漫画『ノブナガン』が面白い!全巻の見所ネタバレ紹介!【アニメ化】

更新:2021.11.12

歴史上の偉人たちの「E遺伝子」を使い、特殊能力を駆使して人類の敵である「進化侵略体」と戦うさまを描いたSFアクション漫画『ノブナガン』。ヒーローものだけど、主人公はふつうの女子高生という異色の設定も話題です。この記事では、そんな本作の魅力を全巻分ご紹介していきます。

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漫画『ノブナガン』が面白い!魅力を全巻ネタバレ紹介!

 

本作の主人公は、ごく平凡なミリオタ女子高生・小椋しお。台湾での修学旅行中に、謎の「進化侵略体」と「E遺伝子ホルダー」の戦いに巻き込まれたことから、彼女自身も苛烈な戦闘へ立ち向かうことになります。

そのなかでしおは、自らの中に眠っていた遺伝子上の「織田信長」として覚醒。超攻撃型の武器を駆使して、202体の敵を掃討することに成功するのです。

その功績が認められ、国際的な防衛組織「DOGOO(ドグー)」に所属することになり、コードネーム「ノブナガン」として活動することになりました。

さまざまな試練を乗り越えながら成長していき、ときには恋模様も描かれます。果たして彼女の運命はどこへ向かっているのでしょうか……?

正統派バトルアクションとして、ストーリー展開はもちろん、圧倒的な強さを誇る敵に少数の超人が立ち向かう戦闘シーンの構図や迫力満点な描写も魅力です。

 

著者
久 正人
出版日
2012-02-10

織田信長の遺伝子を継ぐ女子高生【1巻】

織田信長の遺伝子を継ぐ女子高生【1巻】
出典:『ノブナガン』1巻

1巻では「切り裂きジャック」「ガンジー」「ニュートン」など偉人の遺伝子を受け継いだ「E遺伝子ホルダー」が登場。彼らはみな防衛組織「DOGOO」に所属しており、しおの仲間としてともに訓練し、戦います。

戦士たちは平時には本名で呼ばれ、遺伝子のルーツである偉人の名前を使ったコードネームを使うのは任務中のみのようです。

少しずつ世界観が明らかになる本巻の見どころは、しおが心情を吐露する場面でしょう。多くのバトル漫画では、主人公たちは人類や地球を守るために勇気いっぱい立ち向かいますが、彼女は「怖い」と口に出すのです。

「怪獣もこわいし 世の中の期待も周りの人の言う事もみんなこわい」
「突然自分が別の何かになったって言われて」
「自分が何者かだって分かんなくなって…」
「こわいよ だって私ただのガキだよ」(『ノブナガン』1巻より引用)

世間の期待が怖いという彼女のセリフからは、人間らしいリアリティが感じられるでしょう。それまで普通の生活を送っていたのにある日突然怪獣が現れ、しかも自分が戦わなければいけなくなったので、恐怖を抱くのは当然かもしれませんね。

そんなしおに、同級生の浅尾かおるはこう伝えるのです。
 

「たとえ耐えきれなくなったって全部投げ出して逃げたって」
「私が命をかけてしおちゃんをかばうよ」
「友達だもん」(『ノブナガン』1巻より引用)

浅尾の想いに答えるかのように前進するしおの姿は、どこか勇ましく見えます。これからの活躍に期待できますね。
 

稀有な戦闘センスの発露【2巻】

著者
久 正人
出版日
2013-01-12

 

1巻のラストでちょっぴり気になる存在になった「切り裂きジャック」ことアダム。白い髪の毛をした青年です。彼と同じ第二小隊に配属されたしおは、その戦闘スキルの高さで徐々に頭角を現していきました。

2巻では、進化侵略体を解剖する「ジョン・ハンター」、安楽椅子に座って考えを巡らせる「ヴィドック」など新たな人物が登場するほか、「ニュートン」がキス魔なことも発覚。戦闘シーン以外でも人間関係が展開していきます。

しかし注目はやはり、しおの戦闘能力が花開く戦いの場面でしょう。

イカのような姿をした進化侵略体の、2本の足を囮にして母船を攻撃するという狙いにただひとり気付いたしお。ですが元来のコミュ障と半人前の実力に遠慮して、仲間に意見することができずにいました。

迷っているうちに、イカの頭から発射された自爆型の虫が飛んできます。絶体絶命かと思ったその時、「ノブナガン」ことしおが母船の前に立ちはだかり……。

手に汗握る、白熱のバトルシーンを見逃さないでください。

 

徐々に深まる、しおとアダムの絆【3巻】

著者
久 正人
出版日
2013-09-12

 

2巻で撤退することを余儀なくされた敵との再戦がくり広げられる3巻。全編にわたって戦闘シーンが描かれます。

しおとヴィドックによって練られた作戦は、尋常ではない数がいる虫のせん滅に人手を割き、その分侵略体との戦闘はしおが一手に引き受けるというものでした。しかし、超進化型の侵略体によってノブナガンの戦闘データが分析されてしまい、絶対絶命のピンチに陥ってしまいます。

そんな時にしおを助けにやってきたのは、いつも彼女を半人前以下だと馬鹿にしていたアダムだったのです。

彼はそもそも虫のせん滅に加わっていたのですが、戦闘中に自らの影から「しおを助けに行け」と伝えられ、彼女の元にやってきました。

この時のアダムが本当にかっこいいので、女性読者はキュンとしちゃうこと間違いなし。嫌味な存在だったアダムが一気に株をあげる3巻です。

 

キス、のち、絶望【4巻】

著者
久 正人
出版日
2013-12-12

 

4巻最大の見どころは、なんといってもしおとアダムのキスシーンでしょう!

切り裂きジャックの「モード・ナイチンゲール」となってしおを助けにやってきたアダムは、その特性から戦闘型侵略体の弱点を瞬時に見極めて反撃を開始。長かった戦いに勝利し、DOGOOのメンバーは束の間の休息をとることができました。

助けてもらったお礼を言おうとアダムを呼び出したしお。反対に「切り裂きジャック」の正体が「ナイチンゲール」だったということを秘密にしていたことに対して礼を言われてしまいます。この2人が同一人物だというのはかなり斬新な設定なのですが、納得させられる演出なので安心して読んでみてくださいね。

さらにしおは、アダムが助けに来たのは彼の引き継いでいる遺伝子によるもので、彼個人の感情ではなかったことを知ってショックを受けてしまいました。しかしその時、突然「しお」と呼ばれたかと思うと、キスが降ってくるのです。

「今のは遺伝子の言いなりって訳じゃねぇよ」(『ノブナガン』4巻より引用)

心温まるエピソードの後にはまた侵略体との戦闘が待っているのですが、4巻の終盤で思いがけない出来事が……。それはしおの優しい心を蝕むほどのもので、彼女が段々と変化していくさまは狂気すら孕んでいます。

 

痛む心と、傷む体と、悼む心が原動力【5巻】

著者
久 正人
出版日
2014-12-12

 

これまで朗らかだったしおが、自らを危険にさらすような刹那的な戦いをしていることに胸を痛めずにいられない5巻。敵をせん滅させようとする彼女の激しい憎悪から始まります。

友人の浅尾を失うというショッキングな出来事が起きてから、ぐんぐん強くなっていくしお。まるで人が変わったかのように、性格もとげとげしくなってしまいました。仲間たちは彼女のことを心配しますが、どうすることもできません。

そんななか、また新たな戦闘が始まります。しおは自ら敵陣に乗り込み、次々と攻撃をしていきました。

「ちんたらやってるからやられちゃうの」(『ノブナガン』5巻より引用)

味方をも叱咤するしおは、まるで自分自身を傷つけるかのように戦い続けます。そして遂に、敵につかまってしまいました。

しおは一瞬「死にたくない」と考え、そんなことを思った自分を嫌悪し、遺伝子の操り人形と化して暴走してしまうのです。

そんな彼女の弱点を唯一把握しているのが、アダムでした。左胸にある急所を攻撃すればノブナガンの暴走が止まり、しおが解放されると言うのです。なんと残酷なことでしょうか……。

 

そして、すべてが終わる日【6巻】

著者
久 正人
出版日
2015-10-10

 

5巻が破壊の巻であるならば、最終巻である6巻は救いの巻といえるのではないでしょうか。
 

ここまで紡いできた物語のすべてが集約され未来へ繋がる構成は見事で、絶望と破壊に憑りつかれていたしおも復活。さらに心が壊れかけていたアダムも救い出されました。

しおは浅尾のために、今度こそ仲間とともに地球を守っていくことを決意。軍師としてその手腕を発揮することになります。

そして、これまでE遺伝子によって紡がれてきた物語は、遂に進化侵略体の正体にたどり着くのです。彼らはなぜ人類を攻撃してくるのでしょうか。その答えと解決法がしっかりと描かれています。

壮大なバトルの結末を見逃さないでくださいね。

 

人類と地球外生命体との戦いを描き切った『ノブナガン』、いかがでしたか?バトルだけでなく、怪獣やメカニックの描き込みなども秀逸です。興味を持ったらぜひ1度読んでみてください。

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