熱いバトルラノベおすすめランキングベスト15!

更新:2021.12.14

迫りくる危機に対し、私たちは自衛をしなければいけません。地球存亡の危機、人類滅亡の危機、あらゆる障害、困難を乗り越えることで平和が保たれています。今回はそんなヒーロー・ヒロインが活躍するバトルラノベ作品をご紹介します。

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15位:戦え!アイドルたち!『アイドライジング!』

舞台となるのは科学技術が発展した近未来の日本です。そこではアイドライジングというアイドル達を戦わせるステージが人々から熱い支持を得ていました。

アイドライジングでは、アイドル達はバトルドレスを身にまとい、熱い格闘戦を繰り広げるのです。ルールはシンプルで、1試合で3回まで打てるアクセルスマッシュという技を相手に一度当てるだけというものになっており、実にシステマティックなバトルをアイドルごとの特性による駆け引きと共に楽しめるものになっています。

著者
広沢 サカキ
出版日
2011-02-10

物語はアイザワ・モモが、そんなアイドライジングの世界に足を踏み入れたことから始まります。彼女はとある理由から、アイドライジングに勝利することで出る賞金が必要だったのです。そこで若手女性プロデューサーと共に戦いの場へと赴きます。

身長180㎝越えのアイザワ・モモと、140㎝に満たないプロデューサー、オウダ・サイの凸凹コンビがアイドルの世界でお互いに助け合いながら戦っていくという王道ストーリーです。

アイドライジングは本格的な格闘バトルというわけではなく、各企業が有する技術力をアイドル達のバトルによって披露するというパフォーマンス的な催しになっています。モモは最初賞金のためだけにこの舞台を目指すのですが、他のアイドル達との戦いを通じて自分の中でアイドルを続ける動機を見つけていくところも見所です。

14位:船と船の熱い海戦が味わえる『蒼海ガールズ!』

主人公のシューフェンは女性ばかりのフリゲート艦「ビシャスホース」で軍人として登用されている14歳です。上官であるファム、同い年のラヤ、年上のエーレンやロビンと言ったメンバーと仲良く船の上で過ごしていました。ただひとつシューフェンには他の女の子とは違うところがあります。彼は女の子のような外見を持つ男の娘だったのです。
 

著者
白鳥 士郎
出版日
2009-08-15


女性の比率が高いアラミスという架空の国では、女が戦いに向かい、男は守られます。男女の比率で言いますと1:20くらいです。しかし、男が常に守られ庇護される対象であるのはあくまで陸でのお話です。ビシャスホースは男子禁制、遭難者でも男性は助けないという厳しいルールがあり、見つかった者は縛り首の刑に処されてしまいます。

『蒼海ガールズ』で熱いのは船同士のバトルです。帆船ビシャスホースはシューフェン含め200人以上の乗組員がいますが、船としては小型です。その小型の船が敵である大型船と互角以上に渡り合うどころか、むしろ圧倒して勝利を収めます。

船同士の闘いの後は切り込み(ボーディング)と呼ばれる、相手の船に乗り込んでの乱戦が始まるのです。その乱戦で活躍するのが主人公のシューフェン。剣術の腕に優れた彼は並み居る敵をバッタバッタとなぎ倒し、場の空気さえも支配します。そして彼はその雰囲気に乗せられるがままに敵艦を拿捕する活躍を見せるのです。

13位:世界の平和を守るため、少女たちは空を駆ける!『ノーブルウィッチーズ』

主人公は、扶桑(モデルは日本)皇国出身で第506統合戦闘航空団「ノーブルウィッチーズ」に所属する、黒田那佳という女の子。ネウロイという侵略者と唯一対等に戦うことができる航空団の一員です。ノーブルウィッチーズに配属された那佳は、たくさんの仲間達と交流を深め、ネウロイとの戦いに備え日々を過ごしていきます。

黒田那佳は故郷の宮崎とお金を愛するちょび守銭奴。ネウロイと戦い、軍属であること以外は至って普通の女の子です。ノーブル(貴族、または高貴な)の名の通り第506統合戦闘航空団は、家柄が高貴でなければ所属することができません。旧大名家の華族、黒田家の分家である那佳も一応はお嬢様ということです。
 

著者
南房 秀久
出版日
2014-12-27


那佳はカールスラント(ドイツがモデル)出身の貴族の名門ウィトゲンシュタイン家のご令嬢ハインリーケとタッグを組む事が多いです。出会った当初はそりが合わなかった那佳とハインリーケでしたが、夜間哨戒の最中にネウロイと遭遇、その際に怪我をおったハインリーケを那佳が見捨てなかったことで友情が芽生えます。

主人公である那佳は基本的にお金以外のことには関心の薄い女の子。そんな彼女が仲間とフォーメーションを組み、模擬戦ないしネウロイとの決戦の際にはエース級の活躍を見せます。そんな那佳の素の時の態度と決戦のときの態度の違いを見比べてみるのも楽しみのひとつです。

12位:海底からの侵略者を撃ち屠れ!平和のために少女たちは戦う『艦隊これくしょん』

主人公の陽炎は、呉鎮守府で相棒の不知火とともに訓練や、敵である深海棲艦との戦闘に明け暮れていました。そんな折、横須賀鎮守府に異動することになり、しかもそこで部隊のリーダーを押し付けられることに。その部隊の名前は第十四駆逐隊と言います。

本作は、寄せ集め、残り物と評された彼女たちの逆転劇がを描いた作品です。
 

著者
築地 俊彦
出版日
2013-11-30


敵である深海棲艦と呼ばれる存在と戦うことを義務付けられた少女たち。陽炎は明るさと責任感の強さで、押し付けられたリーダー業を無難にこなしていきます。ですが、残り物、寄せ集めと呼ばれたメンバーは、そう簡単なことでは心を許してはくれません。

問題児筆頭である曙は、口も態度も悪く、よく手が出ます。潮は気弱な性格で自分の意見を出せず鬱屈するタイプ。皐月は筋トレマニアでそれ以外のことには特に興味がありません。長月は霰(後述)大好きっ子で堅物。霰は無口で何を考えているのか分かりません。

第十四駆逐隊の面々は当初、リーダーの陽炎が空回りし、他のメンバーもやる気がなかったため(あるいは空回りしていたため)に訓練で散々な結果を出してしまいます。その際に鬱屈した感情を抱えていた潮が、曙を引っ叩き、それが原因で大乱闘が始まってしまいます。その結果、各メンバーに友情が芽生えるという泥臭い青春モノのようなストーリーにも注目です。

11位:意識を加速し仮想世界へ!銀の翼を得た少年の物語『アクセル・ワールド』

『ソードアート・オンライン』の著者・川原礫による作品。一般生活に仮想ネットワークが浸透し多用される世界で、いじめられっ子の少年が少女に誘われ、仮想世界の戦いに身を投じていく物語です。

著者
川原 礫
出版日

本作に登場する主人公有田春雪は、小柄でちょっと太りぎみのころころとした体格の持ち主。おおよそのライトノベル作品の主人公のイメージとはかけ離れている見た目で、そんな容姿の彼はたびたびいじめや嘲笑の対象となっていました。そんな彼が、ある時校内でも美少女として有名な黒雪姫に誘われ、仮想世界の格闘ゲーム「ブレイン・バースト」の戦い手となるのです。

仮想ネットワークが一般化した世界では、ニューロリンカーと呼ばれる「身につけられるコンピューター」を携帯電話やパソコンと同じような感覚で扱い、買い物や学校の授業など、日常生活のありとあらゆる物へ利用されています。ニューロリンカーには、理論などの緻密な設定などもあるのですが、この場では「仮想世界へ繋がるためのツール」であると認識すればよいかと思います。そしてそのツールに「ブレイン・バースト」をインストールすることで仮想ゲーム世界へ意識をダイブすることができるようになるのです。

そんな近未来の世界を表現した本作品で描かれるのは、このゲームを通して、春雪が自分の劣等感を払いのけ成長していく姿。1000人というプレイヤーの中で、ゲーム史上初の飛行能力を得たのも彼の内面によるもので、現実ではパッとしない容姿である春雪の劣等感を具現化したその銀色の翼は、この主人公成長系の物語を大きく彩るシンボルにもなっています。

そして、彼の成長を待ち望んでいるのが黒雪姫という少女です。ゲーム世界では先駆者であり「親」でもある彼女は、春雪の見た目ではなく内面を見ることで彼を見出し、彼が殻を破って大きく成長することを望んでいるような印象を受けます。

物語を通して成長する春雪の姿と、それを見守る黒雪姫の眼差しを感じられる本作は、格闘ゲームの要素をふまえたバトル作品として、また成長する主人公と少女の淡い恋模様を描く青春物語として楽しめる作品でしょう。

10位:運命に抗う切ない物語『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』

終末の世界を舞台に、危険な戦いへと身を投じる少女たちの消失と抵抗の物語です。

規格外の獣によって蹂躙され、滅びかけている世界。数百年の眠りから覚めた主人公ヴィレムは、育成施設で働き始めます。そこには世界を救う力である“聖剣”を唯一使える少女、妖精兵が暮らしていました。少女たちは世界のために、死と隣り合わせの戦闘に向かっていくのです。

著者
枯野 瑛
出版日
2014-10-31

滅びかけた世界を救うために戦いに向かう少女たちは凛々しく、儚いです。戦闘をする妖精兵たちは明日帰ってこないかもしれない。そんな不安が亡くなった友人の部屋などから描かれています。

薄いほこりの積もった机と、1つ置かれている約束のペンダント。そんな静かな描写に彼女たちの思いが込められています。

「せめて誰かに覚えていてほしい」という言葉に隠した彼女たちの本心と、重大な任務を天秤にかけるヴィレムの苦悩はあまりにも重いです。悩みながらヴィレムは少女たちを救おうと、語り掛け、寄り添っていくのでした。

そして少女たちはヴィレムの言葉、行動により本心に気付いていきます。彼の協力を得ながら、自身の力で運命にあらがっていきます。自分の思いさえ言葉にできなかった彼女たちは叫び、行動に起こしていくのです。世界にとっては不都合な、彼女たちにとっては真直ぐな願いが少しずつ彼女たちと世界を変えていきます。

隠していた本心に気付き、世界を変えていく作品です。その切なさと少女たちの奮闘劇に胸を焦がしてみてはいかがでしょうか。

9位:死に戻り能力を手に入れた少年の運命は?『Re:ゼロから始める異世界生活』

主人公の菜月昴は高校生ですが、学校にも通わず、遊んでは寝て起きたら遊ぶという怠けた生活を送っています。そんな昴はある日、コンビニから帰宅する途中、いきなり異世界へと召喚されてしまいました。

召喚直後、昴はいきなり死にかけてしまいますが、そこを救ってくれたのは銀髪の美少女、ハーフエルフのエミリアでした。縁もゆかりもない昴のことを何の見返りを求めるわけでもなく助けてくれたエミリアに恩返しするため、昴は彼女と行動を共にすることにします。

大切な徽章を奪われたエミリアは、奪った犯人であるフェルトという少女を追っていました。2人はフェルトを追いかける手がかりを探していたのですが、その途中、何者かに襲われて死んでしまいます。

しかし、死んだはずの昴は目を覚まします。目を覚ました場所は、昴が最初に召喚され、異世界に着いた時の場所でした。彼が異世界で手に入れた能力、それは死んだら時間を巻き戻せる力、「死に戻り」だったのです。

著者
長月 達平
出版日
2014-01-23

主人公が冒頭でいきなり死んでしまうという展開は、時々見かける設定ではありますが、この作品の主人公・菜月昴も、プロローグでいきなり死んでしまいます。

「次の瞬間に彼――菜月昴は命を落とした」(『Re:ゼロから始める異世界生活』より引用)

もちろん、物語はここからが始まり。昴は、現実の世界では学校にも通わない引きこもりでオタクっぽいところもあるのですが、中学時代は剣道部に所属していて、案外腕っぷしが強いのが特徴です。ふざけた態度ばかり取るので周りからは敬遠されがちですが、意外に人情深い面も持っています。

何度も死んで何度も生き返ることをくり返す昴は、とにかく一途にエミリアのために頑張ります。全力過ぎてときおり暴走しているようにも見える濃いキャラクターですが、その一途さが魅力の1つでもあり、運命に逆らおうとする姿には好感が持てる要素なのです。

元はインターネットの小説投稿サイト「小説家になろう」で連載されていた本作品。後に書籍化、2017年版の「このライトノベルがすごい!」の文庫部門で第2位を受賞している人気作です。

8位:強まる繋がり。ふたりのコンビネーションが面白い!『ストライク・ザ・ブラッド』

太平洋に浮かぶ魔族特区「絃神島」。この人工島で暮らす暁古城は特殊な事情を抱えながらも、クラスメイトや妹たちと平凡な日々を過ごしていました。物語はそんな彼の前に姫柊雪菜という少女が現れるところから始まります。

雪菜は古城の監視・抹殺のために絃神島にやってきたのですが、世間知らずで純粋。何をするにも危なっかしさが伴います。彼女がこっそりと監視していた古城にも尾行に気づかれ、いつの間にか監視を口実にして共に行動するようになります。そんなふたりが次々と現れる敵と、隠された陰謀に立ち向かっていきます。

著者
三雲 岳斗
出版日
2011-05-10

この物語はふたりの絆が深まっていくのが見どころ。最初は自身の所属する組織の命令で古城に近づいた雪菜も、古城と一緒に買い物をしたりゲームセンターに行ったりする中で、少しずつ心を開いて行きます。また、自らの持つ力を使うことに抵抗を感じていた古城も、雪菜に背中を押されるようにして家族や友達を守るために敵に立ち向かうことを決意しました。

「いいえ、先輩。わたしたちの聖戦、です――!」(『ストライク・ザ・ブラッド1 聖者の右腕』より引用)

倒すべき敵を前にして雪菜の放った台詞の「わたしたちの」という言葉には、それまで監視者という立場だった彼女が古城のパートナーとして共に戦おうという意志が伝わってきます。

共に戦うパートナーとして互いに背中を預け合う関係は、バトル物の醍醐味ではないでしょうか。古城と雪菜、突然出会ったふたりの距離が近づいていく様子をお楽しみください。

7位:常識なんか関係ない!型破りなおすすめラノベ!『ニンジャスレイヤー』

主人公は、「ニンジャ抗争」で愛する妻と子を失ったフジキド・ケンジという「サラリマン」です。彼もまたその抗争で瀕死の状態に陥ってしまいますが、その時「ニンジャソウル」が憑依してギリギリ命を取り留めました。

そうして死の淵から蘇ったフジキドは、「カラテ」と呼ばれる武術と「ジツ」と呼ばれる技を体得し、「ニンジャ」を殺す「ニンジャスレイヤー」として、妻と子の復讐を果たすべく戦いに身を投じていきます。

著者
["ブラッドレー・ボンド", "フィリップ・N・モーゼズ"]
出版日
2012-09-29

「ニンジャスレイヤー」の原作はアメリカの作者による小説ですが、その翻訳がツイッター上で連載され注目を集めた作品です。作中に登場する「サラリマン」や「ニンジャ」は、原作に忠実な翻訳で、その独特な言い回しや単語の訳し方は、「忍殺語」などと呼ばれるようにもなりました。このような言語によって独特な雰囲気に包まれた作品はかなりクセがありますが、そのぶん中毒になる読者が多いようです。

舞台は日本にも思える場所ですが、現代日本よりもサイバーパンク的な世界観になっています。副題の「ネオサイタマ」もそのまま埼玉ではありません。このように作品独特の言語感があるので、慣れるまでは少し苦労をすることもあるかもしれませんが、それを乗り越えた時、物語の面白さがどんどん加速していきます。

ちなみに、第1巻の物語の冒頭は、次のように始まっています。

「(これまでのあらすじ)ソウカイ・ニンジャズの手練れ、ミニットマンとイクエイション。ニンジャスレイヤーを待ち伏せたのも二人のうち、イクエイションは真っ二つにされて絶命した」(『ニンジャスレイヤー』より引用)

最初に手を取った時は驚くかもしれませんね。しかしこれは間違いなく第1巻なのでご安心ください。型破りな物語を読みたい方にオススメしたい1冊です。

6位:魔法少女たちの、命をかけたサバイバルバトル『魔法少女育成計画』

タイトルにもなっている「魔法少女育成計画」とは、作中で人気のソーシャルゲームのことです。このソーシャルゲームはただのゲーム、と思いきやなんと数万人に1人の確率で本物の魔法少女になる力を与えるという代物で、という物語です。

シリーズとしていくつか作品が出ていますが、共通しているのは世界観と16人の魔法少女による殺し合いゲームが行われているという点のみになるのでシリーズを通してたくさんのかわいらしい魔法少女が登場することになります。

著者
遠藤 浅蜊
出版日
2012-06-08

たとえば1作目の『魔法少女育成計画』で主人公を務める姫河小雪はスノーホワイトという魔法少女に変身します。花飾りがついた可愛い変身コスチュームを身にまとった彼女の能力は「困っている人の心の声が聞こえるよ」というもので、幼いころから憧れていた魔法少女になれたことを素直に喜び、積極的に活動する子です。しかし、そんな典型的な魔法少女であった彼女が、デスゲームという悲惨な舞台に巻き込まれていくことになる、その特異さがこの作品の魅力でしょう。

それぞれが特殊能力を使った攻防戦を繰り広げるなどバトルの要素も見所です。

5位:怠け者が智将と呼ばれるまでのファンタジー『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』

舞台は炎・水・風・光の四大精霊が実在する世界。隣接するキオカ共和国とカトヴァーナ帝国は戦争状態にありました。カトヴァーナ帝国のイクタ・ソロークは本作の主人公であり昼寝と徒食、女漁りが趣味の戦争嫌いの少年。とある事情で嫌々受けていた高等士官試験の最中に小さな少女と出会い、ここから物語が動き始めます。

著者
宇野朴人
出版日
2012-06-08

怠け者と呼ばれた人物がのちに名将と呼ばれる軍人になると誰が予想したでしょう。そして出会った少女の正体とは。戦乱渦巻く世界で力強く生きるイクタと仲間たちの波乱万丈な半生を描いたファンタジー戦記。

当初は怠け者でいかにもダメ人間だったイクタが、周囲の人々の掛け合いや複雑に交差する人間関係に巻き込まれていく姿に一緒に引き込まれていき、彼の成長を体験したかのように感じられるところが魅力です。精霊などが登場するファンタジー独特の世界観や登場人物にも違和感がないのでさらに物語に入り込みやすくなっています。

序盤のイクタのダメっぷりは本当にひどいもので、年上好きを公言していることから初対面であっても女性を口説いていく姿に呆れてしまいますが、それと同時にこのコメディータッチな部分が面白く、読みやすい要因でもあります。

しかしそんな怠け者も実は素晴らしい才能を持っていたという事実を知ることになり、イクタはまさに「やれば出来る子」を文字通り教えてくれます。精霊が火や水、風、光など生きるに欠かせない元を生み出す描写などはファンタジー好きにはたまらない部分です。

この精霊たちもイクタの成長に深く関わり、それまでの戦歴は決して一人で成し遂げたことではないことを示しています。イクタの考えや行動の変化をじっくりと読んでみたい一作ではないでしょうか。

4位:強さとは知識・経験・心の強さだ!『魔法科高校の劣等生』

強い魔法力を持ち、エリート候補である「一科生」の妹・深雪と補欠の「二科生」の兄・達也が国立魔法大学付属第一高校に入学してから卒業するまでの物語です。

 

著者
["佐島 勤", "石田 可奈"]
出版日


国立魔法大学付属第一高校で「一科生」は「花冠(ブルーム)」、そしてその補欠「二科生」は「雑草(ウィード)」と呼ばれています。

二つを分けるのは先天的な「魔法力」の差だけです。

兄の達也は「魔法力」が弱かったために実家の四葉家で人体実験をされ、妹以外に愛情を感じることが出来ません。今は妹のガーディアンとして行動を共にしています。

一方の妹の深雪は時期党首候補ですが、極度のブラコンで「お兄様」「お兄様」と兄達也を心から尊敬しています。

魔法は数式として理解されていて、物に数式を組み込み、身につけることによって魔法を使えるようになります。

達也は、魔法に使われている数式を瞬時に理解することができ、さらに自分で数式を組み込んだ武器を作ることができ、魔法力の弱さを補っています。魔法に関する知識、技術力、戦いの経験はトップクラスです。また、長年体術を習い、対人戦闘ではほぼ無敵です。

深雪は、魔法力の強さそのものが武器になります。どんなに良い道具を使おうと、それを使うための魔法力が弱くては意味がありません。深雪は底なしの魔法力で多彩な技を繰り出し戦います。


魔法力も強く、容姿端麗、周囲の憧れの的「優等生」の妹と魔法力は弱いが頭脳明晰で戦闘能力の高い「劣等生」の兄。

この二人を中心に、「一科生」「二科生」沢山のキャラクター達が関係し合いながら話が進んでいきます。数々ある、バトルシーンは見ものです。

3位:壮大な世界観、迫力あるアクション、まさに名作ラノベ!『アルスラーン戦記』

舞台は中世ペルシアのような異世界。パルス王国の王子・アルスラーンと仲間たちの冒険と戦いを描いたのが『アルスラーン戦記』です。一夜にして敵国ルシタニアに滅ぼされたパルス王国の奪還を目指し、彼らは旅を続けます。

著者
田中 芳樹
出版日
2012-04-12

この作品の魅力は個性豊かな登場人物です。アルスラーンのもとに集ったのは実直な戦士・ダリューン、捻くれ者の策士・ナルサスと彼の侍童・エラム、お調子者の楽士・ギーヴ、クールな女神官・ファランギース。それぞれの登場人物の活躍が楽しめます。

そしてアルスラーン王子もまた魅力的な人物です。彼は14歳の頼りない少年ではありますが、人を引きつける才能を持っています。追手から逃げるアルスラーンは隠居生活をするナルサスの元を訪れます。策士でありながら芸術を愛するナルサスを味方につけるため、アルスラーンはこんな提案を持ちかけます。

「私がルシタニアの蛮族どもを追いはらい、パルスの国王となったあかつきには、ナルサス卿、おぬしを宮廷画家としてむかえよう。どうだ?」(『アルスラーン戦記1 王都炎上』より)

金銭を与えるのでもダリューンが勧めるように書記や宰相といった「ナルサス向き」の地位を提示するのでもなく、絵を描くことが好きなナルサスの心を掴んだこのシーンは『アルスラーン戦記』屈指の名シーンです。

そんな名シーンが多くある名作、「アルスラーン戦記」シリーズ。故国奪還を目指す彼らの旅路を是非一緒に追いかけてみてください。

2位:これはバーチャル、だけどリアルだ!!仮想と現実のデスゲーム『ソードアート・オンライン』

「完全ダイブ(フルダイブ)」できるゲームが題材となっています。「完全ダイブ(フルダイブ)」すると意識だけがゲームの世界に入り、体は眠ったようになります。そんな仮想空間に閉じ込められた約1万人の人たち。

閉じ込められた人達の前でゲームの作り主が「ゲームの中で死ぬと、現実世界の自分が死んでしまう。」ことを告げます。

そんな窮地のなか、現実世界に戻るための唯一の方法は、このゲーム「ソードアート・オンライン」の舞台である「浮遊城アインクラッド」の最上階100層にいるボスを倒し、ゲームをクリアすることです。

なぜ、ゲームの中に閉じ込められたのか、ゲームを開発した茅場晶彦の思惑とは一体何なのか?

 

著者
["川原 礫", "abec"]
出版日


主人公のキリトはゲームをクリアすべくたった一人で、最前線で戦うことを決意します。

沢山の人と出会い、別れ…。苦しい思いや悲しみを乗り越えてそれでもキリトは戦いを止めません。

戦うだけに見えるキリトですが、ちゃんと恋もしていきますよ。この作品は戦うことだけでなく、戦いを止め、仮想現実の世界でのんびりと暮らす決断をした人たちも描かれています。仮想現実で田を耕し、魚を釣り、結婚もする。そんな仮想世界の可能性も散りばめられながら物語は進んでいくのです。

作品には「かわいい上に戦うと強い!!」という女の子がたくさん出てくることも魅力の一つですので、強くて可憐な人を見たい!という方にもおすすめです。

1位:ツインテールになって世界を守る異色のバトルコメディラノベ『俺、ツインテールになります。』

主人公の観束総二はツインテールという髪型が好きな男子高校生。日常を謳歌していた彼はある日、トゥアールという少女に出会います。

地球はアルティメギルという異世界人の軍隊に狙われていると、トゥアールは言います。その危機を脱するには総二が変身をして、軍勢をやっつけなければならない、と。トゥアールに隙を突かれ、変身パーツを半強制的に付けられてしまった総二の日常は一変します。

 

著者
水沢 夢
出版日
2012-06-19


登場するキャラクターたちは個性的です。トゥアールは変態の痴女、幼なじみの愛香はド貧乳の暴力系ヒロイン、生徒会長の慧理那はヒーローを愛する幼女、トゥアールと腐れ縁のイースナは根暗なメガネ、魔法少女ロエルは耳年増な幼女、リルナはロエルの双子の妹でシスコンと、説明しづらいキャラばかりが揃っています。


『俺ツイ』の一番の見所は、主人公である観束総二の変身した姿、テイルレッドと敵との正々堂々としたバトルにあります。強大で凶悪な力を持つ敵キャラクターとの死闘!負ければ命こそ奪われないものの、総二が生涯をかけて愛するツインテールを奪われるという地獄が待っているという手に汗握る展開です。

彼、また彼女たちはけして力強いだけのヒーローないしヒロインではありません。時には悩み、悔やむことによって自身の平穏を保とうとします。迫り来る戦い、命を失うという恐怖彼らの戦いの末に何が存在するのか。それは読んだ方のみがわかります。

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