マニャ子がイラストを描くおすすめラノベ5選!淡いもビビッドも上手な絵師

更新:2021.12.8

少年向けも少女向けの絵も描き分ける人気のイラストレーター、マニャ子。その特徴的な名前も一度聞いたら忘れません。幅広いジャンルで活躍するマニャ子ですが、今回はその中でも挿絵を手掛けたライトノベル5作品をご紹介します。

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マニャ子とは

淡い色使いからくっきりビビットなもの、少女向けの可愛らしい女の子から少年向けの萌え系の女の子など幅広い絵を描き分けるイラストレーター。ファミ通やガガガ文庫、富士見ファンタジアなどを始め、ビーズログ文庫やゲームの原画なども手掛け、幅広く活躍しています。

 

武装したウサギで戦う天才美少女

私は、ダイヤモンドだって目を見張る美少女。容姿、立ち振る舞いはもちろん世界の全ては私を中心に回っている。そんな私はごく普通の世界的天才美少女――と、自称するのは坂上神楽。

傲岸不遜な彼女の目の前で繰り広げられるのは、人とは似ても似つかない化け物が人を襲っている光景。そんな化け物に立ち向かう神楽の武器はただ1つ、胸に抱いたウサギの人形……!?

著者
賽目 和七
出版日
2013-07-18

小学館ライトノベル大賞、ガガガ賞を受賞した作品。人形を操り妖魔と戦う能力を持った主人公を描く、王道異能バトルファンタジーです。

主人公の坂上神楽は、人形を操り妖魔と戦う家柄の中でも名家に生まれた少女で、その性格は傲岸不遜の一言! 自分のことを堂々と天才だとか美少女だとか言ってしまう不敵さに、ズバズバと相手を斬りさく毒舌さはいっそ清々しいほどです。しかし、そんな傲岸不遜な言動をする一方で、ファンシーショップで可愛いグッズに夢中になったり、実は周りから愛されたいと思っていたりと弱い一面もあって、そんな姿を不意に見せられると思わずキュンとしてしまいます。

そんな神楽の相方になるのが鈴音という野良吸血鬼です。ひょんなことから神楽と出会い共に行動をすることになるのですが、彼女との出会いが、神楽を少しずつ変えていくことになります。可愛い女の子である2人が仲良くしているところは、やや百合属性っぽい雰囲気もありますが、百合ものと言えるほどではないので、好みはわかれるかもしれませんが微笑ましく読める範囲だと思います。

また、異能バトルファンタジーなのでバトルシーンも必見です。人形を使ったバトルはとても迫力がある一方、武装した兎という絵は何となくシュールでホラーっぽい雰囲気もあり、楽しむことができるでしょう。

くっきりとした色使いの絵からは、ダークな雰囲気と一緒に主人公の可愛らしさもきちんと伝わってきます。武装した兎など、絵になることでさらにイメージを掻き立てられる部分もあるので、イラストを手がかりにいろいろな空想を広げながら読んでみてください。

 

最強吸血鬼と戦うのは女子高生!?

暁古城(あかつきこじょう)は、一見すると普通の少年ですが、その正体は「第四真祖」と呼ばれる伝説級の吸血鬼。災厄をもたらすとされている「第四真祖」の出現に対抗するため、政府は監視役として攻魔師「剣巫(けんなぎ)」を派遣することに決めます。

しかし、最強の吸血鬼を相手にするはずの「剣巫」に選ばれたのは、見習いの少女・姫柊雪菜(ひいらぎゆきな)。「第四真祖」の古城に隠された秘密、そして雪菜が選ばれた真の理由とは……!?

著者
三雲 岳斗
出版日
2011-05-10

物語の舞台は、魔族特区と呼ばれる「絃神市(いとがみし)」と呼ばれる場所。そこに出現した「第四真祖」を監視、抹殺するため、ヒロインである雪菜は派遣されました。

「第四真祖」というのは、世界最強の吸血鬼と呼ばれる存在のことで、十二体もの眷獣(けんじゅう)を操るその力は世界に災厄をもたらすと言われています。存在そのもが伝説級である吸血鬼なのですが、その正体は暁古城という一見すると普通の少年。しかし実は、彼はその力を先代から受け継いだものの、力を使いこなすにはほど遠い未熟なものでした。

とはいえ、それでも世界最強の吸血鬼であるはずの古城のもとに、見習いの攻魔師の雪菜が派遣されたのはちょっとおかしいですよね。そのあたりの本当の理由もストーリーが進むにつれて明かされていくので、ぜひチェックしてみてください。

基本的にはこの2人をメインにしたボーイ・ミーツ・ガール系の物語です。ですが、メインヒロインである雪菜以外にも、古城の幼馴染でツンデレキャラの藍羽浅葱(あいばあさぎ)や、26歳ゴスロリ属性の女教師、幼女など、様々なヒロインキャラが登場します。派手な異能バトルはもちろん、ライトノベルらしいちょいエロ要素もあって盛り上がる要素がたくさんあり、どんどん読み進めることができるでしょう。

吸血鬼やバトルなどの設定からちょっと血生臭いイメージも浮かぶかもしれませんが、物語の合間に描かれるイラストは爽やか系。特に1巻の表紙の青を基調としたイラストは目を引きます。古城のイケメンっぷりを始め、ゴスロリや幼女の絵もくっきり鮮やかに描かれているので、ストーリーと一緒に楽しんでみてください。

 

何でもありのゲームを破壊せよ!!

日向葵(ひゅうがあおい)は一見普通の女子高生ですが、4年前のある出来事をきっかけにすっかり無気力になっており、学校にもほとんど通っていませんでした。

後ろめたい気持ちを抱えつつも前を向くことはできず日々を送っていた葵でしたが、ある日、高校の生徒会長である桐原士郎達によって謎のゲームに巻き込まれてしまい……!

著者
林 トモアキ
出版日
2016-01-30

主人公の日向葵、通称ヒマワリは、4年前のある事件によってすっかり気力を失ってしまった女の子です。4年前の事件というのは、同作者の前作「レイセン」で描かれている事件のこと。本作の舞台は、この「レイセン」の4年後を描いたものになっています。とはいえ、続編というわけではないので、「レイセン」を未読の方でも充分に楽しむことができますよ。

ヒマワリが巻き込まれたゲームとは、「ルール・オブ・ルーラー」という名前のゲームで、基本的に何でもありの、ルールがあってないようなゲームです。何でもありというのは、現実的なものだけではなくて、人工精霊という存在を使い魔法のような力を使ったり、とにかく危険なことだらけ。

ヒマワリにはそんな力はないので、そんな危ない相手を敵にまわすとかなり過酷な状況なのですが、ヒマワリ自身もかなりぶっ壊れているキャラクター。暴力も破壊も何でもありというのはヒマワリも同じ。だからこそ容赦のないバトルを楽しむこともできます。

内容は割とディストピア的な荒廃した雰囲気がありますが、イラストはくっきりとした印象でどことなく明るさを感じさせます。ギャップはありますが、だからこそインパクトがあり、とても印象的です。

 

現代の最強魔術師が異世界で大暴れ!?

現代日本の魔術師・阿由葉秋輔は、テロリストと交戦中に突然異世界へとトリップしてしまいました。飛ばされた咲で秋輔が出会ったのは、カティアという名前の少女。エテイル王国という国の王女だという彼女は帝国軍に追われているらしく、秋輔はカティアと共に軍勢に囲まれてしまい……!?

著者
すえばし けん
出版日
2015-08-08

いわゆる異世界転生ものの王道ファンタジーなのですが、本作が他の作品とひと味違うところは、異世界へ飛ばされた主人公である秋輔が魔術師だという点です。

よくある異世界ものの設定だと、普通の人間のキャラクターが異世界に飛ばされた時に何かしらの力を得るものですが、本作では現代日本には魔術師が存在しており、秋輔もその1人という設定。しかも魔術結社「暁の神殿」というチームでリーダーをするほどの実力の持ち主です。

性格も極端というか大胆で、村を守りたいなら攻めてくる帝国そのものを滅ぼせばいい、という発想になってしまうタイプ。恐怖を恐怖で支配し返すようなところがあるので、ヒーローというよりはダークヒーローに近いかもしれません。

そんな最強であり最恐かもしれない秋輔が異世界で出会ったのは、国を滅ぼされ逃亡中の王女・カティアでした。ヒロインであるカティアは心優しい女の子です。弱気で頼りないところもありますが、村を守りたいという強い意志を持ち、そのために頑張る姿はとても可愛らしく好感度の高いキャラクター。ダークなところがある秋輔と素直なカティアのコンビはバランスが良く、感情移入もしやすいのでサクサクと物語を楽しむことができます。

秋輔はダークなタイプのキャラクターではありますが、イラストは意外にポップで優男風に描かれています。イラストだけ見ると、オッドアイが特徴的なカティアのほうが、気の強い女の子風に見えるかもしれません。ですが、そんなちょっとしたギャップがイメージを加速させてくれるので、ストーリーと一緒にイラストも楽しんでみてください。

 

元英雄は菓子職人となり歴史に名を残す

若き女王ロクサーヌが治める国フロリア。革命と混乱を経てようやく訪れた平和を享受しているその国の王都パリゼの片隅に、1軒のパティスリーがありました。店を見つけた劇作家のオーギュストはすっかりその店の菓子に魅了されますが、店で働く菓子職人の青年は何やら怪しい雰囲気で……!?

著者
野村 美月
出版日
2014-10-30

先の革命で英雄と呼ばれた元軍人の青年が、平和になった国では一転、菓子職人となりその名前を歴史に刻んでいくというヒストリカル・ファンタジー小説です。上下巻で完結しているので、あっという間に読破できるのも嬉しいですね。

話は基本的に劇作家のオーギュストが語り手となり進められていきますが、主人公は菓子職人の青年、アルジャン・カレールです。銀髪で無愛想な彼は、元は「将軍の銀の猟犬」という異名を持つ軍人。そんな彼がどうして菓子職人となったのかは本編で繊細に描かれているので、ここではあえて割愛します。ぜひ本編を読んでみてください。

アルジャンは女王ロクサーヌ付きの菓子職人でもあり、ヒロインはこのロクサーヌになります。元軍人とはいえ、一国の王女と化菓子職人の微妙な関係はに、読みながらドキドキする方も多いのではないでしょうか。

物語は、オーギュストがアルジャンに面倒事を持ちこんだりしつつ、アルジャンの過去などにも触れながら短編形式で進んでいきます。色味を抑え気味にしたイラストもパリっぽい世界観に合っていて、よく馴染んでいます。上下巻を並べた時の表紙の構図も、アルジャンとロクサーヌの関係性をイメージしているようで、読者の想像力を掻き立ててくれますね。

ちなみに、作中で描かれる菓子はとても美味しそうなので、思わずお腹が鳴ってしまうこともあるかもしれません。


いかがでしたか? イラストレーターを追っていくと、普段自分が読まない作品にも出会うことができますよね。これを機会に、ぜひ普段は読まない新しい本との出会いを楽しんでみてください。

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