「ウソと本当を聞き分ける耳」を持つ探偵が、昭和の町でおこる数々の事件を解決する推理漫画『嘘解きレトリック』が、2018年現在マンガアプリで無料公開中です!この記事では、物語をさらに面白く読むための注目ポイントについてご紹介いたします。
本作の舞台は昭和の町。レトロな世界観と昭和ならではの設定が特徴的な推理漫画です。ウソと本当を聞き分けてしまう耳をもったせいで、故郷を去ることになってしまった主人公は、たどり着いた新しい町で「探偵」として活躍します。
人を騙すため、自分を守るため、はたまた誰かを幸せにするためなど、本作にはたくさんの種類の「ウソ」が登場します。そのウソが何のために言われたことなのか、あなたは見破ることができますか?この記事では物語の魅力と見どころ、最新9巻(2018年3月現在)の注目の展開をご紹介します!
- 著者
- 都戸利津
- 出版日
- 2013-06-20
時は昭和初期。「ウソと本当を聞き分けられる耳」を持ったせいで故郷の人間に気味悪がられ、親元を去ることとなった少女浦部鹿乃子(うらべかのこ)は「九十九町(つくもちょう)」へとやってきました。1人で暮らしていくため、まずは職を探さなければなりませんが、なかなかうまくいかず、猫と煮干しを取り合うほどの貧困生活に陥ります。
そんな彼女を見つけたのは青年の祝左右馬(いわいそうま)。九十九町で探偵事務所を営む彼は、鹿乃子の能力を「探偵として便利すぎる」と言って自分の助手に雇ったのでした。「耳」と「推理」で事件を解決する、探偵コンビの誕生です。
ウソを見抜けるかどうか、これは謎解きにおいて最も重要な能力だと言っても過言ではありません。しかし「ウソが聞こえる耳」をもった主人公がいたらすべての事件は簡単に解決し、味気ないものになってしまう気がしませんか?
たしかに、物語において鹿乃子の能力は非常に重要な役割を持ちます。しかし、彼女の耳だけで事件が解決できるかと思えば、決してそんなことはないのです。
鹿乃子が初めに関わった事件は、定食屋の息子たろちゃんの失踪事件でした。女将さんから知らせをうけた鹿乃子は町中をしらみ潰しに探そうとしていたようですが、左右馬はすぐにたろちゃんの居場所に見当をつけます。
彼は、鹿乃子は煮干しを取り合っていたネコが首に巻いていた布が、定食屋で使われている手ぬぐいと同じ色だったことを記憶していたのです。つまりあの猫の面倒を見ているのはたろちゃん。ならきっとその付近にいるのだろうと予測したのでした。
その後、たまたま側を通りかかった男が言った「子供は見ていない」というウソを鹿乃子が見破ったことで、古屋に閉じ込められていたたろちゃんを発見し、事件は無事解決します。左右馬の推理と鹿乃子の能力の連携プレーです。
このように、推理力がなければ「ウソ」までたどり着くこともできない、という部分が本作を見応えあるものにしています。この先さらに巧妙なトリックを含んだ難事件が発生する本作は、推理好きにはたまらない物語だといえるでしょう。
祝探偵事務所に雇われた鹿乃子は、上司となった左右馬と協力して数々の事件を解決へと導いていくわけですが、ここで注目せずにはいられないのが2人による恋愛模様です。
ボケとツッコミという意味で相性ぴったりな左右馬と鹿乃子は、はたから見れば漫才コンビのよう。しかし自分の前で嘘をつかず、特殊な耳を持っているからこその苦しみもわかってくれている左右馬を鹿乃子は尊敬し、また能力を決して悪用せず、人助けのためだけに発揮する鹿乃子のことを、左右馬も信頼していました。
その信頼関係が少しずつ恋心へと変化しはじめると、鹿乃子は左右馬との距離の近さにドキドキしたり、「左右馬先生が美人を連れて歩いていた」という噂話を聞いて少しの動揺と嫉妬を見せたりと、どんどん乙女らしい反応を見せます。
一方の左右馬も、鹿乃子が時折見せる笑顔に釘付けになったり、時々無茶をする彼女を心配ゆえに叱ったりと、確実に鹿乃子に思いを寄せていっていることがわかります。ただ左右馬の方は鹿乃子相手に気持ちを隠す嘘などはつけないので、大変そうですね。
付かず離れずな関係を保つ2人ですが、物語が進むにつれてたくさんの人と関わりを持ち、鹿乃子や左右馬に思いを寄せる人物も現れます。その時2人はどうするのか、奥手同士のドキドキな恋愛展開に期待大です!
左右馬の義姉である佐伯澄子(さえきすみこ)が、ある日男性からウソの告白を受けるという出来事がおこりました。男性が何のためにそんなことをしたのかというと、ある女性からの依頼だったのです。
澄子は由緒正しき佐伯家の正妻。その座に自分が着こうと企んだ人物が彼女のもとに男を送り、駆け落ちを装って澄子を佐伯家から離すよう指示したのでした。この計画を、鹿乃子の能力によって事前に知ることができた探偵コンビは、澄子から「首謀者の特定」というミッションを依頼されます。
容疑者に近づくため、2人が乗り込むのは澄子たちも招かれている園遊会。失敗すれば澄子の命にもかかわる難事件に挑みます。
- 著者
- 都戸利津
- 出版日
- 2017-05-19
左右馬が容疑者として睨んだのは、兄篤嗣(あつし)と縁談があった女性たち。その全員と直接会って左右馬が質問し、鹿乃子が「ウソを聞く」という作戦です。いくつもの事件を乗り越えてきた2人は、役割分担もすでに完璧です。
作戦は見事に成功し、ある意外な人物が犯人だったと発覚します。しかし、澄子は犯人を一度は許してしまうのでした。この時の澄子にはどんな思いがあったのでしょうか?
ただ事件はここで解決になりません。見逃されたにも関わらず犯人は澄子の毒殺計画を企てます。劇薬を仕込まれたその飲み物は一口でも飲めば命の危機です。左右馬と鹿乃子はこの企みを見破り、澄子と佐伯家を救うことができるのでしょうか?
この事件の気になる結末は、ぜひ8巻を手にとって確認してください!
左右馬と鹿乃子が電車で移動していたとき、乗り換え駅で突然鹿乃子が何者かにさらわれてしまいました。一体犯人は誰なのか?そして、左右馬は鹿乃子を助けることができるのでしょうか。
鹿乃子を連れ去ったのは、史郎という男でした。彼は鹿乃子と同じように、嘘を見抜くことができる能力を持っていました。その能力のため、育ての親から捨てられてしまい、不遇の幼年時代を過ごしています。そんな彼のもとにやってきたのが武上。史郎は武上のもとで世話になるのです。
武上に拾われてからは、伯爵と手を組んで、嘘が見抜ける能力を使って詐欺をはたらきます。しかし、突然なぜかその能力が消えてしまうのです。その後史郎は、武上から逃げろと言われ、命からがら逃げ出しました。
武上は、詐欺の容疑で刑に服していました。すでに出所していたのですが、病にかかっていたため、療養中。史郎は、彼があのとき「逃げろ」と言った本当の気持ちを知りたかったため、嘘を見抜ける鹿乃子を誘拐して、調べようとしていたのです。
- 著者
- 都戸利津
- 出版日
- 2017-12-20
史郎の過去によると、嘘を見抜ける能力は突然消えるものである可能性が浮上してきました。鹿乃子の能力も、いずれ消えてしまうものなのでしょうか?
もしその能力が消えてしまったら、左右馬から追い出されてしまうかもしれない……。そんな不安が鹿乃子によぎったのが伝わったのか、左右馬は「能力がなくなっても追い出したりしない」と安心させます。仕事上での絆なのか、恋愛感情なのか、はっきりとしない部分ではありますが、2人の間には着実に深い信頼関係が築かれていることは感じられるでしょう。
『嘘解きレトリック』は推理も恋愛も、その他の感動的な人間ドラマも、すべてが見どころの漫画です。ぜひ、アプリで無料で読めるこの機会にチェックしてみてください!