今回は、私の愛する“叙述トリック”をテーマにご紹介! ついに5回目を迎えますこのテーマ、まだまだ面白い作品がたっくさんございます。 もしこの記事を読んで興味をお持ち頂けましたら、私の過去の記事でもたっくさん取り上げておりますので、ぜひあわせてご覧ください。 叙述トリックがなんだか分からないよぉーって方も、今回ご紹介する本を読めばなんとなーくご理解頂けるはず。ぜひお試しを!
- 著者
- 二宮 敦人
- 出版日
- 2014-08-23
どんでん返しのオンパレード! 最近読んだ本のなかでも、特に衝撃を受けた一冊です。ストーカーに悩む女子高生・マユリと、そのマユリを守ろうとするリョウタ。両者の日常から物語が始まり、さわやかな青春小説の幕開け!かと思いきや、読み進めるごとになんだか様子がおかしくなっていき……。
今作は、タイトルの通り四部構成となっており、章を終えるごとにガツンと衝撃が襲ってきます。 ビックリ仰天な展開に加え、徐々に破綻していく登場人物たち。まさに四段式狂気! 読み終えた後、もう一度最初から読み返したくなること間違いなし!
- 著者
- 折原 一
- 出版日
- 1992-08-03
叙述トリックの名手・折原一さんのイチオシ作品! 主人公は、推理小説家を志す山本安雄。彼は『月間推理新人賞』に応募するため、全身全霊を傾けて『幻の女』という作品を書きあげます。その完成度の高さに「これなら受賞間違いなしだ!」と興奮さめやらぬ山本。
しかし、とある事件をきっかけに、なんとその大切な原稿が盗まれてしまいます。 そしてあろうことか、『幻の女』が別の著者名に書き換えられ、新人賞を受賞してしまうのです。うわぁーやるせない! ここから、“原作者”と“盗作者”による緊迫の駆け引きが始まります。
今作は「これぞ叙述トリック!」と言いたくなるぐらい、鮮やかにどんでん返しをキメてくれます。計算されつくした仕掛けに、度肝を抜かれること間違いなし! ドキドキな展開が多いため、サスペンス好きの方には特におすすめしたい一冊。
- 著者
- 倉知 淳
- 出版日
- 2017-07-14
叙述トリックを語る上で、必ずといっていいほど名の挙がる今作! 知らぬ間に騙されてしまう巧妙な仕掛けが施されています。倉知淳さんの代表作とも名高い本書は、雪に閉ざされた山荘で起きる殺人事件を描いたもの。その結末には、驚きの真実が待ち受けています。
今作のキャッチコピーとして、“あくまでもフェアに”という言葉をよく見かけます。私もどんな仕掛けが施されているのかウキウキしながら読み始めたところ、見事にあっけなく騙されました。…そう、あくまでもフェアに。「いやーどこで勘違いしたんだっぺなぁ」と、初めから読み返してみたところ、確かにフェアに引っ掛けてくれてました。こりゃ気付かん! 果たして皆さんはこのトリックに気付けるでしょうか!?
本と音楽
バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。