怪談話をきっかけに屋上で出会った幽霊は、かわいいコミュ障の女の子……⁉ポップな絵柄でハイテンションなギャグをくり出すコメディ作品『逝けないカノジョのお手伝い』は、スマホの漫画アプリ「マンガPark」で連載中です。この記事では本作の魅力を紹介していくので、ぜひチェックしてみてください。
幽霊が見える男子高校生と、彼を取り巻く人外の女の子たちのドタバタ劇を描いた『逝けないカノジョのお手伝い』。登場人物の個性が強く、笑いあり、友情あり、恋愛ありの作品です。
ヒロインは、友達ができないまま死んでしまったことが心残りで、成仏できない幽霊の女の子。主人公は友達づくりに協力するのですが、とにかく彼女がコミュ障すぎてなかなかうまくいきません。
はたして、何人友達ができれば成仏できるのでしょうか。
今回は、そんな本作の魅力と見どころをご紹介していきます。ネタバレを含むのでご注意ください。
- 著者
- 中原開平
- 出版日
- 2017-11-29
学校の怪談として噂になっている「屋上の輪子(りんこ)さん」。病弱なためほとんど登校できないまま亡くなってしまい、友達ができなかったことを未練があり、ずっと屋上で誰かが来るのを待っているそうで……。
主人公の寺田妖平(てらだようへい)は、寺生まれで、幼いころから霊魂が見える体質でした。昼間に聞いた噂が気になり、忘れ物を取りにきたついでに屋上へ行ってみると……幽霊の輪子と遭遇!しかし彼女は極度のコミュ障だったのです。
ひょんなことから輪子の友達づくりを手伝うことになった妖平の、騒々しい日々がはじまります。
本作の魅力としてまずあげられるのが、登場する女の子たちがみんなかわいいことでしょう。コミュ障の輪子をはじめ、友達候補として描かれる彼女たちはみなおちゃめでキュートなのです。ここでは主要な3人をご紹介しましょう。
まずヒロインの輪子は、友達ができなかったことを心残りにして成仏できない女の子。黒髪ストレートに大きな目をした、可憐な雰囲気です。しかし内面をこじらせすぎていて、友達をつくるどころか普通のコミュニケーションもままならず、妖平も頭を抱えてしまいます。
努力は怠らないのでさまざまな奮闘をするのですが、勢いあまって空回り。相手にはドン引きされ、友達づくりはなかなかうまくいきません。
このポンコツっぷりがなんとも心地よく、愛らしいのです。幽霊でありながら怖い要素がないのもポイント。
- 著者
- 中原開平
- 出版日
- 2017-11-29
また、トイレに出没する花子は、生前に好きだった女の子がいて、彼女への想いを抱えながら死んでいった女子生徒。当初は純粋な気持ちでしたが、しだいに行動がエスカレートしていき、行きついた先は「好きな女の子のお小水を飲みたい」……便器に顔を突っ込んで溺死するという最期でした。
彼女はその特殊な性癖を除けば、サバサバした性格のよい子で、輪子の友達になりたいという提案もあっさりと承諾。黒髪ぱっつんのおかっぱ頭が特徴です。
二口女という妖怪の血筋をもった朽木は、頭の後ろに大きな口を持ち、そこから物を食べたり話したりすることができます。
難儀なのは、頭のなかで考えていることを後頭部の口が喋ってしまうこと……そのため彼女は隠し事をすることができず、元来の腹黒さも相まってかなり攻撃的な発言をくり出してしまうのです。
ただ妖平と輪子は、そんな朽木に対しても分け隔てなく接し、しだいに心を開いていくことになります。
彼女は幽霊ではなく生きた人間で、作中では妖平を異性として意識している描写も。今後の展開にも注目ですね。
ぜひお気に入りの女の子を見つけてみてください。
全編をとおしてくり広げられる、テンポのよいギャグ展開にも注目です。クセ者ぞろいのキャラクターたちが随所ででキレのある笑いを披露してくれます。
たとえば、妖平がコミュ力のある幼馴染に輪子を紹介しようとした時のこと。当然ながら人との関わり方を知らない彼女は、うまくやることができません。存在に気づいてもらおうと耳元で息を吹きかけて体調を悪くさせてしまったり、目の前で顔を覗き込んでいるところをスマホのカメラをとおして見られ、驚かせてしまったり……。
頑張っているのにうまくいかない不器用さが滑稽で面白く、笑いを誘います。
また通常はポップでかわいい絵柄なのに、ギャグ展開になると女の子たちが急に変顔になってしまうのもポイント。緩急のある展開に思わず吹き出してしまうはずです。
女性キャラクターたちとのちょっとしたエッチな展開も大切な見どころ。どの女の子も顔がかわいいだけでなく、性的魅力もたっぷりなのです。
輪子は幽霊なので直接触れることはできませんが、制服のままさかさまに浮いてパンツが丸見えになったり、雨の日に服が濡れて肌に張り付いたりと、何かしらのハプニングが描かれています。
後頭部の口に歯磨きされることに快感を覚える朽木など、ちょっと特殊な展開もあり……男性読者は心躍るのではないでしょうか。
ここからは、各巻のあらすじと見所についてご紹介します。まずは妖平と輪子が出会って友達作りを始める事となる第1巻です。
第1巻では主人公である妖平と輪子の、屋上でのラッキースケベな出会いから始まります。その後、関西弁でサバサバしているものの、可愛い女の子に対しては極めて変態的な嗜好を持つトイレの花子や、二口女として生きる事で頭の口から本音が駄々洩れになってしまう朽木といった、主要な登場人物が次々と登場します。
- 著者
- 中原開平
- 出版日
- 2017-11-29
全体的には1話完結型のコメディ展開が続き、そのなかで輪子の友達作りの方法を模索していくような話が中心です。
本人のコミュ障はあまり改善されていませんが、それでも少しずつ友人が増えていき、これからどうなるのか期待が高まります。
そんな第1巻の見所は、何といっても妖平と輪子の出会いのシーンでしょう。彼にパンツをガン見されるところからスタートという、壮絶な出会いから始まった彼女の友達作り。
あまりにもコミュ障を拗らせている輪子に頭を悩ませる妖平ですが、ポンコツながらに素直な彼女のために友達作りを手伝おうとしてあげます。
輪子のバカワイさが際立つとともに、妖平の人の好さが伝わってきて、主人公2人の個性がしっかり理解出来る内容です。
徐々にラブ要素が増してくる第2巻。本巻は冒頭に少しシリアスムードな、輪子が悪霊化するかもしれないという不穏な話から始まります。
しかし妖平は、無理矢理成仏させるのは間違っている、悪霊化するかもしれない時は自分がなんとかすると、男らしく言い放つのです。彼の主人公っぽさが光るスタートといえるでしょう。
- 著者
- 中原開平
- 出版日
- 2018-04-27
さらに、コメディ要素の強かった第1巻から、少しずつ妖平を中心とした恋愛展開が進んでいきます。その中心ともいえるのが、糖依なじみ(とういなじみ)という幼馴染の女の子です。
彼女は幼い頃に妖平と一緒に遊んでいたのですが、本巻から彼の学校に転校してくることになります。そんな彼女は幼い頃の約束もあって、彼に淡い恋心を抱いている様子。再開した彼に積極的にアプローチを仕掛けてくるのです。
なじみの登場によって、どんな波乱が巻き起こることになるのでしょうか。
また、二口女の朽木も、自分に対して世話を焼いてくれる彼に対し、満更でもない様子です。さまざまな思惑が交差する恋愛展開は、果たしてどんな決着となるのでしょうか。
そんななかでも見所は、なじみと輪子の奇妙な関係性についての描写です。なじみは先述のとおり、妖平に対して明確な恋心を抱いています。
対して輪子は、そんななじみが積極的に彼にアプローチをかける事に対し、理解しがたいモヤモヤ感を覚えるのです。
間違いなくそれが嫉妬であることは読者にもわかるのですが、コミュ障である彼女にはピンと来ない様子。そんな2人が、恋のライバルなのか、それとも友人として付き合っていくのか、微妙な距離感でおこなうやり取りは、ドキドキするもの。今後の2人の関係性に注目です。
かわいい幽霊の女の子たちが魅力の本作は、スマホの漫画アプリ「マンガPark」で無料で読むことができます。
幽霊ものですがホラー展開はほとんどなく、むしろ笑える物語。ラブコメ好きの方はぜひチェックしてみてください。「友達を作る」という純粋な目的のために行動するのもわかりやすくていいですね。
- 著者
- 中原開平
- 出版日
- 2017-11-29
幽霊系ドタバタラブコメをぜひご堪能ください!