不良に絡まれる結希を見て割って入ろうとしますが……彼女は柔道部のホープでした。縁は助けるどころか、結希の技に巻き込まれて骨折してしまいます。そこで書道部の面々は一計を案じ、怪我を負わせた罪滅ぼしにと、彼女へ部の掛け持ちを持ちかけるのでした。

こうして初心者2人の書道が始まっていきます。

著者
河合 克敏
出版日
2007-05-02

本作は2007年から「週刊ヤングサンデー」で連載されていた河合克敏の作品。

連載こそ青年誌ですが、中身は少年漫画の王道的青春ラブコメとも言うべきものになっています。書道という堅苦しい題材を取っていますが、本編は基本的に明るくて緩く、非常に読みやすくて面白い作品です。

主人公の2人は書道初心者ですが、それぞれ方向性が違って個性的。縁は高校まで8年間カナダにいた帰国子女なので、日本の常識に疎い少年です。だから書道で重要になる字も下手なのかと思いきや、これが達筆。実は日本の祖母と文通を続けていたため、硬筆に限って言えばかなりの腕前なのです。

一方の結希は容姿端麗なのですが、なよっとした縁とは正反対で男勝りの女傑。彼女自身ガサツなことを気にしており、書道部の掛け持ちを決めたのも繊細な字を覚えたいと願ったためでした。

そんな彼らがしたためる書道はまさに一長一短。繊細でも力強さのない縁と、豪快で迫力はあっても丁寧さに欠ける結希。彼らが自分の課題と向き合い、克服していくところが描かれます。

本作では書道を扱うだけあって、それに関する知識が頻繁に登場します。書の起源である中国のことから、日本のことまで幅広く紹介され、書道自体に興味がなくとも雑学として楽しむことが出来るでしょう。そこかしこに笑いの小ネタが挟まれているので、まったく退屈しません。

劇中に登場する書は名のある作品だけでなく、実際に現役高校生や書道家から募ったものが多いです。本作を通して書道に触れていくと、それらの作品の良さを窺えるようになって、感動を覚えるでしょう。

青少年の出会いと成長が描かれた、まさに王道と言える漫画です。

クイズは頭脳スポーツ! 新世代熱血知的スポ根

主人公の越山識(こしやま)は文蔵高校に入学したての少年です。彼は新入生歓迎会でなし崩し的に「クイズ研究会」の早押し大会に参加します。最初は戸惑うだけの識でしたが、同じ参加者でクイズ経験者である深見真理を見るうちに、早押しのコツを見抜きました。そして遂に、誰もわからない超難問に見事正解するのです。

独力で正解に辿り着いた感動はひとしおでした。識はクラスメイトだった真理に誘われて、クイズ研究会へと入ります。彼はそこで、これまで知らなかった競技クイズの世界に魅入られていくのでした。

著者
杉基 イクラ
出版日
2011-05-02

本作は2010年から「ヤングエース」で連載されている杉基イクラの作品。

タイトルの『ナナマルサンバツ』とは、早押しクイズの形式「7問正解で勝ち抜け、3問誤答で失格」を意味する「7○3×」という用語に由来しています。

競技クイズとは耳慣れない言葉かも知れません。我々がクイズと聞いてイメージする早押しは、競技クイズのルールの1つ。問題に対して答えるのが普通にクイズですが、競技クイズとは様々なルールに則って解答者の優劣を決める、頭脳スポーツの一種と言えるでしょう。

本作はそんな競技クイズに情熱を注ぐ中高生達の物語です。彼らは日々、部活動で夏の全国大会「SQUARE」を目指して研鑽を積んでいきます。その中で競技クイズの基礎テクニックや、裏情報が描かれるのですが、これが面白い。クイズにおいて知識はもちろん重要ですが、出題者の意図を読むのが大切だということがわかるでしょう。

主人公は文学少年の識ですが、登場人物のほとんどが主役級の背景を持っており、それに相応しい活躍をします。脇役はほんの一握り。登場するライバルは全て主人公と言っても過言ではありません。彼らが鎬を削って難問に挑む姿は、思わず手に汗握ってしまうことでしょう。

解答に至るプロセス、導いた論理が筋道立っているので、結果が正解でも不正解でも熱くさせられます。

クイズを通した熱く爽やかな青春、0.1秒を競う一瞬のきらめきと閃きがここにあります。

17の語に想いを乗せて、目指せ俳句甲子園!

主人公の久保田莉央は日々を無気力に過ごす今時の男子高校生でした。彼はある日、街中で偶然出会った少女、錦織綾に一目惚れします。

綾が俳句をやっていると知った莉央は、学校の違う彼女と接点を持つために俳句愛好会へ入部。そこは3年生の森と、同級生の山本春樹しかいない弱小クラブでした。俳句の基礎も知らなかった素人の莉央ですが、やがて仲間と共に俳句甲子園を目指し始めます。

著者
アキヤマ 香
出版日
2013-06-17

本作は2012年から「JOURすてきな主婦たち」で連載されていたアキヤマ香の作品。

俳句は日本人であれば、なんらかの形で一度は耳にしたことのある文芸でしょう。「5・7・5」という決められた文字数で、季語を入れ込んで詩の形にする、というルールはご承知の通り。

文芸という性質ゆえか、どうしても堅苦しく、古くさいイメージが付いて回ります。それを敢えて少女漫画のテーマに据えて、高校生の青春にフォーカスしたのが本作。デジタルな傾向の若者とアナログ俳句の相性が悪いかと思いきや、意外とマッチしています。

考えて見れば、デジタル世代の使うツールであるTwitterやSMSサービスは文字数制限があるのが普通。短い文章の中で思いを伝える、というのは普段からやっていることなのです。

それでも17文字というのはいかにも短いです。しかし、その短い中に、豊かな想像力で色を与えるのが俳句の魅力。作中の句は俳人佐藤文香が監修しており、キャラに合わせたオリジナルの俳句が詠まれています。個々の性格が反映されていて、その違いも見所。

彼らが目指す俳句甲子園。そこではチーム対抗で俳句を詠むのですが、お互いのディベートによって優劣を競います。単に詠むだけでなく、詠まれた詩を理解して批評するのも評価点となっていて、そういった部分は他のジャンルとは違った目新しい面白さがあります。

ともすれば乱暴で不作法な言葉が飛び交う世の中ですが、作中の高校生達は俳句を通じて瑞々しく清々しい言葉を紡いでくれます。青春を繊細で奥深い俳句の彩る様が描かれて、爽やかな読後感を楽しめるでしょう。

今なお続く名作! 華やかな演劇世界の舞台裏

主人公北島マヤは容姿も生活も平凡な少女でしたが、一度目にした芝居や台詞を正確に記憶するという特技を持っていまいした。それは役柄を深く理解し、まるで取り憑かれたように演じられるという、希有な才能でした。

大女優、月影千草(つきかげちぐさ)は自身の演じた名作「紅天女」の主演を再び任せるに値する才能を探していました。マヤの演技を偶然目撃した彼女は、その恐るべき才能を見抜きます。

演劇の楽しさに目覚めたマヤは家出をし、月影の興した「劇団つきかげ」に身を寄せて、女優への道を歩んでいくのでした。

著者
美内 すずえ
出版日
1976-04-20

本作は1976年から「花とゆめ」、2008年からは「別冊花とゆめ」で連載されている 美内すずえの作品。既刊49巻、42年経った現在でも継続している長編演劇漫画です。おそらく聞いたことがないという方いらっしゃらないのではないでしょうか。あらためて簡単に説明しますと、本作は主人公である平凡な少女マヤが演劇の才能に目覚めて、大きく成長していく物語です。

従って、主に取り上げられるのはマヤの舞台女優としての活躍。本作では劇中で舞台演劇が多数演じられます。「椿姫」や「たけくらべ」、「嵐が丘」に「奇跡の人」など。一般に有名なのは「若草物語」でしょうか。これらの実際の劇から、作者オリジナルのものまで様々です。あまりにも本格的なこれらは、現実の舞台公演のようにも思えます。

面白い、と書くと語弊が生まれるかも知れませんが、そんなリアリティ溢れる舞台に立つのが、平凡なマヤだというギャップが見所。一度演技に入れば見目麗しい王女役を演じきる彼女が、日常ではどうしようもないほど平凡というのが凄いのです。それはまさに取り憑かれたかのよう。

そしてまた1つの魅力としては、そんなマヤの恋愛があります。「足長おじさん」のように立ち回る「紫のバラの人」こと速水真澄。表では立場上マヤの邪魔をする彼が、裏では彼女の熱演に惚れ込んで後援するという、その二面性。冷酷な彼が如何にマヤを愛するようになるか、マヤがどう応えていくのかが見物です。

連載40年を越えていよいよ最終章に向かっているというこの大作。長編傑作の結末が待ち遠しい限りです。

いかがでしたか? どの作品も一度読み始めれば止まらない名作揃いです。うっかり実生活を忘れないようにご注意ください。