『ヒノコ』では文字をテーマに、書いた文字に力を宿らせる能力を持つマユラがもたらす恩恵や畏怖、そして欲望などが渦巻く世界が描かれています。巫女と呼ばれるマユラの力の謎とは!?人々の想い渦巻く物語の内容は、無料で読めるスマホアプリでどうぞ!
『ヒノコ』は、2012年から2017年にかけて連載された漫画家・津田雅美による漫画作品です。
本作品の執筆者である津田雅美といえば、代表作『彼氏彼女の事情』で知られる人気少女漫画家のひとり。日本文学や歴史に詳しいこともあり、作中では文学的な表現が多数用いられ、それが彼女の作品の特徴、そして魅力となっています。
- 著者
- 津田 雅美
- 出版日
- 2012-10-05
約5年間に渡り連載された『ヒノコ』は「文字」をテーマに、登場する国と国との対立、そこに渦巻く陰謀と前世からの因縁などが巧みに織り交ぜられたストーリーです。
主人公のマユラの前世は、何百年も昔、西の国を治めた女王ヒノメ。圧倒的な能力を持ち、恐怖で人々を支配したと言い伝えられていました。
そして「ヒノコ」として生まれ変わったマユラの力を恐れ、現世でもその力を消し去ってしまおうと執拗に追って来るのが、かつてヒノメを倒した東の国のオビトアギが初代王となった「王都」の役人たちです。
元々この世界では、巫女の力を持つ少女は村や町を繁栄させる存在として、多くの人々につけ狙われます。もちろんマユラもその中の一人。そのため不信感の強い人間として育ち、道中で出会う陽気な浮浪児シンにもなかなか心を開きませんでした。しかし行動を供にしシンの心に触れることで、マユラの気持ちにも変化が生まれます。
そんな中、王都からの追手により二人は強引に引き裂きさかれることに。王都は国を乱す存在である「ヒノコ」は消すべき存在であると大義名分を掲げ、マユラを追い求めますがそこには伝承には語られていない、数々の秘密と謎が隠されていたのでした。
秘密と謎が全て解き明かされた時、マユラとシンに降りかかる運命とは!?彼らの前世からの繋がりが解き明かされます。
この記事では、ネタバレを含みながら『ヒノコ』の魅力をお伝えしますので、未読の方はご注意を!
『ヒノコ』は、かつて強大な力で人々を支配した巫女ヒノメの生まれ変わり「ヒノコ」のマユラと、浮浪児の少年シンが運命に引き寄せられ出会い、そして王都の陰謀に巻き込まれていく歴史冒険ファンタジー。
強大で危険であるがゆえ、マユラの「文字を操る力」を消し去ろうと執拗に追いかけてくる王都の役人達。しかしそこには、伝承では語られていない秘密が隠されていました。
果たしてその真実とは!?そしてマユラの運命とは!?
- 著者
- 津田雅美
- 出版日
- 2013-06-05
『ヒノコ』は、巫女の不思議な力が存在するファンタジーな世界が舞台の物語。この世界では、数百年前に強大な力を持ち、西の国を恐怖で支配していた巫女ヒノメの存在が語り継がれています。
そんなヒノメを倒したのが、東の国のオビトアギ。しかし死の寸前ヒノメは、赤い目、口、手の力を持った「ヒノコ」が生まれるという言葉を残しこの世を去ります。
その言い伝え通り数百年後に3人の「ヒノコ」が誕生。しかし赤い目と口を持った巫女は、その力がすぐにばれ、オビトアギが建国した王都の手によって殺されてしまいます。
- 著者
- 津田雅美
- 出版日
- 2014-02-05
唯一生き残ったのが赤い手を持つ「ヒノコ」のマユラ。その力は、書いた文字を現実のものとできるとても強大なものでした。もちろん、王都はマユラを消すためその存在を探しています。
そんな中マユラは、ひょんなことで知り合った浮浪児の少年シンと一緒に追手から逃げる中で、様々な人と出会い、自分の赤い手の力が国をも巻き込む強大な力であることを知っていくのでした。
シンに出会う前は、完全に人間不信でシンのこともまったく信じていなかったマユラでしたが、シンの純粋な心やマユラを想う気持ちに触れることで、精神的に成長していきます。やがて自分の置かれる状況が、シンにとって良くない影響を与えると悟ったマユラはある決断を下します。
果たしてその決断とは!?そして彼らを待ち受ける運命と、その真実とは!?
生まれ変わりや、不思議な力などファンタジー好きにはたまらない魅力が満載の本作品。マユラとシンの心の通じ合う過程も楽しみつつ、ファンタジーな世界観に浸ってみて下さい。
『ヒノコ』の大きな見どころのひとつに上げられるのは、何といっても多くの漢字の成り立ちが学べるところ。
日常の中で頻繁に漢字を使っている私達ですが、漢字の成り立ちを深く知っているという人はそういないのではないでしょうか?
- 著者
- 津田 雅美
- 出版日
- 2014-10-03
例えば、「辛」と「幸」はとても良く似ていますが、それぞれの漢字の持つ意味も成り立ちもまったく違います。「辛」は、入れ墨をする針を模った文字、そして一方の「幸」は、手枷を模った文字です。「辛」に線を一本加えるだけで違う意味となり、それが作中でとある子ども達を救います。
漢字の成り立ちや語源、それの持つ意味をストーリーに絡ませ、漢字の持つ意味の素晴らしさや奥深さが表現されているのも『ヒノコ』の魅力のひとつ。
本作品を読むと、普段使っている漢字の見方が少し変わり、その漢字の持つ意味が気になるようになるかもしれません。
『ヒノコ』では主人公マユラと、旅を供にする少年シンとの間に芽生える、恋のストーリーも見逃せません。
二人の出会いは、山賊紛いのことをしていたシンが、囚われていたマユラを助けた事に始まります。出会った時から、シンはマユラに好意を寄せますが、人間不信に陥っていたマユラはシンの好意を受け入れずにいました。
- 著者
- 津田雅美
- 出版日
- 2015-09-04
そんな二人が出会った頃の年齢は、マユラが13~14歳頃、シンは11~12歳といったところ。淡い恋心を抱く年頃の男女でしたが、旅の中で数々の経験をしていった二人は心の深い部分で繋がっていきます。
シンのマユラへの好意がマユラの頑なな心を少しずつ溶かしていくのも、本作品の見どころのひとつですが、シンの好意に応えたいマユラの気持ちが、いつの間にか彼女をシンより一足先に大人の女性に近づけてしまうのも見逃せないシーンです。
そんな二人の恋の行方はどうなるのでしょうか?年下男子に振り回されるマユラの可愛さを存分にお楽しみ下さい!
- 著者
- 津田雅美
- 出版日
- 2016-09-05
『ヒノコ』は文字をテーマにした歴史冒険ファンタジー。その背景には生まれ変わりや、人知を超えた不思議な力が存在し、それらを巡って人々の欲望が渦巻き戦いが繰り広げられます。
本作品ではストーリーの構成に文字の持つ力を落とし込んだことで、エピソードのひとつひとつに文字の意味が深く反映され、物語に更なる深みを与えています。これぞ津田雅美の真骨頂ともいうべき、文字に命を吹き込んだ歴史冒険ファンタジー作品となりました。
普段使っている漢字や言葉の意味を改めて知り、文字の持つ本来の力を大切にしたいと思わせる『ヒノコ』。スマホアプリで無料で読める本作品で、あなたも文字の持つ不思議な力に触れてみてはいかがでしょう?
文字をテーマに壮大な歴史冒険ファンタジーが描かれた『ヒノコ』。少女漫画では欠かせない恋愛要素もふんだんに盛り込まれ、時に切なくそして甘酸っぱいストーリーは必見です!