迷い込んだ異世界で、美人な女騎士に迫られる主人公個性的な登場人物たちが魅力たっぷりの物語『パラレルパラダイス』。鬼才・岡本倫の描くエロティックな世界の魅力をネタバレ込みでご紹介します。
『パラレルパラダイス』は、幼馴染の女の子に思いを寄せる高校生「陽太」が異世界に飛ばされ、異世界のあらゆる美少女から「交尾」を迫られるという、セクシーファンタジー作品です。
過去作『エルフェンリート』『ノノノノ』『極黒のブリュンヒルデ』を手掛けた、岡本倫が描く新たな冒険譚を3巻まで紹介していきます。ネタバレを含むので未読の方はご注意ください。
- 著者
- 岡本 倫
- 出版日
- 2017-08-04
主人公は幼馴染の女の子に思いを寄せる高校生、陽太(ようた)。ある日学校で不審者に襲われ、校舎から転落してしまい、その瞬間なぜか異世界に飛ばされてしまいます。そこでたまたま居合わせた、幼馴染に似た女騎士ルーミと喋る謎の鳥ジーニアスと出会うのです。
陽太が男だと知ったルーミは興奮した面持ちで、「交尾して」と急に迫り出します。
この異世界では、男性は陽太ただ一人という事が明かされ、更にこの世界の女性は成人までに交尾をしないと死んでしまう、という呪いにかけられている事を知った陽太は、ルーミと交尾する事を決めるのです。
陽太はこの呪いに立ち向かう為、多くの女性と交尾する事を決めるのですが……とハラハラドキドキのエロ&ファンタジー作品です。
『パラレルパラダイス』の魅力はなんといっても、設定のわかりやすさと奇抜さです。
様々なジャンルで見かけるようになった「異世界転生もの」であり、その異世界では女性しかいない、だから交尾をしなければ人類は発展しない、というわかりやすさ。異世界転生ものというだけでRPG世界にいる理由付けになりますし、交尾という行動表現も現実にあるものなので飲み込みやすいのです。
とはいえ、わかりやすい表現というのは裏を返せば「ありきたり」と言えてしまうのですが、そこをカバーするのが「出会い頭に交尾を命じられる」という奇抜さです。
突然主人公が死に、次に目を覚ました時には異世界に飛ばされている……。ここまでは異世界転生ものであれば、大半の作品で同じ導入をしているでしょう。恐ろしいモンスターや美少女と出会い、読者はここでどんな冒険譚が生まれるのかと想像するのですが、次のページを捲った瞬間、発情した美少女が「交尾して」と迫っているのです。
- 著者
- 岡本 倫
- 出版日
- 2017-08-04
まだ異世界の説明も終わっていない冒頭も冒頭の部分から、このエロ方面への突き抜け具合。本当にエロが始まってしまうのではないかと、(誌面の規制的に)大丈夫だろうか、と、ある意味ハラハラしながら読み進めると、ようやく世界観が掴めてきます。
陽太が飛ばされたこの異世界では女性しかいなかったり、彼は3000年ぶりに現れた男性であったり、交尾がしやすいよう「触られただけで強制的に発情」「発情すると欲情の泉という体液が股間から大量にあふれ出す」等々、男性側に都合がいいよう女性の身体が変化していたり、20歳までに交尾をしないと死ぬ呪いにかかっている、などといった制約が説明されます。
ここで、ルーミが急に陽太に迫りだした理由もわかってすっきりしつつ、今後どんな女の子達が淫らになるのかと思うとわくわくが止まりません。
しかし、これは作者の思惑だとは思うのですが、本当にお色気の表現がR18と言っても過言ではありません。掲載誌はヤングマガジン、学生も立ち読みできるような雑誌なのですが、潮吹きはしますし、濡れるどころか漏れてますし、グチュグチュとオノマトペ付で搔き分ける表現もあるなど、別の意味で心配になります。
他にも『パラレルパラダイス』の魅力はたっぷり存在します。表紙をみていただくだけでわかるとは思うのですが、とにかく美少女だらけ!ヒロインのルーミはもちろん、他にもたくさんの美少女が登場します。これだけでもテンションはあがりますが、やはり異世界ものといえばRPG風の世界観でしょう。
見たことのないモンスターや制度、中世風の町並みと、問答無用でわくわくさせられる世界観の1つです。特に序盤で出会う竜のようなモンスターがかっこいいのです。
さらにセクシーファンタジーというだけあって、美少女たちの服装が目のやり場に困ってしまうくらいセクシー。ノースリーブにハイレグ系、騎士という設定ではあるものの、鎧というよりはローブに近いでしょうか。作中でも表現がありますが、簡単にびりっと裂けてしまう、ラッキースケベに最適な服装です。
この世界観で、どう物語が動いていくのか、ドキドキしながらページをめくる手が止まりません。
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もちろん、『パラレルパラダイス』の魅力はエロい!カワイイ!という所だけではありません。ストーリーそのものも魅力の一つです。
女性しか存在しない世界、という設定であれば当然、どうやって繫殖しているのか?という謎が定番です。しかしルーミはお城を指さして「ここから来た」と告げるのみ。詳しい事はルーミにも分かっていない、というよりそもそも繫殖するという認識が薄いようにも思えます。
他にも、「交尾をすると死んでしまう」というルーミ達の天敵、カルの存在が大きいですね。カルは全身黒タイツのような姿で、頭部に4つの目があるのですが、今まで可愛らしい女の子しかいなかったのもあり、このデザインが非常に恐怖感を煽ります。
この「交尾で世界を救う陽太」と「交尾で世界を壊すカル」という対比がいいですね。
また、女性の股から溢れ出す「欲情の泉」という体液。こちらを陽太が嗅いだり摂取したりすると、気を失いそうになったりする描写があります。陽太曰く、麻薬のような効果があるのでは、と発言していることから、ただ受け入れやすくするために濡れている、とは捕らえにくくなるのではないでしょうか。
彼女たちにとって交尾は、命を左右する重要な行為です。香りもそれぞれで違い、男性を引き付けるようなものであることから、虫を呼ぶ蜜のような役割があるのかもしれません。
そう考えると、男性にとってのパラダイスという印象を受けるこの作品、なにやら怪しい気配がしませんか?もしかすると、陽太のほうが危険な状況になっているのかもわかりませんね。
第1巻は、幼馴染の女の子に恋をする男子高校生「陽太」が、ある日学校で不審者に襲われ異世界に飛んでしまうところから始まります。美少女しかいないこの異世界に迷い込んだ陽太は、幼馴染に似た女の子「ルーミ」と出会い、神さまと呼ばれている鳥「ジーニアス」から、この星唯一の男だと告げられてしまいます。
その後、 ルーミと共に町に訪れた陽太は、周りにばれないよう女装していたのですが、弓使いの美少女「リリア」も発情させてしまうことに。これ以上混乱を呼ばないよう、ルーミは陽太の存在を同僚の騎士たちと共有することになったのですが、ジーニアスから、ルーミ達は交尾しないまま成人すると死ぬ、 という呪いにかけられていることを聞いてしまいます。
陽太は、皆を救うべく呪いの元と戦うこと、そしてそれまではなるべく多くの女性と交尾をするということを決めるのですが……。
- 著者
- 岡本 倫
- 出版日
- 2017-08-04
1話の異世界へ呼び込まれる原因となった不審者が怪しいにもほどがあるビジュアルで、例えるなら、ぐちゃぐちゃに描かれたテルテル坊主でしょうか。不審者というよりモンスターに近いのではないかと思うのですが、これが非常に恐ろしい。前ページで可愛らしい幼馴染の女の子を想う、ほのぼのとした陽太のモノローグがあっただけにギャップが激しいです。
最初は、今流行りの異世界ものを取り入れてきたのか、と思っただけだったのですが、やはりここはさすがの岡本倫、他と大きく違う点はド直球な下品さです。成年コミックと勘違いしそうなエロさがどうしても目を引きます。
しかし、今まで3000年近く男性がおらず、交尾すると殺されてしまう天敵がいるにも関わらず、なぜ男性に受け入れられやすい体に変化したのかが気になるところです。この状態で何世紀も過ごしていたら、逆に退化しそうなものですが……。
発展する要素として考えると、陽太の他にも男性がいるのでしょうか?陽太が繫殖方法を聞くと、ルーミがお城を指さすシーンがあるのですが、ここに繫殖、生殖的な謎が隠されているような気がしますね。お城には男性が隠されているとか、いっそこれも呪いだったりするのでしょうか。
とはいえこれは考察というより妄想の段階なので、今後の展開で真実が明かされるのが楽しみです。
また、主人公の陽太が普通の高校生、とは言いがたい程のドSっぷりを発揮するのも個人的なみどころです。悪態、というよりは成人向けコミックの言葉責めといったところでしょうか。これにはルーミも照れるどころかお漏らし状態で、本当にこの表現、規制の対象になるのではないかと心配になります。
第2巻は、とうとう陽太とルーミが交尾を決意し、二人が繋がります。行為が終わり、お互いの初めてを捧げると、ルーミの首には首輪のような痣が浮かび上がりました。陽太はこれを処女喪失の証、つまり呪い解除の証としますが、果たして……?
そして陽太の事を打ちあけた数人の騎士たちと街の外へ出るのですが、そこで陽太はまた新たなる美少女から交尾を迫られます。即オチ2コマのような様式美を見守っているルーミ達ですが、その隙にカルに狙われ不意打ちを受けてしまいます。そこに助けに入る陽太ですが、間に合わせることが出来るのでしょうか。
ここの陽太が珍しく非常にかっこいいのでぜひご注目ください。言っている事はドSですが……。
この巻では話がぐっと進み、どの話でも交尾しているのではないかというくらい裸まみれ。どんどん呪いが解かれていくのはいい事なんですけども、少し恥ずかしくなってきますね。今更ですが。
しかし新たな謎もありまして、カルは陽太を認識すると「ヴィール」と鳴き声を上げて逃げていくことがわかりました。凄い形相で叫んでいる事から、怒っているように感じましたが、それならそれで襲ってこないのが謎ですよね。
作者の前作から考えると、「ヴィール」という鳴き声にも裏がありそうに思えます。ルーミ達に発情し襲ってくる性質を思うに、もしかすると元々は男性で、陽太と同じように助けようとしている、とも取れるカルですが真相はいかに?というところですね。
- 著者
- 岡本倫
- 出版日
- 2017-11-17
呪い解除の証として首に痣が浮かび上がるようになったのですが、この痣がキーポイントになる予感がします。陽太はポジティブな方向に捉えていますが、岡本倫の「ブリュンヒルデ」を読んでいる読者の方々ならどちらかというと嫌な予感しかしない、というのがお察しいただけるでしょうか。
カルに犯され殺された少女が登場してからというもの、物語の空気がギャグ寄りのセクシーファンタジーというより物悲しさが前面に押し出され、死が隣り合わせである、といった険悪な雰囲気がまとわりついています。
また、モンスターの死に方は2通り存在し、霧のように全て消えてしまうというものとその場に死体が残るものがあるのですが、カルの場合は死体が残りません。というのも、弱点をつく以外の攻撃は全て蘇生してしまうからなのです。切り付けても血は流れず、粒子のように弾けまた元に戻る、を繰り返す・・・・・・。死が存在しない生物、ということでますますカルの怪しさは際立っていきますね。
そして道中、様々な美少女と交尾を行い、町に帰還した陽太ですが、入り口でリリアが迎えに来てくれます。リリアは帰ってきた皆を見て、首にあの痣があることに気づき・・・・・・。「僕とは交尾してくれないくせに!」と泣き去るリリアが非常にかわいいオチで次巻に続きます。
謎は深まるばかりの2巻、エロだけではなく謎やシリアスどころをきっちり抑えており、先が読みたくなる作品です。ぜひお手にとって確かめてみて下さいね。
ルーミと陽太が交尾をしてしまったことで、拗ねてその場を去ってしまったリリア。「する!!交尾するから!!」と言って、彼女を追いかけ、どうにか機嫌を直させます。なかなかこんなセリフ言うことないですよね……。
しかもそのあとの交尾の様子がエロすぎる。リリアはM体質なので、自分のことを「ブタ」や「穴」と表現しながら、さらに興奮しています。キャラが濃すぎる。
しかし存分にお楽しみをしたあと、なぜかリリアの首には痣が出ないのです。ジーニアスはかつて交尾をすれば死の呪いが解けるとは言っていましたが、その証として首に痣が出るとは言っていませんでした……。
- 著者
- 岡本 倫
- 出版日
- 2018-03-19
3巻では、ルーミたちクインテットの中で唯一交尾をしていなかったハルに悲しい結末が訪れます。
そして彼女の崩月(少女たちが死ぬ現象のこと)を見て、陽太は異世界の少女たちにこの呪いをかけた「嫉妬深い神」を探しに出かけるのですが、そこでまさかの状況を知ることとなるのです。
そんな謎が深まる3巻ですが、エロいシーンも目白押し。旅をしながらミールと何度も楽しんだり、今まで交わった美少女たちと乱交があったりと、さらにその過激さに拍車がかかっているようにも思えます。
陽太自身も今まで童貞だったのにこんな状況になっているなんて、と驚いていますが、読者としてもありえない、と思いながらも、読むのをやめられません。
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