美女たちの「玩具」となる男性が主人公の本作。タイトルからもその不穏さが感じられます。ひたすらエグイ拷問が描かれるので、美女と一緒にいながらも羨ましいなんて感情は湧かず、ただただ不憫に思うばかり。今回はそんな『皆様の玩具です』の魅力を紹介をしていきましょう。
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
- 2017-10-06
『皆様の玩具です』は、一人の少年が謎の美女たちに拷問されるさまを描いたサイコホラー作品。タイトルの通り「玩具」にされ、人権なんてないようなもの。いくら美女とはいえ、羨ましいなんて気持ちはまったく湧いてきません。
作者は『召喚獣になる!』を描いた石井康之。可愛らしい女の子を描くことに定評がある作者で、本作にも多くの美女が登場します。
そんな本作の魅力は、美女と拷問のギャップです。美しい女性が持つ性癖のアレコレが描かれ、それがいくら拷問といえども興奮してしまいます。
しかしその様子がエグすぎる。数々の拷問の発想にやや恐怖を感じるかもしれません。
今回はそんな『皆様の玩具です』の魅力と謎を紹介していきます。ネタバレを含むので注意してください!
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
- 2018-01-09
整った顔立ちから異性にモテる男子高校生・月宮ツカサ。しかし、彼は誰からの告白も受け入れず、さらには友人の誘いも断っていました。なぜならそれは母が亡くなったことで、父や弟のために放課後は家事をする必要があったから。
そんな生活を続けていたツカサでしたが、ある日にマスクで顔を覆った不審な人物に襲われ、見知らぬ場所に監禁されてしまったのです。
そこで待っていたのは5人の美女。そこからツカサが美女たちに、さまざまな拷問を受けて「玩具」にされる日常が始まるのでした。
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
- 2017-10-06
ここでは『皆様の玩具です』の見所であるエグイ拷問をいくつか紹介していきましょう。
・剃毛(1巻)
痛みとしては大したことないですが、男の尊厳とプライドが踏みにじられます。しかも女装をさせられたうえでアソコの毛を剃るどころかむしり取ってくるので、男性は思わず縮み上がることでしょう。
・オムツにお漏らし
これも痛くはありませんが、かなりの精神的なダメージがあることでしょう。なんせ小ではなく、大のお漏らしですからね……。しかも相手の前で目を見ながらさせられるので、心への傷は深く残ることでしょう。
・マイナス30度の部屋に放置
躾のため、パンツ一丁で極寒の部屋に放置されます。これは他の拷問とは一線を画すほど危険で、ツカサが危うく死にかけるほどでした。
この他にもさまざまな拷問が描かれますが、気になった方はぜひ確認してみましょう。目を覆いたくなったり、想像して鳥肌が立ったりするほどの拷問もあるので、読むときは注意してくださいね!
本作はひたすら拷問を描く作品ですが、同時にツカサが拷問を受ける理由や、女たちの正体が徐々に明らかになっていきます。その謎も本作の魅力のひとつです。ここでは、謎の整理とその現状でできる考察をしていきましょう。
①ツカサが拷問を受ける理由とは?
本作最大の謎ともいえるこの理由。現時点ではほとんど描かれていませんが、ツカサは「罰を受けるべき人間」といわれています。先述しましたが、ここにいる5人の女たちはどうやら過去にツカサと何かしらの関係があったようなのです。
そのため過去に無自覚ながらツカサが何をしてしまったのか、それとも単に忘れているだけなのか。このどちらかが現状では予測されます。ただ、こんな拷問をするほどまでに恨まれていることから、かなりの仕打ちをしてしまったのではないでしょうか。
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
- 2018-01-09
②なぜか弟を知っている
ここにいる者たちはツカサの弟のことを知っているようです。それも情報として知っているだけではなく、かなり詳しく知っている節があります。そのため、弟とも知り合いの可能性があるのではないでしょうか。これが表すことは何なのでしょうか?
③女たちの関係性
ツカサに何かしら恨みを持っているという関係性はありますが、それ以外の繋がりが見いだせません。「最終的な目標は皆一緒」と1巻で書かれていましたが、拷問のアプローチやツカサに対する態度もまちまち。いったい5人の女はツカサとどのような関係があるのでしょうか。
他にも細々とした謎や疑問が描かれる本作。単調に拷問だけを描くわけではないので、非常に面白い作品なっています!
中性的な顔立ちで異性からモテる男子高校生・月宮ツカサ。何度も告白を受けますが、そのすべてを断り、亡くなった母に代わって家事に勤しんでいました。
そんなある日、いつものように家で掃除や洗濯をし、夕飯を作って父と弟の帰りを待っていると、インターホンが鳴り響きます。宅配便かと思い、出てみると……、マスクをつけてバットを持った不審な人物が突然ツカサに襲い掛かってきたのです。
突然のことに反応できず、ツカサはその不審人物に気を失わされ拉致されてしまいました。そして、目が覚めると見知らぬ場所で、手錠をかけられていたのです。
そんな状態のツカサの前に現れたのは5人の美女たち。彼女たちは、疑問を次々に口にするツカサを容赦なく蹴りあげ、黙らせます。
そして、一方的に「これから私達に毎日拷問されます」と告げてくるのでした。しかも、その美女の中には、ツカサが憧れていた学校の先生までもいて……。
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
- 2017-10-06
1巻、開幕早々の拷問は、なんと憧れの女教師・桜野に顔面を蹴られてからの、オシッコ攻め……。いきなりの展開に、ツカサはもちろん、読者までもポカンとさせられてしまいます。そして、置かれた状況の逃げ場のなさを理解することで、その衝撃のあとからじわじわと恐怖が襲ってくるのです。
他にも鞭で体を傷だらけにされたり、女装させられてアソコの毛を剃られたりと、肉体的にも精神的にもさまざまな拷問がおこなわれます。
人によってはご褒美と捉える方もいるかもしれませんが、大多数の人がツカサが受ける拷問から目を逸らしたくなるでしょう。
ただ、時折拷問の一環としてエッチなシーンも描かれるので、ついついそちらから目を離せなくもあります。哀しい男の性ということでしょう……。
美女たちからローテーションでおこなわれる拷問に、ツカサは追い込まれていました。ゲームで負けたペナルティとして爪をはがされたり、下剤を含んだ料理を食べさせられたりと、美女たちはさまざまな手法で心を屈服させようとしてくるのです。
しかし、何度も拷問をされるうちに、ツカサはいくつかのヒントを得ます。ここに集まった美女たちは、自分と過去になにかしら因縁がある者たちで、ツカサが知っているはずの者だったと気づくのです。そこにツカサは一筋の光を見つけました。
そして過去に自分を好いていた者から手なづけていき、ここの支配者になろうと決意したのです。ツカサは5人の美女をオトそうと動き始め……。
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
- 2018-01-09
1巻に続き、さまざまな拷問が描かれます。なかでも顔をしかめるのは「爪を剥がす」拷問ではないでしょうか。この拷問に関しては誰でも容易に想像ができるため、リアルな痛さにぞくっとしてしまいます。やや現実離れしている他の拷問とは違い、痛みが想像しやすい拷問は鳥肌が立つことでしょう。
また、2巻では気になる設定が増えます。そのひとつが上記のように、美女たちとツカサが過去の知り合いだったということ。現状2人の過去しか描かれていませんが、おそらく何かしらの因縁があるからこそツカサに拷問をおこなっているのでしょう。
その理由ははたして何なのか、そして、彼女たちは最終的にツカサをどのようにすることを望んでいるのか、この先の展開が非常に気になる2巻でした。
美女たちから拷問を受ける日々も2日目に突入しました。桜野からの拷問で、家族から必要とされていないことを実感したツカサは、完全に心が折れた状態で朝を迎えます。
そんなツカサの前に、ツカサと同じ首輪をした亘冴香(わたりさえか)が連れてこられます。彼女は前回、ツカサをマイナス30度の冷凍庫に放置して彼を殺しかけてしまいました。拷問をする美女たちには幾つかルールがあるらしく、冴香には殺しかけたことに対するペナルティとして、一日拷問をツカサとともにする罰が与えられていました。
これから拷問を受けるというのに、意気揚々としている冴香。対照的に生きる気力を失ったツカサは暗い言葉を口にします。そんな悲しいこと言わないでという冴香を無視して、ツカサはどんどん自暴自棄になっていきます。
「死んでしまったほうが よかったよ…」
(『皆様の玩具です』3巻より引用)
すると、励ましていたかのように見えていた冴香が一転してツカサの首を絞めはじめ……。
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
- 2018-04-09
様々な拷問を受ける中で、しだいに知恵と工夫を凝らすようなっていくツカサ。精力剤入りラーメンや、1時間耐久チキチキサウナ我慢タッグマッチなど、厳しい拷問から、それって拷問なの?と突っ込みたくなるようなものまで、様々です。
そんな3巻は冴香との協力シーンも見どころとなっています。もちろん、協力といっても生易しいものではありません。ツカサは生き延びるために冴香のおしっこを飲んだりと、それ協力って言うより拷問なんじゃ?と思ってしまうようなことの連続です。
2人は拷問を耐えきることができるのか?さらに前巻に引き続き、どんどん明かされる美女たちの過去。
ツカサは美女たちを支配することができるのか。まだまだ展開の予測できない3巻でした。
冴香と協力し、綾女と争う計画を立てますが、事態は少しずつツカサに有利に動いていきます。冴香とツカサがイチャイチャしていると勘違いした綾女は、自分たちの目的がツカサを殺すことだと口走り、さらにここから出るのを手伝った者は殺されること、ツカサの首輪には発信機がつけられていることもあっさりと口にします。
とりあえず綾女をメロメロにさせて陥落させたツカサですが、そこからまさかの展開になり……。
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
- 2018-08-09
ここからどうやって出ようかと考えている矢先に、桜野から、まさかの外出OKが出ます。しかし、そこで待っていたのはさらなる地獄。ツカサが自分の帰る家を失ってしまうのです。
さらに3日後には監禁場所でツカサの急所を好きにしてもいいというルールになるならしく、作品の変態度がさらに上がりそうな予感。読者としては嬉しい展開ですが、気持ちいいことだけではないのは簡単に予想がつきます。
桜野の巧妙な罠によって、頼みの綱だった家族の信頼まで失ってしまったツカサ。さらにそのあと自分の頑張りがすべて一方通行で、誰にも必要とされない存在なのだと思い知らされます。そして最後にこの屋敷ならあなたを必要としているのだと洗脳され、そのとおりだと思ってしまうのでした。
その次の日からツカサは屋敷の住人に望まれる役になりきって演じるのですが、それが完璧すぎてみんなから距離を置かれてしまい、彼はさらに桜野に依存するようになり……。
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
- 2018-11-09
生きる希望を失い、判断能力がなくなったツカサは屋敷に自分の存在意義を見つけるようになってしまいます。しかしそこでの努力もことごとく空回りしてしまい、見ているこちらまで辛くなるほどに壊れていってしまいます。
しかしここまで壊れたからこそ、屋敷の住人の不意をつくことができたとも言える、希望を見つける機会を得るのです。そこでまだ自分は終わった訳じゃないと立ち上がることができました。
そこから再び屋敷から逃げることを考えるのですが、新キャラである桜野家の執事である五十嵐にある事実を告げられて……。
徐々に桜野の思惑が見えてきた5巻。ここからどうツカサが動くのかに注目です!
桜野は、綾女を殺害し、その犯人をツカサに仕立て上げる計画を立てていました。桜野曰く、綾女はそもそもそのために呼んでいたということでした。ツカサが悪人ではないことを知った皐は桜野の計画をツカサに話しますが……。
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
皐が桜野の差し金だと疑っていたツカサでしたが、身の上話を聞いて信用することとしました。
ツカサと皐は互いに信用し合い、綾女殺害計画を止めようとしますが、当日、皐が綾女を殺害してしまいます。そして、ご満悦の桜野が笑っていました。
皐はなぜ綾女を殺害したのか、初めからこのような計画だったのか、脅されているのか、謎が深まりました。
綾女を殺害した五十嵐ですが、その体には鞭で打たれた跡がありました。さらに、目覚めたツカサの目の前で、五十嵐が黒服に犯されているところを目にしてしまいます。
そんな頃、車のラジオからはこんなニュースが流れます。「大和綾女さん15歳が男に刃物で刺され死亡が確認された模様です。16歳の少年が執拗に大和さんを刺したとのことです。少年は現在も逃走中で…」
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
桜野の横暴さに抜けると言い出した水元。黒川茜はそれを制する。それから不在の桜野に代わって、茜が暇つぶしのゲームをはじめる。
誰かに殺してほしいということがアカネの本心だった。それを知ったツカサはすべてが終わった後で殺すことを約束し、脱出に協力するようにもちかけます。
亘を仲間に引き入れることに成功し、屋敷を脱出して桜野を殺害を決意したツカサと水元。しかし、一連の動きが黒川にバレてしまい、密室に閉じ込められてしまいます。
脱出するにはいくつかの過激なゲームをクリアしなければなりませんでした。
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
ゲームの中で、黒川はツカサに墜ち、味方へと引き込むことに成功しました。
黒川の知るカメラに映らずに侵入できるルートから屋敷に侵入します。たくさんのボディーガードたちに行く手を阻まれますが、ツカサたちは綾女を殺害するという目的を達成できるのでしょうか。
ボディーガードたちに襲われたツカサたちですが、亘の活躍もありなんとか切り抜けます。そして一行は屋根裏から侵入し、寝込みを襲って綾女を殺す作戦に出ます。
しかし、綾女はすべてを察知していて、返り討ちにあってしまいます。
- 著者
- 石井 康之
- 出版日
綾女の本当の目的が明かされ、彼女との戦いも激化していく中、綾女を本当に殺害することができるのでしょうか。
そして、ツカサが狙われることとなった理由とは。
凄惨な表現や展開もありますが、最後にどのように物語が完結するのか、気になる方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。